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放浪紳士チャーリーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1465
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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1.  生徒諸君!
庄司陽子の原作マンガは姉貴が持ってたんで途中まで熱心に読んでました。連ドラもアニメ化も欠かさず観てて、主題歌のワンフレーズ、今でもソラで歌えます。♪ハッピー、ナッキー、プリティ~、ハイ!はい!はーい、せいーと諸君ッ~♪と。原作ファンもそれなりに満足させ、KYON2ファンの期待をも裏切らない「アイドル映画」としては極めて優秀な出来栄え。が、それ以上でもそれ以下でもない。デビュー当時のまだ猫被ってた、断髪前のコイズミさんの方が好きだった私は少数派でした。
[映画館(邦画)] 6点(2024-05-09 22:37:18)
2.  戦略空軍命令 《ネタバレ》 
『甦る熱球』(8点)『グレン・ミラー物語』(9点)に続く、J・スチュアート&J・アリスンコンビ三部作の最終作。ずっと観たかった作品ではありますが、果たして観てよかったかどうかとなると・・・・、正直う~ん・・・と、返答に困ってしまう、そんな映画でしたね。出来としては前二作よりぐっと落ちる。良かった点、何点か。このお二人のツーショット、やっぱり画になります。前二作とは異なり最初っから仲睦まじい夫婦役。コンビ三作目ともなると同じような展開だと観客も飽きますからね。にしても、どこか既視感を感じたのは否めない。イーディス・ヘッド女史の衣装は毎度のごとくセンス抜群で古き良き50年代の雰囲気を漂わせてくれます。悪かった点、まず全編通じてドラマが殆ど起こらなくて退屈。戦闘爆撃機マニアならともかく、内部の紹介にやたら時間を費やされても困ってしまう。無事に横田基地に辿り着けるのかどうかがクライマックスだけれど、手に汗握るほどの緊迫感はナシ。空軍のPR映画としての役割を担っていたに違いないが、それにしても付随するドラマに起伏がなさすぎ。第二次大戦中、実際に空軍大佐だったJ・スチュアートをこの役に持ってきたのもPRとしては意義があったと思われるが、映画の出来とはまた別のハナシ。やけに勇壮に流れまくるV・ヤングの音楽も、空々しく聞こえて仕方なかった。数多くの話題作を残したアンソニー・マン監督とJ・スチュアートとのコンビ作としても、これが結局オーラスになってしまったが、有終の美を飾る作品にならなかった事は残念無念。
[DVD(字幕)] 6点(2022-08-24 17:31:32)
3.  セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転進 《ネタバレ》 
ロック・ハドソンと言えばまず私が偏愛する『ジャイアンツ』(10点)の主人公、次にドリス・デイとのコンビで量産されたライトコメディ作品群での明朗で粋なスーツ姿がイメージとして真っ先に浮かんできます。おそらくこの映画、その作品群がマンネリで飽きられ始めた時期に、演技派へのシフトチェンジを狙い主演したのではないかと。結果的には及第点。外見をチェンジして全く別の人間として再生するって内容は、アニメやドラマでも今となってはさほど目新しくないネタだけれど、おそらくこれが先駆けになった映画じゃないかな。しかもかなり大仕掛け。導入部から手術直後の、外見がイケメンロック君になるまでは、モノクロの凝ったカメラワークも独特で、これ世紀の大傑作ちゃうんか~?って、期待したけれど「転身」してからが少々失速。ワイン祭り?のシークエンスとか、やたら長ったらしい。主人公が徐々に錯乱していく様を描きたかったんだろうけど、観ているこっちまで不快指数MAXでアタマがやられそうに。題材的にこの種の映画の先駆けという点、只事ではない秀逸なカメラワーク、ラストに向けまたグッとテンションが盛り上がるのでこの点数で。良く出来た実験作だと思います。観ながら何故かカフカ原作の『審判』(7点)を思い出しました。内容は違うけれど、あれもモノクロ画面がやたら怖かった。
