1. 残穢 -住んではいけない部屋-
《ネタバレ》 じわじわと薄気味悪さが増していく様子は、これぞ日本のホラーって感じでした。寝る時に思い出すと怖くなるのが日本のホラー映画。とにかく沸点控えめで、低予算的な作りに徹しているのは正解かも。残念だったのは、わざわざ夜中に大人四人が懐中電灯持って目当ての空き家に行くところ。肝試しみたいになっちゃった。昼間に行ってればな~。この映画の締めくくりとしては、こういった祟りのようなものに、面白半分で首を突っ込んでると、自分も祟られるよって警鐘しているんだけど、この映画の制作陣はこの映画を作っている時点で首を突っ込んでいるという、ちょっと自虐的。よくニュースで、無差別殺人とかあるけど、犯人の動機が、この残穢のように穢れに触れてしまい気が狂ってしまったのが理由だったら・・・考えると、怖すぎる。 [インターネット(邦画)] 7点(2018-06-13 19:31:43) |
2. ザ・ギフト
《ネタバレ》 サイモンみたいな人、たまにいますよね。平気で隠し事をしたり、人を貶めたり、それを空気を吸う感覚で行う人。ずる賢く世渡り上手だったりするから質が悪い。 妻のロビンは、一見健康そうに見えるけど、実は精神が不安定。これは、日々サイモンの近くにいることで、じわじわと毒素を受け続け、結果として精神病を患ってしまったのだろう。夫のサイモンが原因とは気付かずに。でも終盤は、きっとロビンはその原因がサイモンだったことに気付いたはず。だからサイモンとは縁を切りたくなった。 観ていて気になった事。ゴードは、サイモンと再会した瞬間から、復讐しようと思っていたのだろうか?私はそうは思わない。きっと最初は様子を見ようと思ったのではないだろうか。サイモンからの過去の謝罪があるかもしれないと、もしかしたら期待があったんじゃないだろうか。そのきっかけ作りのために、頻繁にプレゼントを送ったりして接点を作ろうとしたのでは。ゴードは、きっとサイモンから謝罪があったら、その後の自分の人生が変わるんじゃないかと、救われるんじゃないかと、そんな期待があったのかもしれないと思う。だが違った。だからゴードは、平然と嘘を付き、不法侵入、盗撮盗聴、薬物混入など、いっぱしの犯罪者としての行動をすることに至ったんだろう。 [インターネット(字幕)] 8点(2018-05-24 21:22:03) |
3. サプライズ(2011)
《ネタバレ》 スタイリッシュなホラー。目新しいことは特に無いけど、痛快で飽きずに楽しめる。終わり方も慈悲少なめで好きです。 あまり詳しくない人に「オススメのホラーある?」って聞かれたら、これオススメできる。 [インターネット(字幕)] 8点(2018-05-23 23:07:13) |
4. 座頭市物語
《ネタバレ》 最初の丁半博打で一気に引き込まれた。想像以上にイカした作品だった。見事。勝新太郎の演技をしっかり観たのは初めてかもしれない。座頭市の男気が際立っていて、おたねが惚れるのも分かる。万里昌代が美人だった。 [インターネット(字幕)] 8点(2012-08-13 19:04:19) |
5. 秋刀魚の味(1962)
《ネタバレ》 ストーリーは相変わらずで、娘が嫁に出る出ないの話。もっとも、岸田今日子がいたり岩下志麻がいたりと、新鮮味を感じることはあった。その他は、観たことあるようなセットと役者。だからといって、作品の出来が悪いわけではない。ほのぼのとしていて上品で、どこか残酷。ひょうたんに感情移入したり、笠智衆に感情移入してみたり、岩下志麻に感情移入してみたり、誰に感情移入するかで、感じ方を選んで楽しめそう。昔は、子供の縁談は親が決めていたんだろうけど、いつからか自由恋愛が尊重されるようになった。この作品の時代がちょうどその境目くらいだったんだろうか...とか思いながら見ていた。 [DVD(邦画)] 7点(2012-01-16 19:26:49) |
6. 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
