1. いまを生きる
《ネタバレ》 坊ちゃん学校のお坊ちゃん達、ナイーブ過ぎる!自由人な大人に「いまを生きる」なんて感化されて、ちょっと目覚めたからって今すぐにそんなに生き急いでどうする。まーそれが若さって言えば身も蓋もないんだけど。キーティングは魅力的な教師だと思うが、自分が若かった頃より今の若造はずっと脆弱だって認識が欠けてたからこんな悲劇につながったんじゃなかろうか。何だかやたらもどかしい展開のうえ、ラストは救われない話なので、邦題からイメージするようなカタルシスは皆無。R.ウィリアムスのキラキラお目々演技はいつもながら秀逸。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-07 08:44:24)(良:2票) |
2. いつか晴れた日に
オースティンと言えばイギリスの田舎貴族の山有り谷有りの婚活物語、こちらも腰を落ち着けてじっくり楽しめる作品。とにかく風景を眺めるだけでもううっとり。ヒュー・グラントはどうにも甘ったるい二枚目顔が鼻につき、知性がドレスを着ているようなエマとお似合いとはとても思えない。が、役のお陰でこの作品での彼は普段より印象が良かった。つい微笑を誘うマーガレットの可憐さにもにっこり。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-24 12:57:58) |
3. 息もできない
《ネタバレ》 手負いの獣のようなサンフンは、愛し方も愛され方も分からずひたすら自分の暴力衝動を持てあます。その姿は哀しくもいじらしく、やっかい者でありながら親友や義姉に愛されるのも分かる気がする。主人公2人を見ていると、家庭という安住のベースを持たない人間は自分を大切にしないということがよく分かる。ついでに、彼らに感情移入できるか否かも観る側の育った環境や家庭観によって大違いとなる、ということがここのレビューを読んでいるとよく分かる。サンフンのやり場のない憤りやヨニの他人に期待しない諦めの姿勢、その奥底の悔しさや哀しさを察して勝手に心が痛くなる自分のような人間は、残念な子ども時代を享受した分、大人になってからこういう映画を深く味わえるというご褒美がもらえるのだ。それにしても高利貸しから焼き肉屋に転身したマンシク、アンタいい人過ぎ(笑) [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-29 14:29:39) |
4. イントゥ・ザ・ワイルド
《ネタバレ》 生い立ちはともかく、旅立ち以前の主人公をとりまく環境は充分恵まれているように見えたので、このような壮大な計画を実行に移す動機としては若干疑問が残った。しかし旅の途中での出会いと別れのエピソードはそれぞれに味があり、2時間半という長尺が気にならなかった。話が進むにつれ、自分に向けられた愛情を頑なに拒絶し、多くの人の気持ちを傷つけることも厭わず我が道を行く主人公の若さ故の傲慢さが、どんなふうに実を結ぶのか結末を知りたいという気持ちになっていった。そして、彼が孤高の旅路の果てについに得た英知が「人は一人では幸せになれない」という真理だったという完璧なカタルシス。 予備知識ゼロで観たが、実話ベースにしてはあまりにも都合良く出来過ぎな展開と思える部分もあったものの、映画としてのエンターテイメント性を考えればかなり上出来だと思う。監督ショーン・ペンの今後に期待。餓死寸前(?)まで身体を張った主演のエミール・ハーシュの役者魂にプラス1点献上。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-16 14:08:40) |
5. イースタン・プロミス
100分でこの濃さはすごい。クローネンバーグと言えばエログロドロドロ系をつい想像してしまうが、この作品は全編を通じバイオレンス色は強いものの何故か端正な印象。それぞれの人物描写もストーリー展開もよく練られていて、100分まるまる濃密な描写が続く緊張感が心地よい。ところでヴィゴのスーツ姿はとんでもなく美しい。それだけでも眼福なのだが、サウナでの全裸死闘シーンというおまけ付き。やっぱりこの中味があってこそ衣装も決まるのだなぁと妙に感心。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-03 14:51:14) |
6. インスタント沼
