1. 聖衣
クリスマスイブに見ました。 ちょうどその頃、ジョン・レノンの特集番組が沢山放送されていて、その番組と本作が重なってしまいました。 ジョン・レノンは救世主イエス・キリストに例えられるのではと。 そう見ていくと、ポールはペトロといったところか。 では、主人公のマーセラスは誰かと考えてみると…。 それは私自身では…。 こうして物語を自分に重なてしまうと、主人公である自分は最終的にどこへ向かうのか。 勘違いすると、ジョン・レノンを暗殺したマーク・チャップマンになりかねない。 そう考えると、むやみに物語を自分に重ね合わせるものではないなと思いました。 私はクリスチャンではありませんが、心に訴えかけてくる映画ではありました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-25 18:41:35) |
2. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 この映画見ると食べ物の好き嫌いがなくなるような気がします。 主人公は何でも美味しそうに食べます。 見ていて、あっという間に終わってしまう魅力を感じました。 将校がピアノの演奏に感動しなければ彼は生き延びてはいなかったでしょう。 芸術の良し悪しは主観では語れませんが、才能があったからこそ彼は長生きできたんでしょうね。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-02-04 22:53:40) |
3. 戦慄の絆
何が言いたいのか全くわかりませんでした。 こういう好き勝手に映画作って、それなりに生き延びているクローネンバーグを私は許すことが出来ません。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2020-01-03 07:21:48) |
4. 聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
《ネタバレ》 簡単に言っちゃうと、酒飲みながら手術をして殺してしまった医師の家族に復讐するストーカー青年の話。 勿論、酒飲んで手術した主人公が悪いんだけど、その代償に家族の一人を生贄(いけにえ)にしろって言う青年が気持ち悪いったらない。 突然下半身不随になってしまう子供達。 妻は子供はこれからも産めるとか言ってるし。 ちょっと「?」ってところもあるけど、まあまあ楽しめる映画でした。 主人公にとってはバッドエンドなので、まだ見ていない方はご注意を。 [DVD(字幕)] 6点(2019-10-12 23:30:04) |
5. 戦争と平和(1956)
オードリー・ヘップバーンの特集で、吹き替え鑑賞だったのですが、ヘンリー・フォンダの声に小山力也は、ちょっと無理があるんじゃないでしょうか? 主役のクレジットはオードリーですが、肝心の本人は本編の3分の1も登場しません。 無駄にエキストラを使っている戦争シーンと韓国ドラマ以下のメロドラマを織り交ぜ、3時間半は「時間を返せ!」って言いたくなりました。 所詮オードリーは客寄せパンダ。 でも、本作を鑑賞すれば、他のオードリー主演の駄作もそれなりに評価が高くなるかもしれません。 [CS・衛星(吹替)] 3点(2015-12-27 14:13:30) |
6. 西部戦線異状なし<TVM>(1979)
このサイトでは上映時間128分と書かれているが、テレビで録画されたものは158分だった。 私は2時間以上の映画は疲れるので見ないようにしている。 今回、見る前から期待していなかったせいか、意外な出来栄えでよかった。 一つ一つのシチュエーションを丁寧に描いてあり、退屈させない。 終始地獄絵巻を見せている訳ではないので、最後まで見ることができた。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-05-22 19:07:17) |
7. セブン
《ネタバレ》 ブラッド・ピットって魅力無いねって言ったら本作を勧められました。 デビッド・フィンチャーの「ドラゴンタトゥーの女」と同じくらい面白かったです。 でも、やはり私にはブラピは魅力無い男でした。 どうして犯人は、あそこまでブラピに執着していたのか理解できませんでした。 ネタバレなしで見たけど、ケビン・スペイシーが犯人役だとわかって、ちょっとガッカリでした。この役者、「アイデンティティー」でも同じような役やっていたので。 それからDVD吹き替えで鑑賞したのですが、野沢那智の声だと一発でわかってしまったので、そこですぐ記者が犯人だと分かってしまったのもマイナス。ここで野沢さんや磯部勉さんを使うのはセンスのなさを感じます。 [ブルーレイ(吹替)] 8点(2015-01-17 09:22:11) |
