41. シャーク・ナイト
《ネタバレ》 あれ~?思ったより平均点が低い・・・。そんなに悪くないですけどねー。 はしゃぐ若者たちがサメの餌食に。ありきたりのプロットだからこそ好き。サメの造形だって頑張っています。メ〇シャークみたいな訳のわからんシリーズよりかは100倍よくできています。 若者たちが個性的なのも良い。ただあんまり嫌なやつがいなくて、基本みんな良い人なので、若干胸糞悪くなります。 定番のサメが襲ってくるシーンの緊張感もなかなか。主人公が捕まっているシーンで、床を開けるとイタチザメが泳いでいるシーンが何気に怖いです。 ちょっとしたサプライズもあるため、ストーリーだって悪くない。保安官は味方だと思っていましたからびっくりです。 こーゆー映画にしては、若者たちがバカな行動をしているようには見えず、最善を尽くしている感じがするので見ごたえがあります。 残念ながらその多くは犠牲になっちゃいましたが、主人公とヒロインは助かってよかったです。 保安官とデニスに、クズに相応しい最期を用意してくれたのも良かった。 もう一人いたゲス野郎がデニスのナイフであっさり退場しちゃったのがなんか不満。生きたままダルマザメに喰わせてほしかった… [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-11-05 04:14:15)(良:1票) |
42. 処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ
《ネタバレ》 車酔いをするゾンビ。吐いたゲロをもう1回食べるゾンビ。なんというか、この映画を作った人はゾンビが好きなんだなーっていうことが痛いほど伝わってくる作品。『ゾンビにこんなことさせてみた』ってのがいっぱい出てきます。 ジャンル『ホラー』となっていますが、怖さはほぼ皆無。内容はグロアクション。夜のシーンより昼のシーンが多い。つまり見ている人を怖がらせよーなんてことは微塵も思ってなくて、しっかり見てもらって楽しんでもらおうという気概に満ちた作品ではないでしょーか。じゃないとゾンビ同士のミリタリーバトルなんて思いつかないでしょう。蘇った恋人とキスをすんのか?それともハグか?と思ったらいきなりのカーセッ〇ス。そんな映画は後にも先にもこの映画だけでしょう。 障害者、高齢者、子供、みんな分け隔てなく殺しちゃいます。モラル無視。超不謹慎。お母さんたちが子供に見せたくない映画No.1。誰にも勧められない映画です。 でも私はこの映画好きです。主人公の右手がナチゾンビの親玉ヘルツォークの右腕になっちゃう。そして凄い力を手に入れます。素手でゾンビを粉砕するパワー。更に死者を蘇らせて自分の配下にできるチート能力。あれ?これってヒーローものですか?っていう趣まであります。 ゾンビスクワッドの面々も、ゲイの博物館員も、みんな良い味出しています。 ひとつ不満を上げるなら、最後の戦い。ここでもっとマーティンに無双してほしかったのですが、急に沈黙する右腕パワー。更にせっかく復活させたソビエトゾンビとナチゾンビの戦いが互角でない。個人的には今まで好き放題殺戮を繰り返し平和な街を蹂躙してきたナチゾンビに天誅を下す意味でも、最後の大乱闘は主人公グループに圧倒してほしかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2022-06-17 07:55:41)(良:1票) |
43. シグナル 月曜日のルカ
