1. ザ・マジックアワー
《ネタバレ》 まずこの映画にはリアリティーは不要です。本物のギャング映画じゃないのですから。サザエさんやドラえもんにリアリティーを求める人などいないでしょう。小難しい事など考えずに心を開放し、スクリーンの中の世界を楽しんでください。映画に対する愛情がこの映画には詰まっています。そして様々な映画へのオマージュもそこかしこに見られます。映画って素晴らしい、役者って素晴らしい、映画を観終わった後に少しでもそう感じ、幸せな気分になる事ができたなら三谷監督も、そしてこの映画で演じた役者さん達もさぞかし嬉しい事でしょう。幸い私は観終わった後にそういう気持ちに浸る事ができました。でも佐藤浩市って凄いです。西田敏行が凄いのはもう今さら言う必要も無い事ですが佐藤浩市という役者をこの映画でまた見直しました。最初は飛行機の中で観たのですが周りの目を気にしながらもこらえきれずに大笑いしてしまいました。あのナイフのシーンはコメディ映画の歴史に残る名シーンとなる事でしょう。前半は思いっきり笑って、後半はちょっとしっとり、それでラストはちょうど良い感じの幸せ気分になれるはずです。繰り返しますがこの映画にリアリティなんてこれっぽっちも求めない事。そして笑いだけを求めるのでもなく、監督と役者達がこの映画で表現しようとした“映画への愛”を心で感じ取ってください。 [DVD(字幕)] 10点(2008-12-26 13:44:51) |