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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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81.  新・刑事コロンボ/だまされたコロンボ<TVM> 《ネタバレ》 
雑誌の売り上げを伸ばしたい出版社の経営者である犯人がそのために共同経営者の女性と共謀して失踪事件をでっち上げ、コロンボを出し抜くという展開だが、いつも犯人を出し抜いているコロンボが逆に犯人に出し抜かれるというのが面白かった。その画策は本当に見事で、出し抜かれる側にまわるコロンボが主人公のシリーズなのに、なぜかこの展開は見ていて気持ちがよかった。終盤は狂言による失踪事件は実は犯人がこの共同経営者を殺すために仕組んだことだったというふうになっていて、終盤になってようやく殺人事件が発生する。なのでこの殺人がとってつけたような感じになってしまっており、そこからはいつも通りの展開でなんだかなあ。その殺人も犯人の大きなミスが原因であっという間に解決してしまうので、終盤はけっこう物足りなかった。狂言失踪だけで終わって殺人が起こらないという展開もアリだったとは思うが、さすがにシリーズものとしてそれはできなかったのだろう。最初のほうは面白かったのに終盤で損をしている、そんな作品になってしまっている。あと、「だまされたコロンボ」という邦題だが、あまりに直接的すぎてちょっとどうかと思う。でも、なんだかんだ言ってラストはけっこう印象的だった。今回の犯人の男はニヤケ顔が特徴的で、吹き替えを担当している中尾隆聖は実にハマリ役。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2013-05-09 12:07:41)
82.  新・刑事コロンボ/殺意のキャンバス<TVM> 《ネタバレ》 
今回は冒頭からコロンボが登場し、「権力の墓穴」や「歌声の消えた海」のような特別事情のあるエピソードでもなさそうなのに珍しいなと思っていたらどうやら中盤で飼い犬に手をかまれるという話を出したかっただけのようで、ひょっとしたら今回の犯人のもとにいる女たちが離れていくというのを意味しているのかもしれないが、あまりに遠回しすぎる気がするし、それ以外には犬はなんの関係もなく、わざわざコロンボを冒頭から出さなくてもよかったのではと思えてしまう。被害者の見た夢のシーンでは映像を白黒にしていて、この雰囲気はけっこう好きなのだが、結局事件の解決方法は夢とはなんの関係もない普通の証拠が決め手となるため、この夢のシーンはただ思わせぶりなだけで終わってしまっていて、はっきり言ってこういう表現をやりたかっただけのようにしか思えないし、今回の話は今までみたこのシリーズの中でいちばん適当で雑なつくりになってしまっている。吹き替えに関しても、犯人の吹き替えを担当している森山周一郎の声が渋すぎて、俳優の顔と合っておらず残念。それに犯人がしゃべるたびに、「紅の豚」のポルコ・ロッソが頭に浮かんでしまい、心の中でずっと「ポルコ・ロッソだー!」と叫んでた。本編だけだと4点くらいでもいいのだが、この吹き替えのキャスティングに1点マイナスの3点。ポルコは好きなのだが、今回の犯人である画家の声に森山周一郎というのはものすごいミスキャストにしか思えない。
[CS・衛星(吹替)] 3点(2013-05-06 16:26:21)
83.  新・刑事コロンボ/大当たりの死<TVM> 《ネタバレ》 
