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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1.  伊豆の踊子(1954)
野村芳太郎監督といえば今まで松本清張ものをはじめとしたサスペンス映画しか見たことなかったので、たまには違うジャンルの映画も見たくなり、見た映画。さすがに野村芳太郎=サスペンスという図式が頭に出来上がってしまっているので最初は本当に野村監督の作品なのかと違和感を感じてたが、そのうちに慣れてくると、こういう純文学映画も普通に撮れる監督だったんだなと思えてきた。美空ひばりが出ているのでアイドル色が強いのかと思っていたが、うたうシーンこそあるけど、あまりそんなことはなくちゃんとした一本の文芸映画として無難に仕上がった作品と思う。
[DVD(邦画)] 6点(2024-02-12 16:34:31)
2.  生きる 《ネタバレ》 
黒澤映画にのめりこんでいた高校生の頃に見た。見る前はもうちょっとあとになってからでもいいのではないかと思っていたが、それなりに感動できるいい映画だと思う。物語途中で主人公が死んでしまい、後半は通夜に集まった人たちの回想シーンで進む構成はちょっと新鮮に感じた。主人公が公園のブランコに乗って「ゴンドラの唄」を歌っているシーンはやっぱりいいシーンだ。ただ、やはり見るには若すぎたのかところどころ退屈に感じるシーンもあったのがちょっと残念。
[ビデオ(邦画)] 7点(2024-02-03 18:11:54)
3.  いつかギラギラする日 《ネタバレ》 
「バトル・ロワイアル」が面白かったので続けて見た深作映画。「バトル・ロワイアル」とは違って渋い男たちによる犯罪アクションとなっており、面白かった。ただ、雰囲気は最高なのに荻野目慶子演じるヒロインがやたらうるさかったので興ざめだった。惜しいが1点マイナス。
[ビデオ(邦画)] 6点(2024-01-20 18:39:02)
4.  異人たちとの夏 《ネタバレ》 
大林宣彦監督のファンタジー映画と言えば尾道三部作など若者を主役にした作品を思い浮かべがちだが、本作では40歳の脚本家を主人公に彼が体験するひと夏の不思議な出来事を描いていて、尾道三部作などとは一味違った雰囲気ではあるが、同時にそれとは違った魅力もあり、いかにも大林監督らしいメルヘンチックな大人のファンタジーになっていて、20年ぶりに見たが、やはり良い映画だと思った。主人公の原田(風間杜夫)が出会う死んだはずの両親(秋吉久美子、片岡鶴太郎)が幽霊であることを最初から明示しているのはやがて別れが来るということも示していてその時点で切なさがあるし、初めて見たころはあまり感じなかったが、今見ると現在主人公と同じ40歳である自分があと両親と過ごせるのはどれくらいだろうとか、亡くなったあとにこの映画を見たらどう感じるだろうかということをつい考えてしまう。原田が両親と会っているシーンはどこかノスタルジックな雰囲気で描かれているのも良く、父親と野球をするシーンや、母親の作ったアイスのくだりなど、そういう両親とのやりとりが見ていて微笑ましく、思わず顔がほころんでくる。しかし、それだけにやはりすき焼き屋での別れのシーンは分かっていても泣けてくる。消えゆく両親が息子にかける言葉にも泣かされるが、両親が消えてしまった後の「ちっとも食べなかったじゃないか」という息子の呟きがなんとも切ない。両親役の秋吉久美子と片岡鶴太郎の演技が素晴らしく、本作はまさにこの二人あっての映画だろう。平行して描かれる原田と桂(名取裕子)のエピソード。とくにクライマックスの桂が正体を現すシーンはさっきまでの雰囲気とガラリと変わってしまうこともあり、初めて見た時は違和感が激しかったのだが、今見るとそうでもなく、桂は両親とは対照的に呪縛霊のような描かれ方をしているが、頻繁に両親に会いに行く原田を見守るような存在として描かれていたのではと考えると、このクライマックスの桂の見せ方のハデさもあまり気にならなくなり、(やり過ぎ感はやっぱり感じてしまうけど。)意図としては見せ方の違いはあれど両親と同じような感じを狙っているのではと感じるようになった。そう考えると賛否両論ありそうなこのクライマックスも悪くなかったかもしれない。ちなみに原田と桂が話しながらテレビで見ている映画は木下恵介監督の「カルメン故郷に帰る」。本作の脚色は市川森一だが、原作は木下組出身の山田太一なので、(未読なので原作に「カルメン故郷に帰る」が出てくるかは分からないのだが。)思わずオマージュだと感じてしまった。(2022年7月18日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2023-12-25 00:35:12)
