2. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 封切の頃から観たい観たいと思いつつ、遅ればせながらようやく鑑賞。ポーランドとともにドキュメンタリーのような重くて苦しくて長い時間から私もようやく開放。 シュピルマンがショパンの20番を引き終わった後、月光に照らされたドイツ将校の息を呑む表情がとても印象的だった。多分画面を見る私も同じ顔をしていたと思う。最後のエンドロールのアンスピ&大ポロは優しすぎるピアノの音に涙がポロポロこぼれてきた。 ホロコースト関連の映画には興味をひかれてよく見るが、なぜユダヤ人がこれほどの地獄を味わわなければならなかったのか、この映画でもその説明は一切ないし、私もいまだに納得いく説明が得られない。何の理由もなくドイツ兵によって気まぐれに群集から数分の一の確率で抽出され、うつぶせにされて死んでいくという虫けらのような終末。 神が与えた試練なのだとすれば、この人たちは一体なんの因果応報だったのか? 旅行で訪れた原爆資料館で感じた答えの出ない疑問をまた繰り返し考えた。 しかし、映画を単純に史実と同化させることには違和感があり、特に日本=ドイツという世界観で描かれる対日本軍被害国の戦争映画とこのアカデミー賞まで獲得した芸術映画とは根本的に違う!と言い切れる自信もないので、近いうちシュピルマンの原作や関連書籍を図書館で探すことに決めた。へぇ~息子さんは日本の大学教授なんだねぇ・・・。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-18 19:38:57) |