1. 詩季織々
《ネタバレ》 三本のショートストーリーの中では、「陽だまりの朝食」が一番好きだったかな。食べ物系って個人的に好きです。食べたくなるから(笑)逆に言うと、食べたくなるようにうまく見せてくれた作品だったと思います。 全て中国が舞台。という割には、あまり外国感はありません。名前が中国的なくらいはあとはほぼ日本の造り。顔の造形も、同じアジアなので当然ですが、人の考え方も。実際の生活の中だと、同じ地域の同じ顔の作りの人たちだけど、文化や考え方は結構違うのかなあとか思ってたので。なんとなく内容が日本的で、実際中国であんなふうに思ったりなるのかなあと疑問に思いながらの鑑賞でした。知らないので、憶測であり勝手な違和感ですけどね。 それにしてもビーフンは美味しそうだった!おばあちゃの思い出のビーフンも、学生の時の思い出のビーフンも、どちらも食べたい。いっそ自分で作ろうかな。そう思うほどに。時が経ち、人も変わり、ビーフンも変わる。好きだったお店も急に無くなっていたりする。そう言った人生の切なさのようなものを見ることができました。 他のエピソードも似たり寄ったりという感じですが、最後のエピソードもけっこう切なかったですね。カセットテープレターのやり取りなんて、憧れます。 全体的にとても感情に訴えかけてきて、とても面白かったと思います。それぞれのエピソードも綺麗にまとまっていて、楽しめました。 [インターネット(邦画)] 8点(2023-02-18 07:55:48) |
2. 白ゆき姫殺人事件
《ネタバレ》 最近こんな「〜殺人事件」というシンプルなタイトルの映画や小説をとんと見てなかったので、ある意味新鮮な気持ちで鑑賞できました。観る前はもっとこう、何人もの容疑者がいて誰が真犯人なんだろうって感じで進むストーリーかなって思ってたんですが、少し違いましたね。 話の展開は今っぽく、Twitterで色々呟くTV局契約社員の赤星が一応主役のような立ち位置。他人のプライベートとか個人情報を平気でつぶやき、案の定破滅する。赤星だからRED STARとか、安直すぎるだろ。本筋とは全然関係ないが、綾野剛さんってこういう役あんまり似合わないな。 あとは、やはりSNSとか報道ってやっぱり安っぽいなあと感じます。当事者でもない人たちが上っ面だけで事件やその関係者を語るのは見ていてとても醜い。さらにいわばつくりものである映画のそれは、リアリティすら薄く滑稽ですらある。自分は特に、ワイドショーとかその中で語るコメンテーターとかはひと通りどうでもいい存在と思ってるので、そんな人たちにいいように踊らされてる人たちも信じられない。よくほとんど知りもしない人の事を悪辣に語れるもんだ。 もっとミステリ要素の強い作品なら好きだったかもしれません。あくまで個人の好き嫌いの範疇での評価なので、あしからず。 [インターネット(邦画)] 5点(2023-01-23 23:43:27) |
3. 娼年
《ネタバレ》 [娼婦」ならぬ「娼夫」。たいていの場合は体であるが、それを含めて自らを商売道具として売る一人の男性の話。 まず個人的には、不特定多数の女性それぞれと真剣に向き合ってかつ、その場限りの関係で終えられるという感覚が私には理解し難かった。単純に、自分は一人の女性のことばかり考え、良くも悪くもその人以外のことに目が向かなくなる性格だからということもあるだろう。相手の女性に囚われずに、ある意味「器用に」女性の相手ができるこの森中領という人物に、宇宙人かな、と感じるくらい距離を覚えた。 「女なんてつまらない」「セックスなんて手順の決まったただの運動」という領に、仕事を通して女性の多様さや深さを教えようとする静香。少し考えたことは、少々言葉が悪いが、この話は単に一般的な風俗で男が女を買う、というのを入れ替えただけなんだろうか、それとも女が男を買うとなったときにそこに込められる意味も変わってくるんだろうか、ということが気になってきた。私の感覚では、女性が相手を求める感覚も男性が相手を求める感覚も、そんなに違いはないと思っている。男性のほうがあからさまで直接的な場合が多いので、ことさら単純・シンプルと思われがちであろうが、それこそこの物語の森中領くんのような複雑さや深さを持った男性もいるだろう。逆に、男よりあからさまに性を求める女性だっているだろう。そういう意味では「女性は~」という言い回しは私にはさして響かなかった。ただ私自身は男性であり、「異性としての女性」はやはり特別な存在で、その中でも特定の女性には自分の身を半分以上持っていかれるような想いを抱いている。そのように一般的な意味の上での「女性」と私にとっての「女性」では見方が変わるので一概には言えないが、女性だろうが男性だろうがある程度の年齢を生きてきて複雑でも深くもない人間なんていないだろう、というのが私の感想だ。領と東くんの絡みでもあったように、男同士の同性でも感じるものがあってああいうことに発展する場合もある。そういうものも描くあたり、別に「女性」一本槍で押してくる映画でもないんだなと少しほっとした。 