21. クライモリ(2003)
殺人鬼が出てくる場合、まず気になるのがその武器です。ナイフ、斧、ハサミ、チェーンソー…。いかに観客に“驚きと痛みを伝えられるか”工夫のしどころです。本作で最初に使われたアイテムは有刺鉄線。これは痛い。それにちょっと面白い。滑り出しは好調です。その後もオーソドックスながら、ツボを押さえた展開でハラハラドキドキさせてくれました。不自然な流れで攻守逆転が起きなかったのも良かった。ただ個人的には、殺人鬼が単なるモンスターにしか見えなかったのが残念。モンスターではなく、人間に襲われるから怖いのだと感じます。それでも、短時間で手軽に楽しめむ分には十分な出来だと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-13 19:12:52) |
22. クロスファイア(2000)
能力者としての苦悩があまり伝わって来なかったのが一番きつかったと思います。人を殺すことに対して、簡単に開き直りすぎ。矢田亜希子にこの役は荷が重すぎた気がします。展開も粗く、全体的な浅さは否めません。ただ、警察署内で火がついた書類が舞う場面やクライマックスの爆発シーンは見ごたえあり。邦画でこれだけ迫力ある画はなかなかお目にかかれません。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2006-10-09 00:05:08)(良:1票) |
23. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル
《ネタバレ》 架空のヒーロー「アクション仮面」が現実のヒーローになるお話。フィクションと現実のギャップに、ヒーローが悩み、葛藤するというのがお決まりのパターンだと思いますが、本作の場合はあっさりリアルヒーローになっちゃいます。その辺は子供向けアニメのご愛嬌。アクション仮面が普通に強い。実戦で使われるカポエイラを初めて見ました。見所はなんといってもクライマックスの大空中戦。大胆な構図には迫力があり、宙を舞う重力感も爽快で、見ごたえ十分でした。クレしん映画というと、『オトナ』『戦国』の最強2トップが注目されがちですが、本作も気軽に観られるアクション娯楽作品として上質だと思いました。おバカ要素も満載です。ただいつものことですが、素顔のアクション仮面の声だけは違和感がありました。玄田さんの声を聴くとどうしてもマッチョな州知事の顔が浮かんでしまいます。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-25 18:23:04)(良:1票) |
24. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
昭和のおもちゃ、レトロ家電、映画3丁目の夕日など、今「懐かしもの」ブームのようです。過去を振り返り「あの頃は良かった」と思いを馳せる。現実が厳しければ厳しいほどそれは心地よい行為です。現代人にとっては必要不可欠なのかもしれません。そして本作も「懐かしさ」がキーワードとなっています。登場する悪役は「古き良き昭和の時代」に世の中を戻そうと巧妙な手口を使って大人たちを誘惑します。心奪われるひろしやみさえ達大人。とうちゃんとかあちゃんを取り戻す、しんのすけ達のたたかいが始まります。昔を懐かしむことは決して悪いことだとは思いません。しかしそのベクトルが後ろを向いていることも忘れてはいけません。「昔は確かに良かったけれど、今だってそんなに悪くないよ」野原一家がそう教えてくれます。もしこの作品が実写だったら、気恥ずかしくて見ていられないかもしれません。「クレヨンしんちゃん」だからこそ素直に心に響いてくるような気がします。子供から大人までお勧めですが、これから親になる方(小さい子供をお持ちの方)には、何としても観ていただきたい、家族の絆に心打たれる傑作です。 [DVD(邦画)] 9点(2006-04-21 23:55:39)(良:4票) |
25. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
このサイトであまりに評価が高いので観ることにした作品です。いやー驚きました。もともと初期の宮崎駿作品や劇場版ドラえもんの質の高さは知っていたので、アニメに対する偏見はなかったつもりですが、劇場版のクレしんがまさかこれほど素晴らしいとは。笑いあり涙ありの感動作で大人の鑑賞に十二分に堪えます。さらに驚かされるのはその時代考証の精密さ。下手な時代ものを遥かに凌駕するものでした。たぶん本来のクレしん映画からは外れる(ルパンシリーズにおけるカリオストロのようなもの)のかもしれませんが、こういう一般大衆を引き付ける作品がシリーズに1本あるだけで、他の作品を芋づる式に鑑賞する観客もいることを考えると、クレしんシリーズ作品としても非常に価値が高いと思います。自分にとってはこの作品をきっかけに映画だけでなくクレしんを観るようになった非常に大切な作品です。 [DVD(邦画)] 9点(2006-04-18 18:26:51) |