1. しゃべれども しゃべれども
レイトショーで見てきました。それなりの評判を聞いてはいたんだけれど、想像以上に良い作品でした。もっと、評価されてしかるべき。 特筆すべきは、映し出される東京の美しさ。丁寧に丁寧に、江戸から続く現代の東京を拾い上げています。映し出される交通機関は、都電と水上バスのみ、建造物は古びたクリーニング屋さんに、寄席に浅草寺。自動車の雑音や、ネオンを綺麗に消して、聞こえるのは虫の声。水上バスから見える高層ビルやマンションさえも、黄み掛かった太陽でぼかして、着流しの主人公の景色に溶け込ませています。 東京に生まれ育っても、なかなか見ることの出来ない、ステキな映像と、朴訥としながらも活き活きとした登場人物が満載です。 惜しむべきは、八千草薫のキャスティング・・。どうしゃべっても、山の手のおばあさまなんですよね。あの雰囲気は、重要だけど、喋りのテンポがどうにも悪く、いたたまれませんでした。 それ意外は、伊藤史朗の師匠も主演の国分太一もとても良いです。 DVDでもよいので、ぜひ見て欲しい佳作です。 [映画館(字幕)] 8点(2007-09-04 00:23:40) |