1. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
《ネタバレ》 とあるきっかけで、観よう観ようと思いつつも未だ未見だった作品を鑑賞。世の中の高評価は間違っていませんね。2時間余り、どちらかと言えば淡々とした流れながらも息つく間もなく惹き込まれました。 物語的には決して斬新と言うこともなく、主人公の青年の生き様にしても荒れた生活を送りながらも決定的に落ちてしまうこともない。寧ろトントン拍子的に運が舞い込んでいる感じさえ受けます。それでも惹き込まれる本作。間違いなく言えることは出演者たちの魅力なのでしょう。 若かりし頃のマット・デイモンとベン・アフレック、キャスティングがどハマりのステラン・スカルスガルド、そして存在感がハンパないロビン・ウィリアムズ。特にロビンさんの登場シーンを境に作品世界の見え方がガラッと変わりました。今居ないことが本当に惜しい。 そして、ショーンがウィルに「君は悪くない」と詰め寄るシーンは、多くの皆さんと同様、私も感涙でした。ウィルが心ならずもスカイラーに「愛してない」と告げるシーンも泣けた。ラスト近くのチャッキーがウィルをいつものように迎えに行くも既に彼は去った後という伏線回収的シーンも良かったですね。いや、心に残るシーンは他にも数多く、総じて言えば私的には名作そのものでした。 ただ、繰り返しになりますが少々都合よく物語が進み過ぎる感じも無きにしも非ず。なので満点からちょっと引いて9点献上します。 [インターネット(字幕)] 9点(2024-09-03 15:43:53)(良:1票) |
2. クイール
《ネタバレ》 縁あって今更にしてネットで鑑賞しました。原作、NHK版ともに未読・未見です。先輩諸兄のレビューは読了しました。 動物ものは幼い頃から好きです。幼い頃は概ねディズニー作品でした。ただし、動物ものを好きでも実話ものは苦手です。何故ってかなりの比率でそこには悲劇があって、実話だから余計に悲劇性を感じてしまうからです。フィクションの悲劇はフィクションだからと割り切れても、実話の悲劇は厳然として既に存在してしまっていてそのまま受け入れざるを得ないからです。 本作は実話ベース。しかも「ベース」と言うより「実話」そのもの。ただしドキュメンタリーではない。そこに引っかかってしまいました。ドキュメンタリーであればまんべんなく現実を受け入れつつ鑑賞出来るのに、実話のドラマ化ということだとどうしても脚本が存在し、当然その脚本に沿って見せられてしまう。それを作り手の解釈と表現と言うべきなのか、(言葉は悪いのですが)感動・感涙の押しつけと言うべきなのか。ドキュメンタリーならば号泣していたかも知れないこのドラマが、妙に空々しく感じてしまったのでした。そして後に残ったのは「クイールは幸せだったのだろうか?そもそも犬自身が感じる犬の幸せとは何なのだろうか?」という絶対に答えを得られない疑問でした。 盲導犬の啓発映画として+1点、クイールの健気さと可愛らしさに+1点、俳優陣の自然体の演技に+1点、全く関係ありませんが冒頭いきなりチョイ役的に登場した名取先輩(学校の先輩なのです)に+1点、ベタなコメディ要素に-2点等々悩み抜いた末の5点献上です。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-08-16 09:56:59)(良:1票) |
3. クレイジー・デートナイト
《ネタバレ》 急いで手に入れたモノ(この場合は中古車)に、それ自体からは想像出来ないような価値があり(この場合は大量の札束とコカイン)、本来の所有者(この場合はギャング)に主人公がブツと命を狙われる羽目になる。という設定自体は決して目新しいものではありませんが、スピーディな展開とまんべんなく散りばめられたコメディ要素、そして少々コテコテと言うかウザったいながらも魅力的とも言える登場人物のキャラクター。尺も丁度良く大いに楽しませていただきました。 配信サイトの紹介文に「まるでタランティーノが手掛けたかのよう」といった一文がありますが、そこまでブッ飛んだテイストではなく結構堅実なアクションコメディ作品ではないかと。7点献上します。 ちなみに、途中巻き添えを食ってしまうクライスラーが青春の思い出だった老夫婦。唯一気の毒でした。悪党たちは自業自得。そして主人公カップルはお幸せに。 (追記)原題はシンプル過ぎて今ひとつですが、かと言って邦題は「まるでタランティーノ」を引きずっているみたいで少々欲しがり過ぎでは? [インターネット(字幕)] 7点(2024-07-04 14:58:26) |
