1. 十兵衛暗殺剣
柳生は確かに将軍の犬だったかもしれないし新陰流は剣術である前に兵法だったのかもしれないが、少なくとも柳生十兵衛三厳は優れた剣士として知られているのだし、テレビや小説によって強固となった「政治よりも剣」という豪放なイメージもあるわけで、それなのにこの展開はどうなのよ。殿の前で勝負をしなかったのはなんらかの理由があるのだと信じて見てた私はいつまでたってもその理由が語られないことにイライラし、もしや逃げてるのではあるまいなと憤り、逃げてたのかよと呆れかえるのであった。そもそも敵方の描き方もいただけない。最強の敵であることは前半ではっきりとした。ならば最強同士で勝負するだけで面白いのになぜに海賊ならぬ湖賊を使って悪どい戦術を使うのか。いや、敵キャラとしてはその悪辣は悪くはないのだが、ならば剣術で十兵衛より勝っているような前半の展開が邪魔。やはり僅差で十兵衛が強いのであって前半の勝負の躊躇いにはしっかりとした理由がなくちゃならん。ま、私の勝手な十兵衛像を理由にけなすのもなんだが。 [映画館(邦画)] 5点(2011-11-21 14:00:21) |
2. 潮騒(1975)
百恵ちゃんが脱いでる!!少女だけど大人顔の山口百恵なので『伊豆の踊り子』よりもキャラ的には合ってるかとは思うんだけどまさか脱いでるとは思わなかった。もちろん大事なところは映らないんだけど。海女さんたちの乳の見せ合いで「処女の乳」を皆に見られる百恵ちゃん。もちろん映らないんだけど。想像しちまったぜ。ここまでくるともうアイドル映画じゃないな。かといって主演二人があまりに正しい人間。あまりに清く美しい。やっぱアイドル映画か。ちょいエロストーリーを爽やかに改変するその手腕は評価されてもよいと思う。屋内から外に出たときに違和感あり。繋がってない。たぶん屋内シーンの照明のせい。 [DVD(邦画)] 5点(2011-11-18 15:28:42) |
3. 自転車吐息
あ、詩の世界だ。と思った。ということは苦手ってことだ。きっとそっち方面の感性に乏しいのでしょう。でも監督のイメージを映像化しているわけだけど、好き嫌いは置いといて、なかなかにビビッとくるものがあるのも確か。かっこいいと思ってやってたことが映像化されることでそのかっこ悪さが露呈する。言葉ではなく映像だとこんなにも青臭いのか、と。これって映画の欠点なのかもしれない。その欠点を利用して青臭い青春の一コマを見せ付けている。イメージの映像化といえば「透明ランナー」の出現なんてもろにイメージの映像化だ。イメージを可視化できるのが映画の利点。または欠点。 [DVD(邦画)] 5点(2011-11-17 14:32:05)(良:1票) |
4. 十三人の刺客(2010)
47年前の工藤版は壮絶でありながらけして痛快ではなかったのだが、この三池版は素直に痛快だ。そして集団時代劇の中で大スターが大スターらしくいることの違和感、リアリズムに徹したストーリーに美男美女のロマンスが入ってくる違和感といった映画会社と映画監督の戦いの爪跡のようなものもここにはない。工藤版のいい所を拝借しながら派手に、下品に、つまりは今風に仕上げている。工藤版も悪玉は憎らしいほどの悪玉であり、またその悪玉っぷりこそ工藤映画の真髄でもあったのだが、三池版の悪玉はそこからさらに「(悪の)輝き」を手にする。ただ憎らしいだけではなくスター性を備えているのだ。さらに工藤版に乏しかったユーモアを『七人の侍』の菊千代をパロったであろう新たなるキャラによって補填している。少々悪ふざけが過ぎるようにも見えるが三池監督らしさが出ていて良い。様々な制約を受け入れながら自己を通し抜いた工藤版同様に三池もまたちゃんと自己を通しているのだ。二人の差はその時代の許容範囲の差に過ぎないのかもしれない。 [映画館(邦画)] 6点(2011-11-15 15:53:32) |
5. 死んでもいい(1992)
