1. セリーヌとジュリーは舟でゆく
《ネタバレ》 どの紹介文もだいたい「不思議の国のアリスに着想を得た傑作ファンタジー」に近いことが書かれていますが、あまり先入観を持たずに観た方がいいかも。かなり「表現のクセが強い」おかげで、絶賛派と理解不能派に大きく分かれそうです。 序盤は、現実世界の中に異世界のシーンがフラッシュ的に混ざり込み、話が進むにつれて、アメを舐めて両方の世界を行ったり来たり、登場人物の役どころも入れ替わったり、ラストに向けての「前フリ」シーンがだんだんと増えていきます。そしてクライマックスでは、とうとう2人が異世界の登場人物として現れ、少女救出に向かいますが、そこにスリルや緊張感などまるでなく、演劇の体験型ワークショップみたいなゆる~い感じで展開し、少女も助かってめでたしめでたし・・・かと思ったら・・・ 解説には「不思議なキャンディで現実と異世界を往復~」と書かれていましたが、本当の現実世界は、イントロとエンディングの「アリスと白ウサギの追いかけっこ」だけなのでは? たぶん、膝をケガしたセリーヌがジュリーの部屋の前にいるところが異世界シーンの始まりで、ボートに乗ったゾンビ(ゴースト?)が現れたところで向こう側のシーンは終了。今度はアリス役とウサギ役が入れ替わり、ゾンビから逃げてケガをしたジュリーがセリーヌの部屋の前に現れてループストーリーが延々と繰り広げられるのか、それとも新しい展開が始まるのか、「さて次はどんなお話になるのかな? 乞うご期待!」みたいなクレジットが入りそうなエンディングで終幕。意味不明な場面もありましたが、鑑賞のポイントはなんとなく理解できたように思えます。 観客だったはずの登場人物が、いつの間にか映画の世界に入り込み・・・という設定はよくありますが、ここまで秀でた構成・演出に出会ったのは初めてかも。また、「世界ツアーの話が舞い込むセリーヌ」や、「小さい頃に世話になったばあやと再会するジュリー」など、現実世界での夢や憧れを描いたシーンは、ストーリーに影響はなくても、全体の中でいいアクセントになっていました。 もっと単純なストーリーかと思ってボヤ~と観ていたので、解釈に自信はありませんが、思っていた以上に楽しめました。ただ、2人の女性の掛け合いが「ウザいな~」と感じる場面が多くて、それだけが少し残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-05-05 19:58:24) |
2. 世界で一番しあわせな食堂
《ネタバレ》 美しい自然やのどかな人々が醸し出すフィンランドの雰囲気と中国テイストとのマッチングが、最後までかみ合っていないように感じました。音楽等でうまく混ぜ合わせようという工夫が、いまひとつ機能しなかった・・・というか、逆効果だったように思えます。 問題を抱えた中国人親子が異国の地で、シルカや地元の人たちに囲まれて徐々に心を開いていく様子がこの映画の基本軸。しかしその軸への肉付け方があまりにも雑。特に、母親を亡くしてこじれてしまった父と子の関係の描き方・掘り下げ方が甘いため、関係が修復していく様子にも感情移入できませんでした。 また、この映画の重要なキーパーツのように登場させたフォントロンも、「えっ、これが答え?」というあっけなさ。思わせぶりな冒頭のフリが全然活かされていませんでしたね。 心地いいフィンランドの空気感や美味しそうな中国料理など、映像や雰囲気はチェンが作る料理レベルなのに、脚本や演出はシルカのマッシュポテト程度といったところ。こういう雰囲気の映画は好きですが、これはちょっと自分には合わなかったようです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2023-04-12 19:15:41) |
3. 聖☆おにいさん
笑えるシーンもあって暇つぶしにはちょうどいい程度。でも一度見れば、旧作DVDレンタル100円でも借りないだろうなあ・・・というレベルでした。原作未読ですが、4コマ漫画を無理やり物語風にしたような感じで、無駄なシーンが多いような印象です。 でももし東京に住むことになったら、立川に住みたいかも・・・と思えるくらい、立川の町の良さ(実際はどうなのか知りませんが)は伝わってきました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2019-03-14 23:11:40) |
4. Seventh Code
思い切り偏見ですが、アイドルの「私、ここまでやれるんです」というドヤ顔を見せられたような気分です。でもカメラワークや映像のカッコ良さは印象に残っています。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-02-04 00:27:42) |
5. セロ弾きのゴーシュ(1982)
素晴らしいですね!セリフもほぼ原作通りだし、宮澤賢治の世界観を見事に表現していると思います。チェロの演奏シーンでは、運指がかなり正確なのには驚きました。最近のアニメならともかく、あの時代にここまでこだわっていたなんてすごいです。ただ「インドの虎狩り」の曲のイメージは、自分のとは少し違っていたのが残念でした。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-12-25 12:37:52) |
6. ゼブラーマン
