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1.  五本の指 《ネタバレ》 
中立国を舞台にしたスパイのドラマということもあり、無駄な殺しのシーンも無いが、頭から最後までサスペンスが目一杯詰まっている。 実話であること、実際の現場での撮影であることを冒頭で提示し、イギリス側、ドイツ側、そしてスパイのジェームズ・メイスンそれぞれの 思惑と駆け引きを観客にほどよく了解させつつ、ドラマを進める。 ファム・ファタルがいずれは裏切るであろうこと、金庫に仕掛けられた警報装置を出しぬいたつもりが手違いで鳴ってしまうだろうこと。 それを観客は、抱擁する彼女の表情のショットから察知し、上がったブレーカーを戻そうとする清掃係の行動によって焦らされる。 判らされているから、観客側はハラハラドキドキしてしまう。  次第に嫌疑をかけられていくジェームズ・メイスンの、それでもなお沈着冷静な表情と大胆な行動もさらにサスペンスを煽る。  イスタンブールの市街、マーケット、港湾などのロケーションを活かした追跡劇も生々しい迫力だ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2016-11-30 03:24:41)
2.   《ネタバレ》 
今井監督初のカラー作品だが、監督本人が語るように色彩を殊更に誇示するような画面にはしていない。 村祭りの場面などは華やかな人工色が彩るが、あくまで霞ヶ浦の水面や青空、木々の緑など自然物の色彩を鮮やかに映し出している。 とりわけ、大きな帆を張った帆曳船の出漁シーンの情景描写は素晴らしい。  米というタイトルながら、中心となるのは土地がないため半農半漁によって生活する零細農民達であり、その為にここで描写されるのは 米作と湖上労働である。  物語ではなく、農村の四季と労働に重点を置いて点描していくスタイルによって、今現在ではもはや見ることも出来ない様々な農機具や 機織り機などが活躍しており、それが情趣を伝えるだけでなく貴重な映像記録ともなっている。  出演俳優たちの語る方言もまたいい味を出している。
[DVD(邦画)] 7点(2015-11-23 23:57:33)
3.  コルドリエ博士の遺言<TVM>
ジョン・ロバートソン『狂へる悪魔』(1920)以降、幾度も映画化されている 『ジキル博士とハイド氏』。 三十年代のルノワールならトリック撮影の工夫で見せたかもしれない 変身シーンそのものに、彼はいっさい興味を示していないようだ。 当時のテレビの利点である、マルチカメラによる芝居の持続性こそが 最大の関心であったらしい。 映画の敵とも見做されたテレビを否定することなく積極的に受け入れていく大らかさ。 それが、映画冒頭に本人として登場するルノワール自身の姿に見ることが出来る。  何より目を引くのは一人二役を演じるジャン=ルイ・バローの変貌ぶりだろう。 ルノワールらしいロケーションの中、 彼が電子音楽と共に街に現れ、奇矯な仕草とともに通行人を襲う彼の暴力 が圧巻である。  マルチカメラを活用したセット撮影のシーンは手狭な印象が強いが、一方で ビル屋上からの俯瞰撮影や、街中の大階段などのロケ撮影も活かされており、 その中での暴力描写もテレビ作品だけにより際立っている。   
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2013-11-25 01:29:35)
4.  心のともしび
『ジョニー・べリンダ』で口と耳の不自由を演じたジェーン・ワイマンが、本作では目の不自由を演じる。  宗教的主題という点でも通じており、本作では神格化された高徳の医師は表象されることがない。  ストーリーは通俗的ながら、屋内の人物に影を濃く落とすラッセル・メティのローキー画面の艶によってヒロインの失明のドラマと相乗させ、しっかりと映画にしている。  特に舞台をスイスへ移して以降のホテルのシーンは、暗がりの中にランプの灯りやヒロインの衣装のワインレッド、ライラックの青紫がよく映えて艶めかしい。  前半の湖畔のロケーションも良いが、単調になりがちなセット撮影パートも背景奥に窓外の風景を採り入れた多層的な構図によって画面を充実させている。  クライマックスの手術室上方のガラス窓に、執刀するロック・ハドソンの反射像と、それを見守るオットー・クルーガ―の像が重なり一体化するショットがその白眉だ。 