4. 暮らしの残像
《ネタバレ》 これはアパートの一室で代々の住人が過ごして来た時間についてのパラレルワールド的、SF的な考察なのか?それとも、アパートの一室という空間で生きて来た人々の存在ついての哲学的な考察なのか?アプローチは面白いですね。 買い物して来て鍋を皆でつついてみたいな日常性と非日常性を絡めた演出でカオスな空間を表現以外にも、ファンタジー的、あるいは理念的な世界観で表現することも出来るかも。物語の深みをより一層際立たせる演出がありそうにも思え、この謎めいた物語は尺に応じてアレンジし甲斐がありそうです。急展開のラストはちょっと直球気味。だから何故?と思わせてくれる余韻が欲しかったように思えました。 終盤の説明的台詞の入り具合と、全編通じてのコミカルなエッセンスの入り具合が少々好みではないので5点献上に留めますが、この監督さん(東かほりさん)の他作にも興味が湧いた1本でした。 [インターネット(邦画)] 5点(2024-05-24 19:45:36) |
5. クロノス 記憶の転送
《ネタバレ》 主人公のクロノスは所謂マッドサイエンティストなのでしょう。自らの記憶の刷新に拘泥していますがその理由は不明。クロノスが施設に送り込んだタナトスは同じくマッドサイエンティスト的なキャラクターながら理性を維持している存在。クロノスの暴走をタナトスは阻止しようとして排除されてしまう訳ですが、二人の関係性が不明瞭。 そして実験に失敗して記憶を失ったクロノスが何故か酒を飲めば何とかなると思いつき酒屋に行くという謎の流れ。更にそこに登場する物語のキーマン、というほどでもないけれど重要な役割を負う酒の密売人オグ。このキャラが何にせよウザい。何でクロノスに粉骨砕身して協力するのか不明。住処が欲しいだけ?それにしちゃ重労働。足が不自由なのに。 更には謎の兄弟とか登場して最早カオス。そもそも他人の記憶を吸収して再構築と言ったって一人分だって大変だろうに死体を何体使ったことか。そんな膨大な情報量を詰め込めばおかしくもなりますよ。それにしちゃ思い出シーンが貧弱ですが。 神話由来と思しき登場人物のネーミングもまた謎です。作り手は何らかの意図を持って採用したのでしょうけれど。 一言で言わせていただければ「取っ散らかってアイディア倒れした作品」です。肝心のアイディア自体も決して斬新とは言えず、限りなく1点に近い2点献上です。 [インターネット(字幕)] 2点(2024-05-07 14:04:34) |
6. クリニカル
《ネタバレ》 終盤に至るまで何が真実なのかが上手く包み隠されていて、ミステリー要素やホラー要素を備えた見応えのある心理サスペンスだと思いました。ヒロインのPTSD、謎めいた男アレックスのPTSD、それぞれの過去が交錯する作りは、そこそこ強引ではあるものの十分練られていると思えます。 ただ、肝心のヒロインに今ひとつ感情移入出来ません。精神科医療のメソッドに詳しい訳ではないので良く解らないところですが、患者に対してのどうにも強引で指導者然とした態度には疑問ばかり感じてしまいました。そのくせ自らの弱点は認めようとしない。その結果、気が付けば再び酷い目に遭っている。そもそも原因はアナタにあるんじゃない?ぐらいに思えてしまいました。 結局一番可哀そうなのはノラ。そして巻き添え食って殺されてしまった恋人や友人、知人。ラストシーン、アレックスの死体を見る彼女は何も考えていないように思えて仕方ないのは私だけでしょうか?直後に流れるクリスマスソングが何とも空虚でした。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-05-01 14:55:15) |