「子どもの頃から大人の女性が大好きで、だから歳を重ねた女性がどうしてそのことを罪のように感じるのかがわからない」 この台詞が心に残りました。私はそこまで相手が何歳でも良いとまでは言いませんが、結局その人に魅力を感じるかどうかが大事だと思っています。それ次第では自分より年下を好きになることもあるかも知れないし、その逆も充分あり得るだろう。ただやはり限界はあって、いくら年下でも高校生や中学生にはそんな感情は湧いたりしないし、それは彼ら彼女らはまだ子どもで、自分自身の判断能力も未熟なうちにそんなことをするべきではないと少なくとも私が考えているからだ。私はそうだが、果たしてこの領くんがどこまでそういったことを許容できるのかが知りたいと思った。一般的な美的感覚で言うところの造形が良くない女性であったり、体形が崩れた女性に対しても同じようにできるのか、汚い話ですが排尿はOKでも排便は?など、彼の限界値がどこにあるかが少し気になりました。色々考察する機会をくれるいい映画だと思います。 [インターネット(邦画)] 8点(2022-09-21 20:56:34) |
4. 植物図鑑 運命の恋、ひろいました
《ネタバレ》 なんだか久しぶりにただただ眩しい恋愛映画を観たなぁって感じです。だいぶ昔に書籍も読んだはずで、うっすら内容も思い出しました。 「雑草なんて草はない」「全て名前がある」 というセリフはよく覚えています。いろんな他のことにも当てはまる言葉で、素敵なセリフだと思う。 樹くんが料理も出来て性格もしっかりしている青年であるだけに、あの出会いかたはちょっとなー、、、と思うのは私だけでしょうか。 「良かったらおれを拾ってくれませんか。」「しつけのできたいい子です。」 いやあ、ないわあ。 その流れであっさり拾っちゃうさやかもやはりあり得ない。 あと、さやかの仕事での空虚さを出すための演出なのでしょうが、内見で客に迫られるシーンとか必要ですかね? 原作の設定をなぞらえただけですし仕方ないとは思うのですが、それ以外はとても気に入っています。 自分自身料理が好きですし、料理のシーンがあるのは見ていて楽しい。さすがに野草をとったりはしませんが、ワラビやノビルのレシピには興味ありますね。料理には興味があるのですが、野草には全く興味がないので、植物図鑑買って野草の種類覚えようとは一ミリも思いませんけど(笑) でも本来は全く興味の無いことでも、好きな人の好きなものだと思ったらハマれるって不思議ですね。でも確かにそういうことは起こるし、そういう意味でもいい恋愛映画だと思いました。色々あり得ないと思う部分もある映画ですが、マンガみたいだけどこんな恋愛してみたいなっていうのを擬似的に体験できる映画だとも思う。私は嫌いじゃない。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-09-03 00:25:55) |
5. 子宮に沈める
《ネタバレ》 まずはじめに言っておくと、これは10点です。それくらい物語に入り込み、おそらく製作者の狙うように感じさせられました。心情的には本当に疲弊したし、鬱な気分にさせられて0点どころかマイナス100点くらい付けたい気持ちですが、それがこの映画の狙いというなら、見事に思惑にハマったなというのが正直な感想です。 映画にも色々あって、それぞれに目的があると思います。感動させたい映画。泣かせたい映画。驚かせたい映画。怖がらせたい映画。笑わせたい映画など。この映画は、観る人を鬱にさせたい映画。その意味ではこれ以上ないくらい最高の作品です。 本当に目を背けたくなる気持ち。実際何度か背けたし、何なら一時停止して意を決してから続きを再生したことも数回。 とにかく幸ちゃんが良い子すぎて。健気に母親を待ち、弟の面倒を見て、訳が分からない中でも命を食いつないで、その結果があれなんて。もう言葉が無い。何とかして粉ミルクを作るシーン、缶詰を包丁で開けようとするシーン、マヨネーズの容器がすっからかんになるまで吸い尽くすシーン。動かなくなった弟を何とか起こそうとするシーン。どれも衝撃的でショッキングすぎた。こんな子がまだどこかにいるのかもしれないと思うと、何とかできないのかと胸が張り裂けそうになる。 ただ、母親の気持ちもわかってしまう。さすがにあそこまでのネグレクトはあり得ないけど、それは自分が誰かに頼れる状況があって、全くの閉鎖空間では無いある程度のオープンスペースに身を置けてるおかげなんだろう。夫は行方をくらませてしまった。実家はないのかな。そんな中で幼児二人とずっと閉じ込められてる状態ならおかしくもなってしまうというのは、理解できた。これは、ここまでの状況ではなくても、短期的にでもこのような状態に身を置いたことがある人ならわかると思う。辛い。知らない人はやってみてください。ひたすら子供のペースに合わせ、なだめ、すかし、ご飯を与え、お風呂に入れ、トイレの世話をし、寝かせ、だと思ったら起きてきて、自分は寝れない。それが二人。 なかなか文章では伝えきれない所もありますが、世の母親の方々、本当にお疲れ様です。 人には全く勧められないし、一ミリも楽しい映画ではなかったが、最高でした。 [インターネット(邦画)] 10点(2022-05-13 00:51:27) |