5.  生きものの記録
黒澤明が「七人の侍」の次に発表した作品。娯楽大作だった前作とは逆に静かな社会派の良作。当時35歳で老人役を初めて演じた三船の老けブリが見事。黒澤監督は晩年にも「八月の狂詩曲」という反核映画を作っているが、やはりこちらのほうがいい出来だと思う。「ウルトラQ」を思わせる不気味な音楽(早坂文雄の遺作)とラストシーンが印象的だった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-11-24 21:49:57)
6.  伊賀忍法帖 《ネタバレ》 
角川が「魔界転生」に続いて山田風太郎の小説を映画化した作品。本作も「魔界転生」のような雰囲気があり、二匹目のドジョウを狙って作られた映画なのだなとまるわかりなのだが、いうほど面白くなくはないとは思うものの、「魔界転生」と比べるとインパクトがなく、だいぶ落ちる印象があるし、二番煎じ感も強い。とはいえ、悪役となる五人の妖術師はしっかりキャラが立っていて、この後、「超電子バイオマン」でも悪役を演じることになるストロング金剛の存在感が中でもやたら際立っていて印象的だった。反対に佐藤蛾次郎は源ちゃんのイメージが強いせいか、頑張ってはいるんだけど、妙な違和感が最後まであった。それよりも「ラストサムライ」以前の福本清三がチョイ役でなく本格的に悪役として出演しているのがこの当時の作品としては意表をついていて驚かされるし、また同時に妙に嬉しくもある。中尾彬はだいたいいつもこんな感じなんで安心感を持って見ることができた。(千葉真一も。)ただやはりそんな個性的な悪役たちがあっさり倒されていくのはもったいない気がする。これがデビュー作の渡辺典子は薬師丸ひろ子や原田知世とともに角川三人娘と呼ばれるアイドルであるが、三人の中では映画よりもテレビに出てるイメージがいちばん強い。映画では「セーラー服と機関銃」や「時をかける少女」のような代名詞的な代表作が見当たらず、角川のアイドルとしてはあまりブレイクできなかったみたいだが、ルックスは良く、それが少し不思議に感じる。
[DVD(邦画)] 5点(2023-05-19 19:44:06)
7.  鰯雲
東京近郊の農村が舞台の成瀬巳喜男監督、初のカラー映画。近年話題の映画「ALWAYS 三丁目の夕日」などではまず描かないような昭和30年代の農村の生活ぶりをとても興味深く見ることが出来た。こういうのを見ると本当に昭和30年代が現代と比較していいことばかりとはかぎらないということがよく分かる。しかし、すでにみなさんが書かれているとおり、登場人物の関係が複雑すぎて、全部把握しきれなかった。よって物語にイマイチ入り込めずに終わってしまった印象だが、それでも、冒頭の雲の映像の美しさや成瀬監督らしい余韻の残るラストなど印象的な部分も多かった。そういえば黒澤作品など男を中心にした作品の印象が強い橋本忍が女性映画で知られる成瀬監督と組んでいるのは珍しい。ところで、小林桂樹の婚約者が司葉子で、加東大介や新珠三千代も出ているので見ていてなんとなく社長シリーズを思い浮かべてしまった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-12-11 02:18:21)
8.  居眠り磐音 《ネタバレ》 