[DVD(字幕)] 8点(2012-04-30 23:37:42)
5.  殺したのは誰だ
長廻しやクレーンショットと共に、深い奥行きで捉えられた四谷・銀座界隈のロケーションが生きている。  通行人を危うく轢きそうな勢いでストップする自動車のアクション、小林旭らの乗った自動車の後部座席から進行方向を捉えたヌーヴェル・ヴァーグ風ショットの瑞々しさも眼を瞠る。  菅井一郎と山根寿子が川端でかき氷を食べるシーンの背後に落ちる木漏れ日の繊細な揺れ。 そして渡辺美佐子を後部座席に乗せ菅井が運転する車のフロントガラスを雨滴が打ち始めるショットの何とも形容し難い叙情が素晴らしい。(そこに静かに流れてくる伊福部昭の音楽)  屋内シーンでも背景の窓外には街路の往来が映し出され、屋内の暗がりには屋外から入ってくる反射光や雨垂れの影などが常に揺れている。  いずれもキャメラマン姫田真佐久による、作為を感じさせない作為による光の見事さだ。  反逆光気味のいわゆる「レンブラント・ライティング」が創り出す人物の陰影の厚みもドラマの悲劇性に合致している。  また、居酒屋に住まう蠅、鼠、蜘蛛のインパクトや、ビリヤード場に出前を届けに来た少女が掛け金の札束を思わず覗きこんでしまうさりげないリアクションなど、わずかな登場シーンながら印象的な身振りを見せる端役の配置も豊かだ。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-02-20 22:24:43)
6.  コタンの口笛
現地ロケを活かした川辺のコタンの風情が素晴らしい。  隣家の病に臥した老婆のために秋味を密漁する場面での朝もやの美しさ、姉弟が父の遺体と共に朝を迎える場面で窓から入射する陽光の荘厳な様。成瀬組らしい美術・照明・撮影の技能が結集している。  病や怪我や死で横臥した人間を傍らからいたわるように見(看)つめる場面が多く、若い姉弟の悲しみや苦悩を印象的な光のもとに滲ませる演出は本作でも傑出している。  同時代的テーマ重視型の橋本忍脚本との相性は疑問だが、長大な二部構成の児童文学をシンプルにまとめながら、単純な差別・被差別の構図に陥らせない主題提示と脚本構成が巧い。  また忘れてならないのが、北海道出身でアイヌの伝承芸能に造詣の深い伊福部昭による音楽演出の貢献である。アイヌ民具の図柄が描かれた和紙を背景としたメインタイトルをはじめ、要所でその伝統古謡をモチーフとした声楽曲の旋律がリフレインされ、民族の苦難を重厚に浮かび上がらせる。  一方、主人公姉弟を慈しむように流れるピアノ曲の旋律もリリシズムに溢れ清らかで美しい。
[映画館(邦画)] 9点(2009-01-17 22:22:48)
7.  ゴジラ(1954)
この映画(1954年)のドラマパートは撮影:玉井正夫、照明:石井長四郎、美術:中古智、録音:下永尚、といった具合に成瀬組の主要スタッフが担当している。『山の音』、『晩菊』、『浮雲』と続く成瀬巳喜男監督の絶頂期と同時期の仕事である。円谷特撮を前面に出した空想SF映画に迫真性を与えた重要な要素の一つが、成瀬組による優れたスタッフワークであるといえるだろう。成瀬作品の特長の一つが緻密な美術セットとロケーションとの自然な融合にあるように、本作ではさらに加えて特撮場面との違和感の無い融合に各部門が大きな貢献をしている。ローキーで統一した照明設計。その中で映える、終盤の救護所に差し込む外光の美しさ。あるいは芹沢博士の洋館の中で不気味に発光する水槽の禍々しさ。美術でいうなら、成瀬作品でもお馴染みの二間続きの日本間、路地、オフィスなどの精緻な生活空間や、大戸島での残骸家屋の見事な造形。録音でいうなら、オフ空間を活かした足音の効果音の見事さ等〃。ドラマ部分の日常空間づくりに貢献した撮影所技術スタッフの優れた仕事があってこそ生まれた迫真の怪獣映画であるといえる。
[映画館(邦画)] 10点(2008-10-11 19:10:44)
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