1. 回路
黒沢監督の今までの作品があまり好きではなかったのですが、これは当たりでした。世の中に張り巡らされた「回路」の中で生きる上で湧き出てくるオブセッションを、非常に上手く隠しつつも見事に表現した作品です。映画の構造、隠された意図ともに、ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」に酷似していますが、扱っている題材がまったく異なるのでほとんど気にならず。映像の恐怖の裏に隠された、さらにもう一つの恐怖を見つけるのはホラー映画の醍醐味ですね。それゆえ写し出される映像を単なる現象として把握してしまうと理解が難しい映画かもしれません。まさに予定調和の大団円に辟易してる人向けです。 9点(2002-06-06 17:42:58) |