7. クリープ
《ネタバレ》 POV作品も随分と増えました。本作は後発作品と言って良いでしょう。それにしては捻りがないのです。どこまでも直球勝負。思わせぶりな凶器が開始間もなく登場。思ったとおりそれが凶器、というのもストレート過ぎる気がします。 早い段階でジョセフの異常性が明らかになり、その時点で何となく結末が見えてしまう作品。それが何よりストレート。どんでん返しが欲しかった。アーロンも撮影が終わり帰ろうとしたまでは良かったものの、ジョセフの執拗な誘いを断れずに一杯飲んでしまったところで「あーあ」という感じ。クルマのキーを失った段階で死亡フラグが立ちあがり始め、アンジェラの電話を信じなかった段階でフラグ確定。そのあたりもストレートに過ぎるところです。 決して退屈などしないで集中して観ることが出来たのにも関わらす満足感は伴わない。勿体なさを感じる作品でした。 それにしても被害者の多いこと。ビデオ時代からDVD時代まで。一体何本(何人分)「トロフィー」があるのやら。隠してるなよ、アンジェラ!というのが最終的な感想です。 [インターネット(字幕)] 4点(2024-04-26 12:08:11) |
8. クーリエ 過去を運ぶ男
《ネタバレ》 ジェフリーさんが主演なので観た作品。結局それだけだった作品。と言うのは言い過ぎかも知れませんが兎に角脚本に難ありです。 最後のどんでん返しありきで、主人公が雲を掴むようなミッションをあまりにスイスイとこなしていく安易な展開はどうなんでしょうか?ヒロイン的出演のジョシーさん(お肌の綺麗さばかりに目が行ってしまった)との関係性も極めて安易。主人公に迫り来る危機の迫り具合も安易。拷問された主人公の脱出劇も安易。(名の知れた殺し屋サイコ夫妻が銃を置きっ放しにする?ユルユルの拘束する?)などなど例を挙げればキリがない。超予定調和乱発ドラマです。冒頭のカットで緊迫感ポイントを使い切ってしまった感じ。 せめてどんでん返しに向けての伏線ぐらい張って欲しかったところですが、そもそも主人公が「クーリエ」って呼ばれてる、つまりは名無し状態ってところぐらいが伏線なのでしょうけれど、それだって日本語訳にしちゃえば定冠詞の存在が判らず名前みたいになっちゃってる。だいたいからして記憶喪失という設定(ですよね?)にも相当無理がありますし。 と言う訳で、あまりに深みのない、てか思いっ切り浅いサスペンスにガッカリし過ぎてしまい、ジェフリーさんの主演に免じてさえも2点献上が限度です。 [インターネット(字幕)] 2点(2024-03-13 11:53:37) |
9. 来る
《ネタバレ》 主人公が死んでは入れ替わっていく構成。そして、視点が移り変わっていく過程で物語の裏側を見せて行く。人間の弱さ愚かさ、虚飾に満ちた生き様。出演者各人の振り切った演技にも支えられた魅力的な作品ではあります。 ところが、ホラー作品として観れば、本作はコテコテのジャパニーズホラー流演出のオンパレード状態。冒頭のカットでお約束の如く虫が這いまわったりして、思いっきりジャパニーズホラー感を投げ付けられては個人的には引かざるを得ませんでした。 一方、必要以上の物量攻撃的な流血っぷりや登場人物の過激な死にっぷり、そして何よりラストの超自然的バトルからは、洋画悪魔系ホラーのエッセンスを感じさせらます。加えて、設定やら何やらアニメの実写版かと思わせられるような極端な非現実感を伴います。 要は、ヒューマンドラマ的な部分では魅せられつつもホラーとしては失望させられてしまう作品。少々テンコ盛りし過ぎたのでは?と感じざるを得なかった作品でした。原作を読んでから観た方が良かったのでしょうか?否、読まないで観た方が正解なのか?微妙なところです。 [インターネット(邦画)] 4点(2024-01-06 00:02:30) |
10. 食われる家族