8. 鮮血の美学
《ネタバレ》 アマゾンで「ヒッチハイク」という映画のレビューを読んでいたら、デビッド・ヘスという人が同じような役を演じていると書かれてあったので観たのですが、犯人のボス役が同じ設定というだけで、「ヒッチハイク」には到底及びません。ベイルマンの「処女の泉」のリメイクとのことですが、公開当時はニューシネマの影響があったのか、中途半端に退廃的で、BGMがミスマッチすぎます。ただ誘拐した女の子二人を森でレイプして、迷子になって行きついた家が偶然被害者の両親の家で、殺害したことがバレて、両親が復讐するだけの内容です。冷たいシーンが続くのに、追いかける警官がガス欠して、ヒッチハイクするシーンにコメディ要素をつけている点など、監督のセンスを疑ったりします。1時間20分ですが、とても長く感じました。つまんなかったです。 [DVD(字幕)] 3点(2014-03-01 19:06:03) |
9. ゼロ・グラビティ
《ネタバレ》 90分で終わる3D映画は私にとって目の負荷がかからなくてよかったです。 「アバター」は辛かった~。 でも、私だけでしょうか?3Dって、目頭が痛くなるんですよね。 で、本作なんですが、アカデミー賞のノミネート作品くらい、一本でも観ておこうと思って、2月の終わりになっての観賞なんですが、また新しい映画を見せてもらったなというのが正直な感想です。 でも、昔の映画のオマージュも沢山散りばめてあって、映画ファンにはたまらないんです。 宇宙という真空空間を「2001年宇宙の旅」を思わせる無音状態や、サンドラ・ブロックが宇宙船の中に入って、宇宙服を脱ぐシーンは、「バーバレラ」の冒頭シーンで、ジェーン・フォンダが宇宙服を脱ぐシーンと、凄くかぶっていて、よく描かれてありました。 本作は映画館で体験するアトラクション・ショーのようにも思えました。 始めは字幕スーパーを読むのに苦労しましたが、終わってみると、字幕読まなくてもよかったんじゃないかと思えるんです。 この主人公の女性と一緒に、宇宙で孤独になり、地球へ脱出することだけを考える。それだけが、本作の狙いだったような気がします。 一度いなくなったジョージ・クルーニーが再び登場しますが、きっと彼は、本読みの時に「俺、ヘルメット被ったままで終わるなんて嫌だよ」と言ったに違いありません。まぁ、これは私の勝手な想像ですけどね(笑)。 サンドラ・ブロックは若くて美人でした。今年50歳とは思えません。 始め、終始ヘルメットを被った状態で演技するのに、どうして彼女が抜擢されたのだろうと思いましたが、先ほど申しました、宇宙服を脱ぐシーンで、彼女の姿が映されたとき、納得しました。サンドラは理想の女性の体をしていると思いました。でも、これだけで主演女優賞は、ちょっと難しいんじゃないか…(苦笑) ところで、この映画が公開されたとき、ネタバレレビューが沢山掲載されて、中には「1分でわかるゼロ・グラビティ」なんてのもユーチューブでUPされて、観なきゃよかったと思いましたが、ある程度ネタバレされても、ここまで面白く作られたと思えるんなら、高評価も頷けます。 DVDソフトを購入しようとまでは思わないので、ギリギリ8点献上です。 因みに、3Dじゃなくても映画の素晴らしさは伝わるんじゃないかというのが、他の人たちと、ちょっと違うところです。 [映画館(字幕)] 8点(2014-03-01 15:53:18) |
10. 千年女優
「東京ゴッドファーザーズ」の今敏監督ということで期待して観賞しました。 今監督の映画は脚本がイマイチというレビューも少なくないですが、私的には満足しました。 沢山登場人物が出てきますが、ヒロインの一人称的ストーリーとして考え、決してつまらない作品ではないと思います。 現実と非現実の交差ともレビューに書かれていたりしますが「perfect blue」や「パプリカ」に比べたら、全く違和感なく観れるかと…。 最後のセリフですが、一人称として彼女だけを追いかけて観れたからこそ私は私なりに納得のいく結末だと思いました。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-09-07 03:40:13) |
11. 先生を流産させる会
