1. 戦場のピアニスト
自分が一番感動したのはトーマス・クレチマンの前で無我夢中でピアノをむさぼるように弾いているところ。ずっと弾きたくて弾きたくて仕方なかったという姿と、やはりピアノは人の心を癒すのだという事に心から感動した。多分あの将校も「戦争」を拒否するドイツ将校という気持ちを越えて、素直に感動したからこそ助けたんではないだろうかと感じてくる。一つの物語というより一つのドキュメンタリーという風に感じた。アメリカ映画が作るヨーロッパではなく、ヨーロッパで作ったヨーロッパという雰囲気。だからあの空気にすっと入っていく。「ぼくの神様」の時にも同じように感じたのだが、ユダヤ人として誇り高く死んでゆくのがいいのか、それとも生き延びる為にあえて自分の価値観とは反対の行動に走るのがいいのか、どっちともいえないのが現実。ドイツ兵にもああいう考えの人物がいたことを今回のこの映画で初めて知った。それがこの映画の最大の自分にとっての衝撃と感じる。エードリアン・ブロディってインディーズ系で変人っぽい役が多いせいか変なイメージあったけど、実にびっくりした。ああいう風にも出来るのかと・・。エンドクレジットで客が誰も出ていこうとしないのに非常に驚いた。こんなこと初めてかもしれない。 8点(2003-02-27 01:46:13) |