宝くじで大金を手にした男がそれを伯父に話したがためにその伯父に殺されるという展開が妙にリアリティーを感じさせるストーリー。パーティーを開いてアリバイを作るというのが前に見た「迷子の兵隊」と同じでややマンネリ感があるし、不倫関係の男女が出てくるところも同じ(今回は犯人と被害者である犯人の甥の離婚調停中の妻。この二人の関係の描き方はストレートに思えるが、少しわざとらしい気もする。)なため、ある意味では見ていて安心感さえ漂う。被害者が預かっていたチンパンジーが犯行の一部始終を目撃しているが、このチンパンジーを殺してしまっておけば、犯行が露見するのをもう少し遅らせることが出来たかもしれないとつい思ってしまった。案の定、ラストではチンパンジーの指紋が証拠になっているし。でも、そこに犯人の不倫相手である被害者の妻を連れてきて口論させ、ムリヤリ自白させるという展開は少々やり過ぎとも思える。今回の犯人役の俳優は「メン・イン・ブラック」でZを演じていたリップ・トーン。吹き替えは阪脩だったが、MIBの民放テレビ放送版の吹き替えでは石田太郎がZの声を担当していたので、コロンボ登場後は少し不思議な感じがした。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2013-05-05 16:54:03)
84.  新・悪名 《ネタバレ》 
「悪名」シリーズ第3作。前作のラストで戦争に行ってしまった朝吉(勝新太郎)が復員して八尾に帰ってくるところから始まっている。前作のラストでは戦死を予感させる終わり方だっただけに多少強引さも感じるが、1作目や2作目とは別物と割り切れば許せてしまう。田宮二郎も役柄を変えて再登場するが、双子の弟という設定なので不自然さがないのがいい。茶川一郎演じるオカマの登場など前2作と比べてコミカルなシーンが増えていて娯楽性が強くなっているのもこれはこれで良かった。勝新といえば座頭市のイメージが強すぎてなかなかこの「悪名」シリーズの本作以降の作品を見る気が起きずにいた(マキノ雅弘監督による「悪名一番勝負」だけは見ているが。)が、朝吉には座頭市とはまた違う魅力があるし、英語交じりの言葉を話す清次を演じる田宮二郎もほかの出演作では見せないようなコミカルな一面を見せていて新鮮だった。話としても勧善懲悪もので安心して見ていられる水準作といったところ。前作で結ばれた朝吉とお絹(中村玉緒)が別れてしまう展開は少しさびしいが、演じた二人は当時新婚ホヤホヤだったころで、それを考えるとよくこの脚本で二人とも出演OKしたなと思えてくるのだが、実生活では新婚夫婦の二人が映画の役柄上では別れる展開というのも本作の見どころのひとつなのかもしれない。タイトルは「新・悪名」だが、前作の続きでありながらタイトルどおり新しい展開を見せているところも面白かった。
[DVD(邦画)] 7点(2013-05-03 13:33:12)
85.  新・刑事コロンボ/幻の娼婦<TVM> 《ネタバレ》 
恋人の浮気現場を目撃したうえにその恋人の口から自分への屈辱的な言葉を耳にしたセックスカウンセラーの女性が別人に変装し、その恋人を射殺するというシチュエーションはなかなか面白いし、この犯人の動機もよく理解できる。話としても犯人の心理がよく描かれていて、最後、変装している間は本当に別な自分になれた気がしたという意味の言葉をコロンボにいうシーンは思わず感情移入させられた。しかし、個人的には変装後の犯人が化粧の濃いおばさんにしか見えず、さほど魅力的とも思えなかったのは残念。せめてもう少し演じる女優の年齢が若ければ、最後の犯人のセリフも説得力が増したのにと思うとなんか惜しい気がする。でも、本作は今まで見た新シリーズ3本の中ではよく出来ていると思う。コロンボがテューバを演奏し、それに合わせて噴水がダンスをするように動くシーンは、本筋とは直接関係のないシーンだが、微笑ましくて印象に残った。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2013-04-08 17:27:54)