[DVD(字幕)] 7点(2022-07-18 22:37:44)
4.  セールスマンの死(1951)
これもジュネス企画さんが出しているDVDシリーズからの鑑賞。有名な舞台劇として昔から名前だけは聞き覚えがあった、アーサー・ミラー原作「セールスマンの死」。まさか、まさか、こんなオハナシだったとは!!邦画の秀作「Wの悲劇」(10点)の中でも、「翔ちゃん、どうだった?ブロードウェイのセールスマンの死は?」「どうしてトニー賞取れなかったのかしらね~?」って台詞に出てきたり、欧米の舞台ではおそらく何回も上演されている著名な、さぞかし面白い舞台劇なんだろうな~とずっと今まで信じこんでいました。だから余計この内容に驚愕したのかも。決して「面白い!」と、諸手を挙げて万人にお勧めできる映画ではありません。モノクロだし、キャストも地味さを極めています。のちに「真昼の決闘」を手掛ける、気骨ある製作者スタンリー・クレイマーだからこそできた映画。当時のアメリカ映画の基準でも、こんな娯楽性のない「老いた1人のセールスマンが自滅していく姿」を捉えた映画、ヒットしなかったと思います。若い時の自分が観てたら、多分この陰々滅滅とした暗い展開に、途中で鑑賞を放棄してたジャンルの映画。主人公に全面的な共感は出来ないものの、自分が50歳を過ぎた今、現実があまりに辛すぎるから、楽しかった過去への逃避や妄想に走らざるを得ない気持ちは良く理解出来る。出来るけど、そうなってしまったのは自業自得だろうとも思える。F・マーチといえば「我等の生涯の最良の年」や「必死の逃亡者」で、「理想的なアメリカの父親」を演じてた俳優さん。ここではそのイメージを見事に逆手に取って、ブツブツ独り言を呟きながら駅や街中を徘徊する、一歩間違えたら病院行きのダメダメ親父を演じています。この父親役は演技派の俳優であれば、一度は演じてみたくなる役どころなはず、と思ったらリメイクはダスティン・ホフマンが演っているんですね。イメージぴったり。機会があればレビューでも評価の高いこのリメイク版も是非観てみたい。
[DVD(字幕)] 7点(2018-11-12 21:24:40)
5.  青春かけおち篇
全編にわたって、躁状態のごとく舞台風な誇張コメディ演技をスクリ-ン所狭しと披露する風間&大竹の主役ご両人。つかこうへい氏原作って事で、狙いはわかるけど、デフォルメしすぎのオーバーな舞台演技をスクリーンでずっと見せられ、途中からもう辟易してしまった記憶が。ちょうど同じ時期くらいに公開されていた根岸吉太郎監督「永遠の1/2」、こちらにも大竹しのぶが出演していてごく自然体での演技により好感を持ったのをよく覚えています。芸域が広い女優さんだなあと感心しつつも、この映画を観て以来、彼女のこっち方向のコメディ演技に関しては、ちと僕は若干拒否反応を起こすようになり。
[映画館(邦画)] 5点(2018-11-02 23:38:45)
6.  世界にひとつのプレイブック 《ネタバレ》 
