1. この世界の片隅に(2016)
映画が小説や漫画、音楽と決定的に異なる点は一人では作れないことだ。そのことによって映画はとかくツギハギのように一貫性のない作品になりやすい。そのような作品はハリボテのように中身がない。見る人が見ればまがいものであることがわかってしまう。特に原作があったり、脚本と監督が異なる映画ではしばしばこれが起こる。 しかしこの映画はどうだろう。ストーリー、アニメーション、音楽、さらには声優の演技までが何か共通した意識、意図を持っているかのようにまとまっていて、一つの美しい世界観を創り上げている。 特に素晴らしかったのはキャラクターの愛しらしい表情や仕草だ。柔らかく自然でまるでかわいい草食動物でも見ているようだった。やはりアニメは良い作画があってこそだと改めて思った。 そしてもう一つ言わねばならないのが主人公すずの声優である。あれをどう説明したらいいのだろう?もう声優なんてものは存在していなくて、すずそのものがただそこにいる、そんな感じだった。あとで一体この声優は誰なんだと調べてみたら「のん」という聞きなれない名前があって、どこぞの新人さんかと思いきや、それが能年玲奈だとわかって衝撃を受けた。いろいろと問題の多い彼女だが、その原因はその人並み外れた感受性の強さが原因なのかもしれない。いずれにせよこの素晴らしい力があるなら彼女がエンターテイメントの世界から消えることはないだろう。彼女を必要とする人はこれからもきっといるはずだ。 穏やかでのんびりと、ときに和気藹々と、みんなで力を合わせて辛いことを乗り越えて、それでも悲しいことは起こる。それでも前を向いて歩いていく。世界の残酷さと人の強さを正面から描いた素晴らしい映画だった。 [DVD(邦画)] 9点(2017-04-02 12:53:38) |
2. ゴーン・ガール
《ネタバレ》 中盤であっさりと真犯人はエイミーだよーんと判明して「え?この後どうすんの?」なんて不思議に思ってると、後半はエイミーの異常さにぐいぐいと引き込まれる展開。エイミーのセリフや動作を注意深く見れば随所にその恐ろしい狡猾さが非常に丁寧に作りこまれ、演出されており、さすがフィンチャーと思わずうなります。相変わらず脚本の良さを引き出すのがうまい監督です。その完成度の高さに、後半エイミーの正体をわかっている鑑賞者は「なんだこいつうぜーーー!おい!お前騙されんなよ!一泡吹かせてやれよ!」なんてがっつりとエイミーに弄ばれる側に入り込んでしまうわけです。人並みはずれた知性と行動力を持った超利己的な女エイミー。犯罪的な意味においてもはや完璧とも言えるエイミーに男たちはただただお手上げ。そしてこの女の凋落を期待していた私も(鑑賞者も)お手上げなラスト。この女をやっつけるのは無理ということですね。わかります。 [DVD(字幕)] 8点(2015-03-09 02:28:48) |
3. 告白(2010)
こういった作品はどうしても原作と比べられ、たいていは良い評価をあまりもらえないもの。しかし、監督が強い信念と愛情を持ってやれば、原作通りの、あるいはそれを超える面白さを表現できるものだと、改めて感じさせてくれる作品です。この小説を映像化しようとした監督の心意気が本当に素晴らしいと思います。 ミュージカルにも似たテンポとリズムでさくさくとストーリーが進み、最後まで飽きることなく観ることができました。邦画ではこの年一番の作品ではないしょうか。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-03 05:49:20) |
4. GOAL! ゴール!
んまあ~~あまりに面白味のないストレートすぎるサクセスストーリー。普通すぎた。特に映像が凄いわけでもないしね。サッカー好きな方だけどうぞ。 [DVD(字幕)] 5点(2007-02-02 03:24:04) |
5. コーラス
フランスのDVD売り上げ記録を塗り替えたらしいけど、そこまでの映画とは思えなかった。フランス人の感性とのギャップを感じた。うまい仕掛けのあるストーリー、きれいにまとまってるストーリーが好まれているのかな?そう思った。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-21 20:56:34) |
6. コンスタンティン
監督がもともと音楽のプロモーションビデオを手がけていたせいか、映像はとてもおもしろい。映画を創るときにまず絵を浮かべるところから始めてるんじゃないかな~と。そんな感じです。台詞や世界観もなかなかです。見る価値はある。 [DVD(字幕)] 7点(2005-09-08 00:36:15) |
7. コラテラル
トムクルーズが渋かった。映画自体も全体的に渋いが結構大衆性も持っている。言葉遊びがなかなかおもしろい。悪くない映画です。 [DVD(字幕)] 7点(2005-04-03 03:43:24) |
8. ゴッド・ディーバ
この異質なヴィジュアルは見る価値あるが映画としてはどうだろ~。強烈です。観てると結構疲れてくる。奇才です。 7点(2005-02-09 03:43:22) |
9. 交渉人(1998)
もう少しかっこいい駆け引きがあったらよかったなあ~。 6点(2004-11-11 01:03:39) |
10. コールド マウンテン
全体的にセリフとか雰囲気がロマンティック。映像もきれい。映像とストーリに協調性がある。描きたいものがはっきりと伝わってきます。 自分で雨を降らして、「雨がふってきたと騒いでるのよー」 しびれますな 7点(2004-09-15 17:56:45) |
11. ゴースト/ニューヨークの幻
ストレートなストーリだけど幽霊という設定をフルに活用していておもしろくできてる。 映像表現がザルで雰囲気を壊してる感があるのが残念。 6点(2004-09-14 13:00:17) |