《ネタバレ》 原作の小説が結構面白かったので映画も見てみました。 まず杉本ルカが原作のイメージにかなり近くて良かったです。杉本ルカを演じた女優さんはとても魅力的なかわいらしい人ですが、この作品以外映画もドラマもほとんど出ていないようです。もったいない。 もう一人の主人公宮瀬恵介。演じるのはAAAの西島隆弘。イメージがどうとか言う前に、かなり大根です。とくに序盤は演技がへったくそで気になって仕方がありません。でも不思議なことに、見ているうちにそれがだんだん『味』に変わってきます。これはこれでアリかと。 そして舞台がいいですね。レトロな映画館。そこで映写技師をするヒロインと主人公。上映される映画も古い映画ばかり。昭和の空気感がたまらない。映写室とか、こーゆー映画館が身近にないので、小説では想像しきれなかった画を見られて満足です。 ウルシダレイジはもう少し華奢なイメージでしたが、性格は結構イメージ通りかもです。人の話を聞かない。子供。被害者意識が強くサイコパスの才能あり。そうそう、こんな感じです。 原作では金でチンピラを雇って恵介を襲わせていましたが、映画では単身映画館に乗り込む武闘派。どちらかと言えば映画館の外で待ち伏せするタイプなんですけどね。ウルシダレイジのおかげで映画に程よい緊張感とメリハリが。 そしてラスト。恵介とルカの今後が見たくなる、そんな余韻が残る終わり方がまた良い。 [DVD(邦画)] 7点(2022-05-20 03:17:24) |
44. しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
《ネタバレ》 なんだか伝記っぽい時間の流れかたとストーリー構成だと思ったら、実話だったのか。どーりで。 モード・ルイスという芸術家の存在はこの映画を見るまで知りませんでした。どうやらとっても有名な御方のようで。 で、映画なのですが、お恥ずかしながら何の予備知識もなしに見たものですから、冒頭30分がなかなかきつかったです。登場人物の誰にも共感できないし、なんかみんな辛そうだし。 で、そこから少しずつ、本当に少しずつですが状況が良くなっていく。最初はとても幸せとは言えない人たち。それはモードもそうだしエベレットもそう。でも少しずつ『幸せ』が感じられるようになってくる。そしてそれがとても自然な感じで心地良い。 モードとエベレットの関係も最初は険悪そのもの。でもゆっくりと、少しずつお互いを必要とし始める。これがなんだか凄く良い。 エベレットはものすごいツンデレ。すごく口が悪いしケンカ腰だし、ぶっきらぼうだけど、なんだかんだ言ってモードの望みはいつもかなえてあげる。こーゆー押しつけがましくない優しさっていいですね。 モードの絵が少しずつ売れ始めるのも好き。ただ尺の関係か、いったん売れ始めるとあれよあれよという間に有名になって、テレビ、新聞とメディアの露出も増え副大統領までモードの絵を買っちゃう。この辺はもう少し丁寧に描いてほしかったところです。 前半は見るのがしんどいし、中盤から後半にかけてはやたら駆け足。全体のバランスは正直あまり良いとは言えない気がします。 ただモード・ルイスという人物と、この人の人生に触れられる機会を得られたのは良かったと思います。 『まず俺、そして犬、チキン、そして最後がおまえだ』と言っていたのに、死期を悟ったモードが『また犬を飼ったら良いじゃない。あなた犬が好きだから。』に対し、『犬はいらない。お前がいれば良い。』と答えるシーンで、ずっと我慢していたんですけど遂に泣いちゃいました。 [DVD(字幕)] 7点(2022-04-03 18:53:56)(良:1票) |
45. 十三人の刺客(2010)
《ネタバレ》 最初から残酷なエピソード目白押しでちょっと驚きます。 なんとなく13人の侍の活劇みたいなものを想像していたので、ここまで血生臭いとは思いもしませんでした。 1人1人に個性がしっかり味付けされ、それぞれ見せ場もあり、終盤の戦いは見応えがあります。みんな強いっていうのは、少年漫画で育ってきた自分にとって胸を熱くさせるものがあります。 鬼頭がなぜ島田の襲撃を最初から知っているのかなど、正直言うとストーリーの細かい部分で理解できていないところがあります。ただ細部がよくわかっていなくても、『サイコパスな将軍の息子を討ち取る』ということさえわかっていれば大丈夫な内容。 伊勢谷友介が演じたキャラだけが、ちょっと雰囲気を壊しているように感じて惜しい。一本調子な映画に変化をつけたかったのかもしれませんが、この映画にコメディ要員は要らんでしょ。 それにしても松方弘樹さんの殺陣だけは、他の人達とは別格で良くも悪くも浮いていました。さすが遠山の金さん。昔ばあちゃんと時代劇を見ていた頃を思い出して懐かしくなっちゃいました。 [DVD(邦画)] 7点(2021-06-21 13:11:31) |