これは今が旬のスター、ブラッドリー・クーパー君とジェニファー・ローレンス嬢の輝きを観に行く映画ですね。演技4部門含む本年度オスカー主要8部門ノミネート作品!と、殊更に肩肘張って構えて観に行っちゃうと、あまりの軽妙さに拍子抜けしてしまうはず。月並みな役者が演じてたら、まず感情移入そのものがかなり厳しい、アダルトチルドレン的欠点だらけのヒーローとヒロイン。普通はどっちかがダメ人間ならどっちかがしっかり者っていうのが定石だけれど、この映画は二人とも危なっかしいダメ人間っていう設定なのが新機軸。おそらく現実社会で身近にいたら、なかなか受け入れにくいタイプの人間。この不安定なダメダメコンビを、ラストのセクスィーダンス大会でハラハラしつつも応援してあげたくなるような共感水準まで押し上げたのは、やはり主役ご両人の魅力あってこそ。初デートでのレストランのいちいち噛み合わないちぐはぐな会話が特に笑えました。ただこの内容で2時間超えはちょっと長いかなあ・・・。余計な部分をちょっと刈り取って、両親や友達との絆なんかは、もう少しペーソスを込めて描いても良かったように思います。久々のオスカーノミネートの御大デ・ニーロも、意外に見せ場なし。じっくり描くべき部分を、意図的にかなぜかサラッと流してしまっているのがもったいないなあという印象。実は観る前、めっちゃ感動するつもりで臨んだんやけど、残念ながらそこまでではなかった(笑)まあ、相も変わらず甘チャンの自分は、ハッピーエンドの結末が嬉しかったのでこの点数で。
[映画館(字幕)] 7点(2013-02-22 23:58:45)
7.  センター・オブ・ジ・アース(ブレンダン・フレイザー主演) 《ネタバレ》 
「インディ」シリーズや「ジュラシック・パーク」やら、その手のアドベンチャー映画の名シーンをいいとこどりして3Dにして再版しちゃいましたっていう映画ですね。あまりにあからさまな、ある意味素直(?)で堂々たるパクリっぷりなので、逆に微笑ましくも感じられ腹も立ちません。春休み中の子供たちは、夕べはさぞかし大喜びしたんじゃないかと。絶対生還出来るっていう保証さえあれば(←人生すっかり守りに入ってしまってるヤツの思考)このアトラクション参加してみてえなあ・・・。あ、でもそれじゃスリルがなくなるかぁ・・・。よく見ると、役者もあんまりカラダ張ってないよね(笑)久しぶりに地上波放映の映画を観ましたが、バラエティ番組と同様に、今や映画もコマーシャルの前の映像を再度繰り返し流して放映時間を水増しするようになってたんですねぇ・・・おやおや。平面2D版鑑賞のためこの点数止まりで。
[地上波(吹替)] 5点(2012-03-26 14:24:29)
8.  西部の男
う~ん・・・主役クーパー氏が自称「流れ者」って言ってる割には、なんだか粋すぎますねえ~。どっからどう見てたって、吹きまくる西部の砂塵で汚れている荒くれ男にはとても見えません。着ているお洋服にしたって、まるでニューヨークの五番街で誂えたような、お洒落度満点のタータンチェック柄の小奇麗なシャツを粋に着こなしてるし。巨匠ワイラー監督が撮った二本のウエスタンの一本ですが、「大いなる西部」(9点)ほど、血沸き肉躍るほどの展開ではなかったのが残念。むしろこの映画はクーパー氏の映画というより、ミーハーな悪徳判事ロイ・ビーンを演じた、ウエスタンでは顔なじみウォルター・ブレナン爺の為の映画だと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2011-05-29 23:42:59)
9.  セント・エルモス・ファイアー
昨晩「ゴースト」でのショートカット・デミを観ていたら、この映画でのロングヘア・デミを思い出しました。これも高校時代にサントラ盤擦り切れるまで、夜中聴きまくったなあ・・・。映画よりサントラの出来の方が良かった?かも。パクリドラマとして非難を浴びた「愛という名のもとに」が放映されたのだって、既にもう約20年前ですからねえ・・・。俺も歳食うわけだ。でも「ファンダンゴ」ほど思い入れがないのは、主演ロブ・ロウとケビン・コスナーとの好き度と器の差か。この頃「アウトサイダー」から始まった、YAスター(←結局日本だけの造語?)主演の、青春映画の佳作群が相次いで公開されてましたね。
[ビデオ(字幕)] 6点(2010-11-27 13:31:02)
10.  ゼロの焦点(2009) 《ネタバレ》 