原作未読、NHKのドラマ版も全くの未見で、朝ドラ「カムカムエブリバディ」を見終わった(本格的に見始めたのは途中からだったのだが、なんだかんだ言いながら最後までけっこう面白かった。)タイミングで同じ脚本家ということだけで見てみたのだが、普通にテレビ時代劇のような軽いノリでそこそこ安心して楽しめる反面、ストーリー展開が重めなのがなにかバランスがよくない印象。でも、本木克英監督といえば喜劇のイメージが強いためか、前半のシリアスな展開にちょっとビックリ。しかし、この前半部分が駆け足気味で深みがなく、とくにもっとこの三人の関係は掘り下げたほうが良かったように思うし、その時点でなるほど映画よりもテレビの連続もののほうが向いているように感じてしまったのは残念。国元を追われ、浪人となった磐音(松坂桃李)が江戸で出会う人々のあたたかさや優しさが丁寧に描かれているところはさすが松竹の本領発揮といったところ。後半のヒロインであるおこんを演じるのが木村文乃なのだが、松坂桃李との共演はどこかで見たと思ったら、これも朝ドラの「梅ちゃん先生」だった。柄本明と柄本佑の親子が出ているが、前半で磐音の友人役として佑が登場し、後半に悪役として明が登場するという使い方はなかなかうまかったと思う。クライマックスの花魁の道行きシーンもそこそこ美しく撮られていて印象に残った。続編あり気に終わるのだが、また機会があればNHKのドラマ版を見てみようかな。
[DVD(邦画)] 5点(2022-04-17 23:50:48)
9.  インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 《ネタバレ》 
シリーズ第3作。25年くらい前にシリーズで初めて見たのがコレで、当時は純粋に面白いなあと思って見ていたが、やはり久しぶりに1作目から順番に見返すとこの3作目は少し息切れを感じなくもない。しかし、それをカバーするのが、今回登場したショーン・コネリー演じるインディの父・ヘンリーのコメディ・リリーフぶりで、インディとヘンリーの親子漫才のような掛け合いは今見ても笑えるし、楽しい。冒頭にインディの少年時代が描かれているが、ここでインディの過去を出すことによってこの父親との微妙な関係をさりげなく見せているのが良いし、これがあるから、その父親と再会したあとのこの二人の関係性にも注目することができる。(蛇ぎらいの理由や鞭や帽子など現在のインディの特徴の由来もここで描かれるのはファンに対するサービスの域を出ていないと思うのだが、まあ、いいか。)ショーン・コネリーの出演はこのシリーズが元々「007」シリーズを参考・意識しているためのキャスティングなのだろうが、今回はスパイ映画の風味も加わっているように思う。登場したヒロインが実は悪役だったというシリーズこれまでにない展開もまさにそうなのだが、とくにこの部分は「007」でも似たような展開の作品があったよなあとつい思ってしまった。それにしても、ショーン・コネリー、本作で初めて見たころはヘンリーのひょうひょうとした印象からか、そんな大俳優だとは思ってなかったなぁ。(2019年3月31日更新)
[CS・衛星(吹替)] 7点(2022-02-18 21:18:37)
10.  一命 《ネタバレ》 
三池崇史監督が「十三人の刺客」に続いて往年の名作時代劇をリメイクした映画。「十三人の刺客」同様にオリジナルである小林正樹監督の「切腹」を見て一週間ほど経ってから見た。「十三人の刺客」はうまく現代のエンタメ時代劇としてアレンジされたものに仕上がっていて、工藤栄一監督のオリジナルを見たあとに見ても楽しむことができたが、本作は「切腹」をほぼなぞるかたちで進行する無難な仕上がりで、まったく面白くないというわけではないが、法廷サスペンスでも見ているかのような緊迫感があった「切腹」と比べると、後半になってからずっと回想シーンというのもあってか、あまり緊迫感は感じられず、「切腹」よりも人情劇としてのウェイトが強い印象で、そこが物足りないし、登場人物のセリフもやや説明的になっているような気がする。また、立ち回りのあと、役所広司演じる勘解由が後の処理を命ずるシーンがないことで本作が「切腹」とは印象がやや異なったものになっている。これによって「切腹」ではラストの井伊家側の態度を示すシーンを描くために必要と感じたラストの半四郎の立ち回りがただの見せ場と化しているような感じになっているし、劇中の季節が「切腹」とは違うのも、このシーンに雪を降らせて、3D効果による見せ場を演出したかっただけではないか。はっきり言ってこのシーンの雪は不要な気がする。それと、欠勤している三人を演じる俳優が「切腹」と比べて小粒な感じで、半四郎と彦九郎の決闘がないのも物足りない。半四郎役の海老蔵はスキャンダラスなイメージがどうしても強く、好きではないが、まずまずの好演といったところ。でもやはり仲代達矢のあの演技力には勝てないか。(当時の仲代が本作の海老蔵よりもほんの少し若かったというのは驚く。)勘解由役の役所広司もうまいのだが、やはりこれも三國連太郎のほうがはまっていたと思う。いっそ、半四郎役を役所広司で、勘解由役を仲代達矢にしてしまったほうが良かったような気もする。ところで本作はタイトルをなぜ変えたんだろう。「切腹」のままのほうがインパクトがあっていいと思うのだが。 音楽担当が坂本龍一なのは「切腹」の音楽担当が武満徹だったことを意識した起用かもしれない。