《ネタバレ》 主人公は、妻が目の前で轢き逃げされ死亡してしまったことのショックに加え、犯人が未だ捕まらないことによる苦しみも加わり、極めて精神的に不安定な状況に陥っています。知人の精神科医に受診しているものの、服薬管理もままならず、最早限界といった状況。 そこに突然現れた25年間行方不明になっていた妹を名乗る女性。彼は、遊園地に遊びに行った時に一時的に母親に妹の面倒みるよう託されたものの、うっかり繋いでいた手を離してしまったがために妹が行方不明となったことを常に気に病み続けていたものの、何か違和感を感じてしまい心から受け入れることが出来ません。 ありがちなサスペンスものだと、妹を名乗る偽者の目的は富豪である両親の資産であり、まんまと実家に入り込んだ上に何らかの手段で相続権を独占し、いずれは両親を亡き者としてしまう、みたいな展開かなと思うところです。 がしかし、本作はそこからがまさかの展開。何と偽者は資産目当てではなく姪が目当て。それも新興宗教の信仰の対象として。金欲しさの犯罪ではなく宗教団体の組織犯罪だったということです。 2023年という今の時代にたまたま鑑賞したので、リアルタイムで韓国の宗教団体の問題が取り沙汰されているだけに、あたかも自虐ネタなのか?と思ってしまいそうですが、この作品の製作時である2020年時点は現在とは少し状況が違っていたと思いますので、それは考え過ぎでしょうか? という訳で、詐欺犯罪系のサスペンスかと思いきや、オカルト系サスペンスとでも言うべき本作。主人公が偽の妹とその仲間たちに追い詰められ、警察からは被害者どころか加害者と見做されてしまい、最早これまでという状況から起死回生の脱出劇。終盤は少々強引かなと思えないこともありませんが(主人公の行動を警察が不問にするとも思えず)、見応え十分のサスペンスに7点献上します。 ちなみに、直接的過ぎの感がある原題より、邦題にセンスを感じます。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-11-09 15:56:00) |
11. グッド・ナース
《ネタバレ》 実話ベースの作品は、悲惨な話程、実話であることの恐ろしさが先んじてしまい映画としての素晴らしさが隠れてしまうことが多いように感じていますが、本作に関しては一切そんなことは感じませんでした。 まず、エディ・レッドメインとジェシカ・チャステインの演技が素晴らしい。鬼気迫る不気味さを時折り見せるエディが心底恐い。エディへの感情と正義心の間で揺れ動くジェシカが演じる儚くも力強い母親もまた素晴らしい。脇を固める俳優陣もそれぞれに味わい深いのですが、主演の二人が突出していると感じました。 そして物語そのもの。これが実話?被害者数の多さの異常さもさることながら、そこまで被害が拡大したことの背景にある病院の裏の顔 が恐ろしい。決して大昔の話ではなく、しかも世界をリードする先進国家での事件。実に恐ろしいことです。 更には、結局は明らかに出来なかった犯人の動機。作品では「誰も僕を止めなかったから」と呟きますが、それは作り手の病院批判であって、チャーリーの本質はそこにはないように思えます。類似の事件は我が国でも起きていますが、共通するものがあるのだとすれば、より一層身近な恐怖を感じざるを得ないところです。 比較的淡々と進む物語。2時間という尺は長過ぎるとも感じますが、ある意味未解決の実話を描くにはまだ足りないとも思えてしまう深い闇の物語でした。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-09-09 15:00:23) |
12. グリーンランド -地球最後の2日間-