これは野村芳太郎版オリジナル(7点)でも書いた事だけど、行方不明になった夫を雪の北陸まで探しに行く広末涼子が演じた、ヒロイン禎子(旧作では久我美子)という役は、後半になるにつれ影が薄くなってしまう非常に損な役。これは誰が演じても同じ事。どうしても悲しい過去を持つふたりの女、中谷美紀&木村多江(旧作では高千穂ひづる&有馬稲子)の存在の方がこのストーリー全体に、より深い陰影を与えるのはやむをえない。特に今回、中谷のタカピシャ演技が役の個性と見事にピタリはまった。見るからに薄幸木村の方言台詞もグッド。どうしても広末に批判が集中しがちなようですが、損な役どころとはいえ、この一本の大作を支えきった彼女の地道な努力は認めてあげるべき。松本清張生誕100年記念なんて事にこだわらず、こういう旬の女優たちの魅力が堪能できる名作ミステリー、もっともっと製作されてほしい。
[映画館(邦画)] 6点(2009-12-25 11:20:54)(良:1票)
11.  潜行者
後に秀作ウエスタン「決断の3時10分」、「避暑地の出来事」、「スペンサーの山」等、自分好みの作品を多数撮る事になる、デルマー・デイビス監督初期の作品。ボギー&ローレン・バコール夫妻のツーショット共演が売りの底が浅いサスペンス。前半三分の一くらいまでの脱獄囚主人公、一人称視点のカメラワークが非常に実験的で興味を惹かれました。別にボギーのファンでもないので、彼の顔が全編拝めなくても自分的は全く問題なかったんですが、やはり大スターの顔を画面に出さないわけにはいかなかったらしく・・・(笑)役柄としては正体不明ですが、ローレン・バコールのクールに冴えわたる美貌と、シーンごとに変わる衣装は全くもって目の保養で惚れ惚れ。彼女の美しさはモノクロ画面の方が良く映えますね。正直穴だらけのサスペンスですが、前半部分の実験精神を高く買います!
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-19 10:37:17)
12.  セイ・エニシング
80年代の青春映画から出て来て、いまだに主役を張っている男優なんてトム・クルーズとキーファー・サザーランド、そしてこのジョン・キューザック位じゃないすか?他の二人と比較しても、わっという人気が出た訳でもなく、存在としては地味なのにここまで主役級で生き残っているのは、この人って脚本を択ぶ選択眼と自分を客観視する能力がやっぱり優れているんだと思います。最初出て来た頃は、姉ジョーンの付録みたいだったのになあ・・・。この初主演作品でも持ち前の「とっぽい(←死語?)けど恋には一途な兄ちゃん」っぷりがはまっています。愛情表現がいじらしい。今現在は、とっぽい父親ぶりが板についてきた感じですが、このまま歳喰ってもいつかは「とっぽい爺ちゃん」になれるであろう貴重な役者さんだと思います。後に「あの頃、ペニーレインと」を撮った監督作品っていうのも納得。非常に作品の雰囲気が似てますね。
[DVD(字幕)] 6点(2009-02-22 09:53:58)(良:1票)
13.  セクシー地帯
石井輝男監督、地帯(ライン)シリーズ鑑賞第三作目。一番最初に観た「黄色(イエロー)地帯」のレビューで、「これはお好きな方はたまらない好事家好みの映画」とレビューで断言しましたが、何本か観るにつれて、私自身もこのシリーズに関して立派な好事家である事が判明しました(笑)銀座のド真ん中、和光の時計台の前等での大ロケーションにも関わらず、画面から漂ってくるのは、相変わらずの場末感というか、いかがわしさというか、猥雑な雰囲気なのがこのシリーズ何よりの特徴。同時期製作の「明るく健全な」日活アクション映画が銀座の目抜き通り的イメージなら、こちら新東宝のアクション映画というのは、同じ銀座でも有楽町あたりのガード下ジメジメした脇道のイメージ。でも自分はどっちも好き。自分という人間のダークな部分の二面性を、このシリーズで試されているような感じです。ヒロインを演じる三原葉子は、このシリーズどの作品でもあっけらかんとした明るさで、もっともっとドス黒い暗鬱さに陥る半歩手前で救っていて素晴らしいと思います。ストーリーは・・・えっと・・・もうどうでもいいや。