[DVD(邦画)] 5点(2021-10-30 16:09:54)
11.  一番美しく
黒澤明監督の第2作。黒澤には珍しい女性映画で、尚且つ戦時中という当時の時局柄、戦意高揚映画である。そのためか、見ていてもあまり面白いものではなく、見ていてけっこう辛かった。とくに主人公が無くした小さな部品をひとりで夜中に何時間も探すシーンは胸が詰まりそうになった。それとタイトルクレジットが一切なかったのが驚き。(一応、エンドクレジットはあったけど、あれは放送局のオリジナルっぽい。)
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-05-20 19:56:55)
12.  イノセンス
映像は美しい。ただ、背景がリアルすぎてアニメのキャラクターと馴染んでいない箇所があるのに少し違和感を感じた。それに押井の映画にしては普通な印象である。もちろんいつもの押井節は健在だが、前作のほうが面白かったような気がする。でも本作もつまらなくはなかったので6点。
[ビデオ(邦画)] 6点(2020-05-04 13:46:31)
13.  インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
シリーズ第2作。昔見たこのシリーズではいちばん記憶にある作品だったが、猿の脳みそだとかトロッコアクションだとか見ていて懐かしかった。ジェットコースタームービーと言われているシリーズだが、トロッコのシーンなんてまさにジェットコースターに乗っているような気分で楽しい。(今やるとしたら間違いなく3Dだろうなあ。)今回はインディとヒロイン、それにインディが連れている少年という三人のメンバーが冒険を繰り広げるわけだが、これが疑似家族のようであるところなど前作に比べてよりファミリー向けな印象でコメディー要素も強く、それが少し意見が分かれるところでもあると思うのだが、個人的にはやっぱり前作よりも娯楽要素の強い本作のほうが好きだな。多少の思い出補正も含めて少し甘めだけど7点を。(2018年9月24日更新)
[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-02-24 09:13:41)(良:1票)
14.  刺青(1966)
増村保造監督の演出は冒頭からいかにも増村節全開で、背中の刺青がものすごいインパクトを放っている若尾文子がここでも悪女役を熱演しているのだが、何か物足りない。宮川一夫の撮る映像の美しさや大映らしい西岡善信の美術も素晴らしく、完成度としては申し分ない出来の映画なのだけど、どうもこの若尾文子演じる主人公お艶にイマイチ魅力が感じられなかった。さっき書いたように若尾文子は見事な熱演ぶりであらためてこの女優にはこういう役がよく似合うと思いながらも同時にどこか違うと思ってしまった。まだ若尾文子が悪女を演じる作品はそんなに見ていないような気がするが、同じ増村監督とのコンビ作での悪女役なら「妻は告白する」の滝川彩子のほうがずっと魅力を感じる。増村監督の時代劇としては「好色一代男」に比べるとずっと彼らしい作品になっていただけに、この点だけは本当に残念だった。
[DVD(邦画)] 6点(2019-11-26 23:51:22)
15.  怒り 《ネタバレ》 
