1. インターステラー
《ネタバレ》 文句なく興味深い!この鑑賞後の感覚は何だろう?アメリカ数学的思考の頭の中身といったとこか?アメリカ文化の代表で、スヌーピーを取り上げると、あの絵は数式で置き換えられるような線でできている。対してサザエさんは置き換え不能である。そこに和洋の違いを見るといえば分かりやすいだろう。つまりスヌーピー文化の香りプンプンの映画だ。霊に導かれてるという経験は誰にでもあるだろう。これはそれをアメリカ的思考で映像化している、文句なくSF映画の金字塔である。大味なストーリーではあるが、細部に知的興奮が宿り、3時間近くがあっという間だった。クリストファーノーランは、どこまで洗練された思考で、映画を創っていくのだろう?今まで映画という文化は、いろんな要素を取り入れてきた。彼の登場は数学的論理の面白さを映画にもたらしてくれている。理系映画の幕開けを予感させる作品だ!「マトリックス」のようなプログラム的センスではなくて、数式的なセンスの映画の幕開けと言ったらいいか。もちろん満点だが、そのような旧来どおりの評価基準で収まらない作品だった。いや~、このような才能がドンドン映画界に来るといいね(^^♪ [DVD(字幕)] 10点(2015-07-12 00:38:47)(良:1票) |
2. インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
《ネタバレ》 人生フラフラしてる奴の魂のこもった映画。コーエン兄弟は映画の見せ方を知ってる。CGなんかFUCKだ!これぞニューシネマの血をひく正統派アメリカ映画!骨太なんだけど、イーストウッドよりも、コーエンのセンスの方が俺は好き。なんか久々のロードムービーで猫と絡んで「ハリーとトント」か?なんて思ったら、クラピッシュの「猫が行方不明」みたいで、でも生まれてくる?子ども同様、見捨てちゃうんだよね、これが。で、旅の途中で自分の息子がいる田舎を通るんだけど、何かふっきれずに通過しちゃう。ここにこの主人公の性格?人生?がよく出てて、イライラするんだけど、このダメ男、な~んか憎めない。彼女のジーンもそう思ってる。また彼女がホント、美しいんだ!でもカントリーでも歌う女性ってサリーフィールド顔だね?アメリカ人好みの顔なんだろうね。ダメな歌手のロードムービーと言えば、最近では「クレイジーハート」があるけど、「インサイド~」は歌が魂に届くんだよね。名もなき男が演じてるから?あ、俺が知らないだけか(笑)。でも知らない俳優なんで先入観なく観れちゃうから、歌も素直に心に届くんだ。コーエンの演出の計算だろうけどね。上手いね~、この人たちは。「ファーゴ」観て、タダ者じゃないとは思ってたけどねぇ~。10点満点! [DVD(字幕)] 10点(2015-03-29 01:44:33) |
3. 糸(2020)
《ネタバレ》 また好きな映画が増えた。 今の若い俳優が演じる、運命の糸の話。 平成時代をまるごと総括したスゴイ映画。 やはり瀬々監督は凄いな♪ でも昭和の大歌手を平成に閉じ込めたのは、ちょっと悔しかったかな?(笑) [DVD(邦画)] 9点(2021-05-11 01:10:20) |
4. 一度も撃ってません
《ネタバレ》 最高! これは阪本順治ワールドを楽しめるかどうかで、評価が分かれると思う。 チャンドラー風ハードボイルドの世界を彼がどう料理したか・・ チャンドラー風だから、派手なアクションシーンがないのは当然。 しかしここに阪本順治のツボがどう収まるかが最大の見せ場。 そして、それがあのバーでのにらみ合いになるのだ。 どんなジャンルにも、阪本順治のセンスが光る。 スゴイです! イブモンタンの真夜中の刑事、観た~い! 某レンタル屋の発掘良品でやってくんない? [DVD(邦画)] 9点(2021-03-13 17:03:06) |
5. 怒り
《ネタバレ》 鑑賞後は何も言えなかった。ただ愕然としていた。色んな要素の入っている映画である。一つの殺人事件の容疑者3人とその周辺を描くことでこの国の見えにくい、もう一つの側面を描き出している。李相日監督は新潟出身の方ではあるが、日本人映画監督が描くことから逃げている、米兵暴行事件を素材に取り上げていることは感謝したい。 [DVD(邦画)] 9点(2017-07-22 17:05:19) |
