1. サスペクト 哀しき容疑者
《ネタバレ》 ボーン・アイデンティティーだ! 凄腕の元工作員VS暗殺者チームVSスーパー軍人VS警察のみなさまVS女記者。 惜しむらくは登場人物多すぎてごちゃごちゃしちゃったとこかな。 特にお偉いさんたちは、途中から誰が誰だかわからなくなります。 チ・ドンチョル(主人公)リ・グァンジョ(主人公の標的、妻の敵)ミン・セフン(スーパー軍人)キム・ソッコ室長(ラスボスでクズ)ガム噛んでる人(ミンの部下で名前忘れた)女記者(同じく名前忘れた)、この人たちさえ把握していればとりあえず他の細かいとこはいいかなって感じです。 アクションはアップが多く、早いカット割りでちょっと誤魔化されている印象。臨場感や迫力をお手軽に出しやすいのかもしれないけれど、安易な多用は反対。 最近のアクションはこーゆー編集が多くて、目が疲れるし、脳も疲れるし、そして状況がわかりづらい。 まあそれをふまえても、エリート工作員同士の戦いはしびれるものがありますが。 特にショッピングモールでの一騎打ちは見ものです。 それに対し、3人目の大学講師みたいな暗殺者。車クラッシュしてリタイアって。そんなつまんない退場のさせ方するんだったら、あんなもったいぶった登場シーンだっていらなかったでしょ。ただでさえ登場人物多いのに。 ストーリー複雑すぎ、スパイあっちゃこっちゃにいすぎ、よっておおまかにしか内容がわからず、そこも残念ポイント。 このわかりにくさは、自分の理解力の問題ではなく、制作サイドの問題だと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-05-27 00:54:41) |
2. ザ・ホスト 美しき侵略者
《ネタバレ》 今から侵略されるのではなく、すでに地球の大部分が侵略された状態からスタート。スタート地点は思っていたのとだいぶ違いました。 よくある寄生型宇宙人。 普通と違うのが平和主義。 『あなたたち人間のためなのよ~。』『悪いようにはしないから~』って近づいてきます。 寄生されると人格が失われます。運がよければ、人格や意識が残ります。ですが自分の体を動かすことはもはやできません。頭のなかで文句を言うことはできます。 ・・・・どこが平和主義者やねん。立派な侵略じゃんねぇ・・・。 わずかながら生き残っている地球人。身を寄せ合って生きています。ちょっとディストピアな雰囲気です。 こちらのジャンルには入っていませんが、サスペンス要素ありありです。 この作品が他の類似作品と違うのは、サスペンスをメインにはしなかったことでしょう。 そのため中盤は若干の中だるみを起こして退屈に感じる場面も。 そのぶん、終盤はサスペンス的にもドラマとしても、見ごたえのあるエンタメ作品へと昇華されていきます。 主人公はメラニーと、そのメラニーに寄生した宇宙生物ワンダラー。 このワンダラーが、人間たちとの交流のなかで、考え方や価値観を変化させていくわけです。 遂には、寄生している宇宙生物を人間から取り出す方法を教えてくれます。 時間はかかりそうですが、一番平和な解決方法を教えてくれるので、すっきりします。 更にたたみかけるように、もう一筋の希望を残す終わり方。 こーゆー作品にしては後味の良さが好印象です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-05-22 03:05:52) |
3. 殺人ワークショップ
《ネタバレ》 キャストさんは知らん人ばかりでしたが、妙にリアルで凄かったです。 世の中には無名でも演技が上手い人はたくさんいるんだなと変に感心してしまいました。 まあ、なかには素人同然の人もいましたが・・・。 オープニングのDVシーンからして、妙に生々しくてリアルで、執拗。 でもこのシーンがあるからこそ、主人公が殺人ワークショップに参加するまでの説得力が生まれます。人間追い込まれて鬱屈すると、こーゆー突拍子もないものにすがりたくなる気持ちわからなくもない。 正直、このワークショップ、最初はうさんくささ100パーセントでした。インチキなんじゃなかろうかと疑って見てました。 