46. 書道ガールズ!! -わたしたちの甲子園-
《ネタバレ》 なんの苦労もない高校生達のゆるいコメディかと思いきや、不況に倒産、親の病気に貧困世帯と、その背景がなかなかシビア。今の日本を象徴するかのような状況設定。 とはいえ、ストーリーが少々お粗末なので、中盤くらいまではわりと一歩引いた感じで見ていました。 それに高畑充希ちゃんを中途退場させちゃったのはもったいなかったですね。どー考えても彼女は必要。どーせなら最後全員揃ったカタチでのパフォーマンスがよろしかったのではないでしょうか。 また、1人1人に焦点を当てる丁寧なストーリー構成は、本来は好きです。 ですがこの作品は里子、小春、清美、リオの4人のエピソードがあまりに均等すぎて、どれも印象に残らないという皮肉な結果になっちゃいました。それぞれのエピソードが良かったものの、4分割したことでどれもとってつけたような印象に収まってしまいました。 感動系の演出も青臭いものが多く、この年齢になるとちょっと気持ちが入りきれません。 ところが、最後のパフォーマンス。ここだけはこの映画の中でも別物。否が応にも盛り上がります。感動もします。 最後の4校のパフォーマンス、どれも良かった。難を言うなら、ラストパフォーマンスでも転んでしまうのがちょっと演出しすぎ。そして歌いだす清美。いやー、欲しがりすぎて逆に気持ちが醒めちゃいました。ラストのアクシデントはないほうが良かったです。 [DVD(邦画)] 7点(2021-04-05 01:56:36) |
47. シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア
《ネタバレ》 一風変わったPOV方式のモキュメンタリー作品。手ブレは全然平気だし、個人的に好きな手法なので予想していたより楽しめました。『クローバーフィールド』やら『REC』やらのコメディバージョンですね。 がっつりフィクションなのにノンフィクションみたいなノリが好きなのかもしれないです。 あまり期待はしていなかったのですが、随所に妙な作りこみやこだわりが感じられる良作。しっかり人も殺しまくっているわけですが、徹底して陰惨なイメージにならないように工夫されています。大動脈を噛んじゃって慌てるシーンなんかは、ホラーというよりもはやコメディ。 こーゆーテイストの作品にしてはCGもよく出来ています。コウモリバトルや狼男の変身のクオリティはなかなか。 その一方で、『ヴァンパイア』『バンシー』『ゾンビ』の合同パーティーでの仮装大会みたいな手作り感。この安っぽい感じも好き。 これといった本筋にあたるストーリーはないんですが、1つ1つのエピソードはしっかりストーリー性があって面白い。 ヴァンパイアだけかと思ったら、ゾンビやら狼男なんかも出てきて、しかも狼男の生き方の断片も見せてくれる盛り沢山な内容。以前人間だった友人同士が、最後ヴァンパイアと狼男になっちゃって、両種族の架け橋みたいになっちゃう良い話的展開にセンスを感じます。 やたら良いように使われていた使い魔のおばさんも、しっかりヴァンパイアにしてもらえて嬉しそう。 こーゆー作品で、みんなハッピーになって幕を閉じるってのはなかなかないかも。 掘り出し物と言って良い作品。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-11-25 10:31:49)(良:1票) |
48. 13日の金曜日PART6/ジェイソンは生きていた!
