1. 説得 エホバの証人と輸血拒否事件
無信仰の私にとっては、今作で描かれる父親の姿はほとんど理解できるものではないし、正直反感を覚える。しかし、彼らの行動の是非は別とすれば、その行動が揺るぎない信念によるものであることは理解できるし、彼らがそれを信じ、それをもって自分の生きる道を誇りを持って歩んでいる以上、他者が安易に否定できるものではないのだろうと思う。あまりに哀しい事件ではあるが、大多数の常識と反しているからといって、すべての人たちにその常識を押し付けることは出来ないということを今作はまざまざと物語っている。 [ビデオ(字幕)] 6点(2004-02-18 17:49:04) |
2. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
何を置いても曲のある退役軍人を濃厚に演じるアル・パチーノの存在感とそのパフォーマンスが素晴らしい。渋くカッコ良さを存分に魅せながら同時に人間の哀愁をまざまざと感じさせることにおいて彼ほど秀でた俳優は他にいないのではないか。アル・パチーノというと若い頃のギラギラとした雰囲気が印象深い人も多いと思うが、昨今ますますその磨きのかかった老獪さに尊敬の畏怖さえ感じる。クライマックスでは感動的というよりも、人間として身震いを感じた。 [ビデオ(字幕)] 8点(2003-12-13 20:59:43) |
3. 絶体×絶命
正義対悪の構図で、正義はアンディ・ガルシアであるが、この映画の場合何といっても悪であるマイケル・キートンの存在感が目を引く。IQ200の超凶悪犯であると同時に主人公の息子の唯一のドナー適合者であるというなんとも奇異な役どころを魅力たっぷりに演じていた。最後の最後までキートンの悪役ぶりにシビれさせられる。 [映画館(字幕)] 8点(2003-11-08 11:57:11) |
4. 戦火の勇気
一見すると、らしくないメグ・ライアンのシリアスな演技に違和感を感じるかもしれないけど、映画的には、兵士たちの食い違う証言を巧みに描いた秀逸な戦場サスペンスに仕上がっている。ラブコメでないメグの演技にかまえてしまう部分はあるが、謎に包まれた女性軍曹を魅力的に演じていた。意外に観るごとに味わい深さが広がる映画だった。 8点(2003-10-23 10:48:24) |
5. セブン
サスペンス映画において今作よりもストーリーが秀逸な作品は多々あるが、今作より「見せる」作品は少ないと思う。デビット・フィンチャーによる映像によるキリキリとした空気感は見事で、ラストの衝撃まで緊迫感に締め付けられる。 [ビデオ(字幕)] 10点(2003-10-11 15:45:32) |