ダンボールのナイフで刺す練習を繰り返させるだけなんて、誰でもできる。 そうではなくて、『絶対に自分がやったとばれない方法』とか『完全犯罪のやり方』とか、そーいったものをレクチャーするものだとばかり思っていたので、なんか期待と違いました。 でも反抗的な犬猫虐待サイコパス男を椅子に縛り付けて、みんなに殺させるあたりから、江野は本当にやばいやつだと認識。 ま、そこまでは結構だるいんですけどね~。1人目の犠牲者が出るあたりからもう緊張感半端ないです。 個人的に一番緊張したのは、ワークショップから女の子が逃げ出そうとするシーン。 ドアを開けるシーンでこんなにドキドキするもんかね、っていうくらいドキドキしました。 友人を自殺に追い込まれた気弱な青年、彼の復讐に全く手を貸さない江野。 でもその後の女の復讐にはなぜかがっつり手を貸す江野。 その辺はちぐはぐで統一感ないな~と、残念な感じです。 [DVD(邦画)] 7点(2024-01-26 04:04:47) |
4. サイド・エフェクト
《ネタバレ》 いやー、だまされましたねー。だまされた。うん、でもそれだけ。 なんだか気持ちよく騙されました~って感じにはならないんですよね~。 そんで終盤のネタばらし、いまいちわかりにくくないですか?なんかふわふわしてて。私だけ? エミリーとシーバートが患者と医師の関係から恋人同士の関係に。ふむふむ。女性同士というのが一応隠れ蓑になってはいるのかな?で、2人で共謀して夫の殺害を計画。狙いは夫の死の起因となる新薬を出している製薬会社の株の暴落・・・。そう上手くいくかどうかもわからんのに、夫を殺害?ちょっとリスクが大きすぎる気が・・・。 シーバートのほうは完全に金目当て。エミリーのほうもそうだろうけど、なんか夫への逆恨みもあるようです。『私の人生順風満帆じゃん。あれ?夫が逮捕されちゃった。あれ?家を没収されちゃった。くそう、ぬか喜びさせやがって・・・!』みたいな? なんだか計画殺人というだいそれたことをやるには動機が弱すぎませんか?だからしっくりこない。 カタルシスは・・・まあちょっとだけ感じられたかな・・・。 シーバートが捕まるシーンは良かった。エミリーを精神病でもないのに精神病院送りにするラストも痛快で良かったです。 株で稼いだお金もインサイダー取引みたいなもんだから、やっぱ没収されちゃうのかな・・・。 とまあ、『ざまぁ』な部分は良いとして、さんざん煮え湯を飲まされたバンクス医師が、社会的地位を取り戻して元の職場に復帰できるくらいじゃないと、いまいちすっきりできないのです。 [ビデオ(字幕)] 5点(2023-12-04 01:40:25)(良:1票) |
5. サベージ・キラー
《ネタバレ》 まさかこーゆータイプの映画で泣きそうになるとは。 かなりぶっとんだ設定なのに、ものすごく感情移入してしまいました。これはもう人物の描き方がうまかった。B級のノリなのに、感情をゆさぶる恋愛ドラマがあるんです。いやぁ、脚本の力ってすごいんですねー。 主人公でヒロインのゾーイ。無残にも拷問されて輪姦されて殺されて。「アイ・スピット・オンなんちゃら」みたいな映画かと思ったのですが全然違いました。先住民の酋長マンガスの霊までひっぱりだして、余計なものなんじゃないかと不安に駆られたのですが、なるほど、ゾーイにそれなりの戦闘力を与えるためだったのですね。 サスペンス→バイオレンス→オカルト→ホラー→アクション→ラブストーリー めまぐるしく変化するジャンル。けれどストーリーラインがとにかくしっかりしているので全く破綻していません。 唯一気になるところと言えば、ラストで恋人がゾーイに火をつけるまでの決断がえらく早かったような・・・。尺の問題もあるかとは思いますが・・・。もっとこう最後に抱きしめるとかキスするとかさぁ・・。 まあとにかく、他の復讐ものとは一線を画す力作だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2023-11-13 03:45:42)(良:1票) |
6. ザ・ベイ
