2. ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
暖かい印象を受けた。衣装やセットのデザインがカラフルで暖かい。チャスと息子二人の赤いジャージ。パゴダの真っピンクのズボン。リッチーの黄色いテント。マーゴの金髪。イーライのカウボーイハット。スカイブルーの壁紙・・・などなど。 この映画、父親のせいでバラバラになってしまった家族の話で、意外と悲惨な内容だったりするんだけど、観ていて落ち込むものではなくて、むしろ可笑しい。これも暖かい色の演出のおかげなのだろう。 ロイヤルの服装の変化も面白い。22年前のロイヤルはダークなジャケットを羽織り、サングラスを掛けていて、どこか邪悪な感じだったが、家族のもとに帰ってきたときは明るいグレーのスーツにピンクのシャツ、赤いネクタイに眼鏡を掛けていた。フレンドリーな印象を与える服装で、彼が家族との絆を修復しようと考えているのが分かる。 色彩を巧みに利用した視覚的なストーリーテリングが素晴らしい。 登場人物ひとりひとりを個別に見ると、皆が変わった衣装を身にまとっていてクセを感じる。しかし、全員が集まるとバランスが取れて優しい暖かい印象が残る(DVDのパッケージでは彼らの集合写真が使われている)。家族が一つになるって大切なんだなと思った。 [DVD(字幕)] 8点(2016-05-20 15:12:31) |