2. キリング・フィールド
目をそむけずにもっとたくさんの人に観てもらいたい作品です。ここに描かれた狂気の世界はほんの数十年前の現実の世界です。ポル・ポトによる大虐殺をかなり忠実に映画化しているのではないでしょうか。当時、国民の4分の1にあたる人々が殺され、人間ではなく名前も無いひとつの個体として生きることを強いられたカンボジアの人々の現実がよく伝わりました。カンボジアで処刑場などを見て、本田勝一の「検証カンボジア大虐殺」を読んで、最後にこの作品を見たら人間という生物の底知れない恐ろしさに背筋が凍りました。クメール・ルージュの中でも「これは違う」と思い始めた人を仲間内で殺していく。恐ろしいと思いました。証言によるとクメール・ルージュは死体を畑の肥料にしていたというのですから、まだまだこの映画でも描ききれてないところがあるかもしれません。それにしてもアメリカという国は・・・。あの国の言う正義という名の内政干渉がどれだけ多くの国々を苦しめる結果になったかわかっていない。主人公がそのアメリカ人であるというところが皮肉です。悪でもあり、正義でもあるということでしょうか。 10点(2002-11-08 18:06:04)(良:1票) |