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1.  THEM ゼム(2006) 《ネタバレ》 
「そうか、実話なのか」と知って観たら、それなりに面白い。知らずに見たら、退屈。  あのキッズはストリート・チルドレンかと思ったのですが、ラストで学校(家?)へ行くバスに乗っているように見えたんで、ちがうのかな。いわゆる不良(死語)?放置子? 何人かやり返されて死んでますが、特に騒ぎにならなかったようだし、いろいろな環境の子が混ざってるのでしょうか。 「命の大切さ」なんてものは、自分の命を大切にされた経験がなければ理解できないものだから、彼らは大切にされたことがない子達なんだろう。 獲物の命も仲間の命も自分の命も、ぜんぶがとても軽い。彼らにとっては。  それにしても、ルーマニアの田舎には、子どもが夜遊びする繁華街がないのか。そんであんな遊びを思いついたのか。 彼らにとっては、「秘密基地を作る」の延長上にある遊びだったのだろう。これだから、子どもはコワイのです。  「小人閑居して不善をなす」というけれど、居場所がなく頭が悪く刹那的で刺激を欲しがるお子ちゃま達を集団で放ったらかしておくとロクな事になんないのは、万国共通ですねぇ。 
[DVD(字幕)] 4点(2014-12-18 18:25:52)
2.  セント・オブ・ウーマン/夢の香り 《ネタバレ》 
超エリート校に奨学金で行く…というのはツライのかもしれない。 知人(庶民)の息子がお坊ちゃま中学へ進学し、「X’masプレゼントはヴィトンの財布がいい。だってみんな持ってる」と息子に言われて知人(父親)はのけぞったそうな。男子だってそうなんだ、しかも日本で。そりゃアメリカのエリート校はもっとそうだよねぇ…こりゃツライわ。 そんなエリート校の校長は、絵に描いたようなイヤなヤツ。対するパチーノは、ハチャメチャ型破りで盲目の元軍人。しかも超がつく女好き。この女好きはスバラシイ長所で、ほとんどすべての女性の美点に気づくことが出来るという、真の女好き。 そして相棒になるエリート苦学生は、貧乏に負けない健やかな資質と自尊心の持ち主。その2人が(自殺前の)やりたい放題の旅に出るのだから、面白くならないわけがない。 友情というものは、年齢より何より、自分が持たないスバラシイ美点を相手が持っていると認めた時、生まれるのかもしれない。同じ立場だの共感だのという甘ったるいものを求める人間には、真に尊敬できる友人は出来ないのだと思った。そんなラスト。 ただ、演説の説得力がイマイチだったのと、大金使い過ぎたのが心配です。2人に幸あれ。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-15 21:28:50)
3.  世界侵略:ロサンゼルス決戦 《ネタバレ》 
完璧アクションもので、宇宙人による地球侵略モノなのに、ベタになりすぎず、なかなかよかったです。 一軍人を主役に据え、ストーリーを局地戦に限ったこと、人間ドラマをあざとすぎない程度に描いた(故国愛・家族愛よりも軍人同士の友情や仲間意識を強調して描いた)ことが、ベタ脱出の秘訣だったのかもしれませんね。  一歩間違うと「アメリカ軍バンザイ映画」になってしまうのですが、まあその匂いは漂ってはくるのですが、ギリギリで踏みとどまっている感じがします。 なので「またプロパガンダ映画か。白ける~」とならずに、最後まで楽しく鑑賞できました。 ただ、ラストシーンだけはダメ。食事もとらず、不眠不休で闘い、傷だらけで帰ってきたのに、またすぐに出撃!!ってのは、「オレたち海軍は不死身だぜ!」「アメリカ軍は不死身だぜ!」をアピールしているとしか感じられず、残念です。  まあでも、ほんとアメリカ人て「戦い」が好きよね…。 いや、日本人もかなり右翼化してきてるから戦い好きな若い子は多いと思うけど、でも実際に「自分が血を流す」となったら、尻に帆をかけて逃げ出す子ばっかな気がするわ…。いや、それでいい、逃げていいんだけどさ(苦笑)。  そーゆう余計な事を考えないで見るなら、懐かしの「宇宙戦艦ヤマト」なんかと一緒で、アクションは迫力あるし、人間ドラマもあるし、いい作品になるんだと思う。でも未来の話じゃないし、ヤマトなんかと違って実際にアメリカ海軍は存在しているわけで。 だったら、作品を完全SFにしてしまうか、せめて世界中の軍が戦っている場面や、他国と共同戦線を張るなどのエピソードが欲しかったなぁ。そしたら、「アメリカ軍バンザイ臭」が薄れて、もっと素直に観れたのかもしれない。でもそしたら、ベタになりすぎて、面白さと質が落ちる…と。ううん、難しいです。
[地上波(吹替)] 5点(2014-03-13 17:36:12)
4.  戦場のピアニスト 《ネタバレ》 
どこにでもある幸福な一家の一員だった主人公。それらが徐々に、淡々と、だが確実にジワジワと暗い運命の方向へ流されていくのが見ていてつらかった。そして家族との別れ。列車に荷物のように詰め込まれて虐殺の旅に出た家族から、一人取り残された主人公の絶望と孤独。これが現実にあったのだと思ったとき、あまりの残酷さに思わず号泣‥(一人で見てよかった)。その後の、アンネのように主人公が隠れ住むあたりから、ようやく彼に焦点が集まり、感情移入できるようになった。彼がピアニストだった事はあまり意識せず(重要には感じなかった。なぜか?監督の意図?)、それからの彼の生き抜く過程に「私だったら同じ事をするだろう」と、強く感情移入をして見た。しかし、ラストで思ったのは、やはり彼は神様に愛されたから生き残れたのではないだろうか?という事。彼がというより、彼のピアノが、か。そう受け取れるようなラストシーンになっていたと思う。そうでなく、一人のピアニストの一生を描くつもりだったなら、彼の幼少のころピアノの才能を発揮するシーンから始めるのではないかなぁ。「神様に愛されたピアニストは戦場で生き残った。」そんな風にテーマを感じて、ちょっとだけ胸がモヤモヤ。
8点(2003-12-22 02:23:46)
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