6. 静かな雨
《ネタバレ》 透明感のあるたい焼き屋の女性と、そのたい焼き屋に通いながら彼女自身に惹かれていく男性の物語。タイトルのように、しとしとと物語は進みます。たい焼き屋に通う男性、行助はその店の女性、こよみとふとしたことから二人でよく話すようになり、彼女?とは言えないまでも親しくなる。そんな矢先にこよみは事故に遭い、命は取り留めたものの、新しい記憶を留めておけない、毎朝記憶がリセットされるような状態になってしまう。そんな彼女との共同生活も始まり…という内容。 こよみは「世界」という言葉をよく使いますが、行助もこよみもそれぞれの世界があり、それらがゆっくりと混ざり合い、しかし浮遊というか、浮上しているような感覚はなく、なんだかだんだん空気が落ちていくような感覚はあり、まさに、静かな雨のようだ、と思いました。 決して多くは語られない、それほど大きく派手な場面になるわけでもない、だがじわじわと何かを蝕んでいくような感覚はあって、と同時に何かが育まれていく感覚もある、不思議な映画です。 まるで芥川賞に出てくる純文学のような映画でした。といっても、私はその手の小説は苦手なのですが。しかしそんな雰囲気で映画を楽しんでいた中、唯一らしくない、というか変な人間味を見たのが、記憶を繰り返し無くしていき、行助のことも度々忘れて記憶のアップデートがされないこよみに対して苛立ちをぶつける行助のシーン。彼女がそういう状態ということは承知して彼女といることを決めたはずなのに、急に子供返りしたかのように駄々をこねる彼には驚きというか、なんだかショックを受けた。正直かなり引いてしまった。 毎朝同じセリフを聞かされ、同じように説明し、毎回嫌いなものを伝えないといけない。それってやはり重い負担なんですかね。その点で行助がああなってしまったというならちょっと理解できない。昔の彼のことは覚えてて、、、というのも気になることではあるだろうが、こよみは今自分のそばにいてくれてるんだからそれほど思い詰めることだろうか。 なんて言いながら、私も好きな人のことではそんな理性が吹き飛ぶくらい自分でも訳のわからないことになってしまうので、あまり偉そうに言えません。あくまでこれが他人事で、第三者として言えるから余裕を持って言えるだけ。 自分も、冷静な第三者から見ればだいぶ愚かなんだろうなと、行助と自分を重ねて自分を少し戒めました。でもどんなに愚かでも格好悪くても、本当にその人のことを考えて想い続けるための、心の栄養には少しなりました。 また明日以降も少し良い自分になれますように。そんなことを考えた映画でした。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-04-21 01:25:44) |
7. 樹海村
《ネタバレ》 『樹海村』と言うタイトルと、作中での「樹海には自殺しようとして死にきれなかった人たちのコミュニティが存在する」という設定からそういうものを想像(期待?)していたのですが、全然そんなものが出てくる気配はなく、ただただ変な箱が出てきたら人が死ぬフラグが立つ話でした。コトリバコ?というのですか?他の方のレビューを拝見してるとそっち方面では有名な代物らしいのですが、寡聞にして存じ上げませんですみません。 「〜村」というシリーズにしたいという優先順位が勝ってしまって、面白いものが作れなかったのかな。この映画は名付けるなら『コトリバコ』とでもすればいいのにってくらいメインは箱。「村」的なものはほとんど見ることができず話が終わってしまいました。 最近ホラーというジャンルに対して、悪い意味でハードルが下がってしまったように思います。ITの発達により、誰とでもどこからでも連絡が取れたり写真を撮れたり。「そこにあるもの」や「そこにないもの」に対して考える機会が減ってしまったように思う。そのせいなのか、唐突に化け物が出たり人の人格が変わってしまったりしても「怖い」というより「何してるんだろう」という感じ。 『リング』や『らせん』などのホラー作品は昔大好きでした。今のホラーが楽しめないのは時代のせいなのか、自分のせいなのか。どっちなのかな。 [インターネット(邦画)] 3点(2021-11-11 20:57:14)(良:2票) |
8. シーサイドモーテル
《ネタバレ》 山奥にある「シーサイド」モーテルに宿泊する人々を描いたコメディ映画。バラエティ豊かなキャラとストーリーが絡まって、意外と面白かったです。各部屋ごとのエピソードはそんなに深く絡んでいるわけでもなく、でもコメディとしてはそれくらいのさらっと見られる感じで良かったです。個人的に一番ウケたのは部屋の前を男が5人連続で通るかどうかの賭けのシーンでした。あらかじめオチが分かっていても面白かったですね。 山田孝之&玉山鉄二エピソードが好きかなあ。他の部屋の話もそれぞれに良かったんですけど。一番要らないのが高級旅館行く行く詐欺男のエピソードでしょうかね。 「インチキなものでも本物になることもある」っていうのは考えさせられました。 [インターネット(邦画)] 6点(2021-10-12 18:25:25) |
