1. インターステラー
《ネタバレ》 荒廃とした地球、終わりのない砂嵐、それでも懸命に生きる農業を営む家族、一流の監督ならこれで一つ映画ができる。地球を捨てて他の惑星へと移住、これで一つ映画ができる。ブラックホールの特異点から時空を超える近未来科学、これで一つ映画ができる。しかしこの男にはそれらが一つの映画をつくるための部品に見えてしまうらしい。クリストファー・ノーランはそもそも映画をつくるときに描く構想の次元が違う。それはインセプションにも感じられたことだった。夢に潜り込むというワンアイデアで終わることなく、階層構造や時間の流れといった細部にまで徹底的に緻密に創り上げ、そこに強力なリアリティーを生み出す。この細部まで妥協を許さない徹底さこそ、この監督の真骨頂だと思う。まさに他の監督とは格が違う超一流の技だ。 インターステラーには科学があり、哲学があり、ロマンがあり、人間ドラマがあり、圧倒的なイマジネーションがある。映像、演出、ストーリー、セリフ、音楽のどこをとっても文句のつけどころがない。これほどスケールの大きな映画を私は他に知らない。映画史上に残る最高の映画だ。 ちなみにストーリーがご都合主義との批判があるが、可能であれば相対性理論や量子力学をさわりだけでも学んでから鑑賞するのが良いだろう。そうすればこれが単なるご都合主義な夢物語とは言い切れないことを少なからず理解できると思う。「起こりうることは起こる」のだから。 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2015-04-13 06:28:31)(良:5票) |
2. イントゥ・ザ・ワイルド
2時間という短い時間を楽しませてくれる映画は数あれど、人生に何かしらの影響を与える作品は数少ない。本作はその後者に値する作品の一つだ。 バックパッカーなど長期の旅を好む人はそれほど珍しくはない。それは不遇からの逃避であったり、金銭的な余裕による娯楽であったり形は様々だ。しかしこの主人公の旅はかなり異質である。映画では逃避という言葉が使われていたが、それは通常の逃避とは明らかに異なる。彼は裕福な家庭に生まれ、ハーバード大学を卒業し能力的にも金銭的にも恵まれていた。多くの人が求め、手に入れば満足するものを持っていながらそれを捨てて彼は旅に出た。学資預金を寄付し、身分証明書を切り捨て、持っていたわずかな金を燃やした。ここまでできる人間が世の中にどれほどいるだろうか?社会からの逸脱。保険のない、荒野へ(into the wild)向かう旅だ。人生は、世界はこんなにも素晴らしく、美しい。そう教えてくれる映画だ。 余談だが、ものごとを現実的に考え哲学的なものに意味を感じない人は観るのをやめた方がいいかもしれない。この映画は無数にある人生のあり方の可能性を一つ提示してくれるだけで、哲学同様答えを示してくれるものではないから。 [DVD(字幕)] 9点(2012-11-11 04:34:45) |
3. インセプション
名前だけで、観ようと思える数少ない監督の一人。 スピーディーで臨場感のある演出が素晴らしかったです。 夢の中に入るという設定は、見事なまでに細部まで作り込まれていて、ファンタジックなのに、納得させられるだけの説得力がありました。 一言でいうならめちゃめちゃ完成度が高い作品という感じです。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2011-05-03 05:31:38) |
4. インシテミル 7日間のデス・ゲーム
《ネタバレ》 私には、何の目新しさも感じられませんでした。このような設定のストーリーにはよくありがちなものですね。 「主人公は絶対に悪に走らない」「不気味な密室」「一見簡単に思われる達成条件(一週間過ごすだけでしたっけ?)」「人間の隠れた本性が徐々に現れる展開」「最後は意外な人物が主犯だったり黒幕だったり」全てどこかで見たことがあるので、私にはもはや王道にすら思えました。何より、いまどきそんなわかりやすいやついねえと突っ込みたくなるようなキャラ設定にうんざりでした。 あと、これは個人的な意見ですが、藤原達也の演技が最近ワンパターンで胡散臭くさえ思えてきました。最初は上手いと思っていたのですが・・・ [DVD(字幕)] 3点(2011-03-20 23:02:47) |
5. 硫黄島からの手紙
この映画にケチをつけることはできないし、ダメなとこなんてないんだけど、あえて言えば心を揺さぶるような強烈なインパクトみたいなものがなかった気がする。まあでもディパーテッドよりはこっちだろうアカデミー賞。僕は星条旗の方が好きですね。 [DVD(字幕)] 8点(2007-08-15 01:54:53) |
6. イルマーレ(2006)
よくできていると思います。キアヌとサンドラっていうキャスティングがいいですね。 [DVD(字幕)] 7点(2007-03-09 03:29:44) |
7. インサイド・マン
アイデアはおもしろいと感じましたが、微妙にストーリーが理解できませんでした。もっとわかりやすい演出ができていればよかったのにと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2007-01-07 03:56:10) |
8. イノセント・ボイス 12歳の戦場
評判通り、心にズシ~ンと来る映画でした。ただ何故か2時間かけて観た本編よりも、その後に観た日本版劇場予告編の方が感動してしまったけど。 やれ戦争だ貧困だのとテレビで耳にするけど、そんな言葉で想像できるほど簡単で気楽なものではないってことをこの映画は教えてくれる。この映画が人々の平和意識を少しでも変えることができるならそれはまあきっと意味があるのかもしれない。 余談ですが、こういう映画を観ると、リアリティを作り出す以外に戦争の悲惨を伝える方法はないものかといつも考えてしまう。それとリアリティのある映画って批評家受けが良いけど、そもそも批評家受けの良い映画というものがあること自体が問題だと思ったり。 [DVD(字幕)] 8点(2006-07-28 01:10:05) |
9. いま、会いにゆきます
中村獅童さんの演技はなんだか妙な感じでした。妙な感じっていうとおかしいかもしれないけどそういう雰囲気って普通の人には出せないもので演技に対する姿勢がほかの人とは違うんだろうなあなんて思ったり。僕はとてもいいと思いました。オレンジレンジの「花」はいい歌だけどこの映画にはちょっと不釣合いな印象です。狙いすぎ? [DVD(字幕)] 7点(2005-07-07 06:36:10) |
10. イノセンス
とりあえず映像が凄い。ありふれたきれいなだけのハリウッドのアニメとは違って驚かされる。独特の世界観に哲学的な要素を融合させて他にはない作品になってる。ストーリ自体はやはり映画だけみても理解するのは難しい。ぶっちゃけよくわからん。ナルシスト的な感じも否めない。 だけど芸術的な深みのある映画です。好き嫌いが別れそう。 8点(2004-09-16 01:55:05) |
11. イングリッシュ・ペイシェント
個人的には苦手なタイプの映画。深い愛。人間関係の憤り。いろいろ 6点(2004-09-12 06:21:19) |