《ネタバレ》 いや、ジェイソンはしっかり死んでいたんですけどね。余計なことして生き返らせちゃったんですよね。まじでいらんことすんなよってストーリーです。 こちらはPART4からの正統な流れを汲む続編っぽい感じですね。 事の発端はトミー君の自己満足。土葬ではなく火葬にしたいと我儘を言うトミー君のせいで大勢が犠牲になります。なのにトミー君は『忠告してやっている』『助けてやっている』と口には出さずとも終始そんな上から目線の立ち振る舞いで、なんだか共感しづらい主人公。警察は警察であまりにも話を聞かないのでそこもイライラ。こーゆーB級ホラーで登場人物がアホだったり自業自得だったりするのはもはやお約束ではありますが、今作は特にひどい。 怯える子供を励ます善良なキャンプ指導員のお姉さま方。今作ではしっかり指導員としての仕事もこなしています。そんな好感の持てる若き指導員のみなさま、及び娘思いの父親であり保安官、次々と悲惨な殺され方をしちゃって本当にかわいそうです。 その一方で、静かに眠っていたジェイソンを叩き起こした一級戦犯のトミー君はヒーロー扱い。 そんな理不尽なところも含めて、うん、面白かったです。 どーでもいいですが、久しぶりにサービスカットはほぼ皆無となっております。 [DVD(字幕)] 7点(2020-11-08 18:08:03) |
49. 新・13日の金曜日
《ネタバレ》 平均点が大変低かったので期待していなかったのですが、悪くなかったです。というか良かったです。 登場キャラが多く、そのほとんどが殺されちゃうのでスラッシャーシーンが豊富。更には女の子のサービスカットも豊富。完結しちゃった13金シリーズを新しい形で復活させようと意気込みが伝わってくる作品です。 ただ、息子を殺された父親が、殺した犯人を放置で、それ以外の人たちを血祭りにあげていくってのはどうにも腑に落ちません。息子殺しのヴィクターを真っ先に的にかければ動機がはっきりしちゃうので、それを避けたかったのかもしれませんが。だとしたら無差別に殺して回るはっきりとした動機をラストに明かしてほしかったです。 この作品は13日のスピンオフ的立ち位置になりそう。 初代13日の金曜日が、『息子を殺された母親の復讐劇』で幕を開けたことを考えれば、今作のプロットはまさにその流れを汲むものだと言えそうです。 だとすると、PART6でまた元のジェイソンに戻したのは、あの太っちょ君にホッケーマスクをかぶせても、あまりにもイロモノすぎてホラーにはなりえないことが一番の要因だったりして。 [DVD(字幕)] 7点(2020-11-08 17:29:10) |
50. 13日の金曜日・完結編
《ネタバレ》 このシリーズは全部見ていたつもりだったのですが、完結編だけ見ていなかったみたいです。 さすが完結編だけあって、過去最多の犠牲者数。更に、前半のエロシーンで結構尺を取られちゃったせいで、ジェイソンがかなり忙しそうでしたね。『こりゃあてきぱきやらんと、終わらんぞ』とジェイソンの心の声が聞こえてくるかのようです。 とゆうことで、今作のジェイソンの働きっぷりといったらもはや職人芸。流れ作業のようにかたっぱしから標的を片付けていきます。どうやらジェイソンはまたまた少しレベルが上がったようですね。マッチョ度、タッパ、過去最高。パワーも申し分なし。 それにしてもこのシリーズ、『遊びに来た若者』だけでなく、現地の人々も結構犠牲になるのが不思議。じゃあそこに住んでいて今まで無事だったのはなぜ?という素朴な疑問が浮かんできます。まあ、いいか。 今作は魅力的なおねーちゃんもいっぱい出てきますし、子供も戦います。妹の敵討ちの人も登場します。キャラも豊富なら、殺し方のバリエーションも豊富。ここまでの4作品の中では一番エンターテイメント性があるかもしれませんね。 とは言え、やはりこのクオリティに8点はつけづらいので『3』と同じ7点。でも個人的にはこちらのほうが面白かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2020-11-06 23:07:03) |
51. 13日の金曜日PART3