86.  新・刑事コロンボ/狂ったシナリオ<TVM> 《ネタバレ》 
今回、コロンボは登場直後から犯人である若手映画監督にしつこくつきまとい、しかもそこから大半がコロンボと犯人のやりとりで占められていて、コロンボのしつこさにはっきり言って見ているこちらのほうも犯人と同じようにウンザリしてくる。また、大したドラマがあるわけでもないのであまり面白くない。ラストの解決シーンも見ていて痛快に思いながらもやたらと芝居がかっていて少しやりすぎの感が強かった。ただ、映画スタジオが舞台になっているのは面白かったので甘めかもしれないがそこに1点プラス。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2013-04-06 19:16:30)
87.  新・刑事コロンボ/汚れた超能力<TVM> 《ネタバレ》 
「策謀の結末」から11年ぶりに作られた新シリーズ第1話(通算第46話)ということもあってか、始まってから事件が起きるまでが長く、コロンボ登場をかなり焦らしている。その分、今回のコロンボ登場シーンはかっこよく演出されていて印象に残るものとなっている。しかし内容としては殺人の方法がギロチンで首をはねるというものだったり、解決方法もコロンボがわざわざギロチンに頭を乗せて犯人をだますという命がけの手段で、少々やりすぎ感があり、旧シリーズとは違うものを目指したいのは分かるが、これはちょっとなあ。それでも全体的にはけっこう楽しめたし、娯楽作品としてはそう悪くはないように思う。インチキ超能力者である犯人の吹き替えは野沢那智であるが、これがハマっていて、いかにも胡散臭い雰囲気が漂っている。(原語だとまた違った雰囲気なのかもしれないが。)コロンボの声は新シリーズの今回から石田太郎が担当しているが、この間まで小池朝雄のコロンボを見ていたためか石田太郎のコロンボに最初は若干の違和感を感じたものの、すぐに馴染むことができた。(「金曜ロードショー」でこのシリーズを放送していた頃にもっと見ておけばよかったかも。)それにしてもBSPでの放送は順不同ではあるが、せめて旧シリーズを全部放送してしまってから新シリーズを放送したほうがよかったのではないか。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2013-03-27 00:39:43)
88.  地獄花(1957)
室生犀星の原作を映画化した伊藤大輔監督の時代劇。「地獄花」というタイトルと京マチ子がヒロインを演じていることから、大映が外国の映画祭での賞どりを狙って企画した映画だと勘ぐってしまう。確かに撮影や美術などは大映らしい素晴らしさであるが、物語的にさほど見るものはなく、イマイチ面白くなかった。京マチ子は勝気なヒロインを熱演していて、その濃い顔立ちもあってか、とても演技にインパクトが感じられるが、表情が怖く、少しひいてしまう部分もある。相手役の鶴田浩二はいいのだが、個人的にはこの頃よりももっとあとのほうが好みかな。山村聡は京マチ子に言い寄る男の役で、普段誠実で真面目な印象があるだけに違和感があり、がんばってはいたが、若干ミスキャストに感じる。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-06 12:58:35)
89.  十三人の刺客(2010) 《ネタバレ》 
