21. SPACE BATTLESHIP ヤマト
《ネタバレ》 さて、小学生の中学年の時に本放送を観た、ど真ん中のヤマト世代として、それが、CGとはいえ、実態のあるモノとして描かれる、このヤマトは、思ってもいなかった夢が突然現実になったような、不思議な感覚である。多くの人が言うように、惑星大戦争などの東宝SFテクノロジーで、模型を作られるのなら、一も二もなく太反対で、絶対見なかった自信があるが、何しろ、CGだ。本質的には絵だが、コンピュータが計算した物質の見え方や、モノの運動がそのまま見られるのだから、ある意味実写である。これは観ずにはいられない。 世間では、宇宙戦艦ヤマトというのは、「愛の物語」とされているようだ。実際に作った人のうちの一部もそのように言っている。しかし、地球がほとんど滅びかけたうえに、相手側をも星単位で壊滅させておいて、今更そんな事言ってほしくない、というのが当時からの私の「ヤマト観」だ。そういう意味では、今回例のセリフが無かった事は幸いだ。そのかわり、古代と雪が船の中でとんでも無い事しでかしてくれたが… 古代と雪が愛し合う仲になっていくのは、いいよ別に。でも、そこに到るまでの、二人の心の移ろい等を、もうちょっと感情移入出来るように描いて欲しかった。そういうふうに全然見えなかったので、ラストで子どもが出るまでは、あの展開から「そうなった」とは、全然思わなかった。むしろ、いきなりキスはひどいだろ、とさえ思ったものだ。 いや、原作でも二人は心で通じ合っていたから、しょうが無いけど、ヤマトのプロジェクトがどれほど重大かを考えると、もっとソレは脇においておいていいと思う。 それよりも、今回コスモクリーナー周りの設定に一工夫したのだから、そちらを膨らませて、元々持っていたスターシアの善意の不自然さを、巧く解決するような仕掛けでも、考えたほうが良かっただろう。そして、それに関連して、原作が持っていたもう一つの側面、「鉄の信念の男、沖田十三」の生き様を見せて欲しかった。 あと木村拓哉、地球最後の船に乗って「もっと気楽にやんねぇ?」はねえだろ! 役者のつもりだったら、古代を自分流にするんじゃなくて、自分を古代に合わせろ。 リアルなヤマトのビジュアルに7点。放射能除去装置の新解釈と、地球人に希望を持たせてくれた沖田さんの新解釈に3点。擬音でしか演出してなさそうで、しかもキムタク節を許した監督に-5点。 合計で5点。 [映画館(邦画)] 5点(2010-12-20 19:23:19)(良:2票) |
22. スーパーマン リターンズ
《ネタバレ》 最初に描かれる活躍の、ジャンボ機の鼻っ先を受け止めるシーンは、その機体の波打つ描写を含め、ワクワクしながら見た。 数年ぶりに邂逅した、心通わせた男女の飛行シーンにもウットリした。 だが、あの子供が悪漢にした事を見た途端に、とても嫌な気持ちになった。『マンハッタンの怪人』とその舞台作品『Love never dies』を思い出さずに入られなかった。 少なくとも私としては、スーパーマンにこういう展開を求めてはいないのだ。このストーリーが続かなかったのは、幸いである。 [DVD(字幕)] 4点(2014-05-02 13:13:46) |
23. スーパーマン4/最強の敵
《ネタバレ》 本作の2年後に日本ではゴジラがクローンされるが、さすがバイオテクノロジー先進国、本作でヒーローのクローン誕生である。クローンのわりには性格と頭の良さが本家と段違いだが。 ただし、スーパーマンの遺伝子から作られた、同じ力を持つ相手なのだ。強いわけだ。 クローン羊の登場までは、もう十年ほどかかるのだが、当時はバイオテクノロジーなんてモノが、人々の期待と不安を煽っていたんだっけ? さて今回は、ロイス・レインよりも美しいヒロインが登場するが、あまりたいした活躍をしないのが残念だ。スーパーマンにしても、ロイスに対して都合のいい時だけ正体を明かし再び記憶を失わせて、なんだか自分勝手な感じ。 それだったら、ボンドガール的に毎回新たなヒロインとのロマンスを描いてくれた方が、楽しかった気もする。 [DVD(字幕)] 4点(2014-03-25 22:19:31) |
24. スチームボーイ STEAM BOY
《ネタバレ》 ぜんぜん感動しないですね。蒸気機関をパラダイムとする世界の「画期的な技術」(おそらく原子力級の?)の使い道が、城を飛ばすことって、陳腐すぎるじゃないですか。いや、マジで千年女王とか思い出しちゃいましたが・・・見ている間中、「ああ、あんな事しちゃ国際問題になるなぁ。補償額は何兆円になっちゃうんだろう?いや、戦争になっちゃうかも・・」なんて事ばっかり、考えちゃいました。 4点(2004-07-24 08:27:45) |
25. スーパーマンIII/電子の要塞
《ネタバレ》 そもそも地球の周りを飛び回っただけで、時間が戻っちゃう世界観なのだから、今更「最強のコンピュータ」が軍事施設の事だったり、気象衛星(普通は観測しか出来ないはず)が気象をコントロールしちゃったり、海上に流出した液体を息で戻したりするのは、もう受け入れるしかない。 というか、そういう部分を笑いながらツッコむ以外に、この映画の楽しみ方がわからない。 スーパーマンには、ヒーローとしての魅力ともう一つ、ヒロインとの関係という見せ場があるはずだが、本作にはその部分が全く描かれておらずガッカリ。 本来ならデビルマン級の評価になるはずだが、只々クリストファー・リーブの凛々しいスーパーマン姿に3点である。 [DVD(字幕)] 3点(2014-03-25 22:19:04) |