1. ソウ
テンポのいい映画だなと思いました。残酷描写でこちらの推理力を揺るがせて、あっと言う間の100分。ツッコミどころはあるにせよ、ツッコませる時間を与えないリズムもあった。そんな中、劇中の時間が無駄に流れて見えるのは惜しい所。たしか7時間ほどはあったはずの”有余”こちらが”過去の事件”をみている間、アダムとゴードンが無駄に時間を費やしてしまっているように感じられる。疑心暗鬼の罵りあいや、生きようとする執念、焦燥をもっともっと感じたかった。とは言え、『さぁ来いひねりのあるスリラー!』と期待を込めて見た自分を満足させてくれるだけの内容。リアリティある長編小説ではなく、ブラックユーモアのキレの良いショートショートを読んだような後味でした。 7点(2005-03-16 11:43:39) |
2. ソラリス
《ネタバレ》 ソラリスの映像、原作、前作とは異なり、美しい色のガスに被われたような惑星・・脳のシナプスのスパークのような、生物が生まれ出ようとしている卵のような、神秘性が感じられた。ストーリーもザックリと削られたものがありますが、このアプローチでいろいろな空想がひろがり楽しめました。・・コピーを愛してもいいんじゃないか?コピーとして生きてもいいんじゃないか?人はカタチを愛すの?自身の記憶の投影である相手なら満足なの?逆に自分が欲するなら、相手が何者であろうと、場所がどこであろうとかまわないんじゃないか?・・etc。一番好きなのは、”客”も、自分の存在に悩むところ。愛する者の形をしたナニカ、というのはSF、ホラー、サスペンスで見ましたが、それ自身の葛藤を見せたのは自分には今作が初めてで新鮮でした。ソラリスの存在や意図も原作に縛られることなく空想できる余地がまたよかったように思います。クルーニーは自分の中ではニヒルで嫌味な優男だったけど、今作の機微ある演技で見直しました。たしかに多くの方が言う通り、ハンディカメラ、ライティングカラーとかで見せるメリハリはソダーバグのパターンかも知れません。でも意図があって使っている演出だし、スタイルも意図もない監督の仕事よりわかりやすく、きれいだと思います。・・ただ、ここの平均点を考慮して、人にむやみに薦めないようにします(笑 7点(2004-06-28 14:56:21)(良:2票) |
3. その男、凶暴につき
映像でも、雰囲気でもスタイルのある監督は、好き嫌いはっきりしやすくていい。武のスタイルは日本では指折りに好き。淡白なカメラワーク、セリフ、間、一作目からスタイルがあったことに驚かされる。ストーリーがもうちょっと起伏があってもいいなって思うけど・・その辺もスタイルなのかな。。 8点(2003-11-06 18:37:11) |
4. ソードフィッシュ
そりゃーツッコミどころはいっぱいあります。でもオープニングの『狼達の午後』の話をしているシーン、状況だけで2時間集中させるツカミはOK。タスカン・スピードシックス(えげつないほどかっこいい車)まででてきて笑うほど満足。たいしたトリックは期待してなかったから、最後の仕掛けも十分楽しかった。 7点(2003-10-24 13:24:18) |
5. ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版
リアルタイムで小学生の時に見た。今でも一番嫌な死にかたはなんだろうって考えると、ゾンビに食われるとか考えちゃうんだから、軽いトラウマかも。殺すって明確な意志も持たない、知恵や力だってたいしたことないものに食われて、ゾンビになって仲間を食おうとする・・最悪!子供の時に見たから、メッセージなんて考えなかった、ゆっくりと確実に侵食してくる悪夢。 8点(2003-10-16 12:54:05) |