オープニングで雨が降り赤い傘が印象的に登場したとき、同じ名美の物語である池田敏春『天使のはらわた 赤い淫画』を想起した。そしてやはり名美の物語、相米慎二『ラブホテル』でかかったもんた&ブラザーズの「赤いアンブレラ」がよぎる。どこかモノクロに近いくすんだ色合いの画面に映える赤。傘を持つ女と男の間に「死んでもいい」と赤いタイトルが浮かぶ。この一瞬がものすごくかっこいい。完璧な構図と配色で見せるほとんど動かない(スローモーション)画はまるで石井隆の漫画のようだ。石井隆はこれまで名美の物語を他人に語らせていたがこの作品で初めて自ら語ることとなる。タイトルバックのセルフオマージュのごとき劇画調とそこにいくまでの鬱陶しいくらいの映画技法の嵐にその並々ならぬ意気込みを見る。しかしこの映画の名美は他の作品の名美とはどこか毛色が違う。なんたって陵辱されない。それでもラスト、名美が何も言わずに涙を流したとき、その顔は「堕ちた」ことを知り「堕ちた」ことを受け入れたように見えた。まさしく堕ちてゆく女・名美の物語であったのだ。しかもその瞬間を切り取り静止させて映画は終わるのだ。残酷な様を美しく切り取る。石井隆の真骨頂。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-11 15:43:43) |
6. 重力ピエロ
伊坂幸太郎があまり好きになれない。気取った文体がどうもダメ。どの著書にも言えるがとくに出だしで気取った文体が目立つ。しかし現実と超現実の中間くらいの突飛な展開とかはけして嫌いじゃないことに気付いた。だから文体とは関係のない映画ならば楽しめるかもと。むしろ現実と超現実の中間くらいの突飛な展開というやつは映画でこそ活きるんじゃないかと。結果はダメでした。終盤の対決シーンなんて映像にしたら面白そうだなと思ったものだが映画はえらく現実的であろうとしてつまらなくなっている。この映画はどうやら小説の世界をより現実的に捉えたものを目指しているらしい。つまらないけどそれが今の映画の本流なのだ。感動してもらうためには感情移入しやすくしたほうがよく、そのためには現実的にしたほうがいいのだ。しかしあまり重くなりすぎると娯楽映画としてはキツイのでとことん現実的にはできないのだ。作り手は映画というより商品を作ることに腐心しなければならないようだ。 [DVD(邦画)] 4点(2011-10-20 18:01:34) |
7. 死の谷
《ネタバレ》 「西部劇」らしい守られるべき女がいる。その女がいとも簡単に主人公の男を裏切る。この場面で違和感を感じるのはその裏切りが本来描かれるわけのない「西部劇」スタイルの映画で描かれるからだ。たしかにこの映画は犯罪映画『ハイ・シエラ』のセルフリメイクである。しかしこれの2年前の『追跡』を見ても西部劇の仮面を被った犯罪映画なのだ。そう、ウォルシュは西部劇の監督ではなく犯罪映画の監督なのだ。しかもこのラストシーン。ニューシネマじゃん!いやはや、純然たる西部劇として見たら違和感ばかりが目立つが、この時代にこのスタイルは相当に新しいと思う。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-04 14:34:57) |
8. シャレード(1963)
えらく豪勢なキャストだがそのわりに地味な作品。それなりに凝ったストーリーなのだがいまひとつのめり込めない。サスペンスよりもロマンスコメディに重心が寄ってるので凝ったストーリーは凝っただけの成果を発揮せず豪勢なキャストも豪勢さを発揮できていない。とはいうもののそれが狙いというか、とりあえずオードリー・ヘップバーンを右往左往させて楽しむことを最優先させているので、そこを楽しめればOKな作品。豪華キャストとサスペンスはオマケみたいなもん。騙されても騙されても言い訳一つでチューしちゃうオードリーというのも、サスペンスにあるまじきお約束的キャスティング、ケイリー・グラントあればこそ。ただしリアルタイムでこそそのお約束キャスティングに安心してロマンスコメディを楽しめたわけで、ケイリー・グラントを知らない世代にとってはなんともギクシャクした予定調和と見えるかも。 [DVD(字幕)] 6点(2011-09-21 16:40:43) |
9. 車夫遊侠伝 喧嘩辰