《ネタバレ》 子供の頃見たときはトラウマになるほど怖かった作品。おそらく当時は『最後1人になってしまう』というシチュエーションがたまらなく苦手だったんだと思う。終盤にみんな殺されちゃって、クリスとリックが戻ってきたときにはすでに2人だけ。異変に気付くも頼りのリックは早々と殺されちゃって、ジェイソンとタイマン。これが凄く怖かったのです。 今となってはベタですが、『いくらアウトローでもこんなやつらいねーよ。』ってゆうバイカー達にからまれ、その人たちが腹いせに車のガソリンを抜いちゃうのが伏線に。もしかするとこーゆー『ホラーの定石』みたいなもんは昔からあったのかもしれませんが、それを世に広く浸透させたのはこのシリーズかもしれません。だとしたらとても偉大なシリーズですね。 ジェイソンは少しレベルが上がったようです。 ジェイソンはデブオタクを倒した。 ジェイソンはLv.2になった。 ムキムキ度が2上がった。 身長が3上がった。 デブオタクは何かを落としたようだ。 ジェイソンはホッケーマスクを手に入れた。 今見ると怖さより懐かしさのほうが先に感じられちゃうのですが、子供の頃に見たときの衝撃そのままにこの点数。 最後湖から現れたジェイソンに襲われるシーンは頭がおかしくなったクリスの妄想ってことで良いのかな? [DVD(字幕)] 7点(2020-11-06 09:07:00) |
52. 13日の金曜日PART2
《ネタバレ》 ジェイソンLv.1って感じですね。 装備は『布の服』と『紙袋』。体はひょろひょろ。こいつなら勝てます。 特にジェイソンが姿を現してしまうと恐怖が半減しちゃいますね。姿が見えないときの緊張感はなかなかだと思います。 若者たちがキャンプ地に集まる。一人ずつジェイソンに殺される。これこそが13日の金曜日のストーリー。理由なんていらないんです。有無を言わさない殺人鬼のほうが恐怖を感じるものです。 『2』ではキャンプ地に集まってくる殺され要員が前作の倍以上に。ジェイソンがんばれって思っていたら、あれあれ、半数以上は街にくり出しちゃいました。そして惨劇を免れてしまいます。うーん、これは良くもあるし、悪くもあるなー。 ここで運命が分かれてしまう残酷さを感じられるのは良い。ですが多くの人が助かっちゃうので、肩透かし感は否めません。 それでも私はこの作品『1』より好きです。 ファイナルガールのジニーの登場シーン。車のエンジンがかかりません。この伏線に思わずニヤニヤ。これが『肝心なときにエンジンがかからない。』というホラー映画の常套手段の先駆けとなったのでしょうか。 このシーンを子供の頃見たときはいっしょになってめっちゃ焦ってハラハラした記憶があるんですが、今回はなんだか嬉しくなっちゃいました。 [DVD(字幕)] 7点(2020-10-11 01:03:57) |
53. シュレック2
《ネタバレ》 シュレックがピノキオをさしおいて人間になっちゃう話。人間になったシュレックがどー見てもイケメンに見えないのですが、完全なるイケメンのモテメン設定。まあいいですけど。製作者は神ですし。 前作では『周囲からどう思われようが俺は俺。』みたいなシュレックのスタンスが好きだったのですが、今作ではフィオナのためにそんな自分を変えようとします。もちろんそれは1つの美しい愛の形。ですがその分前作にあったシュレックの開き直りとも居直りともとれる唯我独尊的魅力は薄くなってしまいました。 今作ではアクションがやや控えめなのもちと物足りない。 ですから個人的には『1』のほうが好きではあるのですが、これはこれで面白いのもまた事実。 シュレックとフィオナ姫が、何があってもお互いに対する思いやりを忘れないのがいいじゃないですか。 前作はつきあう前だったので、『ラブワ○ン的ハラハラ』がちゃんとあったのですが、言ってしまえば今作はフィーリングカップルの後日談。そんなハラハラはほとんどありません。でもそのぶん、二人の絆が感じられる今作は見ていて心地良いものがあります。 シュレックが『フィオナのためにイケメンになって父親に認めてもらう。』と決意。この流れは悪くない。ですがそのために薬を盗んじゃうのは良くない。応援も共感もしづらくなります。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2020-08-10 04:21:39) |