9. ジュラシック・ワールド/炎の王国
《ネタバレ》 SFは好きです。現実の社会に非現実な技術や現象があったら社会がどう反応するかを考えられるから。 恐竜がもし現代の社会に現れたら、やっぱりこの映画のように商業主義に使おうとするんでしょうねえ。USJや恐竜博物館や、そういうのに嬉々として行きますもんね、もちろん自分も。生きてる恐竜見れるんなら、そりゃ行きますよ。程度の違いはあれど、やってることは動物園やサファリパークとなんら変わらない。やもんで、恐竜の商業利用を否定はできません。 それよりも、法廷?でジェフ・ゴールドブラムさんが言っていたように、進歩しすぎて人の手に負えなくなってきた先進技術を人がどう扱っていくのかが重要になってきているんだなと感じました。核しかり、ITしかり。昔からよく言うように、人が技術を使うべきであって。技術に人が使われるようではいけない。でも、今の社会ってはっきり言って技術に人が使われているように感じる。ちゃんと自分の意思で技術をコントロール下に置いていられてる人ってどれくらいいるだろうって、最近のニュースとか見てると考えちゃいますね。。。あるから使ってしまいますが、スマホがこの世から無くなればいいのにと個人的に思います。 作中で述べられていたように、もし恐竜が現代に蘇ったらけっこう長生きするかもしれませんね。現代の世の中はけっこう栄養豊富だろうし、原始時代よりも容易に餌もとれるだろうし。あーでも恐竜をまた滅ぼそうとして人が核を撃って環境ムチャクチャに壊れたりするのかな。SFを見てると想像が尽きませんね。結局最後は恐竜たち世界に解き放つことにしたわけですが、その後の世界をまた映画にしてみてほしいと思いました。 ほんとう、想像で楽しむぶんにはとても面白いと思います。何でもそうですが… [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-05 21:04:08) |
10. ジーサンズ はじめての強盗
《ネタバレ》 コメディにしたいのか、シリアスな社会派ドラマにしたいのか、どっちも考えさせられてどっちにも感情を入れにくいストーリーでした。 この映画では銀行が一番の悪で、だからジーサンズはこの銀行に報復するために銀行強盗を企みますが、銀行は一応ちゃんとリスクも説明した上で貸し付けたと主張している。認識能力の低いお年寄りにわからない単語を並べ立てて上手いことだけ言って有耶無耶に貸し付けた可能性もありますが、そこまではこの映画からは分かりません。銀行員が悪意を持って騙そうとしたかもしれませんし、ちゃんと説明を受けたのに借りて側が「そんなの聞いてない」と、駄々をこねてるだけかもしれない。つまり、どっちの味方にもなれない。 個人的にはむしろ、何十年も勤め上げた自分の会社が、仕組みが変わったからとそれまで支払ってきた年金を全て無かったことにしてしまう、この会社の方がより社会悪で制裁対象なのではと思ってしまいました。この会社の金庫盗めばよかったのに。 あと、ジーサンズそれぞれに大切な家族や恋人との描写があるにも関わらず、盗みを働いてそのお金ではい幸せ!と言われても釈然としないですね。それこそルパン三世のように、盗みを働く相手がとびっきりの悪者とか、そのお宝を悪用されたら世界が滅びるとか、そういう展開なら受け入れやすいのですが。上述の銀行とのやりとりや、結局我欲で強盗してしまうところがエンターテイメントとして少しきつかったですね。あの可愛い孫娘たちが、祖父が犯罪者だと知ったらこの話は全く違うテイストに変わってしまいますよね。そこを無視して楽しむことはできない、難しい映画でした。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-08-22 21:43:37) |
11. シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
《ネタバレ》 エヴァの世界の細かい考察などは他の方々にお任せして、、、(どうせわからないので)、私自身としてはこのシリーズはあくまで映像美や雰囲気を楽しむために鑑賞させていただきました。そう言ってるとなんだか美術館の楽しみ方のようだ(笑)。でも実際そんなものなのかもしれない。そういう風に楽しみました。「これはどういうことかな」「こういう意味なのかな」と考えさせられる要素もたっぷり有り、まさに美術館でアートを鑑賞して製作者の意図を考えるようなことに意識を忙殺されます。映像はただただ綺麗で、素人目にもその作り込まれ具合に魅了されました。個人的にやはり好きなのは戦闘シーン。一番シーンとしてわかりやすいからでしょうか。