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1.  恋と涙の太陽
主人公はヘリコプター操縦士の橋幸夫、古風な漢方薬店のせがれ。家に対しては革新的な立場から文句を言っているが、女医倍賞千恵子と見合いをする段になると「女だてらに」の保守派になる。この翌年に作られた日活の『夢は夜ひらく』では横浜ドリームランドが登場したが、本作は富士急ハイランド。大型レジャー施設が客を集めようとし始めた時期だった。妹が早瀬久美(新人の但し書きつき)、芸者が山東昭子で三枚目役。恋のライバルに香山美子、これが漢方薬に通じる古風な日本舞踊の世界の人。樹海の中のわざわざ開けたところで倒れていて橋に発見される。待田京介がチョロチョロ出る悪党。味わいとしては橋がホテルで香山と話し合っていたとき突如歌いだす瞬間のときめき。出来ることならバックの楽団なりコーラスなりが慌てて登場してきて欲しかった。
[映画館(邦画)] 5点(2013-11-26 09:45:32)
2.  5時から7時までのクレオ
不吉な占いのとこのみがカラーで、あとは白黒。病気の検査結果を待つ女性新人歌手の2時間の物語。最初のうちは何でそんな辛気臭いのに付き合わなくちゃいけないんだ、と思ってたんだけど、この不安感が人生の凝縮された状態なんでしょうな。普通の町並みや普通に暮らしている他人たちが、とてもよそよそしく見えてきてしまう。これがロメールの『緑の光線』のように、ある男との出会いによって一つ脱皮できるまでのドラマ。不安が解消されるわけではなく、こうやって生きていくという決意に至るわけ。決意と言うとちょっと大袈裟になってしまうんだけど。それがドキュメントタッチで実物大と言うか、実感そのままみたいに伝わってくるのが、手法の勝利。夏至のパリって陽が長く、全然夕方の感じがない。少し露出過度気味のカメラが不安を通して見た街ってことなのか。あれで日本的な夕方だったら、情緒が出すぎてしまったところ。いちいち細かく時間経過が画面の下に表示される。
[映画館(字幕)] 7点(2013-11-16 09:57:11)(良:1票)
3.  好人好日
笠智衆が数学教授をやるの。数学教授は変人というステレオタイプがあり、やってることはまさにステレオタイプなんだけど、笠さんだといいんだよね。あの喋り方かな。ああいう喋り方を許してしまう状況、っていうか、映画の現場もよかったんだと思う。俗物の作り方もいいのかもしれない。三木のり平に勲章を盗まれて、神道ナントカ会の菅井一郎が「陛下から頂戴した勲章を盗まれるとは何事」といきまくあたり、俗物が対比されている。かつて『勲章』という風刺映画を作った監督の勲章へのこだわりもうかがえる。この菅井一郎って役者さん、どちらかというとこういうクサい芝居する人だと思うんだけど、なぜか小津の『麦秋』ではそれほど気にならないのが不思議。そういえば、笠はあれでは菅井のせがれだったんだ、そして本作には『秋刀魚の味』と同じ娘がいる。
[地上波(邦画)] 6点(2013-09-14 09:43:26)
4.  小間使の日記(1963)
ほとんどが悪党ばかりの中で、あの少女だけが純粋な「被害者」なわけ。ヒロインが徹底的に彼女にこだわる。偽の証拠まで体はってこさえて、捕まえさせるんだけど、ここらへんの異常さが「ブニュエルだなあ」と納得してしまう。でも「ブニュエル」って心構えを外してみると、よく説明できない心理。あのあと隣家の人と結婚するのは堕落ととるのか。そうじゃないわな。彼女だってどちらかというと悪党の側の人間なんだから。その彼女が一瞬、少女の無惨な死に対して(かたつむり)共鳴した、ってところに希望を感じていいんでしょうか。分からない。脚本は以後も続くカリエールと組んだ最初のもの。「ブニュエル的」って言うとなんか分かった気になれるが、ホントはちっとも分かってない。なのに「ブニュエル的」と言うしかない現象が確実にあるんだよな、この世には。変態の変態ぶりだけはよ~く分かった。変にニタニタしてないのがホンモノっぽい。靴のシーンよりも、自分のハンカチで少女に洟をかませるほうが、変態度を強く感じた。日本でも、何かの検査だと言って小学校帰りの少女の唾液をせっせと集めてたのがいて、変態度の高さに「ブニュエル的だ」と感心させられたものだ。日本文化を嫌ってたブニュエルにも、ちゃんとこういう変態が活躍してる風土だと知らせておきたかった。
[映画館(字幕)] 7点(2013-07-19 10:19:02)
5.  殺しの烙印
正直言って、日活首脳部の気持ちもちょっと分かるな。どの程度までギャグとして見ていいかわかんないから困っちゃうとこあんのよね。水道管のシーン。飯の匂いを嗅ぐ、ってのもそういうとこあるし。ライター広告からの狙撃はマジでしょ。アドバルーンは△ね。南原君と二人の対決シークエンスなんか、荷物に腕組んでドアに立つなんてとこは生き生きしてんの。迷いなく純粋にいいなと思ったとこは、波止場のシーンで撃たれた相手が落ちて縄に引っかかるところ。蝶だらけの部屋とか、8ミリ映像との会話とか、変に凝ったとこはかえって軽く見えてしまった。といってこの監督は「変に凝る」ところをみな楽しみに観てるんだから、気分が合わなかったってことかもしれない。この人の映画は、観るときの気分が大事なんだ。だいたい様式的なものってのはみなそう。たとえばミュージカル観て、なんでこいつら急に踊り出すんだ、なんて気分になったら、即、中止したほうがいい。