《ネタバレ》 問題を抱えた夫婦。愛くるしく賢く、しかし病弱な一人息子。突如襲い来る天変地異。必死に生き延びようとする家族に次々と襲い来る試練。そんな中、深まる家族愛。そして奇跡的に窮地を脱しハッピーエンドへ。デザスター作品の王道を行くような流れですね。 とは言え、一部の特権階級が生き延びようとし一般市民は置き去りにされる中、数々の苦難を奇跡的に乗り越え尊い犠牲を払いながらも主人公たちが生き延びる、みたいな単純に主人公ありき、何でもありの展開ではなく、本人が意図することなく政府に選抜された、いわば選ばれし人々である主人公家族が、思いもよらずふるい落とされ、それでも諦めず這い上がり生き延びるという展開に、地味ながら若干の目新しさを感じました。 ただし、基本はやはり王道の流れ。ハッピーエンドに持って行くには当然ですね。主人公は多少痛い目に遭おうと死んじゃあいけません。最悪でも妻子だけは助からなきゃ。こんな大災害を現実的に描き切ったら人類絶滅、地球壊滅、主人公家族どころか誰一人生き残れません。それじゃあエンタメ作品にはならないわけで、悲観的になるばかりで面白くも何ともないです。だから、これで良いのです。 敢えて不満を言わせていただければ、ラストシーンは不要な気がします。たった9ヶ月で太陽の恵みが大地に降り注ぎ、生き残った鳥たちが空で囀る?そりゃやり過ぎでしょう。だいたいからして、本当の苦難はこれから。復興には何世紀もかかるでしょうし、結局は復興ならず次の数ヶ月で人類絶滅、の可能性の方が大きいかも知れない。シェルターの扉が閉まり、地響きと轟音の中で場面が暗転し、静かなBGMを背景にエンドロールが流れる。後はご想像にお任せします。そんな終わり方の方が良かったような気がしてなりません。 全体的には見応え十分な作品だとは思いますが、ラストシーンで1点マイナスです。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-08-09 23:19:58) |
13. クワイエット・プレイス 破られた沈黙
《ネタバレ》 シンプルに面白かったです。前作同様の緊迫感に浸りながら前のめりで鑑賞しました。 ただし、連続TVドラマ的な展開ですね。新たな発見はあまりないし、決定的な希望も見出せない。前作もプツッと終わった感じでしたが、今回は更に唐突にブツッと終わる感じでした。どう考えても続編が予想されると言うか、寧ろ必要と言うか、2作併せて連続TVシリーズのパイロット版的と言うか、続きを見せてよ、もっといろいろ展開してよと言いたくなる作品でした。 以下、若干の疑問点を挙げさせていただきます。 ・冒頭の「1日目」で、父親はいきなり襲来した怪物が音に敏感なことを何故知ったのでしょうか? ・初見の怪物から娘を連れて逃げるお父さん、娘から手を離しすぎ目を離しすぎです。 ・親子は裸足で移動してますが、スニーカーとかラバーソールの靴だったら音は心配ないのでは?そもそもお母さん足に怪我してるんだし。子どもたちだって怪我しそうだし。 ・山頂の工場に立て籠もっていた友人が「生き残った人間がどんなやつらなのか俺は見て来た」みたいなことを言っていたので、港の一団が凶悪な集団なのはすぐ判りましたが、女の子を品定めして迷わず拉致する割には男は放置して生かしたまま去ると言うのは何だかちぐはぐな行動ではないでしょうか? ・怪物は泳げないくせに自ら海に飛び込んで襲おうとして溺死?生存本能低過ぎます。 ・赤ちゃんは本物でしょうか?扱いを見る限り演出上の許容範囲を超えているような?CG?それともロボット?(ネット上で情報を見つけられませんでした) 3作目は製作決定しているようですが、是非いろいろ解決して欲しいところです。(3作目が早く観たいというラブコール) [インターネット(字幕)] 7点(2023-03-19 11:18:17)(良:1票) |
14. グローリー
