41. 刑事物語 くろしおの詩
ある意味、武田鉄矢の自己満足の世界ではあるが、それが面白いんだから仕方がないし否定も出来ない。浪花節というか、その臭さが今となっては逆に新鮮かもしれない。何年かあとにブームがきてもおかしくないようなカルト的な人気があることは確かであろう。 6点(2003-12-18 17:17:23) |
42. 刑事物語3 潮騒の詩
ほんと大した映画じゃあないんだけど、なんだか見ていると引きつけられて最後まで楽しんで観てしまう。武田鉄矢演じる片山刑事のキャラクターのみで押し切ってしまうそのパワーに脱帽だ。加えて女子高生役の若き沢口靖子が初々しく魅力的だ。 6点(2003-12-18 17:14:37) |
43. 刑事物語2 りんごの詩
中学生の時にこのシリーズを初めて観た時から、吉田拓郎の「唇をかみして」がカラオケの隠れ十八番となった。 いわゆる「名作」なんて呼称が相応しい映画では決してないけれど、このプログラムピクチャーの娯楽性を愛してやまない人は少なくないだろう。 特筆すべきは、何と言っても「武田鉄矢」という“表現者”の存在性に尽きる。 彼自身が生み出した「片山元」というキャラクターは、あまりに不格好で、あまりに滑稽で、あまりに不器用。キャラクター性そのもののみを捉えたならば、少々作りすぎな印象さえ受ける。 おそらく、このキャラクターを武田鉄矢以外が演じたならば、失笑を禁じ得ないものになっただろう。武田鉄矢が、武田鉄矢自身を投影して生み出し自ら演じてみせたからこそ、「片山元」というキャラクターは成立しているのだと思う。 演技者として決して巧い俳優だとは思わない。あざとくて、泥臭い演技に眉をひそめることも多々ある。 ただし、武田鉄矢の存在感は、武田鉄矢にしか出せない。 それは、彼が“表現者”として唯一無二の存在であることの証だろう。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2003-12-18 17:10:21) |
44. 刑事物語
中学生くらいの頃、武田鉄矢のアルバムをレンタルショップで借りて、武田鉄矢版の「唇をかみしめて」に巡り会い、以降しばらくこの曲はカラオケでのマニアックな十八番になった。 オリジナルである吉田拓郎版の同曲が、主題歌であることを知ったのは、もうすでにこの刑事映画シリーズのファンになってからだったと思う。 この第一作を観たことがあるかどうかも不確かなくらいに久しぶりに鑑賞した。 そして、ある意味圧倒的な映画世界に文句のつけようがなかった。 実際は、突っ込みどころは満載で、独善的でぐだぐだな映画である。 だけれども、結論として「素晴らしい」としか言いようがない。 すべては主演で原作者の武田鉄矢の“価値観”のみによって映し出される世界観であり、それに対して別の価値観は立ち入る隙がない。 観るのであれば、そのすべてを受け入れて、映画の世界観に包み込まれるしか許されない。 そういう、独善的かつ唯一無二のエンターテイメントが叩き付けられるような映画だと思う。 それはそうと、てっきりこの映画はジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー」の部分的なオマージュが入った作品だとずっと思っていたのだけれど、製作年を確認すると、今作の方が3年も早い。 なんと、ジャッキー・チェンが武田鉄矢をパクったのか…………ってまさかね。 とにかく、単純な点数だけでは表現しきれない問答無用の面白味に溢れた映画だと再確認した。 [DVD(邦画)] 8点(2003-12-18 17:08:34) |
45. 現金に体を張れ
あらゆるクライムサスペンス映画の原点とも言えるストーリー展開は大いに楽しめた。40年以上前の映画でありながら、古めかしくなく、テンポの良い展開にスタンリー・キューブリックの先行性が感じられる。 8点(2003-11-30 14:20:54) |
46. 刑務所の中
日本を代表する個性派俳優がそれぞれ獄中の囚人たちをユーモラスに演じていて非常に楽しかった。忠実なまでの獄中の描写が逆に面白すぎる。これは体験者ならではの視点であり発見であると思う。ここ数年絶え間なく秀作に主演している山崎努の流石の巧さが光る。 [DVD(邦画)] 7点(2003-11-30 11:43:25) |
47. 毛ぼうし(OV)
ほとんどミュージックビデオなんだけど、小津風の映像世界が興味深い。ムーンライダースの小気味いいメロディーにのってユーモラスな世界が展開される。元ランナーの浮浪者を演じる塩見三省の存在が光る。 [ビデオ(字幕)] 4点(2003-11-27 15:33:40) |
48. ゲーム(1997)
《ネタバレ》 タイトルに反して限りなく「ゲームでない」という展開から、「ゲームだった」というオチは、観客の心理を巧く利用した逆転の発想だった。冷静に観すぎるとラストのオチに拍子抜けしてしまうかもしれないが、デビッド・フィンチャーの映像世界に酔うことができれば、心地よい意外性を得られると思う。「エイリアン3」「セブン」「ファイト・クラブ」と衝撃作を次々と送り出すこの監督は本物である。 8点(2003-11-03 10:35:18) |
49. ケープ・フィアー
盲目的に危険物ロバート・デ・ニーロに惹かれるジュリエット・ルイス演じる少女が危なっかしくて見ていられない。モンスターばりに一家族を恐怖に陥れるデ・ニーロのインパクトは強烈。さすがは盟友マーティン・スコセッシ、デ・ニーロの本質的な巧さを引き出す手腕に長けている。 6点(2003-10-30 16:30:31) |
50. ケーブル・ガイ
ケーブルテレビ屋的ストーカーを強烈なキャラクターで演じたジム・キャリーは見事なインパクトを見せたと思う。しかし、ストーリー的には盛り上がりがなく、意外に淡々と終わってしまった印象がある。 [ビデオ(字幕)] 4点(2003-10-26 14:41:47) |
51. 激流(1994)
ケビン・ベーコンの悪党ぶりは嫌悪感がもてるほど良かったのだけれど、脚本の出来がいまひとつチープだったので全体的にキャラクターが薄かった。メリル・ストリープが珍しく文字通り体を張った役に挑んでいるだけにもったいなかったと思う。 [ビデオ(字幕)] 3点(2003-10-10 03:23:16) |