《ネタバレ》 一応実話がきっかけになって製作されてはいるようですが、中身は完全なるフィクション。 こーゆーモキュメンタリー映画は結構好きなので、最後までドキドキしながら見られました。 ただ、海水に含まれるステロイドの量や、海に廃棄される鶏の糞の量が実際の数字だそうです。バリー・レヴィンソン監督は環境汚染問題に一石を投じたかったのかもしれないです。 さて、この映画、起承転結の描き方が弱い。つまり、パニック映画ならではの盛りあがりに欠けるのです。これがモキュメンタリーの弱点でもあります。とはいえ、RECやクローバーフィールドのように、きっちり盛り上げてくれる作品もあるわけです。 パニック映画は次第に悪くなっていく状況をいかに描いていくかが大事なんだと思います。女の子が自分の現状や病院の様子をスマホで伝えはしますが、それだけでは弱い。こーなってくると、一夜限りの物語にするのではなく、何日かに分けたほうが良かったんじゃないだろうか。 警官2人が通報の家に入り、その後音声だけで惨劇を伝えます。こーゆー光る演出がある一方、『似たような現場リポート』『進展しない医者とDCDとのやりとり』なんかで、若干ダレるところもあります。 やっと街に着いた夫婦も、街で出会うのが死体だけってのはもったいない。この夫婦に関しては、街に着くまでの船上でのシーンが多すぎです。 まあエンタメよりリアル路線を重視したと考えれば・・・。 ・・・だとしたらパトカーの後部座席から女性が出てくるのはやりすぎ。子供を乗せるときに気づかないわけがないでしょ。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-11-08 02:26:46) |
7. 殺人漫画
《ネタバレ》 アイデア勝負とバカにできない、とても丁寧に作られたホラー。 最近ではアメリカの幽霊ものもスプラッタに頼らず頑張ってはいますが・・・。やはり日本や韓国のホラーのほうが、怖さでは一枚上手。そもそもアジア系ののっぺりとした顔や細い目って幽霊向きなんですよねー。 この映画では登場人物1人1人にエピソードがあり、背景があり、そのどれもがシンプルながらとてもよくできています。幽霊に殺されちゃう人たちにはすべて理由があったんですね~。恐怖演出だけでなく、ミステリー仕立てのストーリーに好奇心が刺激されます。 序盤、前半の編集長と葬儀屋のエピソードは人間の業を感じられる力作。ただの陽キャラ要員かと思いきや、ヨンス刑事にも人に話せない恐ろしい過去アリ。う~ん、『まさか』の演出が巧みですね~。 とまあここまでは良かったのですが、ラストが・・・。 まずヨンス刑事の死の真相。そりゃあ驚きましたが、それはないんじゃないですか。そこはストレートに女の子の霊の仕業で決着のほうが良かった気がします。しかもそんなつまらない死に方で怨霊になっちゃうし・・・。 そして一番納得できないのはカン・ジユン。どうやらソヒョンを殺しちゃったことで、ソヒョンの能力が身についちゃったようですが・・・。自身の出世欲という一番くだらない欲で人を殺したこいつが、最後まで生き残っているというのが、なんか違う気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2023-11-05 17:36:18) |
8. ザ・チャイルド(2012)
《ネタバレ》 後味悪い系のホラー映画。オリジナルは未見。ってゆーか、オリジナルがあるとは知りませんでした。 仲の良い夫婦が、リゾート先で理不尽にひどい目に遭っちゃう話。最後はなんだかんだで助かるのがハリウッドですが、これはメキシコ映画。なんとも救いようのない結末です。 オリジナル版を未見なので、新鮮な気持ちで見られたのは良かったのですが、オリジナル版を見ていたら、今度はその差異を楽しんだりできたのかなぁ・・・。 ただまあ、なんと言いますか、奥さんが身重なのに、そんなちっちゃい小舟でわざわざ島に?その島に何かあるならまだしも、何があるのかよく知らないまま、よー行くもんだと思っちゃいました。『奥さんが身重なのに・・・』ってゆーのがずっとひっかかってて、なんだか気持ちがいまひとつ乗り切れない。 