《ネタバレ》 大好きな三木聡作品だがこれはちょっと中途半端だった。パジャマのゴムはちょっと緩いぐらいが着心地がいいが、ゆるすぎて腰骨でかろうじて留まってるようだとちょっとスッキリしない。だったらいっそこのまま今日は家に引きこもってテレビ観てダラダラしようと思っていたのに、突然画面から貞子が出てきちゃって勘弁してくれよ、みたいな龍の登場もちょっと困る。でも、まいっか。と思ってしまうところがさすが三木作品。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-02-01 17:32:18) |
7. eatrip イートリップ
出演者の面子に惹かれて観たが、色に関する割と当たり前の話を延々と語られ、例えばこれが各人とサシで飲みながら語り合う内容ならそれなりに面白い時間になるだろうが、一方的に淡々とそれを聞かされても眠くなるばかりというか…。途中で寝そうになっても最後まで頑張って観ると美味そうな食事シーンが出てきて少し元気が出るので、その勢いでなんか旨いモノでも食べに行くと良いのでは。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-02-01 16:58:30) |
8. いけちゃんとぼく
うちの小3と小6が見て、共に歌い踊り爆笑し、最後には号泣していた。彼らの評価がこの映画の正しい評価なのだろうと私は思う。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2010-11-09 12:31:19) |
9. イエロー・サブマリン
音はもちろん、絵も話も大好き。子ども達も0歳児時代から繰り返し観ていて、我が家で最も視聴回数の多い映画かも知れない。児童文学好きなのでつい比べてしまうが、荒唐無稽さで言ったら「不思議の国のアリス」の方がよっぽど上。でも英国ものならではの突き放し感と愛のある一種のツンデレファンタジーとして、これもまた洋の東西を問わず老若男女に愛される力をもった作品だと思う。 [DVD(字幕)] 10点(2010-08-15 12:07:49) |
10. イタリア的、恋愛マニュアル
オムニバスは1本目で評価しない、その鉄則を知る。後半へ行くほど味わい深い小粋な話となり、冒頭の軽さからは想像の付かない懐の深い後味が感じられた。これが本当に「イタリア的」なのだとしたら、確かに日本の恋愛事情よりよほど充実していて羨ましい限り。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-28 13:24:05) |
11. イン・ハー・シューズ
《ネタバレ》 長らくキャメロン・ディアスという女優の魅力が解せなくて、前半は役柄まんまに「あー、やっぱりこの女ヤダ!」とイライラしながら観た。でも、だからこそ後半の展開に素直に引き込まれ、最後にはマギーのキャラごとディアスの実力を見直した。詩の朗読シーンが特に印象的で、「頭の良い子だ」と教授にA+をもらった時のマギーの表情がすごく良かった。ジャマイカレストランでの手作り結婚式も、そのゴチャゴチャなんだけどHAPPYな感じが姉妹の新しい門出を象徴しているようで微笑ましくて、映画の中の挙式シーンのベスト10入りしそう(マギーが選んだドレスも本当にローズによく似合ってた)。思いがけず掘り出し物の一作でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-11-30 00:07:44) |
12. 犬と私の10の約束
幼稚園児じゃないんだから、イラスト付きで10の約束を解説されてもな~と苦笑。犬じゃなくてトヨエツに2度ももらい泣きさせられたのは想定外だった。こういうとことん毒のない作品を家族揃って笑って観られるのもあと数年かなぁ・・と思うと何故かスクリーンがぼやけた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-11-05 12:08:13) |
13. イージー・ライダー
監督や出演者と同世代の人間にとっては過大評価もやむなしのエポックメイキングな作品だったのかも知れないが、基本的にどこを切り取ってもどこから見始めても一緒だし、一番良いのは音楽であり、バイクを含めた景色であり、ということでハードロックカフェみたいな店で延々と流すのに最適な映画と思われる。真面目にアタマから気合い入れて見ると自分にはむしろ退屈だった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-10-07 11:40:03) |
14. インベージョン
