1. ソイレント・グリーン
科学的な問題を予見したことを証明する秀逸なSF映画。〝ソイレント・グリーン〟をめぐるカラクリはひじょうに良く出来ていて、科学的に良くアプローチされていると思う。主演のC・ヘストンもムサいくらいの熱演で、映画によく合っています。今日の現代社会でも、経済状態の悪化、環境問題、人口増加といった問題により、食糧事情が悪化すれば、自給率がどうこう言う問題ではなく、私たちの台所が危機に瀕するという状況が刻一刻と迫っているのです。そう考えれば、末恐ろしい未来像だ。 8点(2002-08-07 00:48:58) |
2. 捜索者
西部劇の最高傑作と名高い作品。確かに一部で言われている差別的感情が存在している作品だと捉えることはできるのですが、客観的に観れば凄い映画だと思います。技巧的には優れていて「これぞ男の西部劇だ!」と言わんばかりのシーンの連続に息を呑むこと間違いなし。デビュー直後のN・ウッドも印象的でノリにノッていると感じさせます。J・フォード流の乾いたユーモアもあり、それが上手に溶け込んでいることも演出の妙か。歴史に残る名作でしょう。 10点(2002-07-16 08:52:40)(良:1票) |
3. 草原の輝き(1961)
カメラに映る情景がまぶしい程の青春映画。名匠エリア・カザンが従来のクラシックなドラマに新風を入れるという作風で、物語の序盤から終盤まで新鮮味溢れる演出を施している。中でもN・ウッドは体を張った熱演で、一際光っている。ここまで上手にまとめた脚本が巧いせいか、ホロ苦いラストが名シーンになっていると思う。ただW・ベイティが高校生には見えない。 10点(2002-03-08 18:01:40) |
4. ソードフィッシュ
どうでもいいけど、よくこの映画を公開する気になったな、ワーナー・ブラザーズ(笑)。まぁそんなことはさておき、いや半年くらい前に観てたらもっと純粋な気持ちで感想を書けたかもしれません。ジョエル・シルバーご自慢(?)のマシンガン撮影は効果的に映るし、トラボルタの悪役も良いと思う。でもいかんせん、一連の同時多発テロ事件が「現実」という世界に存在している以上、少し純粋な気持ちで観れなくなっている現状は少なからずとも自分にありました。なんだか作品の上っ面だけ書いてるけど中身はっていうと、宣伝みたく、やれドンデン返しがあるだの、『錯覚』(=ミスディレクション)があるだの言われていますが、少なくとも私はあまりにオチが陳腐すぎると思った。あまりに強引で、いい加減すぎる。だからこの手の映画だと期待しない方が無難かと私は思います。 6点(2001-10-24 22:48:55) |
5. 存在の耐えられない軽さ
チェコの都市プラハを舞台に繰り広げられる3人の男女の三角関係は、濃いように見えて実は希薄で観ていてつらいものがある。3人には愛という感情がないらしいのだが、それ以上に欲望が勝っているという人間の営みを見事に描けている。邦題も上手いですね。 8点(2001-09-02 10:38:55) |