ただ島到着後の雰囲気は結構好き。桟橋で遊んでいる子供たちが手を貸してくれるんですが、この子供たちが実はすでに頭がおかしい・・・、でもまだ襲ってはこない・・・、この焦らしがなんか好き。誰もいない村の様子も、なんか良かったですね~。 人がいない売店。人がいないホテル。いったい何が起こっているのか。仕方ないから人や食料や水を求めて、無人の村を散策します。このいつでも何かが起きそうな雰囲気が嫌いではないんですが、やっぱ少々たるかったかなぁ・・。90分足らずの映画なのに長く感じちゃったから、テンポはよくないんだろーなー。 中心部から少し離れた海岸沿いに住む子供たちには、まだ異変が起きていないシチュエーションがかなり良かった。何もしらない気のいいおばちゃんが世話してくれます。このあたりが、リアルでなんか好き。 ま、少なくともこの作品、一般的なホラーにはない独特の味わいがあるのは確かです。 [DVD(字幕)] 6点(2023-06-17 02:19:08) |
9. サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース
《ネタバレ》 B級ホラーの企画もの。と思いきや、バカにできないクオリティ。グロ描写、なかなか気合入ってます。ってゆーか、痛そう。 スタートから丁寧な作り。結構有名な役者さんもありをりはべり。 決して怖すぎない、ほどよいお化け屋敷感。ホラー苦手な方でも見れそう。ただ少々悪趣味とも言えるスプラッタシーンはあるので、グロいのや痛いのが苦手な人は辛いかも。 ストーリーはもうB級ホラーにありがちで、つっこみどころ満載。犯人でもない人間が、まるで犯人かのようなセリフを吐いたり、無駄に逃げたりする、乱暴すぎるミスリード。身に覚えがないなら逃げるなよ。 名優マルコム・マクドウェルが演じる所長は絵に描いたようなバカ所長。 主人公のオーブリーも、『○○が犯人です!』って言いきって、捕まえては、『○○が犯人なのは不自然です・・・』って。 いやいや、○○が犯人って言いだしたのはあなたですからΣ( ̄□ ̄|||) 結局主人公が犯人だの怪しいだの言っていた二人は事件とは無関係。 そして殺人鬼。なんだか殺す人とそうでない人の境界がすごく曖昧。 風紀を乱す人や、ちょっと悪いことしている人がターゲットなのかな~って思いきや、じゃあ町長はどうして殺されちゃったのさ~。おし~えて~、おじい~さん~♪。 ・・・まあ、母親に対してめっちゃ悪い態度を取る女の子を躊躇なく殺しちゃうのは、思い切ってて感心しましたが・・・。 そしてこの映画何が良いかって、女優陣のレベルが何気に高い。目の保養になるシーンもちゃんとある。 終盤グダグダで、ラストはいまいち。 ですが全体的には王道で手堅くまとまっているんじゃないでしょうか。 スプラッタホラー作品としては、正統派で好きな部類です。 [DVD(字幕)] 7点(2023-05-22 04:30:29) |
10. THE ICEMAN 氷の処刑人
《ネタバレ》 こーゆーナチュラルボーンキラーのストーリーは、はずれがないですねー。 それにしてもフィクションではなくまさかのノンフィクションだとは。事実は小説より奇なりとはまさにこのこと。 とは言っても、実際のククリンスキーと映画のククリンスキーは多少性格に違いはあるようですが。 映画のククリンスキーは怒りを覚えたときと、仕事でしか人を殺していません。 ですが実際のククリンスキーは殺人そのものを趣味としていたようです。つまり殺人あるいはそのプロセスを楽しむ人物だったようですね。 伝記のような側面をもつ本作。本来の情報量は相当なものでしょう。それを2時間弱に編集。その結果、少なからず説明不足な部分はあるようです。特に後半。ククリンスキーが目撃者の女の子を見逃して、ロイに追放されてからの展開がごちゃごちゃしてわかりづらい。私の理解力の問題でしょうか?いや、そんなはずは… 結局娘をひき逃げしたロイたちには復讐を果たせぬままお縄となってしまったので、なんかもやもやしたものが残ります。 どの視点から見るかで評価や感想が変わる映画かもしれません。 私には、家族を愛してやまない男が、人生にもがくドラマのように映ったので、なかなか辛い結末でした。 でもこの人にふさわしい結末といえなくもない・・・ ・・・邦題でだいぶ損してるなぁ・・・副題のB級感が・・・ [DVD(字幕)] 7点(2023-04-23 21:52:56) |