男でも惚れてしまう男をこそ描いてきた加藤泰の映画ではあるが、私は加藤泰の映画の女が好きだ。『昭和おんな博徒』で好みじゃない江波杏子に惚れさせ、『花と龍 青雲篇・愛憎篇・怒濤篇』でも眼中に無かったはずの香山美子に惚れさせた手腕は半端じゃない。そしてこの映画の桜町弘子。惚れいでか!凛として強情で高飛車な面も見せつつもどこまでもどこまでも女。男気溢れる男たちも実に気持ちがいい。そして井川徳道が見せる様式美。内田良平が桜町に命をかけた喧嘩に行くことを告げるシーンだ。『緋牡丹博徒 お竜参上』の雪の積もる橋、『明治侠客伝 三代目襲名』の夕焼け空(あっ、どっちもそこにいる女は藤純子だ)に匹敵する美しい井川徳道の世界がここにある。いいっすよ、ここ。心の奥にあるいろんなもんを引っ張り出してくる。簡潔に言うと感動。感動を誘引する美があるんです。 [映画館(字幕)] 8点(2011-09-16 16:44:47) |
10. 地獄への逆襲
前年のヘンリー・キング『地獄への道』の続編。主役は前作で暗殺されたジェシー・ジェイムズから兄のフランク・ジェイムズに代わり、ジェシーを殺したフォード兄弟への復讐劇というのが大筋。それよりもなによりもビックリなのが今作の監督がフリッツ・ラングってこと。ラングの西部劇ですぜ。もうそれだけでドキドキなんだけども、正直ラングの色はわからんかった。メディアを使った情報操作や後半の法廷劇に見られる陪審員操作あたりはたしかにラングが描き続けた群集心理が描かれているんだけど、そこに恐怖がない。むしろユーモアにあふれている。不安感がない。むしろ安心感にあふれている。与えられた脚本に手を加えなかったのか。退屈しない語り口においては『地獄への道』よりも断然良かったのだが、ラングという名前がハードルを上げたせいかちょいと拍子抜け感が残る。 [DVD(字幕)] 6点(2011-09-07 15:13:35) |
11. 主婦マリーがしたこと
《ネタバレ》 シャブロルの映画で初めて見たのがこれ。かなり前だ。正直、イマイチだと思った。去年シャブロルが亡くなったことで追悼の意もあるのか最近になってシャブロルの映画がたくさん上映されるようになったがこれがどいつもこいつも面白い。なので見直そうと思ったんだけど近所のレンタル店に置いてませんでした。残念。ナチス占領下のフランスで戦地から帰ってきた夫の無職状態、それでも子供二人を育てなければならない状況、堕胎が違法という女性困難の時代等を鑑みても主人公の行動は肯定すべきものとしては描かれていない。どちらかというと悪女として描かれていたはず。女性のための堕胎ではなく金のための堕胎。生活のための金ではなく歓楽のための金。だから「彼女に罰を」と思って見てたら死刑という結末に唖然となったのを覚えている。結局のところ、女が欲望のままに罪を繰り返す犯罪映画で、その根源に戦争があったという描き方なら良かったのだが、犯罪映画である以上に国家の犠牲者としての側面がクローズアップされすぎていて私にとっては面白くなりそうで面白くならないってことになってる。一般的には傑作ということのようです。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-08-29 14:45:06)(良:1票) |
12. 幸せのちから
事象でもって貧乏であること、必死に生活していることが描かれるが、例えば音を消して見たときにそれが伝わるかというと全然伝わらない。保育所の出来がけしてよくないこともテレビを見させているという事象でしかわからない。光の量や種類だけでももうちょっと演出できそうなもんだけど、おそらくはあえてしていない。地下鉄のトイレも無料宿泊所も妙にキレイだ。要するに汚さを見せないようにしている。ハリウッド映画だからなのか? ルービックキューブを完成させたシーンや電話番号を暗記するシーンは主人公の才能の一角を見せたシーンでもあるのだけど、その才能によって成功を得るという展開がないというのはどうゆうこと?遠慮の無い押しの営業力とユニークな会話力で成功ってそりゃないよ。実話だから?汚いものを覆い隠しといて?数学に強というのは確か台詞にもあったと思うがそこをうまく使ったストーリーにしたら断然盛り上がるだろうに。どうもヘンテコな映画だ。 [DVD(字幕)] 4点(2011-08-03 14:54:07) |
