1. ISOLA 多重人格少女
バックグラウンドが阪神大震災であることや、舞台が近隣であることもあって 貴志祐介の原作は既に読んでいたのだが、この出来は何だ? 原作のクライマックスは、映像化されると恐らく面白いであろうモンスター小説だ。 公開当時、どういう映像になったのかという期待と果たしてあれが映像化できたのだろうかという不安があったが、やはり無理だった。 本作では脚本が全く変更されていて、こじんまりと話を終えてしまったため、 原作の持つ魅力の半分も出せていない。 この手の小説は、日本ではまだまだ、映像化してはダメだという事例なのだ。 [DVD(字幕)] 3点(2005-09-14 17:20:19) |
2. E.T. 20周年アニバーサリー特別版
1982年のオリジナルと比較すると、これはかなり改悪された作品だと思う。 CG化することで映像面を向上させたいのも分かるが、向上させたつもりが 甚だ、風合いをつぶしているシーンも少なくない。例えば冒頭と最後の宇宙船の 発光具合。噴射口の光がオリジナルでは、風合いのある直線系のライトであった のが、ぼやっとした明滅に変わっていて、オリジナルの持つ光の風合いを損なった。 また、オリジナルではセリフや効果音の特に微細な音に独特の強調感を持たせていたのだが、音質面でも変更されてしまっていて、これが変に自然というか普通になってしまった。そのため、以前持っていた音の特色を失ってしまっている。 決定的にダメなのは、本作で一番カタルシスが得られていたシーンである、 エリオット達が警官達に追い詰められるシーン。 警官の持つ銃が無線機に差し替えられてしまったために、彼らの絶体絶命の度合い、絶望的な状況が半減してしまっている。警官の銃をカメラが抜いて、それを目にしたであろうエリオットが目を固く閉じるという一連のシーンの意味合いが全くかき消されているのだ。 これによって、その直後に続くシーンでのカタルシスが半減してしまった。 スピルバーグは一番、この「銃」の修正をやりたかったらしいが、流れやシーンを 変えずに「モノ」だけを変えたために、作品の微妙な整合性に影響を与えてしまい、 面白み自体を落してしまった。 そんなにこの「銃」に嫌悪を抱くのなら、手直しなんてやらずに、自作品としては封印してしまえば良かったのだ。 未見の方には、1982年のオリジナル版をお薦めします。 [映画館(字幕)] 7点(2005-09-14 16:53:30) |
3. 1941
戦争映画?「プライベートライアン」? スピルバーグならば、やっぱこっちだ! スーパーナンセンス戦争ムービー。お祭り映画の最高峰! 何がいいって?好きなシーンもたくさんあるのだけどやっぱ音楽がいい。 またあんたか!>ジョン・ウィリアムス! いや、あんたの映画音楽の中では、これが一番最高傑作だよ。 そろそろサントラをCD化してくれよ>関係者! 映画の内容は書けません。一言で終わってしまうか、原稿用紙20枚 くらいになるかのどっちかだから。 にしても、いいシーンはいろいろあるのだよ。 英語と日本語とドイツ語の三カ国語がクロスオーバーして、 話が通じてるとこなんて素晴らし過ぎる(決して吹き替えでは観ないように) 配役も凄すぎる。アメリカ勢はもちろんのこと、日本からは三船俊郎、 イギリスからはドラキュラ名優、クリストファー・リーだ。 しかもこいつは何故かドイツ人役だ! ルーマニアっぽい(?)のが配役の要因か? まぁナンセンスな戦争映画が観たい人にお勧めです。 そんな人いないって? 10点(2004-06-09 01:15:10) |
4. 愛しのローズマリー
これは、ただものではない。 笑えたと同時に、かなり色々な事を考えさせられてしまった。 単なるコメディ映画にとどまらず、押し付けでない倫理感の提示に 目から鱗。そして感涙。これは奥が深い。 8点(2004-06-06 18:34:49) |
5. イン&アウト
《ネタバレ》 最初は少し期待したのだが、意外性とどんでん返しが売りかと思って見ていたら、結局最後まで笑う所もなくマジホモだったっていうオチ(?)で終わってしまった。 それじゃ、ギャグにもコメディにもなっていないじゃないか。 お前らの狙いは一体何だ? 0点(2004-05-02 12:09:51) |