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1.  グランド・ホテル 《ネタバレ》 
偶然ホテルに宿泊して居合わせた五人の出会いと別れを描く群像劇。医者から余命幾許と知らされ、残りの人生を楽しむために来た老人クリンゲライン。経営悪化した会社を合併によって乗り切ろうと画策する社長プライジング。人気低迷に悩むプリマドンナ、グルシンスカヤ。薄給を嘆く秘書フレムヘン。紳士だが、借金があり盗みを働く自称男爵。 それぞれの人生が最初は精妙に、やがて濃密に絡まりあってゆく。 クリンゲラインの勤める会社の社長がプライジング、プライジングの雇って秘書がフレムヘン、フレムヘンが好意を抱いたのが男爵、男爵の盗みの対称がグルシンスカヤの真珠、グルシンスカヤが恋に落ちたのが男爵。そして最後には劇的な展開を迎える。プライジンガが男爵を殺害し、フレムヘンとクリンゲラインが一緒にパリに旅立ち、グルシンスカヤが男爵の死を知らされないまま去る。ひと騒動もふた騒動もあったのに、ホテルは何事もなかったかのように存在し、次々とやってくる新しい客を受け入れる。ホテルは神の視座だ。神の視座から、複数の人生の縮図を鮮やかに写し出して見せたのが本作の長所だ。人物描写が丁寧で判り易く、場面展開がなめらかなのも良い。 庶民の羨やむ一流ホテルに泊まる人も不幸を抱えているという視点が当時は斬新だったのだろう。このような凄まじい人生劇を見せられた視聴者は心を動かされ、自らを顧みることになる。人生を考える暗示が詰まっている。人によって、共感する人物、共感出来ない人物、様々だろうが、誰か一人には共感するだろう。それが群像劇の強みだ。 本作の肝は、男爵がグルシンスカヤに惚れることだ。真珠を盗みに入った部屋で女が絶望の淵に沈む姿を見て、正体を現し、真珠を返し、愛を告白する。これで物語が大きく動き出し、このことが最終的に男爵の息の根を止める結果になるという悲劇の端緒となる。突然の告白に戸惑いながらも、夢見るような眼差しをする女優は印象的だが、男優の演技はどこか冷めていて、情熱が伝わらなかった。中年の恋はどうしても色眼鏡で見てしまう。 最初と最後に給仕長の男子誕生の挿話がある。人生の縮図の象徴であり、本当によく出来た脚本だと思う。名作の名に恥じない。ただし、クリンゲラインの大袈裟な酔っぱらいの演技が鼻についた。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-09 02:12:11)
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