《ネタバレ》 南北戦争を題材にした作品というと幼い頃に観た西部劇を連想してしまうのですが、この作品はアメリカ初の黒人による部隊を描いたものであり、初めて知る史実でした。かつて観た西部劇の世界とは全く異なる切り口。黒人差別が当たり前のように存在していた時代にあって、始めは本心では黒人の文化等に馴染めていなかった主人公が、やがて命を打ち捨ててでも先陣切って彼らとともに戦っていくように変わっていく姿は感動的です。 ただ、兵士が作戦上消耗品のように扱われていた時代の戦争ものは個人的に好みません。洋の東西を問わず、人海戦術に頼り次々と倒れていく兵士の命が軽んぜられていたかのように思えてしまう戦い(現実がどうであったのかは知りませんが)には、個人的に嫌悪感ばかりが先立ってしまいます。主人公にしても、黒人兵士たちにはそれぞれの人生があり家族がいることを知りつつも、彼らを過酷な任務に敢えて送り出したという判断は手放しには賛同できません。 最後の作戦は殆ど自殺行為。思いは理解出来ないこともないのですが、何か選択肢が異なるように思えて仕方ない。平和な時代に画面越しに映像作品として観ている身としては、到底当時の真実や価値観といったものを知る由もないのですが、それでも違和感を感じざるを得ません。 デンゼルさん、モーガンさん、マシューさんを始めとした出演者たちの素晴らしい演技に支えられ、最早名作と言っても過言ではない作品とは思いますが、どうしても戦争の悲惨さからは少々距離があるように思えてならず、7点献上に留めます。 [インターネット(字幕)] 7点(2023-01-13 18:37:00) |
15. クワイエット・フォレスト
《ネタバレ》 難解と言うべきなのか、訳が解らないと言うべきなのか、はたまたバラバラで纏まりのない作品と言うべきなのか?それとも単に私の読解力不足なのか? 終始太陽の存在を感じさせないモノクロのような色調の世界は、北欧の作品を見ているのかと見紛うような、静寂に包まれた美しささえ感じる風景です。メキシコ映画であることは勿論、フランス合作であることも忘れてしまいそう。 ただし、出演者たちも魅力的だしビジュアル的には良いと思うのですが、いくらなんでも説明不足。いつの時代のどこなのか?一家は何故こんな暮らしをしているのか?強いられているのか自発的なのか?森の中の朽ち果てたピックアップを見ていると、人類が壊滅的なダメージを受けた終末世界なのかとも思えてしまいます。 時折り聞こえて来る怪物の咆哮、それに合わせるかのように音を発する父親の部屋の屋根裏にある装置。動くと有毒物質でも噴出するのか?だから虫が落ちる?長女が体調を崩す?誰も山小屋に近付かない? そもそも怪物は存在するのか?しないとすれば父親は誰に襲われたのか? 終始疑問が尽きることのなかった一時間半。決して面白くないということはないのですが、何を言わんとしているのか、掴めないままエンディングを迎えてしまいました。 やはり私の理解力不足・考察力不足なのでしょうか? ちなみに邦題。こりゃダメでしょう。ジャケットのコピーも含め。あの作品とはまるで違うし、そもそもそんな設定あるようには思えないし。 [インターネット(字幕)] 5点(2023-01-10 11:49:50) |
16. グッドナイト、マミー(2022)
《ネタバレ》 美しい田園風景、洒落た造りの邸宅など、むしろ温かみを覚えるようなビジュアルに反して、いたいけな幼い兄弟が主演の作品とは思えない不気味な雰囲気が漂います。 突然、父親に連れられ母親の家を訪れる幼い双子の兄弟。父親は「まだ会えない」と言い母親に会うことさえなく二人を残して帰ってしまう。それでも子どもたちなりに母親との再会を喜び、無邪気に甘えようとする二人。しかし、女優として活躍していた美しい母親は、顔を包帯で包み言動や行動もおかしい。 なりゆき的には、実はその女は母親ではなく母親は既に殺されているのでは?という展開を予測してしまいそうです。実際、母親は包帯姿だけではなく行動にも言動にも異様さが漂う。子どもたちは違和感を感じずにはいられない。 ところがその後の物語はじわじわと異なる方向に。母宅から逃げ出すことも叶わず、ついには母と名乗る女を拘束し、手荒な真似をしてでも真実を聞き出そうとする兄弟。けれども兄弟の熱量には大きな隔たり。信じるべきは誰の言葉か? 元のオーストリア版は未見。予備知識なしに観ましたが、結末を知り、遡って見直してみると、伏線が様々散りばめられていていろいろと理解・納得出来ました。 良く出来たサスペンスドラマ。「恐さ」よりも母親に対しての「何故?」