《ネタバレ》 タイトル10点。中身5点といったところです。 60分程度の中にどれだけ入れ込むか、なかなか難しかったと思うのですが、毎年テレビで放送されているシナリオコンクールの受賞作品に毛が生えたようなものです。 まず、どうして「先生を流産させる会」を作ったのか描かれていません。 水泳の授業で生理を起こした生徒が理由を物語っているのでしょうか。 「セックスがキモい」それだけでは観客は納得いきません。 それに加えて、会の団結力が弱く、短い時間で一人だけになってしまうのも不完全燃焼です。(60分だから仕方ないか…) 上映時間が短いので許される作品ですね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-04-29 23:16:05) |
12. 戦場のメリークリスマス
《ネタバレ》 上映当時、誰かがホモの映画だと言ったものだから、その先入観に捉われて、それしか残らない。 中盤、たけしが「ファーザークリスマス」と笑うところへテーマ曲が流れるシーンと、やはり、たけしがローレンスに向かって言う最後の一言だけが印象に残った。でも、それしか残らない。 何が言いたかったのか全然メッセージが伝わってこないのが残念。 当時、カンヌでは賞をもらえなかったのに、日本の若者の観客動員を運んだのは、大スター、デビッド・ボウイ、YMОの坂本龍一、ビートたけしだったからに他ならない。 これが、ロバート・レッドフォード、高倉健、緒方拳で、テーマ曲も違っていたら、間違いなくヒットしなかったと思う。 私は脚本を重視して映画を観る人間ですが、この映画の脚本から得るものは全くなかった。 [地上波(邦画)] 4点(2013-02-01 06:09:28)(良:1票) |
13. ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
《ネタバレ》 主人公のダニエルを責めないで下さい。 彼は一つの目標に向かって、ただひたすら生きているだけなのです。 今の世の中、仕事もなく目標も持てず生きている人達はたくさんいます。 穴掘りしか知らないダニエルが死んだ仲間の残した赤ん坊に、ウイスキーの哺乳瓶を与えるのは仕方ありません。 ダニエルは息子のHGを心から愛しています。 女や金さえも目を向けず、石油が飛び出る瞬間の喜びを、観賞する私達も共感することができます。 ダニエルには石油採掘しかないんです。 それがなければ彼の存在価値はないに等しいんです。 私はダニエルのような生き方が羨ましくてなりません。 ラスト、全てを失ったダニエルが、私利私欲に取りつかれたインチキ牧師の若造をボーリングのピンで殴り殺し、「もう終わったよ」と言うセリフには最高のそう快感を味わいました。 シャイニングでも主人公が壁に掛けられた写真に映っているシーンで終わったように同じような感覚を味わったのを覚えています。 本作は字幕より吹き替えのほうが感情の起伏が激しくて面白いです。 [DVD(吹替)] 10点(2012-09-16 22:22:05) |
14. セブン・ビューティーズ
私が観た映画の中でも「肉体の悪魔」と並ぶ10点満点中の10点です。 アカデミー賞で主要4部門ノミネート。なのにDVDはおろかレーザーディスクもありません。 七人の美しい(?)妹たちをもつ名誉を保つことが一番大切!という男の波乱万丈の話です。 このサイトで異色作に高評価を挙げる人達が何故観ていないのか? レンタルショップにもほとんど置かれていませんが、是非探して観ていただきたい作品です。 「トト・ザ・ヒーロー」「時計じかけのオレンジ」「スターシップ・トゥルーパーズ」がお好きなら絶対満点をつけるかと思います。 [ビデオ(字幕)] 10点(2012-01-21 20:12:59) |
15. 切腹
脚本家、橋本忍さんの自伝で書かれていたのですが、実は黒沢明監督は「七人の侍」や「用心棒」のような娯楽作品には興味が薄れて、ただひたすら2時間、切腹のシーンを映す映画を考えていたそうです。脚本を依頼された橋本さんは、これが現実に出来るわけがないと思い、当然、映画会社も却下されたそうです。 その切腹の脚本から生まれたのが本作。 現代社会を皮肉に風刺されたシーンを散りばめながら描かれた武家屋敷の連中、仲代達也さんも脂が乗った時期。時代劇が、暴れん坊将軍だけではないことを証明した日本が誇れる作品だと思います。 [地上波(邦画)] 8点(2011-12-01 00:31:32) |
16. 世代
