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1.  ザリガニの鳴くところ 《ネタバレ》 
戦いだ、悪だ正義だ、侵略だ、金だ物だという映画が多い中で、ある意味こんな映画が見たかったのかも。と感じさせた映画です。  なんの予備知識しきもなく、観賞しました。 湿地帯という、非日常的なシチュエーションで展開される物語り。 なので、結構猟奇的なサスペンスなのかなぁと、ちょっとドキドキしながら観ました。 しかし、かなり現実的でリアリティのある物語りでした。  物語りは、どんどん引き込まれて行き、気付けばこの独特の世界観に浸ってました。 主人公カイアは、とにかくこの湿地帯を愛し、どんなことがあろうとも、自然観察者としてその土地を離れることなく、生涯を過ごす。 これが重要なポイントだと感じます。  あくまでも、人が作り出したルールではなく、自然界や宇宙の営みの中で必然的にある法則のようなものまで感じます。  ほんの数秒のシーンで、メスのホタルがオスのホタルを捕食するということに対し、カイアはこんな発言をします。 「昆虫は道徳心を持っていない」ということに対し、カイヤは、 「自然に善悪はないのかも。生きるための知恵よ、懸命なの」  まさに、この映画の一番の主題はこの一言に尽きるのではと思わせるほど、威力のある言葉です。  カイヤが自然観察者として、見出した一つの宇宙の真理とすら感じます。 ある意味、人類という集合意識体から外れて生きたカイアが見出した、一つの答えではとすら思えます。  自然の生き物は、人を殺しても人はその動物を裁くことすらできません。 地球上で最も人を殺している動物は、蚊ということは有名です。 ある意味、自然という営みの中で、蚊もまた必死で生きている存在です。 時に、クマや殺傷力のある動物たちが、人を襲ったりもします。 しかし、彼らは人が持つような、欲望や恨みで殺すのでしょうか? カイヤが語ったように 「自然に善悪はない、そして生きるための知恵があり懸命に生きている」 こういうことではないだろうか。 そこに人が言う、道徳心や善悪は存在すらしません。 見方を変えれば、人はこのような道徳心や、善悪という基準を設けなれば、自然界と調和すら出来ない存在なのではないだろうか。 自然界の知恵や懸命さではなく、エゴで行動しているのが人間ではないだろうか。  カイヤを苦しめた、DVなお父さんや、善良そうに近寄って来た、 チェイス、その他カイヤを変人扱いした村人などまさに、自然界からみたら調和を崩した存在にすら見えてきます。 そこに「生きる為の知恵や懸命」さではなく「人のエゴ」の存在が浮き彫りになります。 特にチェイスの死から始まるこの映画は、自然界の中で調和を乱す象徴的な存在として描かれているのではないだろうか。  人の都合で動物たちの棲家を奪い、人の都合で食糧として乱獲されている動物たちに対して、人のルールを自然界に都合よく使っている。 このような問題にまで、目を向けさせるようなエンディングに鳥肌が立ちました。  カイヤもまた、「自然の中で、生きるための知恵を駆使し、懸命に生きた」そんな存在だったのではないだろうか。  人の集合意識体に囚われなかったカイヤは、自然界の流れの中で、人による裁きは、受けなかったことに言い識れぬ感動すら覚えました。 そして、湿地に抱かれるような人生の終焉に、自然界からの讃美すら感じました。  ここ最近見た映画で、一番の秀逸な作品でした。
[インターネット(字幕)] 9点(2024-06-22 23:24:37)《新規》
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