東映集団抗争時代劇のハシリとなった工藤栄一監督の「十三人の刺客」の三池崇史監督によるリメイク版。先週再見したオリジナルと比べると格段に娯楽性が増していて、グロい描写も加わっているが、うまく現代風にアレンジされていて面白く、成功作と呼べるものになっている。オリジナルであまり存在意義のなかった十三人目の刺客の設定を山男に変え、山で道に迷った島田(役所広司)たちを案内するかたちで登場させ、その後に仲間に加わるという展開にしたことで存在意義を持たせたり、暗殺の標的にされる松平(稲垣吾郎)の残虐性を強調する演出(生首を蹴り上げるなど。)を施すなど、オリジナルと違う部分も効果をあげている。ただ、オリジナルにはあった重厚さがなく、とくにクライマックスの乱闘シーンが派手になった分だけやたら軽々しく見えたのは残念だった。(オリジナルが30分に対して50分というのもいくらなんでも長すぎる。)オリジナルでは島田は半兵衛にわざと斬られることで己と半兵衛の武士道を通しているが、本作では普通に決闘をして倒しているのも少し違和感を感じた。その後の松平との対決で稲垣の見せ場を作りたかったのかもしれないが、ここはオリジナルのほうが良かった。オリジナルで工藤監督の演出意図を理解しながらも戸惑った平山九十郎が無様な死に様を見せるシーンはなかったが、そのかわりに本作では首を刺された山男が最後に何事もなかったかのように登場するというシーンがあり、ここは三池監督の演出意図がよく理解できず、幽霊とか深読みはしてみたものの、はっきり言ってこのシーンはいらないとしか思えない。出演者としてはやはり松平役の稲垣。菅貫太郎がハマリ役だったので心配だったが、なかなか印象に残る演技を見せていて、とても良かった。(稲垣は「踊る大捜査線」でも犯人役を演じているが、ジャニーズ事務所の看板タレントがこういった非道な悪役を演じるのは珍しいのではないかと思う。)オリジナルに出演していそうで出演していなかった松方弘樹の殺陣もよく、流石は近衛十四郎の息子である。オリジナルで気になった部分が直された一方で、新たに気になる部分や不満な部分も出てきたリメイクで、いろいろと書いたが、純粋な娯楽時代劇としてはじゅうぶんに楽しめたので少し甘めかもしれないが7点。でもどちらかといえばやっぱりオリジナルのほうが好きだな。こっちの方が見ていて爽快だけど。
[DVD(邦画)] 7点(2013-01-05 23:26:15)(良:2票)
90.  十三人の刺客(1963) 《ネタバレ》 
以前見た時は後半は面白かったものの、前半がかなり退屈に感じたことを覚えているが、今回久しぶりに見ると前半も面白く、全く退屈することなく楽しめた。ストーリーは忠臣蔵に「七人の侍」の要素を加えたようなものであるが、残念ながら13人分の個性というのは描き切れておらず、最後に仲間になる山城新伍なぞは居てもいなくてもいい感じさえする。しかし「七人の侍」では描かれなかった敵側の人物のキャラクターが立っていて、とくに内田良平演じる鬼頭半兵衛の存在感。千恵蔵とのかけひきは緊迫感があっていいし、ラストの二人の一騎打ちの対決も見ごたえがあるものになっている。この間、外では大乱闘が行われており、それとは対照的に描かれているので、この対決はけっこう印象に残るものとなっている。将軍の弟である殿様を演じる菅貫太郎の暴君ぶりもやはりハマリ役で、こういう悪役がいるからこそ、娯楽映画としての魅力も増すのではないか。それだけにやはりさきほども書いたように13人の個性をきちっと描けていれば、もっといい映画になったのではと悔やまれる。が、一人一人をきちっと描くには7人くらいが限界という気もする。クライマックス30分におよぶ乱闘シーンがやはりすごい迫力で、白黒映画だが、このシーンではそれも効果をあげている。ただ、以前見た時もそうなのだが、「七人の侍」の久蔵を思わせる剣豪役を演じている西村晃のあっけない無様な死にぶりはどんな強い剣豪でも刀がなければただの人というような意図があるのだろうけど、やはり少し戸惑った。まあこのシーンはリアルといえばリアルなんだけど。三池崇史監督によるリメイク版は未見なのだが、この部分をどうしているのかすごく気になる。芥川隆行の力の入ったナレーションが印象的。(2012年12月25日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2012-12-28 23:57:12)