6. イングロリアス・バスターズ
《ネタバレ》 ストーリーから気をそらさないように色んな演出で見せて、あっという間の150分。その演出が映画好きにはたまらない。ストーリー展開も斬新で意外な展開に釘付け!さすがです、タランティーノ!正直、「キルビル①」を観た時、そのアクションの演出の毒の強さに頭痛がしたことがあったので、この映画も拷問シーンか何かで見せるのかなぁと観るまでひるんでいた。でもセンスのかたまりのような演出に唸った。面白い!でも観終わって、ちょっと時間が経つと何も残らない。こういう「現実」をちょっと忘れさせてくれる作品こそ、今必要な映画かもしれない。そう思うんだけど、やはりメッセージのある作品で「良い」のもあるので、ここはちょっと1点マイナス。(映画好きな「自分」は10点満点なのだが、「現実」の厳しさにそうそう浮かれてもいられないという「自分」がこの点数をつけた) [DVD(字幕)] 9点(2010-05-13 21:02:42) |
7. インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
《ネタバレ》 今年のクリスマスを飾る映画は、今年話題になった本作。 スピルバーグに監督してもらいたかったけど、中々力作に仕上がっています。 2時間近くになって、収束不可能な展開になり、あれあれ、これどうなるの?って思ったけど、 最後にカレンアレンが出てきて、本作は、愛でたく完結となります。 いやぁ世界史を思う存分、ネタにできるとこが羨ましいとこ。 紀元前のローマなんか出てきて、考古学者としては、これ以上の幸せはないと思います。 愛すべきシリーズ物でした。 途中ダレてきてて、ジェラシックパーク3みたいにスピルバーグ棄てたかと思ったけど、 いやぁ、なかなかどうして見応えある一本だったと思います。 (そうですね。前の方のレビュワーさんが言ってるように、スターウォーズのその後に近い感じもしますネ) インディジョーンズ、最高! [DVD(字幕)] 8点(2023-12-24 23:53:13) |
8. 1秒先の彼女
《ネタバレ》 ワンテンポトロイ男性とワンテンポせっかちな女性のラブストーリー。 とても素敵な作品で、台湾好きになりそうです。 この話のミソは、ワンテンポトロイ男性が、神様のご褒美か、一日だけ得するという話。 逆にせっかちな女性は損するのですが・・ いやぁ男の素直な願望だよね。 時間が止まれば、好きな女性のとこに行きたいって・・ でも話はかなり捻ってて、よく出来てる。 (時間が止まるわけではないんだね、太陽はちゃんと動いているから(笑)) バスの運ちゃんと郵便局の窓口の女性のロマンスってのもいい。 地味だけど、大事な仕事だもんね。 素敵です。 [DVD(字幕)] 8点(2023-11-05 21:31:19) |
9. 1917 命をかけた伝令
《ネタバレ》 サムメンデスは巧いね。 現代を代表する作家の一人だよね~ 全編1カット! でも、それを知ってても、途中でそんな演出より、 話にひきこまれてしまう。見事だよね。 伝令が伝わるかどうかの緊迫感は薄かったが、 伝えるべき隊にたどり着いても、それが作戦が始まったばかりの時ってのが巧くてね。 サムメンデスの弟に聞いた実話がベースなんだね。 メンデスって思ったより、高齢?(55歳!若いじゃん!) これからも、もっと作品発表してほしい。 [DVD(字幕)] 8点(2020-11-14 22:25:09) |
10. インサイド・ヘッド
《ネタバレ》 もう涙なくては観れんよね。だってそうでしょ。ヨロコビとカナシミが困っている時に助けてくれたのが、子どもの頃、一緒に遊んだ空想のキャラで、そのキャラが忘却の彼方に置いてかれることで、(まぁ結果的に)新しい土地での生活が始まるんだもん。もう泣いちゃって、泣いちゃって。次回の続編では、思春期編を観たいなぁ。今回、あまり出番のなかったビビリとイカリとムカムカが大活躍しそうだもんね。それにしてもアメリカ人って、体もデカいけど、ハートもがっしりしてるなぁ。しかもこんな映画創っちゃうんだから、IQの高さを感じる~。でもまぁ、どこの国の人間も同じだね。ホントは政治の話に一喜一憂することもないかもしれないね。やっぱ人って全世界温かい。(テロは別) [DVD(字幕)] 8点(2016-07-16 21:41:38) |
