21. スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
はっきり言って誰にでもおすすめ出来るという作品ではありません。が、狂気に侵され、その狂気の罠に捕らえられた者の孤独と絶望を、ここまで冷ややかに凝視した映画もないでしょう。一切の感情移入を拒みながら、人格崩壊の手前でふんばるかのように過去の再現に向かう主人公の姿は、やはり悲しく、痛ましい。その上で、やっぱりおぞましい…。クローネンバーグ、恐るべし。 10点(2003-05-26 16:38:00) |
22. ストーリー・オブ・ラブ
結婚している者には、ある胸の痛みをともなわずには見られない作品でありましょう。『恋人たちの予感』のその後、といったロブ・ライナ-監督の極私的映画。アメリカじゃ不評だったというけど、ウディ・アレンの自己弁護映画なんぞよりよっぽど誠実な作品だと思うぞ。 9点(2003-05-26 16:18:49) |
23. スチュアート・リトル
脚本にあった白人社会階層(WASP)への愛憎こもごもな偶意性を、監督が者の見事に漂白化。その政治的(?)駆け引きが透けて見えるあたりこそ、本作の妙味ですな。現代ニューヨークを舞台にしていながら黒人がほとんど出てこないとか、あの模型の船の船名(スズメバチを英語にすると…)とか、スチュアートがなぜ白いハツカネズミでなければならないとか…。ファミリー映画としちゃ申し分のない出来映えである一方、深読みしようとすればどこまでも意味深な、このあたりさすがM・ナイト・シャマランが関わっているだけのことはありますね。もっとも、パート2では脚本にブルース・ジョエル・ルービンを持ってくるなど、製作側が狙っているフシもありそうだけど…。 7点(2003-05-26 16:09:27) |
24. スクリーマーズ
我が心のジェニファー・ルービン様が出ているだけで、もう文句なし! 珍しくハダカの場面がない(背中だけは見せてくれるものの…)けれど、いつもは悪女役ばかりのルービンがまっとう(?)な役柄で出演しているのも新鮮だったです。映画としても、こういうB級作品でありながらP・K・ディック原作ということでダン・オバノン御大がしゃしゃり出てきたりと、かなり贅沢なスタッフ陣がなかなか。どうぞぜひビデオあたりでご覧になって、ル-ビン様にハマる御仁がひとりでも増えますように。 7点(2003-05-26 15:25:09) |