91.  しとやかな獣
悪いやつばかりが登場すると見る前に聞いていたので、どんな風な映画なのかと思っていたが、人間のいやな部分をブラック・ユーモアたっぷりに描いていてとても面白かった。この映画のように舞台を一箇所に限定している映画だと、単調に感じられる場合があるが、凝ったカメラワークと登場人物たちの会話のおかげでむしろスピーディーに感じられ、途中で全くだれることがなかったのも川島雄三監督の演出力の高さを感じられる。ほかにも川島監督ならではと思えるシュールな演出もあり、ヒッチコックの「ロープ」のような舞台的な作品でありながら、ちゃんと映画としてのつぼを押さえているのには感心させられる。そしてなんといってもこの映画の魅力は前田家を中心にした登場人物たちに尽きるだろう。若尾文子の悪女役はあまり見たことなかったんだけど、したたかに演じきっていてさすがと思わせる。前田家の面々にはちょっと唖然とする。それから忘れてはいけないのが小沢昭一。とても怪しげな独特のキャラクターで強烈に印象に残る。出番が少ないのははっきり言って勿体無いなあ。 2012年12月10日追記:小沢昭一という俳優を知ったのはたぶん映画ではなくラジオのパーソナリティーとしてだったと思うけど、いまでは川島監督の映画で欠かせない俳優の一人というふうに自分の中ではなっている。「幕末太陽伝」の金ちゃんはもちろんのこと、そのほか、「洲崎パラダイス 赤信号」のだまされ屋の店員役もまさにこの人ならではで、比較的シリアスな物語にあって小沢昭一演じるこの店員がコメディーリリーフとしての役割をはたしており、これも忘れられない。でも、やはり、この映画に登場するあやしい存在感を放つ歌手・ピノサクは小沢昭一だからこそ、小沢昭一にしかできないと思えるほどのハマリ役で、今まで見た小沢昭一の演じた役柄ではいちばん印象に残っているし、いちばん好きな役柄だ。そんな小沢昭一の訃報はとても悲しいし、非常に残念に思う。心よりご冥福をお祈りします。「このアパート、エレベーターないの!?」
[DVD(邦画)] 8点(2012-12-10 23:03:28)(良:1票)
92.  上海バンスキング(1984) 《ネタバレ》 
深作欣二監督が「蒲田行進曲」に続いて舞台劇を映画化した作品で、主演も「蒲田行進曲」の三人を起用して第二の「蒲田行進曲」を目指しているのは明らかだが、明るく始まった序盤と打って変わって中盤で戦争が始まって以降は雰囲気が暗く重くなり、そのまま最後までいってしまった感じ。ラストも暗い雰囲気をムリヤリ明るくして終わったような感じで後味は悪いし。おそらく原作の舞台(未見)は戦争よりも上海でジャズを演奏するプレイヤーたちの生きざまにあると思うのだが、深作監督の演出ゆえか、日本兵による中国人の虐殺シーンや派手な戦闘シーンにばかり力が入り、普通に戦争映画を見ているような感覚だし、肝心のステージシーンもしょぼい。それともう一つ「蒲田行進曲」であれだけの見せ場を熱演した平田満の出番が少なく、どうせ「蒲田行進曲」の三人を主演にうたうならせめて宇崎竜童の役を平田満にやらせるべきだったのではと思う。
[DVD(邦画)] 4点(2012-09-28 22:53:04)
93.  昭和残侠伝 血染の唐獅子 《ネタバレ》 