逆に前半ほとんどを占めたシンジ君の抜け殻シーンはあれだけ見せられたらちょっともうおなかいっぱいという感じです。 『序』も『破』もレビューしてませんが、今作は劇場と、このたびprime videoでも配信されたのを機にもう一回観てしまったのでレビューしておくことに。2回観ましたがやっぱりストーリーはもう字面が頭の上を上滑りするばかりでよくわかりません。ただ、prime videoバージョンだと字幕を出せたので、それでわかった表現がちょくちょくあったことは良かったです。あと、自分も最近知ったのですが、「序・破・急(Q)」というのは雅楽の演奏の三段構成のことなのですね。そういう知識が入るのもまた面白いところか。 一応これでエヴァシリーズは「終劇」と相成ったということで、『シン・~』は2回も観たし、今後しばらくこのシリーズを鑑賞することは無いんだろうな。「こんな話だったなー」という余韻に浸りつつ、別の映画を楽しんでいきたいと思います。 [インターネット(邦画)] 7点(2021-08-16 12:31:47) |
12. 新聞記者
《ネタバレ》 ジャーナリズム、マスメディア、政府による情報操作の可能性、などについて考える機会となりました。もちろんこれは映画なので、やや荒唐無稽に思える設定や状況があるのですが、ある意味そう言うものが映画だと分かっているのでそこはスルー。 大事なことは出てくる情報は必ず誰かの手が入っていて、手が入っているということはそこには必ず何らかの狙いがあって、情報を受け取る側はそこを見極める必要があるということ。現代は超情報化社会と言っても差し支えがないくらい情報に溢れていて、その情報一つひとつも嘘なのか誠なのか、はたまた30%だけ嘘であとは本当だとかグレーなものもあり、文字通り玉石混交。それを「見極める」なんて至難の業だがそれをしていかないといけない。ほんと、大変な時代です。 冒頭、薄暗いオフィスで内閣情報調査室、いわゆる内調が時の内閣の都合の良い内容のつぶやきをSNSで投稿しまくる、というシーンがあります。「そんなアホらしい仕事そんな立場の人達がやるのか」とは思いつつも、あんな黒い仕事はそこらへんのアルバイトとかにはさせられないなとも思う。実際近年の報道ではTwitterやヤフコメの書き込みを記事に引用することはしょっちゅうあり、その影響力の大きさを目の当たりにすると、内調にこんな部署があってもそれほど可笑しい話ではないとも感じました。内調であればどこからどんな記事が出るかとかはある程度わかっていそうですしね。 ただ本当にそんな仕事をする部署があるとして、役中の杉原(=松坂桃李さん)と同じくそこに確かなモチベーションを持って業務に就ける人なんかいるのかな。SNSの誘導書き込み、政敵となる人間(それが一般人でも)の個人攻撃のための情報捏造とその拡散、そして組織を守るためのスケープゴート役… どこかのタイミングで「何やってんだ俺」って神崎さんのように虚しくなってしまって自己嫌悪に陥ってしまいそうなもんだが、そういう仕事が意外にハマったり代わりに甘い汁を吸えたり、何らかの運や巡り合わせで普通の人なら感じる違和感を何の疑問も持たなくなるとか、どんな仕事でもあるんでしょうねきっと。この間も少し知り合いが以前勤めていたブラックな営業をしていた会社の話を聞いた。この映画の話はなんらありえない話では無いと思った。 昔、報道とは事実と客観的事実のみを世間に知らせる完全に中立なものであるべきだと思っていました。今もそれが理想だと思っているしその考え自体はまだあるんですが、誰かが何かを意見したり論じる時、100%全ての人に公平で中立なものなんてあり得ないんだなということも最近思います。何かを報道すればそれで得をする人損をする人は必ず存在して、その数や割合が平等になることなんて無い。同時に、報道をする側もその報道で影響を受ける人たちのことを計算に入れて報道を出す。きっとその記事は誰かにとってメリットになり、他の誰かにとってデメリットになるものなんだろう。最近実感として思います、完全に客観的な記事なんてきっと無いんだろうな。だからこそ、「中立」「中庸」を目指したいと思っているのですが。 色んな社会問題が、この超情報化社会の中で私たちの目の前に簡単に出てきて、「こうあるべき」「こうするべき」と示してきます。多様性を謳いながら一つの解答に誘導する圧を感じます。本当、本当に生きにくい社会になった。この映画を観て、なにかそう強く思ってしまいました。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-08-03 23:53:53)(良:1票) |
13. ジョーカー