《ネタバレ》 エイリアン的な冷たい美貌のニコール・キッドマンがヒロインだと、無表情を装うのは朝飯前という気がしてあんまりハラハラしないのだった。敵の感染拡大の方法が下品すぎてオエー!!生理的不快感をかき立てるシーンが多いので食事の前後の鑑賞は避けるべし。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-26 00:08:55) |
15. イル・ポスティーノ
学はないが純粋な感性を持った男が、恋をして己の感情を無我夢中で表そうしたとき、ごく自然に詩人が生まれる・・「人が芸術家になる時」を美しく描いていて、何とも良かった。ただ、後半で狙った女を手に入れさえすればエセ詩人はあっさり廃業・・ってそんな無粋で打算的な男の話だったのかよ!!と憤慨しかけたが、うまいこと持ち直してくれて良かった。 それにしても惜しい役者を亡くしました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-16 13:24:22) |
16. 無花果の顔
役者としての桃井かおりが好きなので観てみたものの、最後まで主題がなんなのかもよく分からなかった。色々とこだわりがあるのはひしひしと伝わってくるが、一つの作品としてのまとまりがなく、動画版「桃井語録」のような印象。女優としての桃井かおりのイメージは、年齢不詳で侮れないオトナの女、というものだったが、その本人が脚本・監督を手がけた作品を観たことで、実際の彼女がその役柄以上に不思議ちゃんであることが伺えてしまって、映画を撮るということは、その人の本質を露呈してしまうことなのだな~としみじみ感じた。その好例ということで3点献上。ちなみに、山田花子はけっこう良い役者だという意外な発見があった。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-07-17 14:36:32) |
17. 居酒屋ゆうれい
主要キャストの3人が非常に魅力的。みなそれぞれにワガママ勝手だけれど、人間らしく憎めない。室井滋と山口智子はタイプ全然違うけど、どちらも恋女房としてはかなりいい女だと思う。女の魅力は深いね。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-06-30 11:13:21) |
18. 犬の生活
たったの40分でチャップリンの才能と映画に懸ける情熱、ヒューマニティを堪能できる傑作。最初に野良犬の群れから子犬を助け出すシーンで、チャップリンと犬たちの激しいからみがみられるが、あれだけの数の犬たちに細かい演技指導ができるわけはなく、ただひたすら身体を張って撮ったのだろうなと思うとため息がでる。最初に見たときはただただ爆笑した二人羽織のシーンも、改めて見るとかなり周到に考えられていて感心する。演出に金をかけたり、テクノロジーの力を借りずとも人の心を動かす映画は作れるのだと実感させられる。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-09-12 04:10:26)(良:1票) |
19. 陰謀のセオリー
タイトルから期待薄だったが人に勧められて観たら結構面白かった。この邦題じゃワケ分からんが、要するに巷でまことしやかに囁かれている都市伝説の類か?ただのパラノイアかと思いきや実は天才かとも思わせるエキセントリックな主人公をメル・ギブソンが熱演していて実に面白い。映像も凝っているし脚本も良くできていると思う。彼の要塞のような家が特に好き。敵に襲撃された時の完璧な逃げ方まで熟慮されている家なんてワクワクする。ロバーツも女オンナした役よりこういう知的な役柄の方が魅力的に見え、いつもより女っぷりが上がって見えた。悲惨な過去が暴かれ痛々しい結幕を迎えるのだが、一転してラストシーンの美しさに心洗われる。 7点(2004-12-11 22:36:42) |
20. インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
トム・クルーズには中世ぽいコスプレは似合わないと思う。白塗りもいつもが健康的なイメージだけになんだか違和感があったが、悩まず宿命のままに分かりやすい行動をとるキャラ、という意味ではぴったりのキャスティングだったと思う。逆に悩みまくり役のブラピはもともと線が細い印象もあるので美しくハマッて見えた。デビルマン同様、闇の眷属でありながら自己の存在意義に苦しんで生き続ける姿が美しいのよ~。でも最後にちょっと疑問が残ったので原作を読んで確認したい。結局レスタトとの腐れ縁が切れてないってこと? 8点(2004-10-26 13:18:47) |