殺人事件から一年後、容疑者に特徴の似た三人の男がそれぞれ東京、千葉、沖縄に現れ、周囲の人々と関わっていく様を描いた群像劇だが、この中に犯人はいるのか、それは誰なのかというよりも、三人と関わる人々の人間模様を中心に描いていて、豪華なメインキャストの熱演もあってドラマとしてはそれぞれに見ごたえのあるものになっていると思う。それに犯人は誰という観客がもっとも興味を引くであろう部分にもミスリードを多くして最後までその興味を持続させるのもよく考えたらありがちに感じるもののそこそこうまく、そのおかげで引き込まれた部分もある。犯人のモンタージュ写真は三人の特徴をよく捕らえたものになっているが、モデルとなった実際の事件の犯人にも似ているあたりは細かい。ただ、脚本としては主題のほかにいろんな要素を入れているためにやや散漫な印象が残るものになってしまった感があるのも事実で、とくに沖縄パートの米兵によるレイプ事件はデリケートな問題ゆえに群像劇のエピソードの一つとして描くには無理があり、これをやるならこのテーマだけで社会派映画を別に一本作ったほうがいいような気がする。殺人事件の犯人は最後に判明するが、犯人の突然豹変するその姿はそれまでのふるまいからするとどうしても違和感を感じさせるものであり、なにかやや強引に犯人を定めてしまった感がある。またその犯人が殺されるという結末も強引に後味の悪い方向に持っていこうとしてる感じで好きになれない。ほかの二つのエピソードが後味もそんなに悪くなく終わっただけに、このパートの後味の悪さが際立ってしまい、見た後はなにか微妙な気持ちになってしまった。せめて、群像劇ではなくオムニバスだったら印象は違っていたかもしれない。それにいっそこの三人の中に犯人はいなかった結末でも良かった気はする。
[DVD(邦画)] 6点(2018-01-07 00:03:01)(良:2票)
16.  生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言 《ネタバレ》 
森崎東監督がのちに「ニワトリはハダシだ」でも組む倍賞美津子と原田芳雄を主演に手掛けた社会派喜劇で、スタッフも「ニワトリはハダシだ」と似通っている。冒頭からカバーをかけたまま走り出す車という森崎監督らしい勢いのある描写ではじまり、つかみはOKというところなのだが、同じく社会的テーマを扱った喜劇である「ニワトリはハダシだ」と比べるとシリアスな部分が多くてちょっと戸惑うし、登場人物たちのノリは確かに軽めではあるが、ストーリーも暗めで純粋に喜劇映画として見た場合にはやや物足りなく感じる。でも、原発ジプシーというテーマ自体は東日本大震災後である今見るととても考えさせられるものがあり、これだけでも決して一概に見て損したという気にはならない。クライマックスでマシンガンをぶっ放す倍賞美津子はかっこよく、またこの人がこういうのを演じるのはなんか新鮮に感じる。
[DVD(邦画)] 6点(2016-04-02 21:34:24)
17.  いつでも夢を(1963)
橋幸夫の代名詞的な代表曲をモチーフにした日活の青春映画で、いかにもそれらしいカラッとした明るさがあり、安心して見ていられるプログラムピクチャーの一本。橋幸夫本人もメインで出演していて「いつでも夢を」のディエットの相手である吉永小百合(どうでもいいが、「あまちゃん」を見た後だとこの曲のディエットの相手と言えば宮本信子を思い浮かべてしまう。)と浜田光夫の日活青春映画黄金コンビに橋幸夫が加わっているというキャスティングだが、違和感は特になく、スッと入っている感じなのが良かったし、演じるトラックの運転手のチャキチャキした江戸っ子なキャラクターもよくハマっていて、強引にねじ込んだ感は0。タイトルの出演者クレジットで橋幸夫が吉永小百合と浜田光夫を差し置いてトップ表記なのも彼が当時いかに人気があったかを物語っている。(出番の少ない松原智恵子が吉永小百合よりも先に名前が出るのは確かに謎だ。)映画の印象としてはやはり平凡だが、リアル三丁目の夕日といった雰囲気があり、あの映画を見るよりは実際に当時作られた映画を見ているほうが有意義な気もする。(あのシリーズ、決して嫌いというわけじゃないけど。)橋幸夫演じるトラックの運転手の母親が田舎から出てくるくだりは、母親を演じているのが飯田蝶子のためか、小津安二郎監督の戦前の名作「一人息子」を思い出した。ひょっとしたら意識してやっているのかもしれない。
[DVD(邦画)] 5点(2015-11-08 14:29:30)
18.  刺青一代 《ネタバレ》 