54. シュレック
《ネタバレ》 10年以上前に一度見たきり。久しぶりの再鑑賞。 テンポが良く、無駄が無く、やっぱりアニメは面白いですね。 難を言うなら浜ちゃんの関西弁吹替えのクセが強すぎるくらい。 とは言え、シュレックもフィオナもドンキーも、愛すべきキャラクターたちであることに変わりはありません。 最初はドンキーを煙たがり、フィオナに何の関心も示さなかったシュレックが、次第に二人と心を通わせていく様子が微笑ましい。 序盤こそ『ゲテモノ食いのシュレック』の紹介が気持ち悪くて仕方ありませんでした。特に『耳クソのローソク』は生理的にまいりました。ただゲテモノシリーズはオープニングにつめこみ、そこから先は王道のラブコメチックアドベンチャー、ソフトタッチな御伽噺として大変見やすく仕上がっています。 フィオナ姫がカンフーの使い手など、王道のキャラから少しだけはずす絶妙の匙加減。こーゆーの好き。 子供向けの映画。ですが『人はいつの間にか外見で差別しているものだ』という教育的メッセージがあるため、この映画の存在意義は意外と大きい。 おしゃべりロバ、外見にコンプレックスを持つシュレックやフィオナ姫、そして皆から恐れられるドラゴンも、心を開いてみれば皆仲良くなれたっていうのが心温まります。 すれ違いラブストーリーや、独裁者の退場はお約束。 アニメはこれで良い。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-08-06 13:57:24) |
55. 重力ピエロ
《ネタバレ》 『放火犯は春』。なぜかそのオチだけ知っている状態での鑑賞。そのオチをどこで知ってしまったのかは思い出せない。ですが、オチを知っていたとしても、なかなかどうして面白い。面白いと感じるのは、春が放火犯であろうが、そうでなかろうが、そこは重要ではなかったからかもしれません。 その春を演じた岡田将生。今までこの人の演技を良いと思ったことがなかったのですが、これは良かったです。役が岡田将生にぴったりです。 時系列バラバラ系の作品は得意ではありませんが、今作は過去と現在を同時進行で進めていくだけのすっきり展開。母の身に何が起ったのか。春はどのようにして生を授かったのか。それがわかる過去のシーンは重要でした。 過去では被害者。現在では加害者。レイプ、事故死(自殺?)、ガン、放火。奥野一家が背負った運命はあまりにも重く、悲しい。にも関わらず、この映画では奥野家がどれほど素晴らしい家族でどれほど幸せだったかを見せつけてきます。兄弟仲が悪い私にとって、その兄弟の絆、家族の絆は確かに輝いて見えたのです。 『楽しそうに生きていれば、地球の重力なんて消してしまえるんだ。』 幸せであろうとするから、何が起きても幸せなんでしょうね。 春がジンジャーエールを注文するのを絶望的な表情で見つめる兄。・・・だけど春にはもうひとつのクセが。春はウソをつくとき唇を触る。自分と同じクセを持つ春を、嬉しそうに見る正志。実の父の血が流れているという過酷な現実がある一方で、育ての親のクセがうつるという救いも描く。この何とも言えない絶妙なバランス感覚が好きです。 [DVD(字幕)] 7点(2020-05-24 01:23:00)(良:1票) |
56. 14才のハラワタ
《ネタバレ》 この作品は、『あるある的面白さ』と『さりげない優しさで包まれる心地よさ』を体感できる作品だと思います。 原田ワタルを演じた女の子、自然体で大変良かったです。この女の子や監督さんのように、まだまだ世に出ていない才能っていっぱいあるんだろうなと感じます。 ラブストーリーでもなければ、サスペンスでもない。14才の日常を描いただけの作品。でもそんな日常の中に、大なり小なり事件は起こっている。『成績1位と2位のクラスメートの関係』『小学生の心ない意地悪』『塾長とアルバイト学生のいざこざ』『両親の別居』。過剰な演出はほとんどなく、どれも実際にありそうな範囲で描かれます。 だから、逆になぜこの作品を面白いと感じるのか、実際のところ全然わからないのです。でも、見ていて飽きない。なんかずっと見てしまう。なんか、漠然とした心地よさみたいなもんを感じるのです。 