1. インドシナ
カトリーヌ・ドヌーブ扮する女農場経営者のエリアンヌが使用人を鞭で叩いたり、現地人や貧民に同情するフランス人がエリアンヌを「あなたの美しさはうわべだけ!」と非難したりするシーンは往年の大女優ドヌーブのファンならずともあまり見たくはないシーンかもしれませんが、これが植民地の現実だったのか、と考えさせられました。エリアンヌよりも養女のカミーユのほうが出番が多くカミーユが主人公のようでしたが、中身はフランス人で外見はベトナム人のこの子が非常に印象的でした。私たちはすでにベトナムの南北分断、続くベトナム戦争とその結末を知っているわけですが、カミーユとその夫、そして子孫に農場を受け継がせることが母性愛の核であるようなエリアンヌのその後を想像してみると悲しいです。スイスの銀行にいっぱい預金してカミーユの息子に相続させたんだろうな・・・なんていうのはちょっと俗っぽい想像ですけれどね。漢字の看板が溢れるサイゴン市内やジャンク船が浮かぶベトナムの雄大な風景が素晴らしく、ジャンとカミーユの関係も控えめながら濃厚でエロチックに描かれていたのが非常に良かったです。 [DVD(字幕)] 9点(2007-07-15 09:31:35)(良:1票) |