鈴木清順監督による任侠映画。話自体はストレートな任侠映画なのだが、クライマックス、主人公(高橋英樹)の弟が殺されたあたりからはそれまでの流れとは明らかに違う鈴木清順の世界が展開され、雷の光で影が映り込む障子や、延々と続くふすまのカラフルさ、どこか舞台劇か歌舞伎を思わせる殺陣と、とにかく清順美学と呼ばれる清順監督のこだわりが炸裂していて、とくに対峙する高橋英樹と河津清三郎を真下からとらえたショットはあまりも斬新で見事としか言いようがなく、このクライマックスだけで単なる任侠映画が前衛的な芸術映画に変貌してしまっているのは本当にすごいし、「東京流れ者」もそうなのだけど、本作も清順監督のほかの監督にはないような独特の映像感覚を堪能できる映画になっていて、もうこれだけでファンならば見る価値はじゅうぶんにある映画だと思う。出演者に目をやれば主演の高橋英樹は同じ時期の日活のスター俳優たちに比べると顔立ちが濃いのでさわやかさを売りにする青春映画よりもこういう任侠映画のヤクザ役のほうが役的にハマっていたと思うし、和泉雅子の役柄も悲壮感を感じさせず、逆に明るさや可愛さが際立ったキャラクターに描かれていて、東映の任侠映画に出てくる女優ではこういうのはあまりないので、新鮮に感じたし、また、こういうところに東映とは違う日活のカラーがよく出ていると思う。親方役の山内明も良かった。しかし本作はやはりさっき書いたようにそれよりもクライマックスの清順美学を堪能するための映画だと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2014-09-05 20:29:09)(良:1票)
19.  犬と私の10の約束 《ネタバレ》 
「犬の十戎」をモチーフとした本木克英監督による映画。ありがちなファミリー映画で毒気がなく安心して見ていられる反面、やはりあっさりしすぎていて物足りなさもある。「犬の十戎」そのものは泣けるのだが、子供が見る事を意識しているのか、福田麻由子に「犬の十戎」を説明する高島礼子のセリフを吹き出しで画面に出していたり、ソックスが死ぬシーンでもそれを反復していたりして少々あざとさを感じた。でも、自分も今年10歳になる犬を飼っているのでソックスが死ぬシーンではそういったあざとさを感じながらも「うちの犬はあとどれくらい生きるのだろう」ということを考えてしまった。トヨエツにこういうお父さん役のイメージがないので、最初は少し違和感を感じたが、慣れると気にならなくなった。(最初は犬嫌いというのが犬を飼い始めた当時の自分と同じで共感できる。)福田麻由子が後半田中麗奈になるというキャスティングも自然。加瀬亮はドラマ「SPEC」の瀬文役よりもこういう役のほうがはまり役だと思う。
[DVD(邦画)] 5点(2013-10-20 22:37:44)
20.  インナースペース 《ネタバレ》 
「ミクロの決死圏」を見た流れで取りあえず本作も見てみたが、こちらは「ミクロの決死圏」とは違い、人体内の冒険よりも、ミクロ化実験に必要なチップが奪われてしまい、それを取り返すほうに主観が置かれているため、「ミクロの決死圏」とはかなり印象の違う映画になっているが、こちらも面白かった。体内に入られる人間が健康体で、体内のミクロ化した側の人間と通信で会話したり、キスがきっかっけでまた違う人の体内に入ったりするのが、「ミクロの決死圏」との最大の差異だ。ストーリー展開としてはシリアスだが、コメディー要素も強く安心して見ていられるのもよかった。見る前は中学生くらいの頃に見ておけばよかったかなと思うかもと不安だったのだがそういうこともなかった。主人公は一応ミクロ化するタック(デニス・クエイド)ということになっているが、設定上彼の存在感は薄く、タックが体内に入り込むことになる内気なスーパーマーケット店員 ジャック(マーチン・ショート)が自然と主人公然としてくるのは仕方のないところ。頼りなさげなジャックがタックに励まされ徐々にやる気を出してくるあたりは単純だが爽快感があっていい。デニス・クエイドの恋人役がのちに彼と結婚することになるメグ・ライアン(懐かしい!)で、共演シーン自体は少ないが、ラストシーンは二人の結婚式のシーンというのもあとから見れば意味深に思える。でも現実ではその後別れてしまったのは残念だった。
[DVD(字幕)] 6点(2013-05-30 22:57:33)(良:1票)
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