11. いつも心に太陽を
《ネタバレ》 ど直球の映画。シドニーポアチエ演じる、こんな先生、いいよね~。でもこんな完璧じゃなくても、生徒は不完全な先生からでも、たっくさん教えられてます。そして今では、教えられる側より、教える側になりたい。先生を困らせた生徒だったからこそ、そんな生徒にド直球で挑んできてくれた先生がいたからこそ、自分もそういう人たちになりたい。そういう大人になりたい。そんな自分の気持ちを再認識させてくれる映画だった。この映画、素敵です。このような問題児を教える先生の映画の、嚆矢だね、これは。ここから「天使にラブソングを」とか「スクールオブロック」とかの映画が後に生まれるんだ。ラストの生徒の歌う歌詞の内容にホロリと来ました。 [ビデオ(字幕)] 8点(2016-06-04 21:20:42) |
12. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
《ネタバレ》 面白かった。やはり異質者の方が、一歩下がって、世を見るので詩や数学に秀でるのかもしれない。いや、待てよ、この面白い作品の秘密そのものであったかも・・(笑)。見応えがありました。世が世なら、キーラナイトレイと結ばれたかもしれず、自殺もしなかったかもしれない。いや、やはり世の中が変わったから、こんなことも言ってるのかも・・。世の中を変える天才とは孤独なものかもしれないな。 [DVD(字幕)] 8点(2016-03-06 22:59:59) |
13. イヴの総て
《ネタバレ》 やはり性根の歪んだ人間が出入りする業界なのか・・。職人の中に大きな野心の人物が大きな顔をする職場ってどんな感じだろう。映画の最初のシーンでは、居並ぶおエラさん方が悪(ワル)なのだろうと思ってた。で賞を受賞したアンバクスターがピュアなんだろうと・・。でも一通り話を追うと、シーンは同じ場面なのに、なんと彼女の受賞スピーチの白々しいこと。そしてベティディビスの見事に余裕のあること。同じ場面で始まりと終わりをはさんでおきながら、観てる方の気持ちがまったく逆転してるところが見事!「アカデミー賞に外れなし!」けだし名言である。(最近のはともかく・・笑) [ビデオ(字幕)] 8点(2014-02-09 06:21:05) |
14. 一枚のハガキ
《ネタバレ》 自分的には、新藤兼人監督と言えば「裸の島」だが、「墨東綺譚」みたいな作品まであるから、一筋縄ではいかない。まだまだ観てない作品が多いが、これだけ豊潤な人生を描ける監督も逝ってしまった…。クソ「マジメ」な自分には、観ると頭が柔らかくなり、鑑賞後優しい気持ちになるこんな作品がこれからも創られたらなぁとしみじみ思います。 [映画館(邦画)] 8点(2013-11-12 00:51:42) |
15. イグアナの夜
《ネタバレ》 良いです。観終わった後、感動来ました。エヴァガードナーが良いんだ!あの詩の出来栄えが分かれば、もっと良かったんじゃないかな?詩を味わう気持ちを持っていればなぁ・・・ただ作家としては大胆だと思った。一人の老人が人生を終える時に歌う詩というものを、実際披露してみせるその作家としての自信。普通じゃ無理だよね。「美しき諍い女」のように完成された絵を我々に見せないのも一つの手じゃなかったかなぁ。あの詩が本当にいいものか、どうか、気になって仕方がない。まだ観てないが韓国の「ポエトリー アグネスの詩」もそう。最後にどんな詩を歌うかが気になって是非観たくてしょうがない。韓国は割とそういう冒険をやるよね。「ファンジニ」も最後、完成された芸を披露してみせた。でも人生終わるときの詩なんてものを、才人とはいえ、まだ50歳の作家が披露してみせる、その自信に恐れ入っちゃう。でも、この詩を控えとこうっと。またこのDVDに一緒に入ってたメイキングを見て、ジョンヒューストンにこだわりたいと思ったもんだ。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-01 16:31:48) |