[DVD(邦画)] 7点(2008-12-14 10:23:50)(良:1票)
14.  青銅の基督
摩訶不思議な壮大なる大作にして大怪作。舞台は江戸時代の長崎。隠れキリシタン捕縛の為、踏み絵の「青銅の基督(キリスト)」像を精魂込めて作り上げた職人(岡田英次)と、敬虔なキリシタンである可憐な娘、モニカ(香川京子)の物語。セットにも厚みがあるし、いかにもリキ入れて作りましたっていう印象の大作ではあるんだが・・・。本来なら脇役であるはずの、転び伴天連神父(滝沢修)に物語の焦点を合わせたせいで、著しく作品のバランスを欠いてしまうという恐るべき結果に。そもそも日本人にしか見えない役者を、外国人神父に仕立て怪しげな言葉を操って演じさせるという事が、いかに間抜けに見えるか製作途中で何で誰も指摘しなかったのか不思議。同監督「現代人」(8点)でも、水を得たような好演だった山田五十鈴がここでも妖艶な魅力を存分に発揮。「さ、足をお舐め!」と神父に命じるシーンは「現代人」で二枚目池部良を足蹴に扱うシーンと好一対。主要人物のほぼ全員が○◎されてしまうという衝撃の結末にはビックリ仰天。(池袋文芸座「香川京子特集」にて鑑賞)→
[映画館(邦画)] 5点(2008-10-31 12:51:47)
15.  セックス・チェック 第二の性
北京オリンピック記念レビュー。タイトルはアレですが一応ちゃんとしたスポーツ映画。100メートル走でオリンピックを目指す俊足の女性が実は両性具有者(?)だった!!っていうあらすじ、どっかで聞いた事あるって思ったら、前にこれ雛形あきこが主役で連ドラでリメイクされてましたよね。しかし当時の雛形あきこやら安田道代やら、皮下脂肪のやたら厚そうな女性を、よくも実は両性具有だったってなんていうヒロインにキャスティングしたもんだよなあ・・・。全編脂ギッシュな若き日の緒形拳、狂っていく小川真由美とかそれなりに見所があるけれど、こういう扇情的な題材をウリにしなければならなかった当時の大映、いうなれば邦画界全体の苦しい台所事情が伺えます。私は「半陰陽」について全く知識がないんですが、男とセックスしまくって女性ホルモンを分泌させればそんな簡単に治るものなんでしょうか?(笑)その辺が自分にはなんだかもやもやして、何だがうまく納得出来ない。ただ一つ理解出来た事は、明らかに趣味と実益を兼ねヒロインを抱いている(←ようにしか見えない)緒形拳の飽くなき欲望への忠実さでしょうか。
[DVD(邦画)] 5点(2008-08-31 09:52:31)
16.  聖衣 《ネタバレ》 
続編「ディミトリアスと闘士」から先に観てしまうという掟破りの鑑賞法。続編の冒頭で、この作品の結末が明示されていたので、ああ、多分これがこうなってああいう結末になるんだなあって見てると、まさしくその予想通りになる(笑)続編は娯楽大衆色が強いスペクタクル的アプローチに対し、こちらはより宗教的、しかも大真面目で立派な作りになってますね。世界初シネマスコープ方式採用作品として、映画史に残る著名な映画ですが、今となってはブラウン管で見る限りどうという事もない。キリスト教信者の方なら、これは非常に有難いっていう内容なのかな?信者でない自分にはその辺は良くわかりかねます。DVDジャケットの逝っちゃってる(←悟りを開いたともいう)護民兵リチャード・バートンの表情がこの映画の全てを語っているとも言ってよいかも。まだ信仰がそれほど篤いようには見えない、ダイアナ(ジーン・シモンズ!美しい!)を神の国に連れて行くっていう結末は・・・ど~なんだろねえ・・・。ラストシーン、お二人のあまりに幸福そうな表情を見ると、キリスト教に限らず宗教とはまるで縁がない自分としてはちょいと複雑な気分に。まあ当人さえよければそれで大円団なのか。ハ~レ~ル~ヤ~!!