《ネタバレ》 アンジェイ・ワイダの初監督作品らしいが、この時点でワイダ監督の映画におけるスタイルは確立されている。 ナチスの占領下にあっても「労働者」という人生を楽しく過ごす青年が、美女ドロタが旗揚げした地下組織運動に参加することで人生観が変わっていく。 運動に参加するきっかけが、ドロタへの一目惚れというところに、この映画の甘い匂いを感じさせる。 作品の随所に描かれる、若者と、違う世代の人々の会話が、とてもいい。 「俺たちは労働者だ。これからは名前で呼び合おう」と若者に言う中年男性。 「辛い老後だな」と老人に同情する若者に、 「お前さんもいつか同じ目に逢うさ。だがワシはお前が好きだ。違っているといいが……」 死と隣り合わせに生きる人々の胸が熱くなる会話だ。 そして、やはりラストは名シーンである。 ドロタの運命と主人公スターショの運命の交錯が、希望を描きながらも涙を誘ってしまう。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-04-24 04:17:38) |
17. 接吻 (2006)
《ネタバレ》 以前、小学生8人が犠牲になった死刑囚と獄中結婚した女性の心境がずっと頭から離れなかった。その女性は恐らくクリスチャンかスピリチュアルなものに洗脳された人間だとしか思えなかった。 それに加えて本作のテーマは、秋葉原殺人犯に対する世間からの同情の声も断片にあると思う。 ヒロインはテレビに映った犯人を自分と重ね合わせ、白馬の王子を発見した。 ところが、白馬の王子は自分の考えた通りには動いてくれない。 自分に相談せず弁護士と控訴を決めたことを「裏切り」と判断したヒロインは、愛しの王子に制裁を下す。 仕切りのない部屋のハイライトは突然現実味に欠けてしまったようにもみえるが、台詞、構成、役者も完璧である。 小池栄子はバラエティーなんか辞めて女優業に専念すべき。両刀は絶対駄目。 なぜ弁護士の鞄の中身をチェックしなかったか?なんて考えてはいけない。 本当に完璧な映画なんて存在しないのだから。 でも、弁護士に渡したプレゼントの中身が何だったのか、ほとんどの観客が、ヒロインが鞄から出した時点で分かったと思う。 本作の女性に類似した映画で、ヴィスコンティの「夏の嵐」がある。女性を裏切ると本当に怖い。 [DVD(邦画)] 8点(2009-11-02 06:00:38) |
18. 世界最速のインディアン
「フォレスト・ガンプ」「リトル・ミス・サンシャイン」「ロッキー」「バック・トゥ・ザ・ヒューチャー」それに「寅さん」を鑑賞したときの感覚を一度に味わえた気分です。 冒頭から笑いっぱなしでした。 主人公のおじいちゃんは旅先でいろいろなものを得ていますが、視点を変えると「赤毛のアン」のごとく、出会った人々を次々と幸せにしていってるようにも見えます。ちょっと下品なところもありますが、そこは、いかにも人間臭さが出ていていいところです。 以前、私の友人が90年代にバイクでアメリカ横断をした時、どこの州の人も皆親切でいい人だったと話してくれたのを思い出しました。 私は予備知識なしに鑑賞したのですが、予告編は失敗ですね。邦題も含めて、全くといっていいほど、この映画の魅力を引き出していません。 あんまり薦めすぎると「そこまでは面白くない」と言われそうですが、兎に角、娯楽作品を探している人には大推薦の映画です。 「生き方」も教えてくれます。 因みに、この映画、英語が理解できない人は吹き替えで観ることをお勧めします。 字幕では、全く笑えません。 [DVD(吹替)] 10点(2009-05-30 00:26:00) |
19. セント・オブ・ウーマン/夢の香り
17年前に上映された作品なんですね。予備知識なしに観たのですが、冒頭から主演二人のやりとりに惹きこまれて時間を忘れてしまいました。 障害者を演じると何故か必ず賞をもらえる…以前から「アカデミー賞」というものに偏見を抱いていましたが、もうそんなことどっちでもいいです。 それにしてもタイトルで損してますよね。このタイトルじゃ、あんまり観ようとは思わない。 比較する訳じゃないけど、観終わって「ショーシャンクの空に」と同じ充実感をを味わいました。「希望」です。 92年のバブル期よりも今、この最悪の社会情勢のほうが価値を見いだせるのではないかと思います。 フィクションを馬鹿にする人たちがいますが、自分を見つめ直すきっかけが出来れば、それは価値のあるものだと思います。私にとって本作がそれに当たります。 [DVD(吹替)] 10点(2009-02-03 09:37:32)(良:1票) |