11. 殺人の告白
これはよくできたサスペンスですねー。アクションが邪魔になるくらい、サスペンスフルな脚本がよく出来ています。 結末まで見てしまうと、また最初から見直してみたくなります。時間がないのでしないけど。 例えば警察署でドゥソクがヒョングに耳打ちしたシーン。同僚が『ドゥソクはお前になんて?』と尋ねると『ジャージャー麺をぶつけろだとさ』と答えるヒョング。このときはヒョングが皮肉まじりのジョークをとばしていたのかと思ったのですが、本当にそう言っていたんでしょーねー。 それにしても恋人の末路が悲惨すぎて、素直にハッピーエンドと言えないのが辛いところ。恋人の母親がヒョングに厳しく接してしまったせいで、ヒョングはクリスマスのときに家に送らなかった。その結果、恋人がJに拉致監禁されたと考えると、やりきれないです。 それにしてもカーチェイスと最後の追いかけっこは要らなかったんじゃないかなぁ。特にカーチェイスは作風に合っていない気がするのですが。 最後の追いかけっこも蛇足感あり。せめてTⅤ局内で決着をつけるほうがドラマが際立ったように思えるんだけど。 まあ、そーゆー余計なところはありますが、警察、ドゥソク、J、遺族、四つ巴の争いがとにかくスリリング。その背景にある被害者の悲しいドラマも断片的ではありますがしっかり描かれ・・・。2度目の討論会での真相を明かすシーンではカタルシスさえ感じる…。久しぶりに見ごたえのあるドラマを見ました。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-04-20 00:57:18)(良:1票) |
12. ザ・レイド
《ネタバレ》 見応えある格闘ムービー。こんなに見ごたえあるのはひさしぶり。 ただインドネシアの俳優さんたちになじみがないので、一部を除いて見わけがつかないのが難点。 銃→刃物→素手と、ファイトのスタイルがシフトしていく。緊張感があったのは銃、次いで刃物。まさに死と隣り合わせ。建物内だけでなく、外からも狙撃される恐怖。実際銃と刃物でほとんどのSWAT隊員が命を落とす。 数が減ってきてからは素手のバトルに。これには正直違和感はあります。だって最後まで銃と刃物と人海戦術で攻め立てれば簡単にSWATを制圧できただろうに・・・。まあそれでは映画が終わってしまうわけですが・・・。 カンフーバトルにシフトしてからも、それはそれで息をつかせぬアクションの連続。これはこれで面白い。主人公や幹部クラスだけでなく、モブのなかにも強キャラがさりげなくまじっているのが何気に良い。 SWATのほうも、隊長がリタイアしてから明らかに戦力ダウンかと思いきや、モブキャラと思われた隊長の部下が何気に強かったりするのが良い。 一番面白かったのは敵の幹部。 圧倒的に有利な状況にも関わらず、銃を置き、弟が兄の拘束を解くのを待ってあげて、二人同時に相手してあげる。とゆーか、相手幹部の善意につけこみ、どさくさに紛れてふたりがかりで襲い掛かる主人公兄弟。更にはずっとフェアな戦いをしている敵幹部に対し、背後から凶器で襲うという卑怯極まりない主人公兄弟。まったくどっちが主役なんだか……… [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-11-18 02:57:48) |
13. ザ・ライト -エクソシストの真実-