13. 自虐の詩
『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』『TRICK』といったテレビ作品では冴えまくっていたジャンプカットがようやく映画においてもそれなりの効果を発揮できるようになったのは、この作品が極めてテレビに近いからということだったりするのかもしれないが、基本的にはコメディパートにしか使っていないことを考えれば、テレビで通用した武器を映画で使う場合のコツを掴んだということなのかもしれない。ということで久々に堤幸彦らしさを垣間見たような気がした。が、せっかくの宮城・気仙沼と大阪・新世界という魅力的な場所を活かせないというのは決定的にダメだと思う。気仙沼は熊本さんと丘の上で仲直りする直前あたりに見えた海の見える背景が良かったぐらい(ここは震災後の今見ればまた別の感慨もあるかもしれない)。新世界にいたってはあまりに漫画チック。徹底的に漫画チックならソレもまた良しなんだけど、どうもそのあたりが中途半端。 [DVD(邦画)] 5点(2011-08-02 15:24:10) |
14. 地獄への道
《ネタバレ》 『ジェシー・ジェイムズの暗殺』でのジェシーの悪党っぷり、カリスマっぷりを先に見た者としてはなんとも物足りないキャラのように思うのだが、ここはジェシーの大衆のヒーロー像の部分をクローズアップしたハリウッド映画と割り切るしかない。鉄道会社の学のない農民たちに対する横暴に対抗して列車強盗に至る過程、金が物言うシンプルな権力構造、それゆえに追い詰められてゆくジェシーたちという展開がわかりやすく描かれてゆく。物語を見るということでいうと実にそつがない。ロマンスまできっちりと入ってる。その中で異色ともいえるシーンが列車強盗シーンの列車に乗り込むところ。ここだけは顔が映らない。遠巻きから黒い影が走り行く馬から列車へと乗り込んでゆくのを淡々と映す。単にスタントマンだから顔が見えないようにしてるだけなのかもしれないけど、妙な怖さと緊張がこのシーンにある。終盤にもうひとつ、何か見ごたえのあるシーンがあるとよかったのだが。後味の悪さはフリッツ・ラングが監督した続編で解消してください。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-01 13:38:22) |
15. 地獄へ秒読み
アルドリッチのヨーロッパ映画。主人公のリーダー格と自分本位なサブ格が対立しながらも命懸けの爆弾処理をこなしてゆく姿はまさしくアルドリッチ的骨太映画。主人公を元建築家としているところに建築物を破壊する戦争への批判が込められているのだろう。主人公と反目する男が言いだしっぺの、爆死した者は生き残った者へ金を残すという命を金に換算したルールは資本主義批判が込められているのかもしれない。たしかにメロドラマ的展開がイマイチのような気もするけど、男と女のそれ自体はあいかわらずの硬派っぷりで悪くないと思う。むしろ男と女のドラマの部分をもうちょっと時間をかけて描いてくれたほうがしっくりくるような。とは言うもののジャック・パランスの顔はメロドラマ向きじゃないんだな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-23 16:45:24) |
16. ジャガーノート
《ネタバレ》 揺れるカメラによって嵐の中の船を体感する。リチャード・ハリスの視点映像によって爆弾処理の緊張を高める。さらにそこにいない者の不安や憤りがドラマを盛り上げる。処理班の目視説明から判断して遠隔指示をする専門家とかこのあたり、けっこう面白い。爆弾処理と犯人探しとなすすべのない船客というこのはなればなれのドラマはオープニングから始まっている。船の出港シーンで映される見送る者と見送られる者のシーン。この見送る者が後に刑事だとわかる。もったいないのがオープニングで印象的に見せたこの刑事と家族のはなればなれがいまひとつ活かしきれていないところか。モノトーンの色合いがシブイ作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2011-06-21 14:55:09) |
