1. 審判(1963)
《ネタバレ》 巨大な迷宮のような、ひたすら不安をかきたてられる展開と、淀川長治さん風に言うところの「目で感じる」鋭い映像感覚が見事にかみ合って、2時間ずっと画面に釘づけでした。流れるような長廻しにもゾクゾクします(演劇畑出身の人はやっぱり長廻しを好むひとが多いですよね)。銀行や裁判所における没個性的な、虫みたいな群集の描写はフリッツ・ラングの『メトロポリス』なんかを思い出したりしました。 [DVD(字幕)] 10点(2006-07-24 19:39:59) |
2. 静かなる決闘
《ネタバレ》 千石規子さん超当たり役です。ダラけたようなナメたような喋り方が味わい深い。三船敏郎さんはクライマックスの怒涛の長廻しのモノローグが感動的。あの場面の撮影のときは黒澤監督もカメラマンももらい泣きして涙を流しながら撮影したのだそうです。そんなエピソードも頷ける感動的な場面でした。 [DVD(字幕)] 10点(2006-02-12 03:20:22)(笑:1票) (良:1票) |
3. 七人の侍
活劇映画としてこれ以上の面白さはありえないという水準に達していると思いました。これ以上はありえません。永遠にありえません。それは間違いありません。 [DVD(字幕)] 10点(2006-02-11 13:58:24) |
4. 自転車泥棒
つげ義春さんが「これ以上の傑作は絶対にない」と書いていました。父が捕らえられたときの息子の表情はいまだに忘れられません。 10点(2004-01-31 15:18:57)(良:1票) |
5. シェルブールの雨傘
ミュージカル好きの私にはたまらない映画でした。主題歌のメロディがあまりにも美しく、この映画はこの旋律のためにあるのではないかとさえ思えました。 9点(2004-01-26 12:21:18) |
6. 白い花びら
《ネタバレ》 序盤、夫婦の生活をほのぼのと描いている場面は思わず微笑んでしまうような雰囲気。ところがどんどん悲劇的になっていってそのまんまラストまでいってしまいます。ラストは「灰とダイヤモンド」へのオマージュなんでしょうか。ああ悲しい・・・。カウリスマキでは『マッチ工場の少女』系なんでしょうね。でもとても美しい映画です。 [映画館(字幕)] 9点(2004-01-25 11:04:42) |