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1.  自由を我等に
社長が友情に負けて、ワルガキのように晩餐会をコケにしていくあたり。あの晴れ晴れとした感じは、この時代のフランス映画で特に見られるものではないか。ラストの式典での風も素晴らしい。まだサイレントのココロが残っているのだろう。リアルである必要のなさ。リアルであらねばならないという強迫観念がなかった時代。蓄音機工場ってのが、いかにもトーキーに入った時代を示している。つい後世の我々が思ってしまうように、トーキーになったことにそう戸惑っていた訳ではなく、その時代に作れる映画をただ作ってみたらこうなった、という汽水域ならではの豊かさと見たほうが当たってそうだ。
[地上波(字幕)] 8点(2013-10-16 09:33:54)
2.  新学期 操行ゼロ
俯瞰で撮るとドキュメント的になる。対象と同一平面だとドラマとして共感できる点を探しながら見ているが、上からの視線だと観察的になる。だからこそ非ドキュメントのスローモーションで羽毛が舞う場になると、その効果が絶大になるのだろう。いかにも「普段」ではない。そもそも映画という表現の軸にある対立は「記録」と「幻想」だと思っているもので、本作の俯瞰とスローモーションの対立には「まったくそうだ」と思わずうなずいた。それとフランス映画にある「自由万歳」の精神、それが硬直した・スローガン的なものでなく、「だらしなさ万歳」や「のんき万歳」にもしばしば通じているのが、いいと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2013-10-08 09:37:51)
3.  商船テナシチー
なんか山本周五郎の世界よ。人間が描けている、ってこういうのを言うんだろう。お調子者だが現在をいとおしむ男と、いつも自分で決められない男、そしてドキッとするような恋する女の残酷。「彼女笑ってたか」って手紙を託された男に尋ねるんだよなあ。まだ踏ん切りがついてない、っていうか、風景に別れたくないっていうか、つまり後ろ髪を引かれる思い。夢と今いる場所と。人生は厳しい。すべてのエピソードが厳粛な出発につながっていく。それは友情の限界であり、本当の人生の始まりであり、故郷を捨てることであり、記憶の一つの段落であり…。デュヴィヴィエって、情感過剰気味でクレールやルノワールより一段低く見がちなところがあるけど、やはり名を残す人だけのことはありますな。キモのところで日本人の好みとうまく重なっているのか。
[映画館(字幕)] 8点(2012-10-19 09:55:44)
4.  白雪姫
動きの滑らかさには圧倒される。この丁寧さがアニメーションにとっていいことだったのかどうかは分からないが、とにかく「すごい」と思わせられる。特に白雪姫の動作・表情は完全に役者のそれで、動物たちと絡むシーンで面白い。あと、井戸の底の波紋とか小人たちの洗濯シーン、魔女のリンゴに垂れる液、眠った姫のまわりの雨および涙とろうそくの涙、など水・液のイメージが鮮烈。固いものより柔らかいものを描くときにアニメは独特の味が出る、継母のマントとか(『くもとチューリップ』の波紋や、『話の話』のテーブルクロスや、アニメにおける柔らかいものの表現ってのは研究に値する)。そうか、小人の家の掃除を見て今になって気がついたんだが、『略奪された七人の花嫁』の前半はこのパロディだったんだな。あと小人たちのダンスシーンなど見せ場があるのだが、どうも締めの取ってつけたようなハッピーエンディングへの移行が少々物足りない。ま、あえてアニメで見せる部分がないので、これでいいのかも知れないけど。
[映画館(吹替)] 8点(2011-05-24 09:53:22)
5.  女学生と与太者 《ネタバレ》 
昭和ひとけたの邦画はギャングやヨタモノが跳梁していて嬉しい。アメリカ映画の影響か。でも冒頭の夜の街の移動から宝石泥棒に至るタッチは、ドイツ映画の『アスファルト』を連想させられる。ビビッてる阿部正三郎の前のテーブルにカッとナイフが刺さったりする。話の本筋は、水久保澄子を姫として、与太者三人組が騎士道的に仕えるという話。そこにO・ヘンリーが重なったりするのだが、どこか日本的なものもあって、そのチグハグ具合がおかしい。ラストの金庫あけなんかまるっきりイタダキなんだが「きれいになって出直さなくちゃならない」なんてとこは、任侠もの的な日本の匂いがする。みんな元気よく走る。走るだけでなく、電柱に上ったり、終わりのほうでは自転車で東京へ疾駆する。これに水久保嬢の洋裁学校でのいじめが絡み、ここの女教師で洋服姿の飯田蝶子が見られるのも珍しい。とにかく戦前の町並みが映るだけで嬉しくなってしまうもので。