という疑念が先行してしまい、肝心要、主人公である兄弟の置かれた状況に考えが及びませんでした。 ただ、結末を知ってしまうと、そもそも何故子どもたちが母親宅に連れて来られたかという基本的な部分に大きな疑問が生じてしまいます。 母親とエリアスはともに心を病んでいると思われます。特にエリアスは治療中と思われます。社会復帰のリハビリとしてエリアスと母親を父親や第三者の目の届かない郊外の住宅で生活させるような判断を下す主治医がいるでしょうか? 基本的な設定に疑義が生じてしまい、スリリングなエンターテインメントとしては文句なしに面白いのに、観た後なにか不完全燃焼感が残ってしまいました。 6点献上かなと思いつつも、ナオミ・ワッツが好き過ぎて7点献上します。 [インターネット(吹替)] 7点(2022-12-21 14:00:11) |
17. クロール -凶暴領域-
《ネタバレ》 思いがけない佳作に思わず高評価です。 予備知識なしでの鑑賞だったので、縁の下でワニが出た時には正直ビックリ。でも、そりゃそうだね。増水している川岸の家、しかもフロリダ。そりゃワニ大量発生も止む無し。 ワニの使い方が上手い。ワニの横顔が通過していくあたりは「ジュラシックパーク」で見たティラノやラプトル的な恐ろしさ。声もたてず足音もたてずに移動しているところがやたら怖い。ヒロインに嚙みついてローリングするなんて相当現実味がある。 確かに都合が良すぎる展開や演出はあるけれど、その一方でヒロインの行動や言動、感情の動きはやたらと現実味に溢れている。 都合よすぎる展開と、都合が悪すぎる(現実的な)展開のバランスが素晴らしい!じっくり見入ってしまいました。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-10-09 20:19:00)(良:1票) |
18. クレイジーズ 42日後
《ネタバレ》 邦題の「42日後」に何となく既視感を覚えつつ観始めると、何やらチープな雰囲気のオープニングタイトルとそれに続く若干のサービスカット。そして事態が始まった後の主人公の妙に速やかな現状把握ぶりと唐突なパニック状態。もしやトンデモ映画か?!と思いつつ観進めると、決して斬新ではないストーリーながら、これから一体どう展開していくのかという期待感もあり結構作品世界に入り込めました。 冒頭のシーンが中盤で登場しますが、勿論そのままお亡くなりと言う訳もなく、寧ろそこからが「Alone」からの脱出。殆どアパート内で物語が進むのでスケール感はいまひとつながら、適度な緊張感をもって楽しめました。 そして突然のドナルド・サザーランドさん登場!ささっと登場し、お約束通りの展開で退場。語る言葉には重いものがありますが、作品全体の中での重要性を思えば、何だか勿体ないような…。御本人は納得して受けたキャスティングなのでしょうか? 途中、唐突に登場し(目の前に住んでるんだから元々知らなかったの?彼女の方はチェックしてたのに)、主人公を「Alone」から解放してくれるエヴァ。命からがら合流した二人がこれからどうなって行くのか?続編はないでしょうけれど、ウィルス蔓延による世界崩壊とまではなっていないようですし、お先真っ暗という結末ではありません。人は皆一人では生きていけないのだよ、ということなのですね。 ちなみに、Netflixオリジナルの韓国映画で「#生きている」という作品が本作と同一年に公開されていて、同一脚本で製作されているとの情報があります。そちらの作品は未見ですが、ネットでいろいろ読んでみると確かにほぼ同内容のようであり、本作について数多くの酷評が見受けられますね。 リメイクなのかとか同時製作なのかとか、事の経緯を知らないのでここではノーコメントにしておきます。 (追記)それにしても何と言う国内版DVDのジャケ写!いや、ジャケ写どころか書かれているコピーが概ね中身と違う!ジャケ買いしたら怒りそうです。更に下の方(帯?)に描かれている絵が本作と関係ないだけではなく類似邦題の別作品と酷似!配給元もDVD販売元も違うのにこれって大丈夫?他人事ながら心配になるレベルです。そもそも、邦題からして既視感×2ですしね。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-06-23 22:31:53) |