心地よさを感じる理由の一つに、情景描写の上手さはあるかもしれないです。情景描写と人物の感情がきれいにリンクしていて、手にとるように人の気持ちがわかってしまう。 もうひとつ、面白かったのが学習塾。学校を取り上げる作品は数あれど、学習塾の様子をこんな細かく映す映画はあんまりない。しかも個別指導塾。『先生が次々変わる』『座席がかぶっている』『保護者が来たらお菓子を隠す』などなど、ディテールが超リアル。監督さんはもしかして個別指導塾で働いたことがあるんじゃ? ただその結果『私成績下から10番目くらいだった』『原田さんって塾通っているのになんで?』『なんでだろ~ね~』ってとこまでリアルに表現しちゃうと、個別指導塾にとってはなかなか痛い逆プロモーションビデオになっちゃってますね。 [DVD(邦画)] 7点(2020-05-10 01:47:14)(良:2票) |
57. シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
《ネタバレ》 今回は単純ながらも、ちょっと深い話でしたね。『ヒーローの存在意義』。『正義』。それはつきつめればベンサムが提唱したイギリスの功利主義『最大多数の最大幸福』の理念へと行きつくのでしょう。アメリカの基本思想。それに警鐘を鳴らす国連及びスターク。対立するのはキャプテン・アメリカ。どちらにしろ強大すぎる刃は諸刃の剣ということでしょう。ヒーローたちは『核』や『軍事力』にだって置き換えることができます。それを『世界で管理させろ』というのか、『わが国で管理させろ』というのかの違い。 まあそんなことはさておき、『ヒーローもだいぶ増えてきちゃったので、ここらで一回整理しましょうか。』っていう側面もありそうな気がする作品。最たるものが、中盤、本作のクライマックスと言ってもいい『6対6』の総力戦。なるほど、今これだけいるわけね。って感じでわかりやすい。そしてここのバトルがアツい。 正直テーマが割と暗くなりがちなので、アントマンとスパーダーマンをここで参戦させてくれたのはすごくありがたい。やっぱこーゆーお祭り騒ぎ的バトルがないと楽しくない。 スタークの主張も、キャプテン・アメリカの主張も、どちらもそれぞれの正義に基づいたものであり、私にはどちらの意見も正論に見えます。ただ、今作は『バッキーの誤認逮捕』ってのがちょっともやもやするわけです。最先端の科学力を有するアベンジャーズが、防犯カメラの映像一つでバッキーと決めつけ、それが原因で対立構造を作っちゃうってのはいささか乱暴すぎやしませんか。キャプテン・アメリカだってもうちょっと頑張って説明してほしい。 対立構造を作りたいのはわかるのですが、今回のテーマの根幹にあたる部分ですから、もう少し脚本を練ってほしいところですね。 ジモ大佐がソコヴィアで家族を失った一般人だった。演技が上手なので、最後の告白は胸に迫るものがあります。家族の留守録を何度も聴くシーンが泣ける伏線。アベンジャーズシリーズで唯一極悪人の出ない作品。いつものお気楽なお祭りムービーとは一線を画しています。 ただ、ラストのキャプテン・アメリカからの手紙に希望の光が・・・!次作に期待。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-03 19:19:08)(良:2票) |
58. シャッター(2008)
《ネタバレ》 まずがっつり日本が舞台だったことにびっくり。かつてここまで日本を舞台にしたアメリカ産ホラーがあっただろうか。とても新鮮。映画の世界もどんどんグローバル化が進んでいきます。 ストーリーは大変日本的な怪談話。あ、元ネタは他の国なんですね。じめじめした感じの怖さが日本の雰囲気によく合っています。 奥菜恵はちょっとかわいすぎたかもしれないです。あちらの人たちの目に奥菜恵がどう映るのかはわかりませんが、少なくとも日本人は奥菜恵を見て怖いとは思わないんじゃないでしょうか。 終盤、避難先のビジネスホテルに現れるメグミ。少しずつ近づいてきて、ついにベン・ショウの上に…。 いや、わかっているんです。『こいつは幽霊、幽霊なんだ。怖い存在なんだ』と自分に言い聞かせていたのです。ですが、メグミがワンピースをたくし上げるときに、どうしてもドキドキしてしまったのです。 