東映のヤクザ映画ってガラが悪い印象が強くてほとんど見ていないのだが、池部良の訃報を聞き、思い切って本作を見た。東映のヤクザ映画に抵抗があるため、合わなかったらどうしようかと不安のほうが大きかったわけだが、とにかく、主演の高倉健と池部良がかっこよく、なんて粋なんだろうと思った。主演の二人だけでなく、周りの脇役たちも実にイキイキとしていてマキノ雅弘監督らしいにぎやかな映画となっていて面白かった。高倉健演じる花田秀次郎のところへ波紋にされた池部良演じる風間重吉が現れ殴り込みの助っ人を願い出るシーンなどは熱い男の友情を感じさせていて感動的だし、山城新伍が惚れた女のために纏を質に入れてしまうエピソードなど人間ドラマとしても見ごたえ充分。特に殴り込みの前にある高倉健と藤純子のシーンは、藤純子演じる文代の悲しみがストレートに伝わってきて彼女に思わず感情移入してしまう。そしていよいよ殴り込み。このシーンの高倉健と池部良のなんとカッコイイこと。とくに池部良は東宝の「雪国」、「青い山脈」などの文芸作品、あるいは「潜水艦イー57降伏せず」といった戦争映画での演技が印象に残っているのだが、ヤクザ映画でここまで粋な役を演じているのを見ると新鮮に感じるし、ああ、いい役者だなあと改めて思う。ラストの見事な余韻の残し方もマキノ監督らしく、繰り返しになるが本当に粋という言葉がよく似合う傑作映画だと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2011-12-23 11:41:35)(良:1票)
94.  新・座頭市物語 《ネタバレ》 
「座頭市」シリーズ3作目で初のカラー作品。初期作品とあってかまだそんなに派手な殺陣シーンはないが、その分、市の内面の描写がしっかりとしている。市がヒロインに求婚されて本気で堅気になろうと決意する展開はどこか「男はつらいよ」シリーズの寅さんのようではあるが、このシリーズではちょっと珍しいし、市を兄の敵と狙う男がそれを知ってわざと賭博で負けるのもべたではあるが、ちょっとウルッとくるものがある。剣の師匠(河津清三郎)を倒した市がその妹であるヒロインに「やっぱりこんな男です。」と言い残して去っていくラストシーンも切なかった。ただ、この剣の師匠の人物描写が浅く、ラストの対決もここがもっとしっかりとしていればもっと違う印象になっていたと思うし、ドラマとしても深みがあるものになっていたのではないかと思うと少々残念な気がする。とはいえ、久しぶりに見る座頭市(そういえば大映の時代劇もかなり久しぶりに見た気がする。)で、全体的にはなかなか楽しめた。
[DVD(邦画)] 7点(2011-09-02 01:44:11)
95.  淑女は何を忘れたか 《ネタバレ》 
冒頭の女三人の井戸端会議のシーンからとにかく会話のテンポがよく、最後まで全く飽きることなく楽しめた。小津安二郎監督の喜劇といえば「お早よう」だが、この映画でも斎藤達雄と桑野通子のやりとりの面白さや、ドアを使ったギャグ、飯田蝶子(始まってすぐの車からおりて来た派手派手しいかっこうにびっくり。)と吉川満子の「バカ」、「カバ」というやりとりなど思わず笑ってしまうような軽妙な描写で本当に喜劇の演出がうまい監督なんだと思わずにはいられない。それに「お早よう」でも子供をイキイキと描いていたが、この映画でも地球儀を使って地理を教えていた岡田(佐野周二)を尻目に遊びに来た友達と地球儀で遊びはじめる子供の描き方がすごくイキイキとしていて楽しい。(このシーンのとんがらがっちゃ駄目よという鼻歌もいい。)ワンカット本人役で登場する上原謙の使い方も笑える。どの人物も魅力的に描かれているが、大阪からやってきた小宮夫妻の姪 節子を演じる桑野通子が可愛らしくて印象的。桑野みゆきの母親で、もちろん出演作を見るのは初めてなのだが、あらためて戦前の女優の美しさというものを感じた。もちろん節子のキャラクターもいい。後半は妻の尻に敷かれている小宮が妻にゴルフに行くとウソを言って出かけたのが妻にバレてしまいという展開で、なんだか現代の夫婦とあまり変わらないと思えてしまう。というか戦前の日本にもこんな夫婦いたんだなあ。ラストシーンはエロスを感じさせる演出になっているが、それをあまりいやらしくならずに上品に描いているのが見事。小津監督というのはどうしても和風な作風のイメージが強いけど、この映画はハイカラな雰囲気で、小津監督がアメリカ映画から受けた影響は本当に大きいんだなとこれ一本見ただけで感じることができる。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-29 01:42:02)
