1. 殺人ゲームへの招待
《ネタバレ》 実在するボードゲーム『Clue』を原案とする映画だそうですが、着想を得たというより、そのまま実写映像化した印象です。DVD収録のエンディングは3通り用意されていますが、ゲームのルール通り“登場人物×凶器の種類×部屋数”分だけ結末が“存在し得る”と考えて構わないでしょう。事件の真相は偶然の産物。勿論ドラマは完全に後付けですし、トリックの醍醐味など望めるはずもありません。ミステリーとしての面白味はゼロです。間違っても犯人探しなどしてはいけません。無駄骨です。謎解きのヒントも当然在りません。では何処を楽しめばいいかというと、まずは雰囲気でしょうか。とある洋館に招かれた素性の知れぬ数人の男女。各々に配布された典型的な凶器の数々。消える死体に隠し部屋。古典ミステリーの風味を味わうワケです。次のお楽しみは、ウィットに富んだ会話劇とコミカルなリアクションで魅せるコメディーパート。ほぼ、こちらがメインと考えて差し支えありません。さて私は某蔦屋の『良品発掘』シールに惹かれて本作を観賞しました。そのため期待値のハードルが高かったかもしれませんが、それを割り引いてもツマラナイものでした。物足りないというか。おそらく本作を楽しめる人は、大人だと思います。あるいは大金持ち。「今日の夕ご飯は松茸の土瓶蒸しよ」とママンに言われて喜んでいたら、本当に土瓶蒸ししか出てこなかったとしても、キレたりしない“余裕のある人”だけが楽しめる映画ではないかと(何のこっちゃ)。同じ趣向の映画なら『名探偵登場』の方が満足度は高いです。 [DVD(字幕)] 4点(2013-10-24 19:55:34) |