21. 処女峰
《ネタバレ》 なつかしの銀幕スター上原謙ということで見た映画だが、何と言ってもお目当ては乙羽信子、彼女の映画デビュー作である。ここでは活発な姉妹に挟まれた三人姉妹の控えめな次女(ほぼ主役)を演じる。そして何と何と題名と同じ「処女峰」という主題歌を歌うのだ。乙羽信子というと堂々とした女優というイメージが強く、まさか歌うとは思ってもみなかったが、調べてみると大映入社前は宝塚のトップを飾っていたというわけだから歌も上手いはずなのだ。映画題名の処女峰はもちろんこの三人娘をさしている。そろって上原謙にあこがれていて三者三様の結末を迎えるのだが、ストーリーとしては少々古くさい感がなきにしもあらず。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-21 08:38:43) |
22. 純愛物語
原爆による白血病という悲しい運命は涙を誘うが、主人公男女の生き方には賛成できない。特に女のために良いところ見せようと格好をつけるのは好きでない。しかし戦後の混乱や貧困、原爆の後遺症など、社会背景はよく表されていると思う。 映画としては、江原真二郎、中原ひとみの若き姿を見ることができ満足。 [DVD(邦画)] 6点(2011-11-20 23:17:01) |
23. 新・三等重役
社長シリーズは子どもの頃たくさん見たので、今はどれがどれだかわからないのが現状だか、この映画だけは新珠三千代さんの箱田章子役が大変すてきだったのでよく覚えている。この役は原作ではオールドミスということになっているのだが、映画の新珠さんは大変若々しく美しかった。 DVDが出ていないので確かめようがなく、ちょっと点がつけにくいのだが・・・。原作は大変おもしろい。 [映画館(邦画)] 6点(2011-11-01 22:10:35) |
24. 社長三代記
へそくり社長に続いて鑑賞、子どもの頃見た映画だが全編を通じて笑い満載、何といってもそのテンポが良い。森繁・小林のコンビはすばらしくも今度は加東大介も登場し、より賑やかとなる。加東が出た分だけ三木のり平の出番が減っている。司葉子杉葉子という二人の葉子の美しさが目を引く。 栃錦・若乃花の横綱、月給1万5千円に対してテレビが5万円の時代であった。この映画ももちろん続社長三大記へと続く。 [映画館(邦画)] 6点(2011-11-01 19:58:00) |
25. 死刑台のエレベーター(1958)
なつかしき映画、日本で最近リメイクされたと聞き、DVDで改めて鑑賞。エレベーターで閉じこめられたモーリス・ロネがどうやって出てきたのかさえも忘れていた。 映画の中の悲しげなトランペットが、即興演奏だったとは・・・。 [映画館(字幕)] 6点(2011-03-17 11:03:26) |
26. 次郎物語(1955)
《ネタバレ》 作成年からして、私が子どもの時見た映画「次郎物語」はこれだったと思う。同時期には子ども向けの本として「次郎物語」を読んだ(読んでもらった)こともあり、原作は大変な感動作だった。だが改めて見てみると映画はすごく淡泊で細切れだ。これでは原作を知らない人には何だこの映画は?と思われるのではなかろうか。 この映画の主題は親子の愛だろうと思う。子役があまり上手でないせいもあるが、それ以上に映画の作りがまずい。ラストの継母お芳をお母さんと呼ぶシーンはもっともっと感動できるはずなのに・・・。 [ビデオ(邦画)] 5点(2012-07-06 21:29:03) |
27. 女医の診察室
医学ものか恋愛ものか迷うような映画だけど、ちょっとばかり古くささを感じる。上原謙と原節子の組み合わせでは、どうしてもこうなってしまうものなのか。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-02-11 20:05:01) |
28. 真実一路
最近亡くなった“淡島千景さんをしのんで”という特集で見たが、期待はずれ。物語はなかなか進展しないし、はぎれがない。子役が出てくるところは学芸会並だし・・・。これが川島映画とはとても思えなかった。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2012-02-26 15:52:27) |
29. 上流社会
オリジナルのやたら多い台詞がミュージカルに。その点は大変評価できるが、原作の舞台劇の軽妙なおもしろさがなくなってしまった。それと配役がオリジナルに比べ非常に軽い。主役のグレース・ケリーも役違いという気がして、うわべだけの上流社会に思える。もっともうわべだけで中身のないのが上流社会なのかもしれないが・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2012-01-10 22:52:59) |
30. 上海帰りのリル
《ネタバレ》 「船を見つめていーたー、ハマのキャバレにいーたー」で始まる歌を聞いたことがある人もおられよう、「上海帰りのリル」という歌である。私が生まれた頃はこの歌がラジオから流れ、それは知らない人がないというくらいに爆発的にヒットした曲である。 そしてこの爆発的なヒットを元に作られたのが、この映画なのである。私はようやくこの映画にたどり着くことができた。 しかし、お世辞にもこの映画は名画とは言い難い。監督を初め出演者陣も不出来である。しいて見所を探せば、社長シリーズで人気を得る前の、若き森繁が見られることだろうか。そして映画の中で歌っている歌手こそ、大ヒットをとばした津村謙その人である。 ところで今でこそ「上海帰りのリル」が有名だが、戦前には川畑文子、ディック・ミネ、江戸川蘭子らの歌手が歌った「上海リル」という歌があった。私個人は「上海帰りのリル」よりも、江戸川蘭子の哀愁を帯びた「上海リル」の方が好きである。 [DVD(邦画)] 4点(2011-05-22 08:52:50) |
31. シェーン
おもしろくないし、銃で解決というのも好きでない。早撃ちで勝負を決めるというのはもってのほか。期待していた映画だっただけにがっかり、やっぱり西部劇というのは私には向かない。 [映画館(字幕)] 3点(2013-01-02 21:29:48) |
32. 七人の侍
私の最も嫌いな映画のひとつである。 映画はおもしろさや楽しさを与えてくれるもの、夢や希望を与えてくれるもの、あるいは考えされるもの、自分のためになるものでなければならないと思う。しかしこの映画は私にとっては、いずれもないように思う。 私はこの映画を3回見た。1回目は何十年も前、友人(先輩)に勧められて、2回目は世間の評判を確かめたくて、そして今回がこのレビューを書くためにである。 1回目は三船俊郎演じる役者が嫌になり、半分で見るのを止めた。ビデオを先輩に返す時どうだったか尋ねられ正直に答えた。先輩は怪訝な顔をして「こんなにおもしろいのに」と言った。それがきっかけだったのか、先輩との間は気まずくなった。 2回目は、それからずいぶん後、世間の評判と自分の感覚との違いを埋めるため、自分でビデオをレンタルして、ラストまで辛抱してみた。しかし、あまりにも長く感じられ最後の方は大変苦痛だった。 今回はDVDで途中をいくらか早回しして冷静に見たつもりだったが、やはり評価は上がらなかった。 設定が安易ではなかろうか、見ず知らずの農民のために命をかけて戦う武士がいるのだろうか。哀れなのは農民よりも野武士、彼らは仲間が次々と殺されていっても、ただひたすらに部落を襲うのだろうか。それも作戦も何もなしで・・・。 緊迫感はあるようでまるでなし。ただ野武士の集団が次々と殺されていくだけ、何がおもしろい? 7人の侍たちは寄せ集めの集団、どうしてチームプレーや連係プレーができよう、集団作りをする暇はなかったはずだ。 [ビデオ(邦画)] 3点(2011-02-05 13:45:51) |