96.  修羅の群れ(1984)
山下耕作監督が手がけた松方弘樹主演のヤクザ映画。ヤクザの世界に飛び込んだ一人の男の生き様を描いた年代記ものなのだが、ドラマがやや駆け足ぎみで物足りないと思うものの印象的なセリフも多く、全体的にはそこそこ楽しめたといったところか。ナレーターが小池朝雄だったり、脇に菅原文太や北大路欣也が出ているのでつい最近まで見ていた「仁義なき戦い」シリーズを思い浮かべてしまうが、山下監督の演出は画に落ち着きがあり、撮り方もキレイ。(深作欣二監督の手持ちカメラによる荒々しい映像も好きだが。)松方弘樹は貫ろくのある存在感で主人公を熱演していて、子分の菅原文太を「おい」呼ばわりするのもいちいち迫力がある。一方の菅原文太も良かったが、こちらが「仁義なき戦い」シリーズを見終わったばかりというのもあってか、ほとんど同じ演技にしか見えないのがちょっとなあ。松方弘樹の兄貴分を演じる鶴田浩二は本当に味のある演技で、若い頃より晩年近くなったこの頃のほうがいい芝居をしているように思う。(といっても若い頃の東映での出演作はほとんど見たことがないのだが・・・。)俳優が本業でない演歌歌手も何人か出ているが、中でも主題歌も担当している北島三郎(モロッコの辰役)が意外にいい演技をしていたのが印象に残り、ちょっと新鮮に感じた。(北島三郎、そんなに好きでないけど。)
[DVD(邦画)] 6点(2011-06-15 17:44:34)
97.  新 仁義なき戦い 組長最後の日 《ネタバレ》 
シリーズ通算8作目で深作欣二監督と菅原文太のコンビによる「仁義なき戦い」のタイトルを冠した映画ではこれが最後の作品となる。前作「組長の首」より飯干晃一の名がクレジットから外され、完全オリジナル脚本となったが、この映画も五部作ほどの勢いはなく、普通のプログラムピクチャーのヤクザ映画という印象で、そんなに面白くはないし、ナレーション(酒井哲)が少なく、テロップによる人物紹介もないなど、これまでのシリーズと比べるとかなり印象が違う。「完結篇」で大友勝利を演じ、「新仁義なき戦い」にも出演していた宍戸錠の弟である郷瑛治が殺し屋「ジョー」という役名で出ているのには笑える。今回の組長は悪役がハマリ役の小沢栄太郎だけど、出番が少ないうえに、憎々しさもイマイチで残念。シリーズ最後の作品ということもあって(と言っても製作中にはそう思っている関係者はいなかったかもしれないが。)か、菅原文太演じる主人公が刺されてしまうが、そのまま終わってしまうのはかなりの中途半端さで、せめて主人公の生死をハッキリさせてから終わってほしかった。それとやはり今回も金子信雄がいないのがさびしい。
[DVD(邦画)] 5点(2011-05-19 17:20:02)
98.  新・仁義なき戦い 組長の首
シリーズ通算7作目。主な舞台が広島から九州に変わり、飯干晃一の原作とは関係のないオリジナル脚本となり、完全に最初の五部作とは別の一話完結の物語になっているが、どうもシリーズとしての勢いがなくなってきてる印象。確かにカーチェイスなど五部作になかった見せ場があるのだが、どうも空回りしているし、菅原文太扮する主人公のキャラも広能に比べて魅力がないように思う。深作欣二監督が撮影中に絶賛したという山崎努は確かに良かったとは思うけど、なんかエピソードが中途半端で演じたキャラクターがあまり印象に残らない。「広島死闘篇」の上原靖子役が印象的だった梶芽衣子の使い方も勿体無く感じる。ヤクザ相手に男から男へ渡り歩く女を演じるひし美ゆり子は「ウルトラセブン」のアンヌ隊員役でお馴染みなだけにこういう役を演じていること自体に驚くが、この女のエピソードをもっと膨らませればドラマにもっと厚みが出たのではないか。それと金子信雄が出てないことも残念。大和田組長を演じる西村晃は山守役の候補にあがっていた人で、貫ろくのある組長を見事に演じているが、やはり金子信雄演じる山守ほどのインパクトがなく、物足りなく感じた。それでも娯楽アクション映画としてそれなりには楽しめるものにはなっているとは思う。でもやっぱり物足りなさが残る映画だった。
