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マーチェンカさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 206
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/22117/
年齢 43歳

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1.  スカイ・クロラ The Sky Crawlers 《ネタバレ》 
押井作品に関しては、『天使のたまご』は見ているものの『ビューティフル・ドリーマー』は見ていないという中途半端なフォローしかしていませんので、この作品にコメントをするのもおこがましいとは思うのですが、あくまで「この作品を見た限りにおいて感じたこと」として、レビューをさせてもらいたいと思います。  まず個人的な感想として、「明らかにこれまでの押井作品と比べて、前進しようとする『意志』は強く感じられる」と思いました。誰しも「日々の生活の『ループ感』」と言うのは、程度の大小こそあれ感じることだとは思うのですが、「それを耐えられるようになってこそ大人なんだ」という風にばっさりと切り捨てるのではなく、ドン・キホーテ的な無益さを承知の上で「そうではない」とはっきり言っているところに、押井監督の「真剣さ」といったものを感じました。この点に関しては、僕は何も言うつもりはありませんし、無条件で敬意を表したいと思います。  しかし僕が気になるのは、そういう「ループ感」に捉われている人々の描写と言うのが、あまりにも「その状況に耽溺しすぎている」という風に見えてしまい、それがまた劇中BGMの切なさも相まって何とも甘美に感じられてしまう点です。具体的に言うなら、前~中盤のそういう「状況に捉われた」描写が、「結局は何をやっても負け戦になる」という前提になっているように見えてしまい、それゆえに終盤のあの展開に否応なく「敗者の美学」みたいな、何か危険な「甘さ」のようなものが付いて回るように見えてしまうのです。  ここからは完全に(未経験な若輩者である)僕のわがままになってしまうのですが、せめて映画の中では(と言うより現実をはるかに飛び越える可能性もある映画の中だからこそ)、そういう「甘美さ」を抜きにして、「敗者になること」を前提とした勝ち目の無いものではなく、せめて拮抗しているか、あるいはそういう「勝ち負け」をポンと飛び越した状況を経た上で、「人間性の勝利」みたいなものが垣間見える瞬間を見てみたいのです・・・と言うより、今現在の僕の個人的な嗜好として、製作者自身も「何とかそういう方向を手放さずに格闘する」ような作品をより多く見てみたいと思います。  (とは言え、こういう種類の「甘さ」と言うのは、僕が見てきた数少ない押井作品の数々(とりわけ『天使のたまご』)の中からも感じられた、言ってみれば「押井作品の持ち味」と言っても良いものなのかもしれませんが・・・)  そういう意味では、この作品は僕にとって「決して駄作ではないが、かといって無条件に礼賛するのも危険な作品である」という位置づけになります。  しかしそうは言いながらもこういう「甘美さ」には、個人的に抗いがたい魅力を感じますし、また最後まで見てみれば、この作品が決してそういう風に「耽溺する」つもりで終わっているわけではない事も窺えます。従って僕自身は、この映画に備わる「甘美さ」に関しては、ごくたまに味わう高級なお酒みたいなものとして捉える事にし、ラストに存在する「前進する意志」だけを、極力心に留めておきたいと思いました。   そういう「前進する意志」という意味において、ラストでスイトが煙草を吸わなかったシーンが大変力強く印象に残ります。それまでの「日々のルーティン」から意識的に抜け出し「煙草を吸わなくなった」上司として、この後新たにカンナミの後任に就いた人物に対して、彼女が一体何を言おうとするのか、想像したくなります。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2010-08-17 00:30:53)(良:3票)
2.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 《ネタバレ》 
