1. スワロウテイル
岩井俊二監督作品の鑑賞歴はどうやらこれが初だったらしく、先日鑑賞した「新しい靴を買わなくちゃ」 (2012) はプロデューサー扱いであった。ということでよいスタートは切れたらしい。 冒頭部で画面を止めて字幕の設定をいじり直すという失態を犯す。同じナレーションを二度、一度目は英語字幕で、二度目は日本語字幕付きでという細工が挟まれていたのだが、当の自分が本作が公開された頃の自分とは言語聴解力の面で別の人間になってしまったので逆に混乱した次第。ただこのバックグラウンドは「移民」とはいったいどういった意味の言葉なのかという部分を理解するにおいて大きな影響を与えていた。今観るからこその深み、重み。一方で「日本/円」の力が時の流れとともに「中国/元」と入れ替わっているという現実を背景に鑑賞しているのもまた皮肉である。この辺りは先日鑑賞した「LOOPER」にも通じる近未来の世界観だ。 三上博史が自分の記憶以上にいい役者で、渡辺篤郎にいたってはモノマネ先行でようやく本人に出会えた次第。Charaについては数年前にこの街にきていたときの映像を拝ませてもらっていたが、そのカリスマ感が存分に保存されているのが本作だということがよく分かった。 当然その後の伊藤歩の活躍ぶりも気になった次第。 [DVD(字幕)] 7点(2014-04-21 11:17:44) |