《ネタバレ》 人間の醜さ。欲に目を奪われて、悲惨な末路を辿る人間達。長生きしたくてしたくて、その欲を満たそうとする余り、逆に絶滅の道へと進んでしまう。哀れだ。それとは逆に、チンパンジーはピュア。嘘は付かないし、自分に正直。協調性が強く、判断力、身体能力も高い。これに知性がプラスされたら、人間は到底叶わない。ウィルは作中では一番のチンパンジー想いだ。一見、ウィルは良い奴っぽい。でも、やってることは神に反してる。神=自然の摂理って言い換えることもできるので、やってることは自然の摂理に反してるとも言える。捉え方を変えると、チンパンジーに対しても反してることに繋がる。チンパンジーのシーザーは、知性が高まるにつれてそれを感覚で理解したんだろうな。だから、最後にウィルの元へは帰らなかった。神に反する人間達とは、「家族」として一緒に暮らせないと、チンパンジー側からご遠慮願ったわけだ。そうさせたのは、言うまでもなく、人間が醜すぎるから。 [映画館(字幕)] 6点(2011-10-07 23:57:56) |
7. サンクタム
《ネタバレ》 洞窟好きの父親は、今まで自然の怖さを嫌というほど体験したんだろう。父親は普通の人が持っている思考を超越して、「自然そのもの」と一体化しているように見えた。なぜそう見えたかというと、「自然」も「父親」も、人間の感情には全く無慈悲。普通の人から見たら、父親は変人にしか見えない。その代わり、極限状態での状況判断では、感情を抑えて論理的思考を表面に出せる。並大抵ではない。戦争ドラマでもよくあるシチュエーションだ。足手まといになるからといって、助かる術が無い仲間を次々と殺めるのは、倫理的にどうなのか、正直分からない。でも1つだけ言えることは、最後に息子だけ助かったという結果は、この状況下では最上級のハッピーエンドだったのではなかろうか。 [映画館(字幕)] 8点(2011-09-16 20:50:05)(良:1票) |
8. さや侍
《ネタバレ》 野見さんはカモフラージュ。本作は松本人志の強烈な心の訴え。松ちゃんの考える所の「芸人とは」「今、芸人として壁にぶち当ってます」という気持ちがそのままストーリーに。まず、さや侍とは「笑わす力が衰えた芸人。でも人を笑わす気持ちは捨ててない」という人物。さや侍=松ちゃん。娘のたえは「松ちゃんのファン」。松ちゃんの活躍を注目してはいるが、つまらない笑いだったら必要ないから、っていう愛憎一体のファンだ。殿様の息子、これはファンよりも下層の人、要は松ちゃんに関心のない人達。松ちゃんから見るとこの人達に自分の笑いを理解して欲しいんだろう。門番2人は、松ちゃんの良き理解者でアドバイスをくれる人。高須光聖や倉本美津留ってとこか。「野見さんの罪状は何?」っていう疑問に対し、理由付けが無い。要は「なぜ芸人の道を選んだか、そんな理由は必要ない」ってことだろう。野見さんは3人の殺し屋に殺されかけるけど死なず。でも自害は可能。これって「自分の芸人の道(運命)は自分で決める!」という強い意志の表れ。殿様の息子を30日以内に笑わせるっていう「30日」は、芸人で言うと「生涯の芸歴」の縮図。まとめると「30日間で殿様の息子を笑わすことが出来るか?」→「生涯の芸歴をかけていかに自分(松ちゃん)の笑いを理解できない人を笑わすことが出来るか?」ってこと。ストーリーを順に追ってみる。まず「芸人の道は先行き不安(野見親子放浪)」→「でもお笑い諦めない(暗殺でも死なず)」→「芸人の道を貫くことを決意(逮捕)」→「生涯をかけて人を笑わすことに懸ける(30日間の刑)」→「良き理解者、ファンに支えられ芸を磨くものの(門番や娘)」→「人は笑ってくれない(殿様の息子笑わず)」→「人が好きそうなネタを作っても駄目(風車を用意)」→「世間から情けをかけられる(切腹保留)」→「重要なのはお金じゃないんだ!(トウモロコシ嬉しくない)」→「芸人の意地。同情で笑ってくれるくらいなら芸人辞める(切腹)」→「こんな芸人の生き様ってどう?(坊主が遺書読む)」→「松ちゃんファンは感動(娘泣く)」→「今まで自分の笑いを理解してくれない人も笑ってくれた(殿様の息子笑う)」→「時代が流れると誰も自分の事なんて忘れるよね(野見さんの墓石)」。松ちゃんは自分の笑いを理解してくれない人への苛立ちが強く、そして自惚れ屋さんですね~。最後に殿様の息子が笑ったシーンを入れる所が、まさに(笑) [映画館(邦画)] 6点(2011-06-17 15:33:57)(良:4票) |
9. サマーウォーズ