俳優って「演技力がすべて」だと思っていましたが、やはり知名度や芸能人オーラのようなものも大切なんですね。この映画、どこが面白いかというと、豪華なキャストを使ってくだらないものをマジメに作ってる、という点だけです。もしこの内容で、ものすごく演技力のある無名俳優(舞台などによくいるような・・・)を起用して作っても絶対に面白くないですよね。鈴木京香がゼブラナースをやるから・・・的な面白さだけの映画だと思います。でもこういう映画もアリですよね。中途半端な芸術ごっこ映画よりは楽しめます。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-06-02 13:59:38) |
7. 贅沢な骨
《ネタバレ》 いったい、これを見て何を感じろと・・・。製作者のセンス・力量を疑いたくなる映画でした。これによく似たテイストの海外映画を観ることがありますが、そういう類の作品をめざして大失敗に終わったような印象でした。基本設定はいいと思いますが、まずセリフの内容が陳腐過ぎるし、キスシーンや絡みシーンも「またかよ・・・」って感じで退屈。主役の女性2人の心理描写にいたっては、「70年代後半か?」と思えるほど古臭さを感じました。唯一、なるほどと感心したのは、「私は汚い」というセリフとキャラが見事なくらい合っていたこと。「確かに、この女って汚そう・・・」でした。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2013-03-10 00:45:10) |
8. セッソ・マット
まず、冒頭の画質のひどさに驚きました。内容も同じくらいひどいのかと思っていたら、意外と楽しめる話があり、つい最後まで見てしまいました。とはいえ、さすがに2度見ようとは思えませんが・・・。エロをテーマにした9話のオムニバス映画で、全体的にくだらない話ばかりですが、誰でも一話くらいはハマる話があるかも。ラウラ・アントネッリは、昔のエロ女優として、自分より少し上の年代の男性が夢中になったそうですね。でも今初めて見る人にとっては、特にインパクトもないと思います。50代以上の人が昔を懐かしむという気分の時に見る映画でしょうね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-11-11 20:24:54) |
9. 千夜一夜物語
確か、アラビアン・ナイトをベースにした、大人向けアニメですね。もう40年以上も前、小学1~2年生のころにテレビで放送していて、とてもワクワクしながら見た覚えがあります。その後、大人になってもう一度見る機会がありましたが、やはり初めて見た時のインパクトはありませんでした。DVDも買ったものの、「子供の時のような気持ちにはなれないだろうなあ」ということで、まだ見ていません。いま初めて見る人でもそれなりに楽しめると思いますが、エッチなシーンが多かったと思うので、子供と一緒に見ない方がいいと思います。 [ビデオ(邦画)] 8点(2012-11-09 16:52:46) |
10. 千と千尋の神隠し
これまでジブリ作品ではラピュタが一番好きでしたが、ぶっちぎりでこの作品が№1になりました。特に千尋がカオナシと一緒に電車に乗るシーンは、言葉で表せないくらいの感動を覚えました。美しい色合い、作品の世界観、キャラクターなど、すべてが魅力的でした。これは、ストーリーがどうの、意味がどうしたとか、理屈で理解するのではなく「感じて楽しむ」ための映画だと思いました。ブルーレイは画面は赤くないようなので買う予定です。 [DVD(邦画)] 10点(2012-10-15 12:19:41) |
11. 世界最速のインディアン
《ネタバレ》 とてもいいですね!彼に出会った人すべてが笑顔になり、最後には映画を観た人まで笑顔にしてしまう・・・。これもすべて彼のキャラクターのおかげですね。特に、モーテルの受付の女装している男性に「あなたはとても素敵で魅力的だ」という意味のことを言って、彼(彼女?)が喜ぶシーンがとても印象的でした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-10-27 16:14:49) |
12. 青春デンデケデケデケ
《ネタバレ》 男子高校生が、バンドを組み、バイトして楽器を買い、そして文化祭。仲間や女子とのエピソードも絡めつつ、青春時代を表現・・・というのはありきたりな内容ですが、不思議と飽きることなく、2時間以上の長さも気になりませんでした。自分の高校時代と同じような年代・雰囲気だったこともあって、共感できたのかもしれません。変なドラマティック的盛り上がりがないのが逆にリアル感を高めていたと思います。ただ、突然主人公がカメラに向かって説明したり、安っぽい妄想シーンは、いま見ると邪魔なだけですね。お寺の息子のああいう感じ、かなり好きです。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-07-16 00:39:12) |
13. ゼロの焦点(1961)
《ネタバレ》 崖の上で謎解き、犯人を追い詰める。これぞ2時間ドラマの原点ですね。野村芳太郎監督と橋本忍脚本となれば、面白くならないはずがない!今ではとても考えられない二重生活、その当時なら、可能性として充分ありえたでしょうね。 [ビデオ(邦画)] 7点(2011-07-09 01:51:49) |
14. セクレタリー
《ネタバレ》 生理的に受け付けない人も多そうですが、映画そのものの出来はそれほど悪くないと思います。自分は特にこういう趣味はありませんが、タイプ打ちした原稿を読まされてお尻を叩かれるシーンはすごく興奮しました。ただ、妄想シーンのセットがあまりにもお粗末だったのが残念です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-07-04 22:44:10) |