1. 世界最速のインディアン
「夢を追わないやつは野菜と同じだ」 耳も遠くて、前立腺が悪くて、狭心症もちの、そんなジイさんバートだが、何でも笑顔で吹き飛ばす、人生を心から楽しんでいる。 わずかな年金収入で、20年代のオールドバイクに改造に改造を重ね、いつか世界最高速度を出すという夢に向かって、全く老いをいいわけにせず、「心はいつだって18歳だ」 とにかく、そんな彼がたまらなくカッコイイ。 本当に少年のような彼に周りは振り回されるが、最終的にはみんな彼を大好きになる。 改造にかけられる金は僅かなので、日用品をバイクのパーツに代替している、超ハンドメイドバイク。ブレーキもない。 彼の夢であった大塩原を見渡している時の表情に、胸が熱くなった。 映画として特筆すべきところは、全体的な映像の美しさもあるのだが、何よりレース中の画面から伝わってくるスピード感!!凄いです。 この作品を作った監督は、主役の元となった実在の人物バートのドキュメンタリーを制作しており、30年間この映画のアイディアを練っていたらしい。 アンソニー・ホプキンスのキャスティングはとにかく完璧で、本当に素晴らしい演技。誰もが感情移入できると思う。 人生の楽しみ方を忘れかけてしまっている人ほど、この映画の素晴らしさが身に染みるはず。久しぶりの個人的大ヒット映画です。 [DVD(字幕)] 9点(2009-07-18 09:31:58)(良:1票) |