[DVD(邦画)] 5点(2011-05-12 13:59:25)
99.  新仁義なき戦い(1974) 《ネタバレ》 
全5作で完結した「仁義なき戦い」シリーズであるが、それからあまり間を置かずに製作された新シリーズ第1作。人気シリーズを手放したくないのは分かるが、ちょっと潔さが感じられないなと思いつつも見たが、想像よりは悪くないし、シリーズ初参加となる大物俳優の存在感もあって楽しめる。それに五部作で登場するたびに殺されていた松方弘樹が最後まで生き残るのは見ている側の予想を裏切る展開である意味新鮮に感じた。五部作とは役名の変わった出演者が多い(でも、田中邦衛とか役柄はほぼそのまま。)中で金子信雄だけは同じ役名で同じ役柄というのが嬉しかったりもする。しかし、ドラマとしてはちょっと盛り上がりに欠け、五部作に比べてちょっと物足りないというか、普通のプログラム・ピクチャーになってしまった感じがするのが残念。(五部作では人間ドラマの面白みに加え、ラストシーンが印象的な場合が多く、それが評価を上げる一因になっていたのだが。)菅原文太演じる主人公も広能と口調は同じだが、キャラクターが広能と比べるとワルな感じなのが少し違和感を覚える。田中邦衛の手旗信号のシーンはコミカルだし、五部作同様ユーモラスな場面があるんだけど、やはり五部作のほうがドラマとしての見ごたえはあったと思う。殺された組員(誠直也)の母親役で1シーン登場する菅井きんが強烈だった。
[DVD(邦画)] 6点(2011-04-24 23:48:41)
100.  仁義なき戦い 完結篇 《ネタバレ》 
前作「頂上作戦」で一応の完結を見たかに見えたこのシリーズだが、四部作では中途半端と考えたのか(実際はヒットシリーズを手放すのが惜しかったのだろう。)急遽企画され製作された五作目にして広能昌三を主人公としたシリーズの完結篇。笠原和夫が脚本から降板してしまい、高田宏治が脚本を担当している。これまでのシリーズと比べてややこじんまりとしていて盛り上がりにも欠けるし、前作のラストから強引に続けてしまった感もやはりある。それに今回は広能(菅原文太)をはじめ、武田(小林旭)も山守(金子信雄)もあまり登場しないのだが、それでもなかなか面白かった。しかし、このシリーズ(に限ったことではないが)では役者の使い回しが目立つが、今回話を引っ張る若いヤクザを演じるのが北大路欣也というのは「広島死闘篇」の山中役が印象的だっただけに止めてほしかったかも。大友役も宍戸錠に代わっているが、千葉真一のようなインパクトはないものの、それほど違和感はない。(小林旭と宍戸錠の共演を見ていると日活映画を連想してしまい、裕次郎がどこからか出てくるのではと思ってしまったり。)一作目の青大将のようなキャラからみるみる出世していった槙原(田中邦衛)が殺されるのはキャラに愛着がわいていたのでやや寂しさを感じる。ラストの広能が引退を決意するシーンもこれで本当に終わりなんだと思うと感慨深いものがある。(エンドマークが「仁義なき戦い 完」というのも哀愁を感じさせていていい。)余談だが映画館の入り口で桜木健一演じるヤクザが殺されるシーンで出てくる藤純子のポスターを見て「緋牡丹博徒」シリーズが見てみたくなった。
[DVD(邦画)] 7点(2011-03-31 15:48:55)(良:2票)
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