19. グッド・ネイバー
《ネタバレ》 皆さんご指摘のミスリードの部分は確かに好ましくないのですが、取り敢えずは脇に置くとして、優れたヒューマンドラマと受け止めました。 作品中では直接的に表現されていない部分が実に重い。 老人が亡くなった妻に対して死をもって償いたいと思うぐらいの後悔の念。妻が末期がん(おそらく)で最期の時間を自宅で安らかに過ごすため、退院して帰って来た時の老人の思い。夜中に独りリビングで踊る妻の思い。老人はどれだけ妻を苦しめてしまっていたのか。一体どれだけの時間、地下室で妻とそして自分と向き合って来たのか。 ショーンは両親の離婚の後、どれだけ苦しんで来たのか。非行に走り自暴自棄になりながらも、本当の悪には手を染められなかった彼の思いは、両親の争いに好意で関わった老人への逆恨みでは決して救われることはないのに、そうせざるを得なかったのか。またその際、共に助け合い支え合って生きて行くべき母親の存在をどう思っていたのか。 裕福な家庭で不自由なく暮らすイーサンは、なぜショーンに言われるがままに行動し、反発の素振りを見せながらもそう出来なかったのか。いつでも守り続けてくれる両親への思いはどのようなものだったのか。 裁判長は判決の前に厳しい私見を述べるが、それは確かに世論を代表する内容なのかもしれないけれど、果たして正しい判断なのか。 ショーンは「実験」について語る中で、幾度も「客観的」という言葉を用いるけれど、彼もイーサンも彼の母親も、そして裁判長でさえも、客観的になり切れていない、主観によってのみ突き動かされる人々なのだと思う。 学生二人の悪行がメインになっているような作りの作品ですが、登場する一人ひとりの思考や言動を客観的に捉えることを求められる作品でした。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-11-20 22:50:10) |
20. クロージング・ナイト
《ネタバレ》 オープニングはサービスカットのオンパレード。もしや、あの盆踊り映画と方向性を同じくした作品なのか?! と思いきや、必ずしもセクシーカット中心に観る者を楽しませようとする作品でもなく、アイディア的にさほど目新しさは感じないものの、ゾンビ(正確に言うと何らかの物質に汚染された者で取り敢えずは死んではいない?)作品としてのストーリー性はきちんと押さえています。(ラストのお約束的どんでん返しで、バイクから落ちたのが誰なのかはちょっと気になります。) つまり観る者を選びきれないと言うか、観る者も選びきれないと言うか、ターゲットはエロチック映画ファンなのかゾンビ映画ファンなのか、なんとも中途半端な感じがする作品で、カテゴライズし難いところです。 更には、何気にエロチックコメディ的要素も含まれていて、理不尽な犠牲者続出の絶望的悲劇の割には、物語は笑い(苦笑?)混じりに展開していきます。 この際、細かいところにツッコミは不要でしょうね。とは言いつつ、いちいちツッコミながら仲間と楽しむ作品かも知れません。独りで観てると何だか空虚な思いにかられてしまいます。 原題の「ピーラー」はストリッパーの意味で使っているのだと思いますが、かなりストレートなタイトルですね。なので邦題を冠したのは正解だと思いますが、ちょっとカッコよすぎかも。直訳すると「契約の夜」?もっとも副題で一気に軽くなってますが。 それから、主役の彼女が脱がず仕舞いかと思いきや、本編ならず付け足し的な店名の由来カットで披露とは。最後まで席を立たないようにという製作者の意図なんでしょうか? なんだかんだと書きましたが、むやみに酷評も出来ず4点献上です。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-10-17 15:29:15) |