1. 千と千尋の神隠し
《ネタバレ》 主人公以外のキャラクターに愛情を注ぎ込みすぎて、千尋の成長過程を描くのがおろそかになっていると思います。また、千尋が現実の世界に戻ることに執着したり、両親を人間の姿に戻したいと切に願っているようにも見えないので、千尋が現実の世界に帰る時の後ろ髪引かれる思いや両親が人間に戻った時の嬉しさが伝わって来ません。 6点(2003-12-04 16:21:27) |
2. セブン
《ネタバレ》 2人の刑事が7つの大罪になぞらえた死を捜査し、事件の全容を解き明かしていくというストーリー。しかしこの映画では犯人が誰なのかということには主眼が置かれていません。ミルズ刑事(ブラピ)が犯人を殺すべきか殺さざるべきかという葛藤がこの映画のメイン・テーマなのです。同じ状況で「自分ならこうする」という予測は立てられても、ミズル刑事が最終的にどう行動するかは彼自身も迷っていたし、他の誰にも分からないのです。そしてその行動が正しかったのか、そうでなかったのかも分からない。常識を超えたサスペンス映画です。 9点(2003-12-04 15:48:26) |
3. セントラル・ステーション
人の幸せを真剣に考えてあげるのって難しいよね。 6点(2003-12-04 03:44:11) |
4. セッション9
《ネタバレ》 自分も2人のオッサンを混同してしまいました。何度、巻き戻して確認しようかと思ったことか…。内容について…。ストーリーや雰囲気には惹き付けられるものがあったので、もう少しクライマックスの部分を盛り上げてくれれば良かったんですけどね~。あっさりし過ぎな感じがしました。 6点(2003-12-04 03:39:21) |
5. 聖なる嘘つき/その名はジェイコブ
《ネタバレ》 ジェイコブはどこにでもいる普通の男という役柄なんだけど、ロビン・ウィリアムズが普通の男に見えません。ロビンなら何かやらかしてくれるという期待感を持ってみてしまうと感動が薄くなります。内容についてはゲットーに住む人全ての希望と絶望の両方を背負い込むことになったことの苦悩と、ウソをつき続くべきか本当の事を言うべきかという葛藤をもっと分かりやすく描いて欲しかったです。でも、過剰な演出が無かったのが逆に涙を誘うのかもしれませんけどね。 8点(2003-12-04 03:25:03) |
6. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 ユダヤ人に対するナチスのホロコーストを必死に生き抜いた実在のユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン氏の回想録を忠実に再現した物語。監督のロマン・ポランスキーもワルシャワ空爆の生存者だというから、この映画は映画監督としてポランスキーが最も撮りたかった映画なんだろうと思います。「映画」なんてものは1つの視点でしかありませんから、これが完全な事実であるとは思いません。しかし、シュピルマン氏が経験してきた一連の出来事、そして空腹感、孤独、寒さ、恐怖、不安・・・等は映画という枠組みでは表現できないほどの辛さがあったものと思います。ワルシャワのゲットーに送られた50万人のうち、生き残ったユダヤ人は20人と言われています。その数少ない生き残りとなった彼の体験を、映画とはいえ目の当たりにしてしまっては、もはや映画の技術的な批評も出来ようがありませんし自分の拙い表現でこの映画の感想を語ることすら申し訳無く思います。ましてや、「おもしろい」とか「おもしろくない」とかという次元の話では無く、もっち~としてはただただこの事実を少しでも受け止めることが出来たら・・・という気持ちでいっぱいでした。ちなみに、シュピルマン氏を助けてくれたドイツ人将校は収容所で亡くなってしまったそうですが、シュピルマン氏は収容所に送られた彼を何とかして助けようと試みたそうです。それでも当時はどんな理由であれ、戦犯のドイツ人を助ける事は不可能に近かったのでしょうね。シュピルマン氏が書いた回想録では恩人であるドイツ人将校のことを「オーストリア人」と書いていたそうですが、その回想録はドイツ人もユダヤ人も公平に書かれるという理由で共産党当局に出版差し止めにされたというくらいですから、その時ドイツ人の戦犯を助ける事が如何に難しかったのかが分かります(公式HP参照)。なので、「ドイツ人の恩人を助けなかった」とシュピルマン氏を非難することは誰にも出来ないと思います。 10点(2003-11-25 22:36:31) |