16. 犬猫
やぁ~、こういう映画好きだなぁ。女性って家ではどんななんだろう、というのがよく分かる。男の論理とは違う感覚で世界と接しているんだなぁなんてつくづく思う。出演する女性はみんな魅力的です。ヨーコもスズも。こんな感じで人生の色んな局面を乗り越えていくんだろうな、と思う。男のように気合だ!って感じで生きてない様子が新鮮。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-20 22:30:09) |
17. 息もできない
最初はローン取立て暴力のピリピリした雰囲気で「息もできない」って事かと思いましたよ。途中から女子高生が出てきて、主人公に魅力を感じてきて、でも避けられない因果応報で、主人公は殺されてしまう。でもあの主人公役の俳優が監督もやっているという、一体、韓国はどこまでやってくれるんだ。テイステ的に似てるっていえば日本のたけしかな?監督主役も兼ねてるし。この映画とたけしの映画の関係がそのまま、韓国ドラマと日本のドラマの比になるのかな、と感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2011-04-08 05:23:49) |
18. インビクタス/負けざる者たち
《ネタバレ》 全く、面白いだろうと思って観て、本当に面白いっていう安心感がある監督って、少ないですよね。また話がだれなくて、時間が気にならない作品ってのも少ない。しかも描きたい内容が豊富で欲張って、長い映画になるわけでもなく。過剰な演技は削り落として、すっきりした映画になっている。マットディモンなんか、同時期に創られた「インフォーマント」と比べると、別人のよう。全く、イーストウッドはやってくれるよ!「硫黄島」「グラントリノ」に続いて、キネ旬1位にまたなるんじゃないかな?イーストウッドはやはりヒューマンモノが巧い。サスペンスやら西部劇やら色々撮ってきたけど、自分はこういう映画のヒューマンな創りに、監督の人間性がよく出てると思う。芯が一本通ってて、せこい人間は嫌いっていうような。まだまだ、長生きして、良い映画を創って欲しい。それにしてもあのスタジアムの大観衆はCGですかね?それにこの頃はブブゼラはなかったのかな? [DVD(字幕)] 8点(2010-07-21 00:05:26) |
19. イースタン・プロミス
《ネタバレ》 マフィアが素朴な堅気の家の幸福を奪ってしまう。そこがドキドキしました。しかしヴィゴが覆面捜査官であることが分かり、やっと味方が現れたとほっとしたら、今度はものすごく腹黒い大ボスが息子を守る為に彼を敵に差し出す。まあ、なんちゅう腹黒さか・・・紳士面してとんでもないおっさんだった。しかし、この短い時間でファミリーの抗争という素材を、センスよくまとめた監督の力量は相当なものだと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2009-03-09 14:40:46) |
20. インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
《ネタバレ》 インディシリーズはリアルタイムで観てきたファンです。同時にスピルバーグの作品もどれも好きです。彼の演出には味があります。だから、この映画がこのようなラストになった事も、それ程、驚きませんでした。最初のほうでアークが出てきたとき、ひょっとして宇宙人とアークの魔力をぶつからせるのか?宇宙の神秘を垣間見せてくれるのでは?と期待しました。でもこの作品はインディなので、その事は忘れ、巨匠のアクション演出を楽しみました。ただ、ラストの方は、マリアンと行動を共にしないと、結婚式が唐突になってしまうから、大人数で逃げてばかりでしたが、それなら、もっと話の頭からマリアンを出せばよかったのに。そこが残念。でもこの映画は劇場で観てよかった。巨大なUFOの飛び立った後に、湖の水が流れ込んでくる映像はすごくきれいだった。ひょっとして、北京オリンピックの演出をもし手がけてたら、このUFOネタをやったかも、と思った。 [映画館(字幕)] 8点(2008-07-15 17:07:21) |