1. サリヴァンの旅
景気の悪い時代はこういう笑って心暖まる映画が良いですね。 [映画館(字幕)] 8点(2013-02-01 01:01:08) |
2. 座頭市(2003)
《ネタバレ》 正直な感想ということで、やはり勝新の座頭市を比較してしまう。北野武監督も無論、違うアプローチを意識したと思う。そのせいか娯楽として楽しめた。ただ、時代劇として違和感をいくつか持った。■両親を殺された姉弟の復讐劇と市との出会いが柱となっている。この姉弟が市との出会い後に殺気を失ったかのように大人しくなる。後半に子供の回顧シーンで悲劇チックとなるが、そもそも、復讐を果たすためとはいえ人殺しをしている悪党なのである。しかも、復讐は市がトドメをさしている。■市が何故、居合の達人なのか?この正体が解らない。勝新のように社会への反骨という訳でもなく、その精神を引き継いでいる訳でもない。それが、何故にあそこまで肩入れをするのか?■勝新の「座頭市物語」には無論、殺陣の素晴らしさとしてのヒーローとしての魅力もあるが、好敵手・天知茂と心底通じる仲となりながらも雇い主の対立に巻き込まれ、立場故に対決をする。その無常さ潔さが美しくあったりする。そこが傑作たりえるが、この作品にはスジがあかんかった。ただ、市の存在感、何か俯瞰・いや、回りを引き立てているいるような印象があったのですが、これは監督兼主役だから? [DVD(邦画)] 7点(2011-01-24 07:24:02) |
3. 三十三間堂・通し矢物語
《ネタバレ》 終戦近い中製作された作品ということであまり期待していなかったのですが、良く出来ている作品。頼りない少年が大人の献身により成長を果たすという物語で、主人公の仇役に長谷川一夫を持ってくる事で面白味が益していますね。無駄なカットが少ない(戦時で尺が取れないのが功を奏したのか?)、特に8000本超の矢を放つ時間をどう処理するのか興味深く観ていましたが、巧いっすね。仏像好きなので、冒頭での千体千手観音立像を拝めるシーンは特に貴重(セットということはまずないでしょ)。 【NFC田中絹代特集】 [映画館(邦画)] 7点(2009-11-06 00:19:23) |
4. 真田風雲録
《ネタバレ》 私、こういう作品好きです。前にVIDEO鑑賞で気に行って、今回、スクリーンで楽しむことができた。堂々たる絵巻時代劇的な作品でもいいんですが「真田モノ」は、あのキャラクターからも、製作者の創造力が試される格好のネタであると思う。 ミッキーのギターと猿飛佐助が超能力を使えるというコトを早めに出していたのは正解だと思う。序盤から「変調」な作品であると宣言したほうが良い。 結構、ブラックしていて面白く、真田勇士だけではなく、千姫・秀頼・淀君らも面白く描かれていたのが好感。千姫のダンスシーンでの衣裳、秀頼とのあや取り、最後に渡辺美佐子に言う「要は、捨てられちゃったということなのネ」は最高でした。 あと、「七人の侍」以上に輝いていた真田幸村演じた千秋実。彼を筆頭に楽しそうな笑みを浮かべながら街を「人生50年、カッコ良く死にてえな!」と行進するシーンが特に好きです。 また、ただ、キワモノ作品ではなくて、作品全体に虚無の世の中に「生き様」を求める若い者達の青春群像が統一されていたと思います。 [映画館(邦画)] 8点(2008-04-01 17:03:41)(良:2票) |
5. 残菊物語(1939)
溝口健二作品の中で一番好きな作品です。50年代の傑作群も好きですが、この作品が 恵比寿ガーデンシネマとNFCの「溝口健二特集」で観たのですが、両方とも涙ボロボロ。コメントはもう素晴らしいコメントが書かれているので書くことないんですが、私の好きなシーンは、二人で西瓜を切って食べるところで、観ていて心地良い。菊之助が成長し、東京へ帰ってくるのですが、かつてお徳と一緒に西瓜を食べた名残をこれまた一連の長回しで撮っていて泣かせます。 [映画館(邦画)] 10点(2007-10-05 17:44:53)(良:1票) |
6. 錆びたナイフ
私もNFCで鑑賞しました。 目当ての「突貫小僧」の次に観ただけあり、作りの甘さが何か目立ってしまった(突貫より30年も後の作品なのに何故だろう)。 アクションを売りにした作品だと思うが、脚本がとにかく単調だし、無理のある話だった気がする。多くの映画作品は「嘘」を前提としていて、その「嘘」を如何に巧妙に表現するか、良し悪しは大きいと思うのですが、この作品における「嘘」はかなり大雑把というかギコチナイんです。 警察署でのシーンに???が多かった(銃殺・毒殺ってあり得ないでしょ)し、北原がタクシーで逃げるところも待ってたかのようにタクシーが出てきたり、乱闘シーンもトラックをぶつけて小林旭を救出するが、銃持ったやくざがいるのに、旭を連れて退避しない。自分から敵に殴られる。最後も敵のボスが何故か車に轢かれる。 作品自体が石原裕次郎の磁場に引きずり込まれるかのような印象。 あくまで私の印象ですが、「裕次郎が居るんだから、多少、作りが荒くともいいや」みたいなノリを感じてしまった。 [映画館(邦画)] 3点(2007-08-30 14:27:19) |