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1.  すずめの戸締まり 《ネタバレ》 
 自分的には日本アニメを再発見した「君に名は」を超える傑作。出世作を超える作品、なかなかものにするのは大変と思われますが見事成し遂げてくれました。制作サイドも喜んでいることでしょう。小隕石の落下、異常気象に次いで再び天変地異、地震を取り上げその危機に対処する姿をボーイミーツガールに絡ませる王道展開もばっちりはまっています。更に好みのロードムービーなところも素敵です。唯一気に入らないのは彼氏が異常なまでにイケメンだってことだけですが、まあ、椅子になったりしますので、ざまあ、的にメシウマ感を味わえます。  「天気の子」で最大の失敗だと思ったのは主人公よりルックスが魅力的なサブキャラを出してしまったところですが、今回はそのようなこともなくそれぞれに魅力的ながら主人公を超えない程度のルックスがサブキャラには与えられています。そんな感じでちと主人公が美人すぎるきらいがあり逆に個性を失ってはいますが、全然、よろしいです。  いきなり猫を追ってフェリーに乗ってしまい、運賃はどうするのって心配していた自分でしたが、今時はスマホがあればそれなりの金額は使えるようになっているのですね。なるほどって感じ。でもなあ、若い女の子がヒッチハイクで移動するって事をおしゃれな冒険的に描くのは少し嫌な感じですね。それで、次の展開につながる出会いになったりするので物語的には必要なんでしょうが。あと、椅子の脚が三本だったことの説明があると思ったんですがそれはありませんでしたがこいつが走り回る姿は傑作であります。
[映画館(邦画)] 9点(2022-11-23 18:09:49)
2.  頭上の敵機 《ネタバレ》 
 うまくいっていない部署に単身乗り込んで立ち直らせる。それがどんな困難か、あきらめたことのある身にはグレゴリー・ペックに物凄い憧れを感じる。しかし、その改革の功罪を一身に背負うとなれば、そのストレスたるや想像を絶する。落伍する僚機を援護するため編隊を崩した機長を叱責する、怒る方も辛いよな。  それでも理由とかきっかけではなく何故か急に改革に共感が集まり方針は徹底され士気は上がる。だが過酷な任務に損害が出て、戦死者も増える。「それが戦争だ。」そう言い捨てるけれど心は愛する部下へ哀惜の念と自分が信じて鍛えてきた方針への疑念に苛まれていたはずだ。この映画のこの描写の当否に部下を死地に送り込む命令を出したことがない我々はコメントする資格はない。なぜなら、そのストレスの過酷さを知らないからだ。逆に戦争の記憶がまだ生々しい時期に制作されたこの映画にその精神状態を学ぶべきだ。  敢えて「メンフィス・ベル」と比べると当時の雰囲気が分かって面白い。爆撃機が進入してくるシーンの荒々しい操縦に驚くし、被害を受けた航空機の救助に向かう地上要員の緊張感に共感する。乗員の負傷だってちょっと場所が違う。全く学ぶべきところが多い名画中の名画だと思う。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2021-05-23 16:33:31)(良:1票)
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