《ネタバレ》 MP3を例に挙げると、昔は、パソコンの知識をある程度持っている、いわゆるオタクな匂いのする人達しか知らない代物たったけど、今では、外に音楽を持ち歩いている人には当たり前のように普及しています。音楽界の商業としても成立してます。この映画では、OZという仮想空間が人々の生活に密着し、浸透しています。今で言うとmixi・Twitter・セカンドライフのようなSNS、何でも支払いできる携帯電話・スイカ、免許証のICチップの中の個人情報などでしょうか。最初はMP3のように、ある一部のコミュニティ内だけの代物だったとしても、時代の流れに切磋琢磨され角が無くなり、本当の輝きが見えた途端、瞬く間に全世界に浸透していきます。最近のアップル社の革新さのように、急速に。OZの世界観は、そう遠くない未来のように感じさせます。そしてその未来に対する警鐘が、この映画のテーマとして前面に出ています。でも、そんな便利そうなOZに対して正反対なポジションにいるおばあちゃんの存在が、強く心に残る映画でした。いくら最先端な技術にどっぷり浸かっていても、人として忘れてはならないもの、無くしてはならないものがあるんだよ、っていうこと。おばあちゃんのネットワークの多さ、そして太さは、伊達じゃない。そう簡単に誰でも気軽に作れるもんじゃない。そんな素敵なおばあちゃんの背中を見て育ってきた家族たちが、いざ仮想空間の中でピンチを迎えた時、見ず知らずの人達が協力してくれるんですよ。ちゃんと引き継がれたんですね。ちょっとしか面識の無い健二にでさえ、おばあちゃんの心がしっかりと引き継がれていましたね。結局、バーチャルでもリアルでも、人の心が伝わる伝わらないって部分は、同じってことなんですね。いつの間にか自分もおばあちゃんの家族の一員になったかのような錯覚がありました。清々しさが残る2時間でした。 [DVD(邦画)] 8点(2010-04-23 02:58:14)(良:3票) |
10. サイダーハウス・ルール
《ネタバレ》 昨今、やれ省エネだ節約だとか、至る所で規則や禁止事項が多く、効率化・マニュアルというものに縛られ、本当に大切な事を見落としがちになっている気がしてならないです。余裕を持てる心というか、バランス感覚がおかしくなっている気がします。以前ニュースで、妊婦が病院をたらい回しにされて亡くなったという記事を見たことがありますが、そのニュースを聞き、憤りを感じる半面、様々な規約に縛られているが故に、正常な判断ができなくなっていて仕方が無かったんだろう、と思ってしまいました。ホーマーの親代わりだったラーチ医師は、医師免許を改ざんしてでも、ホーマーへの愛、そして孤児たちへの愛を優先しています。もちろん、多数の人間が生活していくために、はたまたそれが集団~村~国へと大きくなるにつれ、決め事は無くてはならないもので、重要・必須です。・・・考えれば考える程、とても難しいテーマを題材にした映画だなと思い、感嘆しました。非の無い人間なんて居ない、だけど、非の分よりたくさん、人間らしさをもっていれば、いいんじゃないでしょうか。 自分もそうあっていきたいな、と思います。 [DVD(字幕)] 9点(2010-02-07 16:29:23)(良:1票) |
11. 座頭市(2003)
《ネタバレ》 按摩さん最強伝説。見易い映画でした。血のでかたが面白いな~と思って良く見てたら、これCGっぽいですね。ちょっと荒削りに見えました。中盤になって急にスローダウンして、間延びしたシーンの連続はちょっと辛かったです。この作品、外国の目を気にして作られた匂いがプンプンします。分かりやすいズッコケ的な笑いを取り入れたり、ラストのタップダンスなど、正直ミスマッチ感があります。笑いもダンスも無いと、シリアス過ぎて外人にウケないから、という意図が伺えます。でも黒澤明の作品は、かなりシリアスでも十分迫力があり、海外にも通用してるっていうのがあるので、、、北野武が守りのスタンスを取ってる所が、何だか残念です。 [DVD(邦画)] 5点(2009-10-24 00:06:28)(良:1票) |
12. サマータイムマシン・ブルース
《ネタバレ》 何だろうこの感じ・・・。別段笑ったり泣いたりするわけでもないのに、見てて妙に座りが良い感じの映画。毒が抜けた稲中卓球部。上野樹里の神すぎる可愛さ。このくだらないノリが肌に合えば、決して退屈にはならないでしょう。序盤、頭の中が「?」になるシーンが沢山あって変な気持ちになるけど、少しずつその回答を出してくれて解決させてくれる楽しさがあります。 [DVD(邦画)] 7点(2009-10-19 16:50:28)(良:1票) |