17. ショック集団
《ネタバレ》 それぞれの狂人たる理由がその特徴的な狂人ぶりで提示されてゆく。そこには社会派の色も見えぬことはないのだが、色情狂の女たちの登場で社会派色は一気に減少する。てか、女たちをひとまとめにして色情狂にしちゃうそのシンプルすぎる発想が怖い。そんな異常な世界は、ゆえに外の世界の異常性の写し鏡だなんてことはなく、ひたすらに狂気のるつぼとして描かれる。廊下をゆっくりと移動しながら様々な狂人たちを映し出すカメラワークが凄い。ラストシーンではこの廊下を映し出す一連の流れの中に一人の狂人が加わるのだ。美しいヒロインが待つ外の世界が時折映されることで中の世界の閉塞感が増幅されているように思うのだがそのヒロイン、コンスタンス・タワーズの出番の少なさが唯一の不満。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-21 17:54:41) |
18. シャイン
バー(レストラン?)にやって来たシーン、バーでピアノを弾くシーン、バーに父が訪ねてくるシーン、と印象に残るシーンはすべてバー。つまり現代のシーン。肝心の回想シーンが全く印象に残らない。そのせいでこの主人公が凄いのか凄くないのかよくわからん。物語はこの回想シーンに凝縮されており、その長い長い物語を丁寧にわかりやすく紡いでゆくことに懸命になりすぎて、ここぞ!というシーンを作っていない。雨やピアノの速弾きで「ここぞ!」を作った現代のシーンにも照明が明るすぎるという難点がある。よく回想シーンを明度を落としてくすんだ感じにして「過去」を演出することがあるが、それと同じ理屈で現代のシーンが明るくなったのかもしれない。全体が明るいので薄っぺらい映像になっちゃってる。 [DVD(字幕)] 4点(2011-04-20 16:52:08) |
19. シュアリー・サムデイ
たしかに場面の切り替えなんかに粗い部分があって時間経過が分かりづらかったり、唐突に感じるところがあったり、全体的に慌しい印象を持たせてしまったりといろいろと難点もあるんだけど、その難点さえも肯定的に捉えてあげたいような気にさせられた。その荒削りな作り自体がまるで物語にリンクしているように感じて。実際この物語を他の人が演出したとしてこれ以上のものが出来るとは思えない。それほどにこの物語に必要不可欠な「若さ」が充満していた。「バカ」とか「単純」とかというマイナスのイメージも含めた「若さ」が。同じ場面を別の視点から撮った回想シーンがあるとかけっこう複雑な構成をしているんだけど、その大人ぶった複雑さをひけらかさず、ひたすら笑いと涙と勢いで突っ走る。処女作でないと出せないものをしっかりと出した処女作らしい処女作でした。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-31 13:54:01) |
20. 忍 SHINOBI
地名や城の名前が漢字とアルファベットで表記され、その気どったセンスにめまいがしたが、オダギリと仲間の川辺での出会いのシーンでせめて仲間の素足が見えてオダギリがハッとするなんてシーンでもあればいいのだが、映されるのは顔のアップと水を飲む仲間のお手手。その完璧にネイルケアされたお手手に頭ん中は真っ白に。気を取り直して見るもののてっきり見せ場だと思ってた5対5の忍術バトルが盛り上がらない。なんのための5人なのか。なんのための男女混合なのか。仲間の素足がないならせめて沢尻の太ももを(オイオイ)。それもムリならせめて黒谷の濡れ場を(コラコラ)。と願うのは偏った映画経験から「くの一」といえば何故かエロを想起してしまう私が悪いのか。いやなにもエロくなければいけないなどとは言わない。アクションすげー!でもいい。この場面めっちゃ怖い!でも、この後姿は雰囲気あっていいね、でもなんでもいい。そういう印象的なシーンが悲しいかな皆無。 [DVD(字幕)] 2点(2011-03-02 15:26:13)(笑:2票) |