《ネタバレ》 こーゆー『悪魔憑き』系の映画って別に好きなジャンルではないんです。でもなぜかあるとついつい手が伸びちゃって借りちゃって見ちゃって・・・もうこれが悪魔の仕業なのだとしたら、悪魔ってすげぇ。『面白いかも・・』『なんか怖い体験できるかも・・』みたいな、まさに悪魔の囁きが聞こえるわけですよ・・! さて、本題。まずこーゆー題材にして、主人公の神父の卵が、信仰心がまるでないっていうのが面白い。いや、信仰を無視はできていないみたいなので、まるでないっていうのは語弊がありますね。 神を信じない主人公が、なぜか『素質がある』みたいな評価を受けて、なぜかエクソシストに推薦されて、エクソシスト養成所に入ってしまう。まるで少年漫画のようなノリではありませんか。これが実話だってんだからすごいです。 しかし養成所に入っても、主人公はやっぱり信じない。もう頑な。『ドイツ人がロシア語を話した』と聞いても、目の前で少女が釘を吐き出しても、やっぱり信じない。自分の身に危険が差し迫って、ようやく信じてみよーかなって。本当に素質あるんかいな、こいつ。 本当にこいつが主人公でいいのか、という疑問はさておき、映画は雰囲気が良く、適度に恐怖心を煽ってくれて面白いです。 でもルーカス神父が劇中で1回も悪魔祓いに成功していないのっていささか気になります。 教会のお偉いさんから最高のエクソシストみたいな紹介をされたにも関わらずこの体たらく。 主人公は最終的には悪魔の存在も神の存在も信じたようですが、教会という組織に対しての不安はないのでしょうか。いや、だからこそ自分はしっかりしなくては、って思うのかな。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-05-31 02:50:48)(良:1票) |
14. 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)
《ネタバレ》 1作目や2作目に比べるとなんだかパワーダウンを感じます。ドラマ性も薄い。 一番の悲劇であるはずのシーザーの息子と妻が殺されてしまったシーン。誰が誰やらわかりませんでした。てっきりシーザーが殺されちゃったのかと思ったら生きているし。シーザーの息子はどこに行ったんだと思ったら殺されているし。 オリジナルの1作目では、変わり果てた地球で出会った人類は、言葉が話せない原始人のようでした。今の状況から人類はどーやったらそこまで退化するのか。導き出された解がウイルス。ウイルス万能すぎませんか。全部ウイルスのせいにしちゃってますね。安易というかなんというか。できればもっと唸るような真実を用意してほしかったものです。 1作目や2作目はドラマ性が強く、テンポも速く、尺の長さはそこまで気になりませんでした。 この3作目はどうでしょう。本当にこの尺の長さは必要だったのでしょうか。 シーザーが復讐の旅に出てからは、正直中だるみすることもありました。この内容であれば、ここまで長くする必要はなかった気がします。 せっかく命を助けてあげた射撃兵が、なんの葛藤もないまま一兵士のままで終わってしまうのも何だかなあ。じゃあこの射撃兵の存在意義ってなんだったのでしょう。 女の子の人形から大佐が感染しちゃう流れは良かったと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2022-03-02 02:41:22) |
15. 猿の惑星:新世紀(ライジング)
《ネタバレ》 よくよく考えてみると人類が、というより人間の文明や社会が崩壊しちゃう未来は決まってしまっているわけで、バッドエンドに突き進む映画を見るのってモチベーションが上がりません。 ところが見始めてみると出だしはいきなりサル社会。主観をうまくずらされたおかげで、すんなりこの世界観に入っていけました。 アクションは及第点だし、映像の迫力は言わずもがな。ストーリーそのものも、割と希望を感じさせるような進め方で悪くないです。送電がうまくいき、音楽が鳴り始めたときは感動します。なんとなく今当たり前にあるもののありがたみを感じるワンシーンでしたね。 舞台が狭すぎるという批判もあるようですが、個人的には限られたエリア内での攻防に終始したのは良かったのではないかと思っています。 人間側にもシーザー側にもトラブルメーカーがいて、この人たちが事態が好転しそうになると必ずぶち壊すというわかりやすいシナリオ。 