13. 猿の惑星
《ネタバレ》 SF作品としてはチープな作りで、B級の匂いが充満していて、今見ると色褪せて見えます。日本人から猿を連想して作られたという本作は、人類の悲劇的な顛末を描き、人類への警鐘、揶揄、皮肉(日本人への?)などが詰まっています。猿たちは、同じ過ちを繰り返さないよう、自分達の進化を止めさせようとしています。進化しすぎると、また破滅の道へ進むから。頭の固い議員たちの一方的な法廷を見ていると、かなりの独裁政治であることが窺えます。でもそれが安泰への条件であるならば、仕方無いのかなと思ってしまいます。 [DVD(字幕)] 5点(2009-06-17 17:21:27)(良:1票) |
14. サイコ(1960)
《ネタバレ》 初めてヒッチコックの映画を見ました。シュールで淡々としてるけど、スタイリッシュな部分を感じました。好みな雰囲気です。シャワーヘッドのアップ、排水溝のアップ、眼球のアップなど、執拗なアップ画面が何とも言えない怖さをかき立てています。トリックは途中で気が付いてしまったけど、全体を通して面白かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-05-13 00:05:33) |
15. 殺人の追憶
《ネタバレ》 土の臭いが漂ってくるような映画です。庶民的、また田舎風とも言える雰囲気が充満しています。ギャグ的要素が少しあったりするので、肩の力を抜きながら見ることができます。事あるごとに刑事が容疑者にドロップキックをするのがツボでした。逆に連続強姦殺人の犯行が発覚した時は、シリアスです。被害者は女性で性的表現が多いので、女性や子供にはお勧めできない映画です。最後まで犯人が誰だったのかタネ明かしをしません。ラストシーンでパク・トゥマン刑事が「あいつだったのか!?」というような表情をして終わります。ということは犯人は登場人物の中にいたということなんでしょうか・・・。まぁ犯人が誰だったのか謎のままでも、それはそれでこの映画の特徴なのかなって思える映画でした。 [DVD(字幕)] 6点(2009-02-17 23:47:52) |
16. ザ・マジックアワー
《ネタバレ》 前半はとても面白く、デラ富樫を演じる佐藤浩市は笑えました。でも後半になるにつれて、トーンダウンしてました。どんなオチになるんだろうって思ってた部分が、何だか適当に流しちゃってるように見えました。前半が非常に面白かっただけに、残念な気持ちになりました。 [DVD(邦画)] 7点(2008-12-12 22:34:43) |
17. 最高の人生の見つけ方(2007)
《ネタバレ》 2大俳優のオーラで成立している映画。相変わらずジャック・ニコルソンは凄いです。ストーリーは、綺麗にまとまり過ぎている感じがします。前向きなのか人生を放棄しているのか良く分かりません。でもこの2人が楽しそうにしている光景は、微笑ましかったです。ただし、泣ける鉄板な題材なのに泣けなかったのは、何でだろう・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2008-10-03 23:43:03) |
18. THE 有頂天ホテル
《ネタバレ》 良く出来てるな~と感心します。キャスティングの豪華さも感心。エンターテイメントってこういう物を言うんだよ、って監督から言われてるかのように見ていて感じました。映画って凄いなぁと思います。 [映画館(邦画)] 8点(2008-06-09 20:36:36) |
19. ザ・ロック
とにかく音楽が耳障り。映像に十分躍動感があるので、そこまで躍動感ある音楽流す必要無いです。ストーリーは多少強引だけど、ロックに潜入してからはスリル満点で楽しめました。ニコラス・ケイジのプラトーンスタイルも様になってたし。ショーン・コネリーには、もう少し影の部分の魅力が欲しかった。 6点(2004-06-18 23:15:41) |
20. サウンド・オブ・ミュージック
聞き覚えのあるメロディの数々が、ミュージカル映画というとっつき難いジャンルに親近感、安心感をもたらしてくれます。あと、映画全体に漂う清々しさや前向きさ、ちょっとした笑いをもたらす仕草、ただっ広い草原のカットには、癒しの要素があります。無論癒されました。 8点(2004-04-09 01:06:10) |