2. スカイ・クロラ The Sky Crawlers
《ネタバレ》 原作は未読。ただ、時代背景など設定やストーリーはチェックしてました。全ては語られずに終わって行く内容でしたが、予備知識のお陰で(本筋もしっかりしてたし)足りない部分はすんなりと、自分なりの解釈をしつつ見れました。与えられる情報だけに納得するのではなく(過去の押井作品では、小難しい世界観に自分は追い付けなかったです…画だけ楽しんでたかも?)、“考える”ことのできる作品でした。必然と各人最後に残る思いも強く、そして様々かと。個人的には「草薙」「ジンロウ」「人形」「オルゴール」「バセットハウンド」…、たまたまでしょうが押井カラーが散りばめてあったような?川井音楽ももはやしっくり、すばらしい。声優陣は、加瀬亮はとっても良かったと思います、無表情な感じが。あと榊原良子さん、貫禄ですね。(南雲隊長が懐かしい) そして、特筆すべきドッグファイト。映像は圧巻。冒頭では、キルドレと言う存在は抜きに、残酷な戦争のほんの一瞬でも、痛烈に描けていたと思う。そして“それ”だけじゃなくて良かった。「ショーとしての戦争」は、自分には共感できなかったです。請負企業があっての、あくまで“ショー”でしょ?と言う感じにしか受け止められなかった。モニターの中の出来レースを見て、自分のポジション、つまり“平和”とか“安全”を改めて確認できるのかな?と。(自分の身に降りかかることが無いと分かっての戦争(ですよね?)があって、人が死んでいると言う事実だけでいいの?)せめて、平和に浸っている世界の日常が欲しかった。キルドレが何の為に戦って、不条理に生を繰り返しその意義に葛藤をしているのか?その存在がもっと、悲しいけどこの世界には必要なんだって言う、比較対象があればなと…。監督は(「言ってしまった…」と言う表現をされていたが)「若者に伝えたいことがある」と仰ってたましたね。この現実で、薄らいだ“命”の重さについて、でしょうか?映画が終わって退館する際、同じ回を見た大学生位の方でしょうか?10名程が盛り上がってました。「帰ってエースコンバット(ゲーム)しようぜ!」だって。色んな受け取り方があって当然、悪いことじゃない、と思う。けどさ…、そんな見方はね…。この映画にはもったいない。 [映画館(邦画)] 8点(2008-08-19 18:22:19)(良:1票) |