これって、もし『銃』が無ければたいしたトラブルも起きずすべてがうまくいってた可能性があります。人と人との争いや、戦争の一番の原因になっているのは結局のところ銃なのかと思っちゃいます。とゆーことは、この映画そのものが銃社会に対するアンチテーゼみたいな役割を担っているのでしょうか。 まあそれは置いといて、映画としてはちゃんと面白かったです。シーザーの息子が良い味出していました。コバに洗脳されつつも、コバの恐怖政治には懐疑的で、ぎりぎりのところで自分を見失わないキャラクターが映画に深みを出していました。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-02-20 09:39:51)(良:1票) |
16. 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
《ネタバレ》 映像が凄いです。CGの技術もここまできたかというくらい、類人猿がリアルでなめらか。え?全部CGですよね?本物は使ってないですよね? アングルにかなり凝っていて、様々なアングルからのアクションが見られるのが魅力。猿目線になっているものもあり、映像だけで映画への没入感を満喫できます。 ただ、キャラクターとストーリーに関しては自分の好みとズレがあります。 なにしろ、猿がむやみに進化しちゃった原因も、人類がほとんどいなくなっちゃった原因も、どうやら主人公が作った薬のせいみたいじゃないですか。破滅へのカウントダウンが始まったところで幕を閉じちゃって、見終わった後はなんか暗い気持ちになっちゃいます。感染が広がってゆくイメージを、航空機の航路で表現するエンドロール。コロナ第6派の真っ只中なだけに寒気がします。 ウィル、キャロライン、ウィルの父、シーザー、この中心人物たちの心のつながりの描き方が今いとつ。アクションやエンターテイメント性を重視した結果かもしれないですが、もう一歩踏み込んでも良かったかもしれません。深い絆を描けていれば、最後の別れが感動的なものになったかもしれません。ゴリラとシーザーの絆を描くのも良いですが、なんか優先順位が違う気がするのです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-01-23 13:37:05)(良:1票) |
17. サンクタム
《ネタバレ》 実話を元にした映画だとはつゆ知らず。最初にテロップでそれが出たとき、『じゃあモンスターは出ないな・・・』となんかがっかり。なんかそっち系の映画と勘違していたので、前半がちょっとかったるくて退屈に感じちゃいました。 でも最初に犠牲になった女性調査員との酸素ボンベの奪い合い。ふいに訪れる緊張感。なるほど、それでサスペンスでありパニックなのかと妙に納得。映画の方向性を再確認。これは遭難系ですね。 一人、また一人と命を落としていく。少しずつ悪くなっていく状況。そんななか出口を探し求める緊張感は悪くなかったと思います。 「実話を元に・・・」というテロップが出たものの、実際の事故では閉じ込められた15人全員が生還したそうでして。つまり人が亡くなっていく描写はすべてフィクション。まあ何も起こらないと映画になりませんし致し方ないところでしょう。 洞窟なので仕方がないのですが、まず全体的に画が暗い。そして現在の位置情報や周りの状況がわかりにくい。これはこの映画というより洞窟ものの欠点ですね。 もう一つマイナスなのが、亡くなった調査員が着ていたスーツを着るのを頑なに拒むヴィクトリア。スタンドプレーが目立つカール。命がかかっている危機的状況で、そんなわがままばかり言いますかね?ちょっと不自然だと思いました。 最後、海に出てきたときの安堵感。手堅い作りで悪くないと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-12-01 00:15:25)(良:1票) |
18. サウスポー