《ネタバレ》 期待通りのインパクトがあった。ジョーカーは『ダークナイト』でも出てきますが、アメコミ映画でありながらお決まりの超能力や超常現象は一切起きたりしません。ただの人間がいかにして「ジョーカー」になってゆくのか、それを淡々と描いています。生来持っているものや立場でその人の人生がほぼ決まってしまう街、ゴッサムシティ。その中で障害を持ちながらピエロとして生計を立てる「ハッピー」ことアーサー・フレック。恐怖や緊張、不安を感じると笑い出してしまう障害のため生きにくさを感じながらもコメディアンとしてショーに出て成功を夢見る一人の男。もちろんジョーカーに共感はできませんが、リアルな犯罪者として、冒頭に書いたようにインパクトのあるキャラクターとなっていました。 ジョーカーは、アーサーの抱える他人から認められたいという願望と、にもかかわらず不当に貶められ悪い意味で笑い物にされることに対する怒り、世の中の理不尽への不満などをゴッサムシティやトーマス・ウェインにぶつけようとした結果誕生してしまったんですね。またその過程でたまたまピエロメイクをしている状態でこれまたたまたま銃を持っていて仕事をクビになったところで、ちょっかいを出してきた三人を銃殺してしまったところ、同じように日常や街に不満を持っている貧困者たちのダークヒーローになってしまうという。コメディアンとしてショーに出て成功したかったアーサーには悪名といえど人から称賛されることが快感だったようで、そのまま彼はジョーカーに… 彼と同じように体が小さいことでバカにされてきた職場の仲間には敬意を持って接したりする人間性が垣間見えるところが、余計にリアルでした。ただ無差別に人を殺したりするのではなく、むしろ誰をなぜ殺すのかという理由がわかってしまうところがジョーカーらしい。 思ったことは、真っ当に生きていようとそうでなかろうと、それがショースターであっても寝たきりの老婆であっても、誰しもみんな人に認められたい、愛されたいと思っていて、それが動機になってエネルギーが湧くんだな、湧いてしまうんだな、と思いました。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-07-17 12:28:08) |
14. 屍人荘の殺人
《ネタバレ》 原作既読です。読んでからだいぶ時間が経ってるんですが、この度prime videoで配信されてるのを見つけて鑑賞に至った次第です。 で感想ですが、原作ってこんなにコメディータッチな話でしたっけ?と戸惑うことがしばしば。確かに小説のほうでも明智さんとか剣崎比留子のキャラは浮世離れしていていわゆる「変人」として描かれていましたが、それは人に笑われたり態度がふざけている「変人」ではなかった。どちらかと言うと学者然として普通の人がしないようなことにのめり込むようなタイプの変人で、だから物語のキャラクターとして魅力があったのだと思います。映画ではこの二人が完全にネタキャラとなってしまっていて、これはもう『屍人荘の殺人』としては楽しめなくなってしまいました。じゃあ他のキャラは大丈夫だったのかと言うとそんなこともなく、全体的にコミカルにふざけた雰囲気で描かれてしまっているため、原作を読んで映画を観た人で満足する人はおそらくいないのではないかと。 と言うわけで、原作基準で評価すると0点。原作を一旦忘れて映画単体で評価するとしたら4or3点ってところですかね。 個人的に、小説の明智さんは本当に魅力的で逞しい変人というイメージだったので、映画でここまでふざけたなよっとしたキャラで使い潰されたことにただただショックです。 残念の一言。 [インターネット(邦画)] 3点(2021-06-12 18:36:46) |
15. しあわせの隠れ場所
《ネタバレ》 英語がなかなか難しい映画だったな。。。みんな喋りが速い(苦笑) ストーリーの方もあまり日本ではなじみのないもの。恵まれなかった黒人の男の子を引き取る白人家族。"Big Mike"と呼ばれる彼は初めこそ誰も信用せずほとんど口を利かないが、徐々にLeaさんの熱にほだされ心を開いていき、やがてアメリカンフットボールで大成していくといったあらすじです。 実話で、なので余計に日本になじみのない文化の話というせいか、どうも途中までしっくりきませんでした。大雨の中トボトボ歩いている少年が心配になって、聞けば住む家もないと言う。そんな男の子をとりあえず一晩泊めるのは百歩譲って分かるとしても(←この時点でだんなのSeanも「一晩だけだよな?」って若干引いてたし)、その後彼に部屋を与えたり、ましてや車を買ってあげるなんてちょっと自分の感覚では理解しきれない、というのが正直なところ。Leaのセレブ仲間が「あなたのとこには年ごろの娘もいるのにそんな男住まわせて本当に大丈夫?」って言いたくなる気持ちもすごく良くわかる。 でもまあ、正式に家族として迎え入れてってところからはもうこれは他人がどうこう言うことではない問題だなとも思いました。経済面・タイミング・家族、本人の気持ちの余裕など、それぞれの条件が「イケる」となってその判断に達したんならそれでいいじゃないか、と。そこからは良い意味で第3者視点でこの映画を楽しめました。 あと個人的には「黒人だから」差別されるっていう感覚はよくわからないんですが、肌の色は関係なく、ちょっと自分に話しかけてきた女性をすぐに"bitch"などと言ったり性的な発言やからかいなどで卑しめてくる人たちがたまたま「黒人」に多いとしたらそれは差別ではない別の問題だと感じます。 『デンジャラスビューティ』もそうでしたが、Sandra Bullockさんはキビキビと動く女性の役がピッタリ来ますね。特に今作はそういう面が強い女性を演じていて、はまり役だったと思います。 アメフトやバスケもそうですが、アメリカのスポーツって体格のアドバンテージってでかいんだなと改めて実感。 [DVD(字幕)] 6点(2021-01-06 01:45:41) |
16. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 有名な作品をなかなかブーム時には観られない性格の天邪鬼自分。『シン・ゴジラ』も今頃になってようやくの鑑賞に至りました。鑑賞の少し前に災害に関する講習のようなものを受け、そこで本作について、いわゆる「想定外の災害」について描かれている旨うかがいました。なのでその点に注目しての鑑賞となりました。 やはり特に気になったのは「会議を経なければ何事も決定できない」ということでした。「決定するつもりが無い」というわけじゃなく「決定することができない」ということがとても印象に残りました。どうしても必要なプロセスとして「会議」があり、一分一秒を求められる状況で、専門家でもない老人多数の大臣たちがまるえ一般人のように思いついたことを述べているシーンはやはり滑稽に映ります。ですが結局のところ現実もこうなんだろうなとも思います。現実も多くはその道の専門分野でもない大臣たちが「IT大臣」だの「少子化大臣」だのとりあえずポストに収まって、そこらへんのおっさんでも言えるようなことを言っている。 この映画の中で現実とは違う良い点としては、「専門家たちをしっかりと登用し活用している」ことだと思います。御用学者のような人たちもいましたが、ゴジラ対応のかなり序盤から専門家たちは重用されており、中枢からその存在感を発揮しています。そういう点が現実のほうにもあればいいのにな、と思ってしまいました。いや、してるんでしょうかね。少なくとも自分のような一般人にはあまり専門家の方々のありがたみはわからず、コロナ対応に対してもどうしても不信感を抱いてしまいます。 ゴジラはなかなか圧巻でしたね。最初のトカゲのようなギョロ目のゴジラが個人的には一番怖かったです。内容は日本に現れたゴジラを世界各国みんなで協力して撃退するというものですが、『インデペンデンスデイ』のように各国に一体ずつ現れても面白いのにとか思ってしまった。そのほうが日本政府VSゴジラの構図がもっとくっきり浮かび上がったのに。 今作『シン・ゴジラ』の内容を受けての『シン・メカゴジラ』とか『シン・モスラ』とかあればまた観たいな。なんつって(笑) [インターネット(邦画)] 8点(2020-06-28 03:10:53)(良:1票) |
17. ジュラシック・ワールド
《ネタバレ》 いろいろ賛否が聞こえてきそうなこの映画。自分はIMAX3Dで鑑賞しました。 まず気になったのは、IMAXでしかも3Dで観たせいか映像が良すぎて、園内全体を映すロングの映像やヘリのシーンなどでやたらジオラマ感を感じてしまったことです。セットのオモチャ感をそこでかなり感じてしまい、テンション失速。気のせいかな。他の人は大丈夫だったんでしょうか。 しかし個人的には内容には満足です!恐竜と人間が心を通わすとかそのへんには「ありえない」とか色々反論もされそうですが、そもそも太古の生き物で実際には誰も実物を知らないわけだし、時間と愛情をかければコミュニケーションが取れるっていうのは『ジュラシック~』ならではのロマンかなと思います。 それに絡んで、やはりオーウェン(=クリス・プラットさん)とラプトルとの掛け合いは良いですね。バイクとの並走シーンはテンション上がります。その後ソッコーで裏切られて悲しくなりますが。 あとはやはり、ドローンやらロボットやらがだいぶ現実的になってきた昨今において、「恐竜を兵士にしよう!!」ってのはかなり無理があるように思います。ましてインドミナスレックスを倒すのに、絶賛営業中の園内にラプトルを放てとは・・・。「それしか手段はない!」っていやいや無理があるだろう。あのおっさんの会社、違う意味で心配になる。 でもやっぱり20年以上前の元祖がベースになった映画って作るの難しいんでしょうね。 恐竜映画っていうのも20年も経つと目新しく感じられなくなってきましたが、観る側オンリーの私としては、今後も期待を超えてくるような作品を観られることを期待します。 [映画館(字幕)] 7点(2015-08-17 13:43:28) |
18. ジャックと天空の巨人
