2. 殺しのドレス
バス・ルームでシャワーを浴びる美女のエロティックさと、鈍く光に反射したカミソリの刃の怖さを、かつてこれほどまで克明に描写した作品は無かったのではないか。たとえ家庭の主婦であっても、その脳裏にはいつもエロティックな思念でいっぱいで、広大な美術館の中での行きずりの男女が互いに求め合う、まるで鬼ごっこのようなスリリングなシーンにも良く表われていると思う。そして銃器の一撃で呆気なく死ぬことより、カミソリの刃で危害を加えられるほうが生理的な痛みを感じ、より日常的な恐怖感を覚える。 7点(2001-03-15 14:46:03)(良:1票) |