2. 千年女優
《ネタバレ》 アニメーションの特性を活かしたまさに「女の一生」。人生と映画がシンクロしながら進む展開は、その場面転換の鮮やかさも含めて実に優美です。なめらかです。昔の女優、昔の映画撮影の現場など、その当時のムードもよく出ていて、それに振り回される男2人も狂言回しに徹して面白く出来ています。現実と映画で描かれる虚構の世界との境目が段々失われていくあたりからは、多少画面についていけない独走っぷりが発揮されますが、ラストの台詞で納得。永遠に女優である限り、自分を愛せないではいられない。そんな自分が愛おしい、そんな自分こそあらゆる物語の主人公なのよ、と。映画全体がこの女優のためのものであることを描いたエゴにも近いラスト。でも、観てしまうのはこの女優の術中にまんまとはめられているってことですね。 7点(2004-04-06 09:34:10) |