[映画館(邦画)] 7点(2011-05-19 09:56:14)
6.  支那事変後方記録 上海
戦争の日常とはこのようなものであろうか。兵士の顔の表情など実に新鮮である。つまりごく普通の表情をしている(ドラマの戦争の役者の気合いが入り過ぎている表情との違い)。だからその普通の顔との対比で、いくつかの場面がさらにショッキングになる。川下りで延々と廃墟を見せる場面、市街戦のあと。無神経に万歳を叫びつつ行軍する日本兵士を見つめる無言の顔の列。なるほど、これが戦争なんだな、と納得がいく。これ、亀井文夫は編集だけのようで、そこで彼のモンタージュの代表作ってことになってるらしいんだけど、撮影・三木茂の視点も素晴らしいんじゃないか。抗日運動に対する態度も非常にクールで、よく軍が許したなと時に思うほど公平な立場だった。
[映画館(邦画)] 7点(2010-01-18 09:30:40)
7.  ジェニイの家 《ネタバレ》 
新派悲劇のような風俗ものに、ふと古典劇の奥行きが見えたりする。なにげないものに格調が寄り添う。詠嘆なり、失意なり、幻滅なりが、ひときわ味わいを持ってしまう。ラストでフランソワーズ・ロゼーが、娘が見舞いに来たのを隠れて見知らぬ他人のとこに座る、アメリカ映画だったらもしかするとギャグにしてしまうようなところ、こんな些細なところにも「私は誰も見舞いに来ないんです」と患者に言わせて、ある種の人生の翳りを付け加えていく。やはりシャンソンの国である。母の店の秘密をカーテンの隙間から覗いてしまう娘のアップ、見ないほうが良かったものを見てしまうときのアップ、そういう大事な部分が情緒に流れずしっかりと描かれるのが古典的。街の小悪党さえ司祭の崇高を帯びる。カルネのデビュー作。
[映画館(字幕)] 7点(2009-01-10 12:15:55)
8.  人生のお荷物
斎藤達雄に吉川満子という「生れてはみたけれど」のゴールデン・コンビ。そう思えばあれのアンサーみたいな映画でもある。子どももつらいが、親であることも大変、って話を別サイドから照らして。失敗で出来ちゃった末のせがれ、なんとなく父親としては鬱陶しい。別にそれで子どもがいじけてるわけではなく、すすきを帽子に挿して乃木さんになって遊んだりしてる。松竹の小市民映画だから、深刻にはならない。娘をすべて嫁がせ、やれやれと思う父親の視線になったカメラが、のんきに眠ってる息子に寄っていき、ああまだあいつがいる、というガックリ感になるところがおかしい。で、小僧にでも出してしまえ、となって別居騒動になるのが本筋だが、斎藤達雄は、なにかクサってる風情が実に似合いますな。ブツブツぼやきながら、でもけっきょくそんな程度の不満で日々を送れている新しい階級として、斎藤達雄に代表される小市民が発見されたのが、この昭和最初の10年なのでしょうか。
[映画館(邦画)] 7点(2008-02-12 12:26:32)
9.  純情二重奏(1939) 《ネタバレ》 
高峰三枝子‐万城目正コンビの記念すべき第一作、らしい。つまんなかったね。戦後の高峰の歌謡メロドラマと比べてもつまんない。レコード会社を舞台にしているとこなんか同じ筋で、ああいうのの原型はこれか、という得心を得られるのだけが意義。ストーリーとしての大筋は「親の心子知らず」から和解へ、というものだけど、つまりはレコードを売る目的の映画。ラストで三番まで歌ったのを二回繰り返したのにはまいったね。とにかく映画の観客の脳に歌を刷り込んで帰りにレコード買わせよう、という魂胆がアリアリ。それまでにも湖畔などで主題歌は十分聞かされてるのよ。でもまあ、ラストということで一回は許されるよね。丸メガネの霧島昇もいいしさ。でも終わったとこでアンコールって言う奴がいて(坂本武だったか)、人々の合唱も加わり、「あたしも歌わせていただくわ」という令嬢もはいり、斎藤達雄のくさい表情もあるし、客が順々に立ち上がる感動シーン極めつけの演出もあるから、まいいか。ここで指揮していた斎藤君が、うっと胸を押さえると、すぐ墓のカットになるのは、笑いを通り越してただただ唖然。
[映画館(邦画)] 5点(2011-04-21 09:54:38)
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