[DVD(字幕)] 6点(2008-05-09 11:51:15)
17.  世界大戦争 《ネタバレ》 
・・・申し訳ありません。本当に不謹慎ながら、私はこの映画途中までずっと、「一体、いつ戦争始まるんだろう~?」といとも呑気に構えて観てました・・・。二度の未遂、あとタイトルの漠然とした軽やかさ?からか、もっと荒唐無稽な「地球防衛軍」みたいな内容か、夢オチになると踏んでたんです。ところが、まさかまさかの終盤、世界終末無常観満載のこんな絶望的なクライマックスが控えていようとは夢にも思わず・・・。何となくその前年に公開されたアメリカ映画の「渚にて」に触発され、当時のニッポン映画特撮技術陣の粋を集め大いに意気込んで製作されたフシがありますね。無論、核兵器唯一の被爆国として当時の世界情勢を黙って見てはいられないっていう怒りも画面から受け取れる。「兄弟たちよ!まだ時間はある・・・」「渚にて」の最後のメッセージは、この映画にこそよりふさわしかったように思います。点数が低めなのは、考えていた内容とのあまりのギャップに驚愕した、浅はかな自分の不徳を戒めるが故とお考え下さい。東宝さん、これ今リメイクしたら如何すか?あ、でも相応しい役者がいないか・・・。
[DVD(邦画)] 6点(2008-02-24 13:40:08)
18.  潜水服は蝶の夢を見る 《ネタバレ》 
何だかものすごい作品を観てしまったような気がするんだけれど、体質的にどうもこれは自分が苦手とするタイプの映画でした。そもそも、「自伝の映画化」とか「自伝に基づいての映画化」作品に今までも高得点付けた事なかったんだよなあ・・・これは迂闊でした。最初から延々と一人称のカメラワークで展開されるので、いっその事幸福だった時の回想シーンと、鏡に映る現在の自分の姿、潜水服のまま海中に沈んでいくイメージ以外の描写を総て一人称で押し通してしまった方が作品としてよりインパクトがあったのでは・・・、画面を見ながらずっとそんな事を考えてました。流石にそれは画面的に窮屈で無謀か?でもこの監督はそれに挑戦するだけの力量のある方だと思います。一番スリリングなシーン、主人公の不倫相手に奥さん自らが愛のメッセージを一字一句伝えるシーン、ここはホントドキドキした。腐敗するからと、目のまぶたを縫い付けるシーンはイタかったっす・・・。今年のアカデミー賞の撮影賞は、この作品かなり有力なのかなあと。<結論>お勧め出来る立派な感動作だとは思うけれど、好きか嫌いかで問われれば・・・自分は苦手な映画と答えます。
[映画館(字幕)] 6点(2008-02-10 10:29:53)
19.  世界中がアイ・ラヴ・ユー
拡大解釈すれば同じく、「世界は愛であふれている」テーマに沿った、私の大好きな「ラブ・アクチュアリー」のミュージカル版と言っても差し支えないこの作品。が、どうもここに出てくる登場人物は、み~んなどこか小賢しいいわゆる「大人的打算」が働いていて(ウッディ・アレン作品だから当然だけど)愛する事に真に一途な人間が一人も出てこない。それが今ひとつ、観終えた後心からハッピーな気持ちになれない原因かと思われます。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-02 13:39:00)
20.  セルラー
やっぱりサスペンス映画はこれ位切れ味鋭く、観客にもサービス精神旺盛でなくちゃいかんでしょう。悪役良ければ映画の出来も良しのセオリー通り、悪徳警官のボスにジェイソン・ステイサムをキャスティングした事が一番の勝因だと思います。終始余裕の表情で獲物(キム女史)をいたぶり、脅迫者(クリス君)を挑発する、世界一カッコイイハゲ=ジェイソンの憎々しげな事!このヒト、やっぱり声が良いですね。多少Mっ気のある女性ならこの声でいたぶられてみたいって思ってしまうんじゃないでしょうか?(←おっと)時おりユーモアも交えた展開、人物の職業、小道具もひとつも無駄にする事なく、95分の中に手際よく収めた監督の手腕も大いに買われるべき。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-16 10:24:44)
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