《ネタバレ》 ボクシングのことはよくわかりませんが、43戦無敗で富を築き上げたチャンピオンが、たった1回の敗北とたった1回のペナルティで全財産失ってしまうというのがよくわかりません。それが本当だとしたら、あまりにこの職業リスキーすぎませんか。 ビリー・ホープのおかげで散々良い思いをしてきたプロモーターやらトレーナーやらがあっさり手のひらを反す前半がとにかく苦痛。愛する妻を失い、傷心のビリーに対し、周囲があまりに薄情で胸糞が悪くなります。 中盤から終盤にかけては、短気で怒りっぽい自分を反省し、人生の再スタートをきります。ボクサーとしての再生。父親としての再生。もともと善人で心優しいその気質が自然と伝わってくる再生の物語が心地よい。安直だけど実に良い。娘との交流も良い。自分を慕ってくれる少年との交流も良い。ティックとのトレーニングも良い。 なので全体的には好きな仕上がり。なんですが、妻モーリーンの死だけがどーしてもひっかかります。 レイチェル・マクアダムスが好きなので、彼女が早々に退場しちゃうのが残念というのもあるかもしれないです。もうどう頑張っても母親が戻ってこないという辛い現実。再び栄光をつかむことができてもあの明るい3人での生活が戻ってこないのでハッピーエンドなんだけどハッピーになりきれないもやもや感が残ります。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-11-30 20:04:29) |
19. ザ・タウン
《ネタバレ》 主人公が堂々と冒頭から銀行強盗をしている時点でハッピーエンドはありえないわけで、正直暗い気持ちで鑑賞していました。 2回目の強盗で完全にFBIから目をつけられたのに、3回目のヤマをするなんて狂気の沙汰としか思えず、まったく共感できません。 案の定最後は妹の裏切りもあり強盗は失敗。このまま全滅パターンで終わるのだろうと思いきや、主人公が生き延びてしまうのはかなり意外でした。まあこれだけ罪を重ねてきた人間がのうのうと平穏な生活を手に入れるのはそれはそれでどうかと思っちゃうわけですが。 ですから個人的な好みでいけば決して好きなタイプの作品ではありません。ですが途切れない緊張感で、見ている間はハラハラしっぱなし。サスペンスドラマとしては上質の味わいと言えるでしょう。 犯人のタトゥーを見てしまったクレア。その事実を知っているダグ。クレア、ダグ、ジェムの3人が鉢合わせるシーンの緊張感がすごい。そしてこのシーンでのクレアのセリフが、ラストの『どうしても会いたいの。今日は晴れた日だから。』につながっていく完璧な伏線。 個人的な好みでいけば点数はこれが精いっぱいですが、完成度の高いクライムムービーだと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-09-10 03:34:14)(良:1票) |
20. さんかく
《ネタバレ》 なんかもう居心地の悪い映画だなぁ。なのに目が離せない。 桃がホームステイをしている序盤。連想するのは『じゃんけん』。じゃんけんの関係性もよく考えれば『さんかく』ですね。 佳代は桃に強く、桃は百瀬に強く、百瀬は佳代に強い。最終的に誰がマウントを取るのかっていう主導権争いの映画にも見えます。 また、この映画の『あるある』は周りの人間にまで及びます。 印象的だったのはマルチの女と仕事先の後輩。 後輩は面と向かって逆らうことはしない。小さな恨みを蓄積させていく。例えば、後輩の家で、お風呂から体も拭かずに百瀬が電話に出るシーン。床についた泡とお湯が後輩目線でクローズアップされる。この目の付けどころは凄い。 マルチの女は桃が仕事に来なくなったので電話を入れる。『心配してます。』っていう台詞のあと、『今月のノルマなんですが・・・・』このマルチの女の本性の出し方ってのも非常にリアル。嫌~な気持ちにさせられます。 最近見た映画の中ではダントツで後引く映画。見ていて気持ちの良いもんではありません。 これを見て自分の黒歴史を思い出さない人はいないんじゃないでしょうか。 そういった意味では、人によってはそんじょそこらのホラー映画より取り扱い注意と言えそうです。 [DVD(邦画)] 7点(2021-05-16 02:52:06)(良:1票) |