《ネタバレ》 こういった類のファンタジー映画で細かいこと考えるのは本来なら趣味ではないんですが、なんか今回は色々引っかかった。 まず、これは別にこの作品に限ったことじゃないんですが、なんで洋画では人間と別世界に住む生き物っていつもこういう描写なんでしょうね。やれ「くさい」だとか「不潔」だとか・・・。鼻くそをほじって食べる巨人もいたりして、はなっから観るものに嫌悪感を持たせようというのがありありと伝わる。こういうファンタジーで見せるなら、どうせならもっと清潔で、自分たちなりの誇りがあって、まっとうな信念の下に闘う巨人たちを見てみたい。こんなんなら、「いかにも汚らしい外敵がやってきたからぶっ殺してやろうぜ」っていう本当にレベルの低い争いでしかない。巨人たちがそこまでして地上に降りたい理由も良くわからんし、そのへんもっと掘り下げて欲しいな。 あと、巨人VS人間とのバトルが思いのほか終盤でようやく始まることに不満。残り30分くらいになるまではずっと空の島で主人公たちは潜入工作。それこそ「モンハン」みたいなのを観れることを期待していた私はけっこう肩透かしを喰らいました。 そしてそのバトルの中でも気になったのは、巨人達と人間が城門の橋げたを下ろす争いで異常にいい勝負をしていると言うこと。いやいやあのサイズ差があったら無理でしょ!!巨人たちは火のついた大木をゆうゆうと何十メートルも投げられたりするのに、それだけ考えても巨人一人に対して人間50人いても足りない計算なんですが。力比べなんて論外。 上述したように、「モンハン」のように人間が色々武器を駆使して巨人を倒していくようなバトルを期待していた者としては残念な作品でした。 こんな期待をしていない方々には普通に楽しめる作品なのではないかと思います。レビューはいつもそうですが、個人的な意見ですのであしからず・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2013-09-02 21:24:32) |
19. 人生の特等席
《ネタバレ》 王道すぎるって意見の方も多いと思いますが、私はヒューマンドラマと言うジャンルにおいてここまで王道なのは逆に最近見ない気がしていましたので、本作には大満足でした。このような言い方をすると気を悪くする方もおられるかもしれませんが、20世紀の半ばに青春時代を駆け抜けたまさにクリント・イーストウッドさんらしい作品だと思いました。おそらく全世界でリリースされることを想定した自身の作品に、自分の老いた姿を惜しげもなく披露する・・・。劇中の彼の姿はおそらく実際生活を送る彼とそう大差は無いでしょう。目も悪くなり、足もふらつき、それでも撮りたい、写りたい。尊敬すべき人だなと素直に感じました。ただ写りたいだけで役者をやってる人たちとは格段に違うと感じました。 さて内容のほうは、序盤にピーナッツの青年が有望スラッガーのボーに思いっきりピーナッツを投げるシーンで、 「おっ、彼はもしかしてスカウトされるのでは」と思ったのですがその後全然出番はなし。なんだただの振りかと思いきやまさかのラストにぶち込んでくる!!嬉しかったですね。 個人的に納得できないのはフラナガン(=ジャスティン・ティンバーレイクさん)が勝手な誤解でキレていったくせに何事も無かったかのようにミッキーの元に戻ってくるシーン。そりゃ結果だけ見れば戻りたくなる気持ちも出てくるだろうが、結果見て考え変わったってそりゃあんた試合の一つも観ないでコンピュータでスカウトの管理をしていた彼と同じではないかい???そこには激しく疑問と憤りを覚える。それなら最初から付き合ってた彼のほうがまだマシだと思えた。ミッキーの今後に不安・・・。 その他の点はもう皆さん語ってもらっているので多くは言及しませんが、やはり娘を想う父親の気持ちってのは良いもんですね。しかも二人とも野球が大好きで、それに関しては呼吸がピッタリという。もうオヤジ嬉しいだろうなあ。片親になってしまって苦悩して苦悩して、考えた末に娘を遠ざけることにしたと言うのが何とも切なくて良い。 良いもの観ました。 [DVD(字幕)] 8点(2013-07-18 22:31:34) |
20. ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬
《ネタバレ》 前作未見です。レンタルの棚にいつ見ても無かった作品で、たまたま今回はあったので衝動的に借りてしまいました。 さて内容ですが、コメディにしたいのかアクションにしたいのか少しどっちつかずのところがあったように思います。前作を観てたらもう少し違ったのかもしれませんが、個人的には少しコメディ要素が少なかったように感じます。それが良いか悪いかは人にもよると思いますが。 しかしそれでも終盤スノーバイクで雪原を駆けるジョニー(=ローワン・アトキンソンさん)はクールでした。あれがあったから余計に上のような感想を持ってしまったのですが、意外と真面目なアクションをさせても良いのかもしれない、と。中盤、必死で逃げる悪党をクレーンやらエレベーターで平然と追い詰めていくシーンも面白かったですし、けっこう良作だったと思います。 しかし最近自分のコメディを見る目線が厳しくなったように感じる。どうしてもコメディ作品に7点以上を付けることが出来ない。この殻を破ってくれる作品が出てくることに期待。 [DVD(字幕)] 7点(2013-02-09 09:33:59) |