[映画館(邦画)] 6点(2011-02-14 09:43:32)
6.  絞死刑
前半の面白さだけだったら、ためらわず大島最高作と断定してしまうんだけど、後半抽象論になって浮いてしまうのが不満。外に出ての妄想シーンまではいいと思うんだけど、「姉」が見える見えない以後の展開は、映画よりも剥き出しのシナリオ文学って感じで。いかにも60年代末という時代を反映はしている。これ音の効果もいいんだ。ぶるぶる震えるときの手錠のカチャカチャやら、生きているということの鼓動、朝鮮人部落の声、など。あの姉の演説にRが、どうもしっくりこない、と不同意を示すとこに誠実さがある。ドアの外の国家がまぶしく輝いているところは、やはり迫力がある。特定の代表者があるわけでなく、国家とは一つの状況だということか、けっきょくRも妄想の世界へ消えてしまったという意味なのか、あるいはこちら側がひとつの妄想の体系だと言っているのか。など理屈をいろいろこねる楽しみはあるが、前半のブラックユーモアで押し通してもらいたかったなあ。
[映画館(邦画)] 7点(2010-06-15 11:58:42)
7.  恋の片道切符 《ネタバレ》 
60年の新宿を、それも大通りではない新宿をたっぷり見せてくれる。ロカビリー歌手をめぐる物語。ポスターの多用。人の通行と直角に立っている、壁に貼られた薄っぺらの人間。時代のイケニエとして消費されることを自覚している若者たち。現在から見るとそのナイーブさが滑稽と紙一重なんだけど、そのじれったいぐらいのナイーブさがラストで弾け、若者同士が傷つくという構図。やはり、怒りの映画の時代なのである。人間関係から逃げていた小坂が、ラストで急速にピストル犯になるところがサプライズで、社会的成功を軽蔑していたはずの者の底にも、わだかまりが眠っていて、それが一気に顕在化した、というか。テープが飛びくる通路を歩く小坂のあおり、ステージ前まで来て、ふと煙草を口にくわえる、彼の内面が切り替わっていくところの描写が的確。篠田のデビュー作。助監督に山田洋次。
[映画館(邦画)] 6点(2009-01-09 12:17:33)
8.  今年の恋
ジャズを聞きながら勉強する高校生の田村正和は開けた横浜、それが友人の家である東京の料亭の古風な感じと対比される。またその彼ら若い世代とそのちょっと上の岡田茉莉子の世代との対比もある。ラストは京都で除夜の鐘を聞くという正月映画らしい流れだが、岡田が日本髪を結って特急に乗っているのが、ちょっと驚きだった。東京オリンピック前だと、正月ならそういう髪で娘(オールドミスになりかけといった微妙なところ)が特急に乗ってても不自然ではなかったのだな。でもたぶん田村正和の世代になると、ヘンだろう。またそれぞれの家に、東山千栄子、若水ヤエ子の婆やなり女中なりがいるのも時代か。こういう軽いスケッチ風の作品のほうが、時代を、その中の微妙な世代の違いも含めて、濃く残してくれる。
[映画館(邦画)] 7点(2008-09-12 12:12:38)
9.  殺し(1962) 《ネタバレ》 
原作はパゾリーニで、たしかにチンピラやごろつき、兵士たちなど社会の底辺の鬱屈が次々と描かれていくあたりに、その気配がある。でも空間の捉えかたに、アントニオーニを一番感じた。広場や造成中の土地のガラーンとしているウツロな広がりの感覚。映っているものよりも、それが抱えている空虚のほうが印象に残る風景。いやいや、これはアントニオーニの影響というより、ベルトルッチの個性かもしれないぞ。後年、紫禁城にあれだけ人を詰めても、広場のウツロさが際立っていたもの。間違いなく彼の個性なのは、ダンス好き。女二人のダンスシーンがもうあり、ラストもダンス会場での逮捕となる。共同脚本のうち、ダンスのある部分は監督本人だろうと勝手に推測する。
[地上波(字幕)] 6点(2008-03-02 12:20:53)
10.  香華
木下恵介における母は、親としての母よりも、家族の軸としての母としてより重要だった。「二十四の瞳」の生徒と女先生もそのヴァリエーションだったわけ。でも本作では、あくまで娘と母との関係が中心。家なしでやっていこうとした娘(岡田茉莉子)と母(乙羽信子)との葛藤の話。家族の軸になろうなんてこれっぽっちも思っていない母をめぐって、家という枠から脱した一代記ものドラマがドロドロと展開するところが、木下としてはかなり異色作である。家から浮いてしまった女性だから、あれまで墓に固執したということで、家のモチーフは底に潜んではいるのだけれど。
[映画館(邦画)] 6点(2008-02-06 12:16:44)
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