いや、このドキドキは錯覚なのか。これが有名な吊橋効果というやつか・・・!もはや何がなんだか。 でも奥菜恵は頑張っていたと思います。最大限に『怖さ』を表現できていたのではないでしょうか。 また、ただのホラーで終わらせず、少しばかりのミステリーを加味したのは良かったです。真相が明かされると、今度はベン・ショウがどうゆう形で報復されるのかが気になるわけですが、そこはちょっと物足りない演出だったかもしれないですね。 ストーカーはだめだし、レイプはもっとだめ。全員死を以って償いなさいという、やや後味悪めの作品でした。 店員さんが写真を撮るシーンと、体重計のシーンはすばらしい演出でした。これぞ日本の怪談。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-19 22:51:35) |
59. ジャンパー
《ネタバレ》 評価低いですね(笑)。まあこの主人公じゃ評価が低くなるのもわかります。 15歳のときは好青年。なのにジャンプの能力に目覚め、大人になったら立派な犯罪者。能力は私利私欲のみに使い、ニュースで水害に苦しんでいる人たちを見ても知らん顔。なかなかのモラルの持ち主です。 でも私は嫌いじゃないなあ。この割り切り具合は好感が持てます。 そして『ジャンプ』という超能力。これが良いですね。難しい説明は一切無し。映像を通してわかりやすく教えてくれます。『自分が触れているものも一緒にジャンプできる』という汎用性の高さと『電気が流れると能力が使えない』という弱点が効果的に働いて、ストーリーやアクションをより面白くしています。 最初のジャンプシーンは本当に興奮します。凍った川って、氷の下は水が流れているのですね。落ちたら最後じゃないですか。で、まさに主人公はその状況に陥るわけですが、そこから奇跡の生還。そのときの初ジャンプ先がなぜか図書館ってのが面白い。ここで一気に物語に引き込まれました。こーゆー『自分だけ人には無い能力を授かる』っていうのに憧れちゃうので、たまらないです。 パラディンという組織が、とにかくジャンパーは危険だと決め付けて殺しにくるという、いまどき少年漫画でも見ないようなシンプルな敵対関係がわかりやすくて良いです。まあなんか『そんな能力を授かって、なんの報いもないと思ったか』ってゆうローランドの言い分が、ちょっとやっかみっぽく聞こえちゃったりはしたんですが。『お前だけずりーぞ。』みたいな。 でもこの作品の一番の問題はミリーでしょう。大人になったミリーより15歳のときのミリーのほうがかわいい。このがっかり感。ここは逆じゃないと!好意を抱いていた女の子は、大人になったらより一層美しく輝いていなきゃ!それが映画ってもんですよ。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-18 19:57:56)(良:1票) |
60. シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~
《ネタバレ》 お仕事&グルメ系サクセスストーリー。わかりやすく爽快。コメディタッチで愉快。映画よりドラマにしたほうが面白そうな感じ。 天才は天才を知る。好きなんです。こーゆーの。 尺をコンパクトにまとめているため、ラガルドがジャッキーを見出すまでがあっと言う間ではありますが、このテンポ感嫌いじゃないです。 今まで誰にも認められなかった、埋もれた天才ジャッキー。ラガルドに見出され才能を開花。料理に関してはラガルドを凌ぐほどの腕と知識を持っているのが面白い。しかもすべて独学。 料理以外では謙虚だが、料理のことになると一歩も引かないキャラがかなり良い。師であり恩人であるラガルドにだって一切の遠慮ない。そこから生み出される二人の掛け合いは、並の漫才よりよほど面白いです。 また、彼女の存在や厨房の仲間たちなど、脇役、モブキャラの存在が良い具合に光っているのも本作の特徴。 『主人公が少しずつ認められていく』タイプのサクセスなので、見ていて気持ちが良い作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-08 04:33:48)(良:1票) |