「陳腐なところや書き込みの足りないところなどが多々あるが、それでもスターウォーズ・ファンである自分にとっては、基本的にはこのEP3という作品は”キズは多々あるものの『基本的には』宝石である”」というのが、初見当時の僕のこの作品に対する基本的なスタンスでした。そこから月日が経った今の自分からはもはやかけ離れた感想となっている、と一言だけしておきたいと思います。  最近見直して、アナキンがオビワンに対して、並々ならぬ配慮や熱情を吐露しているところが印象深く感じました。それは「私の運命は彼(オビワン)と共にある」という意味合いのセリフを、数回は話しているという点や、またオビワンに対して(恐らく内面には自己否定すれすれの自己犠牲感も手伝っていたであろうとは言え)、ジェダイ騎士としての自分が取るべき道を基準とした心情(=自分はこれまで傲慢で感謝の足りない態度を示し続けていた)の吐露を、極めて率直に行っていた事からも窺えると思います。暗黒面に堕ちる直前まで彼が真摯に葛藤し続けた事の証左として、僕自身の中で極めて鮮烈に印象付けられつつある部分です。  そしてこの作品に存在する問題は、この自己犠牲感を引き換えとした「義務への奉仕」と、それに対する根源的な「自分自身の奥底に燻ぶる気持ち」との根深い葛藤にあるのだと、最近になって改めて思い至った次第です。  並み以上のジェダイ騎士からしても雲の上の存在であるヨーダからは、下手をすれば説教にも響きかねない助言を投げかけられる事にもある程度納得できたかもしれませんが、自分が長年接してきて、かつ信頼も寄せていたオビワンからもそのような説教じみた助言を与えられた時、アナキンにはどこか煮え切らない、もう一歩親身になった事を言ってほしいという気持ちが残らなかったとも言い切れないと、今は思うのです。そしてこのEP3の悲劇性は、長い目で見ればヨーダやオビワンの言うことは圧倒的に正しく、その一方でどこにも片づけることのできないアナキンの葛藤も決して無視されるべきではなかったという、この解決の図りにくい二項対立にあったのではないかと、今は強く感じます。  こうして見ると、ジョージ・ルーカスは「ハリウッド的大作映画」というガチガチに固まった枠の中で、彼の考える最善の方法で自分の信じることを、このEP3という器の中に盛りきったのではないかと、最近では思います。
[映画館(吹替)] 10点(2005-07-15 18:49:05)
3.  スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 《ネタバレ》 
この夏にいよいよ公開される『シスの復讐』に備えて、久しぶりに見返してみたのですが、全く自分でも思いがけないほどに面白く見ることができました。映画館での感動と衝撃がよみがえったと言っても良いほどです。  さて今回見返して、やはり過去の三部作との強い関連を改めて感じました(既に多くのレビューが投稿されているので、僕がこれから指摘する点なども、ファンの方には先刻承知の事ばかりでしょうが、その点はどうか許してください)。ナブーでの朝に、アナキンがテラスから湖を眺める時の彼の姿勢などは、明らかに旧三部作のベイダーの姿に重なります。そして特に強く感じたのが、全体的にこの新三部作が旧三部作の「ネガ」になっているという事です。  旧作との関連を楽しみつつ鑑賞するというこの点は、物語内の時系列が逆転した形で製作が開始されるという、極めて異例な道を辿っているこの『スターウォーズ』だからこそ味わえる魅力だとも言えるでしょうが、その一方でこの先に続くであろう物語の内容を、観客にある程度予測させてしまうという弱点もあります。  しかしこの弱点も、恐らく『スターウォーズ』ならではのやり方で克服されるのではないかと、僕は思って(と言うか期待して)います。そもそも「暗黒面」というのは、全てを思いのままに予言(ひいては支配)しようとする欲望と強く結びついているのであり、その予言を可能にするのは、自分でも制御できない「憎しみ」であり、「悪」の力ではないかと僕は思います。そして「自分でわかっていてもその力に身をゆだねてしまう」という事は、恐らくEp3のアナキンも強く感じるはずだと思うのです。  言ってみれば、「どうなるかわかっている」のは、観客とアナキンの共有事項ではないかと僕は思っています。後はその「わかっている」事をいかに描くかが重要だと思うのですが、僕はEp3においては、それは「わかっているが故に悲劇的になるしかない」という風に描かれるのではないかと感じています。  こうなっては、いやが上にもEp3がいかなる「悲劇」となるのか、強い期待を抑え切れません。それはともかく、このEp2も、単独で見て十分鑑賞に耐える傑作であり、またEp3へ接続するという大役をきっちり果たしていると僕は思います。
[DVD(字幕)] 9点(2002-07-17 18:11:03)
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