1. スタンドアップ
《ネタバレ》 社会派・問題提起ドラマとしては抑え気味な演出で、決して扇動的な内容ではありません。それがかえってリアリティを感じさせます。作品の構成は、裁判と鉱山そしてジョージーの過去が交錯しながら進んでいき次第に裁判の比重が大きくなりますが、決してわかりにくいことはなく無駄なシーンもありません。ジョージーと父、また息子との理解しがたい関係も、ドラマが進行するにつれてその理由が明らかになってきます。シャーリーズ・セロンはレイプ・DV・セクハラの被害者であり、その中で闘いながら生きている姿を決して演技過剰にならずに好演しています。フランシス・マクドーマンドの、ストーリーのもう一方の中心となるほどの力強い演技もいいです。最後のテロップをみると、原題のNorth Countryにもそれなりの意味があるみたいですが、日本語題名のスタンドアップも作品の意図に沿ったいい題名だと思います。不当な扱いに「立ち向かう」というのは、まさに「起立する」ことなのですね。最後はほんとに泣いてしまいました。今ではセクシャル・ハラスメントは日常語になっていますが、この作品の舞台は1989年、和解が成立したのが1998年。ほんとつい最近のことなんですね。 [DVD(吹替)] 9点(2007-02-12 20:45:18)(良:1票) |
2. 砂と霧の家
本質的な意味は私にはわかりませんが、作品の構成には隙がありませんし、映像も美しく良い作品だと思います。伝統的な威厳をもった国(社会)と、歴史は浅いけれど世界の警察官に成り上がった、ややはすっぱなアメリカ社会とを比較した作品なのかなあ(前者の代表がベラーニ大佐で、後者の代表がレスター警官ですよね)。その中に家族の関係も入ってきて、国家・文化と家族の関係を融合させて深みのある、美しい作品に仕上がっていると思います。 [DVD(吹替)] 8点(2007-11-04 12:42:50) |
3. スイミング・プール
《ネタバレ》 私はこの作品、肯定的に鑑賞しました。どこまでが現実でどこまでが小説の世界か、観る人によって受け取り方が異なるかもしれない曖昧なラストですが、こういう作品が成立する(曖昧さが許容される)のがフランス映画のいいところかなと思います。シャーロット・ランプリングはいつも通り冷たいインテリ風なんだけど、時々すごく可愛い感じのシーンがありました。一人で昼食にでてガツガツ食べて満足げな表情をするシーンや、冷蔵庫のフォワグラやワインを盗み飲みするシーンの表情は面白かったなあ。気むずかしい女から、次第にジュリーとうち解けていく過程の表現は、さすがに長年生き延びてきた女優さんですね。ランプリングの一人芝居みたいな感じでもありました。 [映画館(吹替)] 7点(2007-01-21 12:09:00) |
4. スウィート・ノベンバー
感動の秀作になったかもしれない作品。最初飛んでいて後にシリアスになる、シャーリーズ・セロンの演技はいいですよねえ。エンヤの主題歌もとってもきれいで情感がありますよねえ。でも、構成が練れてないなあ。個人的には、ストーリーのリアリティのなさは、心の動きにリアリティがあれば許しちゃうんですが、この作品は構成が緻密じゃないから、キアヌがミスキャストになってしまってる。わたしは、キアヌ大好きなんですが、彼の演技はわりと一本調子なので、その特性を生かした構成にしないとミスキャストになってしまう。サラの気持ちがどんどん動いているのをセロンがうまく演じてるのに、それにキアヌがついていってないような気がします。これはキアヌの責任というより演出が悪いんでしょうねえ。上手に作れば、主題歌と合わせて大泣きできる作品になったのに。ほんと残念です。 [DVD(吹替)] 6点(2007-07-14 15:09:44) |
5. スプリング・ガーデンの恋人
ピタッと決めて、しかめっ面が多く、つんとすました役が多いコリン・ファースが、この作品ではやや乱れ気味で疲れた感じで、ちょっと好印象。でも作品の方は全然つまらなかったです。ラブコメにしても盛り上がりどころが全然感じ取れなかったです。 [DVD(吹替)] 3点(2008-11-23 19:30:30) |
6. ステップフォード・ワイフ(2004)
コメディーとしても、謎解き物としても、全く面白くない作品でした。本作がリメイクで、リメイクされるくらいなんだからオリジナルは良かったのかな?オリジナルがみてみたいです。 [DVD(吹替)] 3点(2006-12-22 22:01:17) |